全日本大学選手権直前特集 第2回 奥田陽琉×駒沢直哉(12/7)

ア式蹴球男子

  得点への嗅覚と愚直な守備の姿勢で、チームの最前線から存在感を放つ両選手。大舞台でのゴールに一層の期待のかかるストライカーの2人に、お互いへの思いやインカレに向けての意気込みを語っていただいた。

※この取材は12月3日に行われたものです。

「自分が必要とされるチームでプレーしたいという思い」(奥田)

拳を突き合わせるポーズが代名詞の奥田

――まずはお互いの他己紹介をしていただけますか

奥田  まずかわいい後輩ですね。プレー面としたら俺とは違って、ランニングとか前への推進力とか、早慶戦(10月24日、●2-3)で決めたりした決定力がある選手だなと思います(笑)

駒沢  人柄は兄貴肌です。ピッチ内もそうだし、ピッチ外でもお世話になっています。プレーは、陽琉くんも言ったけど自分とは違うタイプで、どっちかというとゴリ君(加藤拓己、スポ4=山梨学院)に似ているタイプで「早稲田のFW」という感じです。その中にレイソル(柏レイソルU18)で培った技術もあって、正統派ストライカーですね。

奥田  何やそれ(笑)

――お互い直して欲しいところはありますか

奥田  直して欲しいところかぁ。無いです。かわいいです。

駒沢  もう直ったところなんですけど、2人ともナイキが好きなんですよ。でも一時期陽琉くんがプーマに走っちゃってて、そこは僕が戻したって感じです(笑)

――プーマに寄り道したのはなぜですか

奥田  ファントムヴェノムからファントムGTっていうモデルになったんですよ。ファントムGTがあんまり合わなくて、その時プーマが流行っていて、スアレス(ウルグアイ代表)もその時履いていたので「プーマ履いちゃおっかな」っていう感じで一瞬移籍したんですよ。浮気というか。そのあと足を痛めてしまって、また戻ったというか、(駒沢に)引き戻されました(笑)

――お二人がプロに上がりたいという中で大学に進学するとなって、早稲田を選んだ理由を教えてください

奥田  一番に声をかけてくれたのが早稲田でした。自分が必要とされるチームでプレーしたいという思いがあったので、早稲田を選びました。

駒沢  僕もプロに上がれなくて大学(進学)となった時に、僕はツエーゲンユース(ツエーゲン金沢U18)だったので、関東か関西か東海かという選択肢があった中で、関東は一番レベルが高いから関東に行きたいなと。スポーツ推薦などの声は早稲田からかかっていなくて、(早稲田に)練習参加した時にサッカー以外の部分も重要視しているチームだなと感じました。実際自分に足りないのはそこなのかなと思って、絶対ここに行きたいと思いました。なので、競技歴の自己推薦という形で早稲田に入りました。

――今シーズン、チームとしてはここまでをどのように振り返っていますか

奥田  去年は結果的には良かったですけど優勝は取り切れていないというシーズンで、惜しいシーズンだったなという感じです。今年は全体的に苦しんだシーズンだなと思っています。個人的にも苦しみました。去年はインカレ(昨年は全日本大学選手権中止のため、代替大会の#atarimaeni CUP)で活躍して、今年も活躍するんだという中で挑んだシーズンでした。何も上手く行かなかったというか、チームも個人も本当に苦しんだシーズンだったなと思っています。

駒沢  自分は前半の方はたまにベンチに入るぐらいでほとんど試合には関われていなくて、その中で早稲田は最初は勢いが良くて「やっぱり早稲田は強いなぁ」という感じだったんですけど、前期を終えたぐらいから少しずつ勝てなくなってきて、それに加えてゴリ君の怪我もあったりして。アミノ(アミノバイタルカップ2021)も2回戦でまけてしまったりして、チームの流れも悪くなって弱さが見えている感じでした。逆に自分にとってはそれがチャンスだなと思えました。そこから出場機会も与えてもらって何とかインカレ出場は決められたので、ここからもう一回強い早稲田にするために自分たちが頑張っていかないとなと思っています。

――点取り屋としてチームの先陣を切るお二人からみて、チームが苦しんだ理由はどのように捉えていますか

奥田  スコアを見る通り、前期は守備が安定していました。失点が少なくて最後にワンチャンスをものにしたり、最初に点を取って守り切る試合が多かったです。後期は点が取れるようにはなったけど守備が安定しなかったところが苦しんだ要因だと思います。

――加藤選手を欠いた中でも後期の方が得点力が上がりましたがそこの要因はどのように捉えていますか

奥田  ゴリ君がいないから自分たちもやらないといけないと思いましたし、それに加えて周りの選手もゴリ君がいない分、自分もゴールを取らないといけないという意識だったり、チームとしてゴールを取るというのはアミノで負けてから意識していたので、そこはチームで掲げた目標というか「ゴールに向かう」ということをみんなが意識していたのが要因だと思います。

――駒沢選手は苦しんだ要因をどのように見ていましたか

駒沢  陽琉くんが言ったように得点力は上がったものの、失点が増えたというのは目に見える結果の課題だと思います。その中で自分が感じたのは途中で勝ち癖が無くなったというか。勝つチームはどんな苦しい試合でも最後の最後で守り切るだったり、決めるところでしっかり決めるみたいな勝負強さが必要だと思うけど、後期の早稲田にはそれが無かったと思います。実際最後、法大に勝って(11月13日、〇1-0)何とかインカレ決められたけど、その前の立正大(9月19日、●0-1)だったり早慶戦だったりで、もっと早い段階で勝てていれば優勝争いにも絡めたチームだと思うし、そこはもったいなかったなと思います。

「誰かに似せるより、自分が型を作っていけるように」(駒沢)

早慶クラシコでゴールを奪った駒沢

――駒沢選手にとっては、今季は終盤にかけて一気にのし上がりましたが、ここまではどういったシーズンになっていますか

駒沢  最初来たときは(ユース時代に)ツエーゲン金沢のトップチームの練習にも参加したこともあってレベル的には絶対についていけないとは思わなかったけど、実際に(部の)中に入ってやってみると自分はもっとできるのに何でできないんだろうというもどかしさはありました。実際トップチームでは結果を残せなかったりで、モヤモヤしている中でゴリ君がけがをして。もちろん悲しいし早稲田にとってはショッキングな出来事だったけど、自分だけの考えで見れば本当にチャンスだなと思って、ここでギア上げて頑張ろうと思ってやってきました。でも8月9月は良くなくて、一回Iリーグに落ちたりとかもありました。そんな中でも同期の安斎(颯馬、社1=青森山田)や光田(脩人、スポ1=名古屋グランパスU18)や袈依廉(ヒル袈依廉、スポ1=鹿児島城西)が活躍していて、負けてられないなという気持ちを持ちながらやっていました。最後の早慶戦などで少しづつ活躍できるようになって、最後だけ見ればいい終わり方ができたかなと思っています。

――奥田選手は今季の駒沢選手をどのように見ていましたか

奥田  最後(チームを)救ったのは駒沢だったと思うし、俺と違って駒沢の良さは1人で何かをできるところだと思うので、チームにはなかった前への勢いなどを駒沢が入ることによって生まれたと思います。前へのエネルギーを作り出せる選手なので、駒沢のおかげでインカレ(出場権)も取れたと思っています。もちろん俺も出て活躍したいという悔しい思いはありますけど、それよりも自分が出るより駒沢が出た方が良い勢いや勝てる流れがあると思ったので全力でサポートしつつ、駒沢がばてたら俺は何ができるのかということを考えてやっていました。

――奥田選手はこの1年間で成長したことはありますか

奥田  怪我をして出られなくて悔しいシーズンはあったんですげど、怪我しなくてここまで試合に出られなかったり活躍できなかったシーズンは初めてだったので、出られない時も常に準備する、振る舞いを変えないといった部分は意識してやっていました。

――駒沢選手は奥田選手のことをどのように見ていましたか

駒沢  まず自分が来る前、早稲田に入学できると決まった去年の11月くらいに早稲田の選手を見てやっぱりゴリ君と陽琉くんが一番最初に目について、ゴリ君は4年だし次の年卒業するからと思いましたが、陽琉くんは1個上だから「絶対ライバルになるなぁ」「やべぇ奴いるなぁ」みたいな(笑)。言い方は悪いですけど最初は嫌みたいな感じだったんですけど、(ア式に)入ったら全然イメージしていた人とは違いました。めっちゃオラオラ系なのかなと思っていたら兄貴肌というか、もちろんライバルだけど頼れる先輩でした。自分がこれまでサッカーをやってきた中でそういう存在の人がいなかったので、この環境が満足していますし(一緒に)やってて楽しいです。

――お二人のなかで共通してあるのが加藤選手への思いだと思います。加藤選手はどういう存在ですか

奥田  兄貴ですね。怪我したって聞いて(加藤、駒沢と)3人で話す機会があった時にゴリ君の思いだとかチームに対する思いを告げられてより一層俺らがやんなきゃと思うようになりました。ゴリ君が今まで背負ってきたものを俺らが背負ってチームに勢いをもたらすというか、チームがいいところに行けるように俺らが本当にやらないといけないと思うようになりました。

駒沢  兄貴というか大先輩です。尊敬しています。ゴリ君はオンとオフの切り替えがうまいので、そういうところは見習うことができます。自分はまだ1年で実際プレーで関わったのは半年だったのでもっと(一緒に)やりたかったし、ゴリ君ともっと競争したかったという思いがすごいあります。

――参考にしている選手や大学サッカーなどで意識している選手はいますか

奥田  大学内で意識しているのは明大の太田龍之介と筑波大の森海渡です。その2人が活躍していると、俺もやんなきゃと思いますし負けたくないというか。海渡には高校時代に普通に負けていて自分は出られなくて悔しい思いをしたので、森海渡には勝ちたいという思いがあります。龍之介は同じチームにはなったことは無いんですけど、出会いは小学校の時で何かの機会でレイソルの練習に来たことがあってから知っていて、大学の関東の舞台で再開して俺の年代で1番レベルが高いのが太田龍之介なので意識しています。負けないようにじゃないですけど、大学内では意識しています。

駒沢  プロであれば誰かこの人になりたいというよりは色んな選手の良いところをくみ取って自分のものにしていくことができたらいいなと思っています。例えばクリスティアーノ・ロナウドになりたいとは思っても全く同じようなことはできないけど、逆に俺にはできて彼にはできないことだってあるとは思っています。そんな感じで誰かに似せるというより、自分が型を作っていけるようになりたいなと思って色んな選手の良いところを盗んでいこうと思っています。

――同期の存在はどういうものですか

駒沢  同期の中でも推薦で入ってきた人たちは高校年代では俺以上に活躍してきた人ですし、そんな人とサッカーできているということがすごい幸せだと思うし、そういうライバルと切磋琢磨できている環境は幸せなことです。まだ1年だけど自分たちが4年になって俺らの代で関東で戦えることがすごく楽しみです。

――奥田選手は1年生をどのように見ていますか

奥田  Aチームで試合に出ている安斎とか袈依廉の存在はもちろん刺激になるというか、「あいつらにばっか頼ってられないな」と思います。自分は学年リーダーという立場で1年生を色々教えたりする中でそんなに手のかからない物わかりの良いみたいな。さっき駒沢も言いましたけど、俺が4年になった時に1個下として一緒に土台になってくれるんじゃないかなとは思っています。

――同期の存在はどうですか

奥田  学年リーダーとして役職として自分は先頭に立ってきたんですけど、これからはプレーでも役職でも先頭に立ちたいです。今は小倉(陽太、スポ2=横浜FCユース)とか植村(洋斗、スポ2=神奈川・日大藤沢)の方がプレーで引っ張っているなと思っているので。(最終的には)そこを超えてチーム内でも先頭を走ってプレーしていければなと思っています。

――駒沢選手から見て2年生に限らず、先輩の存在はどういうものですか

駒沢  自分はユースで育ってきたのであまり先輩というものを経験してこなかったので、こうやって頼れる先輩がいるというのは楽しいです。特に早慶戦では部員が一体となって作ったあの舞台に自分が出たときに、みんなが頑張っているから自分がこういうサッカーをできているんだなという感謝の気持ちを感じることができました。今までなかったみんなの分を背負って出るだったり、自分のためだけにプレーするんじゃなくてみんなの分まで早稲田を背負って出るみたいなことを感じることができています。

――大学スポーツでの新しい発見などはありますか

奥田  駒沢も同じですけど、ずっとユースでやってきて用具の数を数えたことも無かったしビブスの数を数えて畳んだりすることも無かったし、厳しい不足とか正直よく分からない部則とか、色々細かくなりました。でもそれがあるからこそ、このような優れた人間性とかが生まれてくるんだなと感じてました。

駒沢  陽琉くんが言ったように人間性も学べるところです。ユースだと実力主義で、自分はユースでは1年の時からAチームにいて今思うと謙虚さが足りてないというか、「うまい奴が上だ」みたいな考え方があったのかなと思うけど、早稲田に来ると4年生だけどBチームの先輩でも人間性で言えば自分より相当上で、人間として憧れる人がいっぱいいて、そこが大学の強みだと思います。例えばもしプロに行けたとしてもサッカーだけの選手だと多分すぐに(選手としてのキャリアが)終わってしまいます。特にそういうことを4年生から感じていて、サッカー以外の部分でも尊敬されるような人になるという部分があると思っています。

「俺が活躍して4年生を最後に笑顔で送り出したい」(奥田)

インタビューに答える奥田

――今季で最も印象に残っている試合はどの試合ですか

駒沢  自分の中でターニングポイントになったのは早慶戦です。活躍できたこともあるけど、たった1試合だけどその1試合に対して1年以上準備してきていたので、そこに出るとなった時にほぼ全員の部員から「任せたぞ」とか言われて、その思いを背負えたし自分は個のためにサッカーをしてきたんだなと思えるくらい最高の舞台でした。

奥田  俺も早慶戦ですね。前日にメンバーから外れたんですけど、その瞬間から今までの人生で一番悔しかったです。その悔しさのおかげで来年の来年の早慶戦で点を取るのは今の理想でもあります。その悔しさがあったからこそそ直後の拓大戦(10月27日、〇2-0)とかで試合に出られるような練習のパフォーマンスがあったり、インカレを決めた法大戦でスタメン出場できたり、自分が今頑張れています。反骨心というか、そういう意味で印象に残った試合です。

――対照的な試合となった早慶戦ですが、あの試合を機にチームとしても勝ち切れない試合が続きました。その中で崖っぷちだった最後の法大戦で勝てた要因はどう考えていますか

奥田  4年早慶戦(11月10日、〇2-1)が週中にあって、あそこで4年生が見せてくれた姿ですね。先制されて逆転した試合でしたが、そこの4年生の早稲田としてのプライドや姿を見て自分の中で燃えるもの、「この人たちをこのまま終わらせちゃいけねぇ」という思いが芽生えたし、その勢いのまま法大戦に向かえたのは良かったと思います。

駒沢  陽琉くんがおっしゃる通りです。ボールボーイも普段は1年生や怪我人がやるんですけどそこを4年生がやってくれたり、須藤(友介副将、スポ4=FC町田ゼルビアユース)くんなんかは東伏見で練習した後にすぐ自分の足で(法大戦の試合会場まで)駆けつけてくれたり、全員の思いがこもった試合だったからこそ法大に勝てたと思います。

――4年生にはどんな思いを持っていますか

奥田  言葉で言い表せないですね。それこそゴリ君が怪我した時にどんな思いでプレーして頑張っていたのかというのを聞いたし、ゴリ君がプレーできないってなって頼られるのは同じポジションの俺らだと思います。その時に言われた「4年生を最高の舞台に連れて行って欲しい。最高の景色を見せて欲しい」というのは、ここまで来て自分は何もできていないと思うのでインカレくらいは俺が活躍して4年生を最後に笑顔で送り出したいなと思います

駒沢  陽琉くんが言う通り、感謝の気持ちがあるのでプレーで恩返しできたらなと思ってます。

――インカレが決まって1カ月の調整期間がある中で、重点的に取り組んだ課題はありますか

奥田  自分はインカレが決まる前からも少しずつやっていますが、クロスから点を取るのは得意な方なので、どこからでもゴールを決められるような練習はしています。

駒沢  意識しているのは、FWは仲間からの信頼が大切なので少しずつ仲間から信頼されてきていることは感じているんですけど、普段から良いプレーをして「こいつなら頼れる」っていう存在になれるように日々頑張っています。

――その中で早関戦(11月28日、△0-0)をはさみました。いつもとは違う関西のチーム、そしてそのトップのチームにどういう印象を持ちましたか

駒沢  関学は事前に関西のリーグでも1敗しかしていなくて断トツ優勝したというのは聞いていて、完成されたチームでした。ビルドアップもうまいしクオリティが高いチームだったんですけど、そこを無失点で抑えられたことは今の早稲田にとって良かったし強みであることは再認識できたけど、点が取れなかったことは自分たちFWの責任だなと思います。チャンスが無かったわけではないので、あそこで取れないと日本一にはなれないのでそこにはこだわっていかないといけないです。そこでこの課題が分かったことは良かったと思います。

奥田  ベンチだったので前半はちょっとしか見てないですけど、うまいなという印象を受けました。自分が出た(時間での)感想としては全然やれるなという感じでした。関西1位と言っても同じ大学生ですし何も考えすぎることは無いと思っています。1,2本はチャンスがあって関西で断トツのチームを相手に良い試合をしたので、あとは点を取るだけなので手応え的には自分としては良い感じなのかなと思います。

「目の前の相手にすべてをぶつけて勝ち上がる」(奥田)

拓大戦後の2人

――インカレのキーマンを挙げるとしたら誰ですか

奥田  キーマンかぁ。まぁ俺ですかね(笑)。俺にしときます(笑)。

駒沢  僕と言いたいところですけど、丹羽(匠、スポ3=ガンバ大阪ユース)くんですかね。本当にうまいので、自分は一緒にプレーしていてめちゃくちゃやりやすいし楽しいんですよ。丹羽くんと点を取れたらなと思います。

奥田  自分以外だったら誰にしようかな――。西堂(久俊、スポ3=千葉・市立船橋)で。去年一緒にインカレで活躍したので今年も一緒に活躍したいなと思います。

――もちろん勝ち上がる前提で、キーになる試合はどこですか

奥田  俺は初戦だと思います。カップ戦は本当に初戦ゲーというか、初戦ですごい勢いを持ったチームがそのノリに乗っていけると思うので、初戦を勝ちあがった先の明大とやるとかいう景色を見がちですけど、一戦一戦目の前の相手にすべてをぶつけて勝ち上がるという意味で、初戦が一番大事だと思います。

駒沢  僕は決勝ですね。1回だけ国体で全国の決勝まで行ったことがあって、そこで負けた時の悔しさが今でも自分の原動力となっているので。自分がその決勝で活躍したから早稲田にこれたというのもあるくらい人生が変わる一戦だったので今年また決勝に行って勝って、もっと上のステージに行きたいなと思います。

――グラウンドには「外池にタイトルを」というフラグもありますが、外池監督(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実)はどういう監督ですか

奥田  すごいフレンドリーで良い意味で監督っぽくないです。めちゃくちゃコミュニケーションも取りますし、あっちからも来てくれるしこっちからも行きやすいです。親しみやすいというか、何て言うんだろう。本当に良い意味で監督っぽくないですね。

駒沢  面白い人だなと思うし、アドバイスとかも単純だけど的を得ているというか、核心を突いてくることを言ってくれるのでそこはうれしいですし、監督からの期待に応えたいなという気持ちはあります。

――今季からクリティカルマイスターとして早稲田で指導されている福西崇史さんにはどういった印象を持っていますか

駒沢  スタッフ陣や学生コーチの誰よりも実際のピッチで活躍された方なので、もちろん言葉にも説得力があるしサッカーの本質を理解されているので核心を突いてくれるので、自分たちのチームに本当にプラスになっていると思います。

奥田  駒沢が言った通りで、アミノで新しい守備をやって負けてしまったんですけど、そこからその守備が完成するまでの過程に福西さんがいて、福西さんが修正をしてくれていい感じになったので、そこの見る目とかはやっぱりすごい人だなと思いました。個人としては話しかけたら何でも答えてくれて、視野が広いというか「ここまで見ててくれていたんだ」と思いました。

――具体的にどういうことを質問されましたか

奥田  シュート練習にDFとして来てくれて、積極的に混じってきてくれて一緒にやっていて楽しいですし、場数がちがうので普段は指示を聞き流すこともありますけど、聞き流したらもったいないことも言っているので、常に一言一言に耳を傾けています。

「最高のクリスマスに」(駒沢)

インタビューに答える駒沢

――来週にインカレ初戦を迎えます初戦への意気込みを聞かせてください

奥田  本当に初戦の先制点が大事だと思うので、去年の初戦も開始早々に先制点を取りましたしアミノの初戦も先制点を取りましたし、そうすると良い流れがくるので。初戦ってなんでも緊張するので先制点が入ることによってみんなが良い意味でリラックスしていつものサッカーができると思うので、初戦の先制点は力を入れてやっていきたいなと思います。

駒沢  マジで試合の入り、大会の入りは大事になってくるのでいい勝ち方ができれば他のチームからは「早稲田やべぇぞ」って思われるし、そう思われるくらいに良い入りができたらなと思います。

――ではインカレ全体の意気込みを聞かせてください

奥田  俺が点を取ってチームを勝たせる、それで優勝することがベストなのでそれに向けて一日一日を積み上げていきたいです。

駒沢  僕も同じで、最高のクリスマスにしたいなって思います(笑)。

奥田  間違いないね(笑)。

――ありがとうございました!

(取材・編集 前田篤宏 写真 橋口遼太郎、内海日和、永田悠人、朝岡里奈)

全国大会への意気込みを書いていただきました!

◆奥田陽琉(おくだ・ひりゅう)(※写真右)

2001(平13)年5月23日生まれ。178センチ。柏レイソルU18出身。スポーツ科学部2年。最近ハマっていることはコーヒーを淹(い)れることだそうです。Youtuberの影響で始め、今では味の違いが分かるようになるほどのマニアっぷり。大学の課題と共に楽しんでいるそうです。本好きの西堂選手の部屋、通称「西堂図書館」での読書にも熱中しているだとか。

◆駒沢直哉(こまざわ・なおや)(※写真左)

2002(平14)年5月17日生まれ。178センチ。ツエーゲン金沢U18出身。スポーツ科学部1年。今季前期で苦しんだことをきっかけに、部屋をきれいにして精神を整えているという駒沢選手。試合前のルーティーンとして、とある音楽を聴いているそうです。その曲は誰にも明かしていない秘密事項。ヒントは脳がグルングルン回って気分が上がるマイナーな曲だとのことです。

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