新体制特集 第4回 西堂久俊×山下雄大

ア式蹴球男子

 昨シーズン、ア式の主力としてチームを支えたMF西堂久俊(スポ4=千葉・市立船橋)とMF山下雄大(スポ4=柏レイソルU18)。ア式での活動も今シーズンで最後となる。3年間を振り返り今、何を思うのか。そして、今シーズン目指すものとは。

※この取材は3月19日に行われたものです。

「良い意味で(山下は)空気」(西堂)

相手と競り合う西堂

――お互いの第一印象を教えてください

山下 千葉の国体があって高校から知り合いで、大学に入ったタイミングではある程度知り合いだった感じなので…。

西堂 第一印象はわからない、覚えてないな(笑)。

山下 高1だから6、7年前…。

西堂 第一印象はマジで覚えていないですね、大学来ても第一印象感は無いから。

――では、今はどういった印象を持っていますか

西堂 今は同部屋なので、ひたすら一緒にいます。

――1番仲が良いですか

西堂 そうじゃないですかね、一緒にいる時間が長いので。雄太(水野、スポ4=熊本・大津)とかも、3人で。

――普段のお二人はどんな方なんですか

西堂 普段! どこまで話したらいいのか。

一同 (笑)

西堂 色々な面で合う部分はありますね。部屋で二人でわちゃわちゃやったり。モニタリングされたらヤバイんですけど(笑)。

山下 それはヤバイ。見られたら本当に(笑)。

西堂 テンションが高い時もあれば、低い時もある。感覚的なとこがあっているのかな。苦なことがあまりないですね。そんな日常ですね。そしてそれも今年で4年目に突入しようとしています(笑)。

山下 (笑)。でも確かに。ほかの同部屋の人たちを見ても、「大丈夫かな」と思うような人たちもいるので。

西堂 いるよね、意外と(笑)。良い意味で(山下は)空気ですね。二人で買い物に行ったり、晩酌したりしますし。居ても居なくても、居心地が変わらないです。そんな部屋は俺らくらいじゃないかな。

――お互いのプレーに対してはどういった印象を持っていますか

西堂 (山下は)うまいですね。基礎技術がとても高いなと感じます。キック、トラップ、あとパスとか。見えている範囲とかも…うまいです(笑)。

山下 彼はドリブルがすごいと思いますね。1人でいけちゃうので。それがチームの強みになっていると思うので、そこが特徴だと思います。

「インカレは、準備期間も含めてイメージは良かった」(山下)

インタビューに答える山下

――関東リーグを振り返っていかがですか

山下 前期は結構頑張って勝ち点を拾っていた感じなのですが、後期を迎えるにあたって前期の反省でチーム的に方針をいじったりしたのが逆にあだとなって…。

西堂 失速したよね。

山下 チーム内ですれ違いというか、かみ合わない感じだったのが、後期で失速した原因だと思います。前期のままでいっていたら後期も順位的にはもうちょっと良かったとは思います。

――チームとしてサッカーの方向性が合わなくなったということですか

西堂 サッカー的な部分で、やりたいことが合わなかったというか、ケガ人もいて…っていう感じですね。

山下 まあでもそれは毎年のことだけどね。

――準備期間も含めて、インカレを振り返っていかがですか

山下 インカレは、準備期間も含めてイメージは良かったというか良い調整もできていたし、1回戦もそんなに悪くなかったのですが、それでも負けてしまうこともあるし、それがサッカーかなと。

西堂 僕がPKをはずして負けたので…。準備とかに関しては、雄大も言っていたようにそんなに悪い印象もなく、準備に関してああしておけば良かったとかは特に無いですね。

――結果はあまり良くなかったですが、準備の部分で悔いは残っていないということですか

西堂 そうですね。

――インカレが終わって引退した4年生に対する思いはありますか

西堂 お疲れ様っていうのと、ありがとうございましたっていう感じです。

――試合を見ていて、田中雄大選手(令4スポ卒=現ファジアーノ岡山)との呼び分けがどのようにされているのかが気になったのですが

山下 人に寄るのですが、先輩からは山下って呼ばれていますね。同期と後輩からは雄大かな。

西堂 僕はどっちも雄大でした(笑)。

山下 でもなんとなく、呼ばれているときはわかる(笑)。今は俺じゃないなっていうのも。1年生のときは3人いたので。蓮川雄大(平31スポ卒)っていうのも。

西堂 大変でした(笑)。

――インカレが終わって、チームで振り返りなどはしましたか

西堂 いや、インカレが終わって次の日にはもう解散だったので、そこから新シーズン始動まではだいぶ長いオフで。

――その間は、クラブに練習に行きましたか

西堂 はい、僕はキャンプに行ったりしていました。

「デンソー全体を振り返ると大きな悔いが残る大会だった」(西堂)

インタビューに答える西堂

――デンソーカップがあったと思うのですが、振り返っていかがですか

西堂 僕は去年も出ていて、去年がすごく良かった中で比較されるのは必然な中で臨んだ大会だったのですが、その中で去年以上のものを出せなかったし、去年程度のものすら出せなかったので。学びも気づきもあってその点は良かったのですが、チームとしても結果は出ませんでしたし、個人としてもデンソー全体を振り返ると大きな悔いが残る大会だったかなと思います。

山下 僕は、去年のシーズン通しての課題とかを考えた上で臨んで、そこを改善できた部分はあったし、通用したというか自分を表現できた大会でした。チームとしても優勝という結果を出せたので、僕的には結構良かったんじゃないかなと。個人的には良いパフォーマンスが出せたなっていう大会でした。

――注目選手を教えてください

山下 水野。彼自身も大学生活を通して納得のいくシーズンを過ごせていないと思うし、期待も込めて。コンディションも上がってきていると思うので。

――どのようなプレーに期待したいですか

山下 ドリブルから得点じゃないですかね。もっと点を取って、チームを勝たせてほしいなと思います。

――西堂さんはどうですか

西堂 僕は誰だろうな……堅物(拓歩、スポ4=清水エスパルスユース)ですかね。

山下 いいね、渋い(笑)。

西堂 彼も雄太と一緒で、去年まるまる1年サッカーできていなくて、今年にかける思いっていうのは彼の行動を見ていてもすごく伝わりますし、そういうのを踏まえて頑張ってほしいなと思うのと、期待したいなという意味で、堅物君を注目選手に推します。

――どのようなプレーに期待しますか

西堂 やっぱり左足のキックですかね。縦パスだったりフライのロングボールだったり、そういったプレーに注目していただければ。

「パス1本で流れを変えられるようなプレーを」(山下)

前線に声をかける山下

――今季の個人目標を教えてください

西堂 僕は関東リーグで、得点とアシスト合わせて10回が目標ですね。

山下 個人となると難しいな(笑)。まあ、優勝じゃないですか。入部してから1回もタイトル獲ってないので、何かしら獲りたいですね。そしてやっぱり何かしら獲ると言ったら、やっぱり関東リーグが一番大きいと思っているので、最後は優勝して終わりたいなと思います。

――関東リーグ内で意識している大学はありますか

山下 やっぱり明治ですね。明治には今までさんざんやられてきているので、今年こそは、というのはありますし。

西堂 まだ勝ってないよね。

山下 そう。まず明治に勝たないとリーグ優勝も見えてこないと思っているので、すごく意識していますね。

――今季のご自身のアピールポイントを教えてください

西堂 僕はドリブルや裏への動きなど、敵陣に向けての推進力の部分です。ゴールに迫っていく姿勢も積極的に表現していきたいと思っています。

山下 自分は、局面を打開するパスですかね。パス1本で流れを変えられるようなプレーを見せたいです。

――今季のチームの目標について教えてください

西堂 日本一です。目標として掲げている以上、全力で狙いに行かなくてはならないですし、今季のインカレは、『元旦国立』という目玉のイベントがあるので。そこに向けて突き進んでいけたらなと思います。こんな感じだよね(笑)。

山下 そうそう。俺も一緒です(笑)。

――ではその目標に向けてどういった練習をしていきたいですか

西堂 毎日練習があるので、どうしてもいつも通りの雰囲気で流れてしまうこともあります。その中で、いかに自分に厳しくできるかであったり、仲間に対して声をかけられるかであったりの部分に、こだわっていかなければいけないなと思っています。

山下 監督もよく言われるんですが、「自分たちの中だけを見ていたら勝てない」ということはすごく意識しています。例えば先ほど挙げた明治だとか、そういった強い相手に合わせて高い基準を置いて練習していかないと、優勝は見えてこないかなと思っています。自分ももちろんチーム全体として高めあっていきたいです。

「積極的に周りを引っ張っていけたら」(山下)

ボールを保持する山下

――お二人にとっては今期がラストイヤーということになります。最後に意気込みを聞かせてください

西堂 大学ラストシーズンで、僕は来期の内定も決まっている中で、どれだけ有意義で濃いシーズンを過ごせるかが今後のキャリアを考えても重要になってくると思っています。そういうことも常に念頭に置きながら、4年生としてチームを引っ張っていくような選手でありたいです。

山下 今までは先輩たちが作ってくれた流れに乗っかるだけで良かったのですが、今季は自分たちが最高学年としてチームをけん引していかなくてはならない存在なので、積極的に周りを引っ張っていけたらなと思います。

――ありがとうございました! 

(取材・編集 大幡拓登、澤崎円佳 写真 大幡拓登、前田篤宏、水島梨花、宮下幸)

※学年は来年度のものを使用しています。

今シーズンの意気込みを書いていただきました!

◆西堂久俊(にしどう・ひさとし)(※写真右)

2001(平13)年3月27日生まれ。180センチ。千葉・市船橋出身。スポーツ科学部3年。山下選手と同部屋の西堂選手。2人の部屋が憩いの場となっているようで、遠征から帰ってくると「家だ…!」と安心感を覚えるそうです!

◆山下雄大(やました・ゆうだい)(※写真左)

2000(平12)年8月23日生まれ。179センチ。柏レイソルU18出身。スポーツ科学部4年。今回対談の相手となった西堂選手とは高校からの友人である山下選手。初対面の思い出を聞くと、「もう覚えてない」と苦笑。そんな2人にもう1人加えるとしたら、と聞くと「それは絶対に水野雄太(スポ4=熊本・大津)!」と今度は即答してくれました!