MF山下ら選出の関東選抜B 1点を守り切りデンチャレ優勝! デンソーカップ最終日

ア式蹴球男子

 3月9日から13日に開催された第36回デンソーカップ。迎えた最終日。午前中には、グループA2位の東海選抜とグループB2位の関東選抜Aによる、3位決定戦が開かれた。早大からは、関東選抜AにDF柴田徹主将(スポ4=湘南ベルマーレU18)とMF西堂久俊(スポ4=千葉・市立船橋)が選出されている。

 試合は前半から大きく動いた。11分には、東海選抜が関東選抜Aのディフェンスを崩し先制。19分にもロングシュートが決まり、リードを2点に広げる。追いかける関東選抜Aは、後半開始から柴田を投入。右サイドバックで起用された柴田は、積極的に攻撃に参加。69分には、関東選抜Aのシュートがクロスバーに当たる。こぼれ球に柴田が詰めるも、先に相手DFに触られてしまう。前への圧力を強めたい関東選抜Aは、75分に西堂を投入。勢いに拍車を掛ける。敵陣ゴール前まで迫る機会が増えるも、ネットを揺らすことができない。後半アディショナルタイムにFW棚橋尭士(国士舘大)のゴールで1点を返すが、反撃も及ばず、2-1のまま東海選抜が勝利した。

正確なキックでチャンスを作る柴田

 午後に行われた決勝のカードは関東選抜Bと関西選抜となった。関東選抜Bには(早大から)MF山下雄大(スポ4=柏レイソルU18)とGKヒル袈依廉(スポ2=鹿児島城西)の二人がメンバーに選出されている。序盤から、両チームとも昨シーズンに輝きを放ったタレントたちが、積極的にゴールを狙いに行った。早大で唯一、決勝戦のピッチに立った山下も、精度の高いパスで関東選抜Bのビルドアップを支えた。10分には、得意の左足でミドルシュートを放ち関西選抜ゴールを脅かすシーンも。そして、次第にペースを握り始めた関東選抜Bがついに試合を動かす。18分、関西選抜のゴールキックのミスをMF岩本翔(筑波大)が回収し、受けたFW齊藤聖七(流通経大)が見事なターンから股抜きパスでMF樋口堅大(順大)へ。これを樋口が冷静にゴール右に流し込み、貴重な先制点を挙げた。関東選抜Bが1点をリードして前半を折り返す。

 後半は、関西選抜が一矢を報いるため、エースのFW木村勇大(関学大)、MF泉柊椰(びわこ成蹊スポーツ大)を投入。関西屈指の攻撃陣を中心に、次第に攻勢を強める。30分には、前を向いてボールを持った木村が関東選抜Bの2人のチェックを物ともせず、ゴール前までのロングドリブル。最終的にはブロックに阻まれたが、50メートル程の独走でさすがの迫力を見せつけた。その後も関西選抜は攻撃の手を緩めない。81分にはコーナーキックが直接ゴールに向かうが、惜しくも右ポストに。続けて87分、MF木戸柊摩(大体大)のシュート性の鋭いパスにMF美藤倫(関学大)が合わせたボールは、今度は左ポストに嫌われる。最後まで関西選抜の猛攻は続いたが、関東選抜Bの集中した守備陣がゴールに鍵をかけ、1-0で勝利。第36回デンソーカップは、関東選抜Bの優勝で幕を閉じた。

優勝した関東選抜B 

 普段は異なるチームでしのぎを削るライバルたちが、チームメイトとして一つのチームとなって戦った5日間。優勝メンバーとなった山下やヒルはもちろん、今回同じくU-20全日本選抜や関東選抜Aに選ばれたア式のメンバーは、この5日間で、他では得難い経験を手にしたことだろう。今季気持ちを新たに、復活を期す早大。デンソーカップで経験と自信、野心を蓄えて帰ってくる選手たちは、他のメンバーと共に、きっと『強い早稲田』を見せてくれるに違いない。

(記事 髙田凜太郎、大幡拓登 写真 宮下幸、栗田優大)

※学年は来年度のものです。