#atarimaeni CUP 準決勝 杉山耕二主将、梁賢柱 コメント全文

ア式蹴球男子

熱く、強く、チームをけん引し続けた杉山

(写真は12月5日、慶大戦での杉山 インタビューはオンラインで実施)

DF杉山耕二主将(スポ4=三菱養和SCユース)

――シーズンを終えて、率直な今の気持ちを教えてください

 

 悔しいという思いが一番強くあります。それでもこの4年間早稲田を背負って、どんな時も前を向き、素晴らしい仲間とともに戦った日々は最高に幸せだったなという思いもあります。

 

――アミノ杯、リーグ戦では2位、今大会では3位という安定した成績を残されました。これらの結果をどのように受け止めていらっしゃいますか

 

 僕が在籍した4年間では一番結果としては安定していたというか、どの大会も簡単には負けず、勝ち進むことができました。それでも、僕たちが目指していたリーグ制覇や日本一には届かなかったことを考えると、やはり僕自身には悔しさが残ります。

 

――昨シーズンはリーグ戦1部に歴史的残留という結果で終わった中で、今シーズンを迎えました。昨年度から引き継いだ思いも強くあったのではないでしょうか

 

 それは間違いなくて、昨年度の悔しさやもどかしさが僕たちの今年(度)1年間のスタートでした。あの悔しい思いをしたくないから、強い早稲田を作り上げたいという猛烈な思いになり、それが強い原動力となりました。

 

――今シーズン、後輩の皆さんから4年生のためにという言葉を何度も聞きました。その後輩たちの想いは4年生の皆さんにも届いていましたか

 

 それはもちろん届いていました。僕たちもシーズン当初からチームビルディングに力を注いでいて、どうやったらチームが1つになれるか、どうやったらチームが結果を手にした時に全員が笑って終われるかというのを常に考えていて。4年生として、役職を持っている主将としての立ち居振る舞いをしてきたつもりです。その意味では、本当にチームが1つになる、チーム全員で1つの目標に向かうという当初僕や西前(西前一輝、スポ4=FC町田ゼルビアユース)や山田(山田晃士、社4=浦和レッズユース)で掲げていた目標が達成できたと思います。結果は手に入りませんでしたが、チームビルディングの側面で言えば、僕たちが成し遂げたかったチーム全員で同じ方向を向くことはできたと思います。

 

――大会のレギュレーション上の都合で今回は出場を見送ることとなりました。それがわかった時のお気持ちを教えてください

 

 頭が真っ白になったというのが正直なところで。4年間のア式蹴球部での生活、サッカー人生の集大成ということで本当に言葉では表現できないような悔しさがありました。 ただ、間違いなく今年(度)1年間で積み上げてきたことはあったので、大好きなチームのみんなと日本一を取ることが全てだと思っていました。そこに向けて、自分は微力ですができることをやろうというマインドセットをしました。

 

――そのような状況の中、チームに対してどのように向き合っていきましたか

 

 本当にできることは限られていたので。まずは全体のミーティングで僕自身の思いをメンバーに伝え、試合前に4年生に僕の思いを伝えました。また、メンバーに入れない4年生がモチベーションビデオを作ってくれたので、そのモチベーションビデオで言葉がけをしました。微力ではありますが、自分にできることを探して最後までみんなとともに戦うことは強く意識していました。

 

――昨日はどこで試合を観戦されたのですか

 

 僕は自宅で見ました。

 

――では、試合に出場するチームメイトへの直接の声掛けはできなかったのですね

 

 当日の声掛けはできませんでした。2日前の全体ミーティングで話し、当日流れたモチベーションビデオに登場したくらいです。4年生のメンバーには前日に連絡をしました。

 

――悔しい思いが残る終わり方ではあったと思いますが、今シーズン杉山選手は主将としてチームをまとめてきました。改めてどんな1年間でしたか

 

 コロナ禍という正解も前例もない日々の中で、チーム全員で試行錯誤しながら前に進んできた1年でした。多くの逆境や難しい局面があった中でも、本当に素晴らしい仲間に支えられて、1年間全力で最後まで走り切ることができたと思います。

 

――外池監督(外池大亮、平9社卒=東京・早実)も「やりきった」とおっしゃっていましたが、不完全燃焼ではない状態ですか

 

 僕個人としては悔しい思いはあります。ただ、本当にチームの主将、メンバーをまとめる4年生としてできることは1日1日積み上げると話してきて。そして、1日1日を悔いなく全力で妥協せずに積み上げてきたという自覚はあるので。そこに対しての後悔ややり残したことは正直あまりないです。それよりもチーム全員で苦しい時間、楽しい時間をともにしながら走りきったという思いは強くあります。

 

――日本一の目標は後輩たちに託すこととなりました。後輩へのメッセージをお願いします

 

 僕たち4年生は、これまで過ごした日々を本当の意味で正解にすることはできませんでした。それでも、今年ともに戦って、ともに笑って、ともに泣いた仲間が来シーズンも再び早稲田を背負って戦ってくれます。だからこそ、僕たちが掴めなかったのを掴み取ってくれること、本物のファースト、強い早稲田を作り上げてくれることを心から信じています。

 

推進力のあるドリブルで多くのゴールを演出した梁

(写真は9月29日、立大戦での梁 インタビューはオンラインで実施)

FW梁賢柱(スポ4=東京朝鮮高)

――今シーズンを終えた感想を教えてください

 

 今シーズンはコロナという世界的な感染症が流行っていて、一年間を通してかなり苦しかったのですが、チーム全体として走り続けようというのがあったので、やりきったと思います。

 

――集大成となるあたり杯で決勝に進むことはできませんでしたが、率直な思いを聞かせてください

 

 率直に悔しいというのがあって、よく考えればこの1年間、サッカーができるのが当たり前じゃないという環境の中で大会に出ることができて、準決勝まで行って3位(ベスト4)という成績を残すことが出来たのは、非常に良かったかなと思います。

 

――試合前から主力選手が何人かいないという状況で苦しかったと思いますが、どのような覚悟を持って試合に臨みましたか

 

 主力選手がいない中で、チーム全体としてはやることは変わらないので、試合に勝つことだけを常に意識して、主力選手たちだけじゃなくて、他の部員のためにも絶対走ろうという覚悟を持っていました。

 

――前半から主導権を握られ続けて苦しい展開だったかと思いますが、いかがでしたか

 

 チーム戦術的に引いてブロックを作って守備から入るという、今までもスタイルとは真逆なスタイルで臨んでいて、個人的にはストレスでした。フラストレーションがたまる局面がかなり多かったのですが、横としっかりつながって、チームメイトとつながることで誰かのために走るとか、部員のために走るというのがありました。苦しい時間が多かったのですが、自分としては非常にいい感触ではできたかなと思います。

――関口選手には手を焼いたのではないでしょうか

 

 関口選手は縦に早くて、法政自体がかなり技術があって能力が高いというのは分かっていましたし、その中でも守備に追われて個人的に苦しかったのですが、何とかして前半を終わりきればチーム全体として後半につなげられるのではないかと思ってプレーしていました。守備の時間が多ければ多いほど攻撃のリズムは自分の中で作れなかったなと思います。

 

――思うようにボールを前に運べない、出しどころがないという印象がありましたが、フラストレーションにつながったのですか

 

 守備に追われる時間が長くて、なかなかいい状態でボールが入らなかったので、そんな状態でも自分がボールを前に運べなかったというのは非常に悔しいです。前半1回カウンターがあった時に決めきれなかったというのが敗因かなと思います。

 

――2失点ということに関してはいかがですか

 

 前半は0-0というプラン通りだったのですが、後半は20分までこの陣形で行けば必ず相手が崩れるという中で、開始6分で先制されて、チームとして前から行くのか行かないのかというのがありました。失点してからの15分は、しっかりもう一回引いて守って前から(プレッシャーを)かけようとしていて、この2失点目というのはかなり自分たちの心を折ったんじゃないかと思います。

 

――後半、交代選手が入ってから流れが少し早大に傾く場面もあったかと思います

 

 ハーフタイム中に交代要員が入ってくるのは分かっていたので、その選手が攻撃の起点になるということをベンチで話していました。リズムは作れたのですが、最終的にゴールを奪えなかったというのが敗因につながったし、個人としても非常に悔しかったです。

 

――ア式の一員として過ごした経験はこれからにどう生きていくと思いますか

 

 これまでの4年間、苦しいこともあったし楽しいこともあったけれど、特に23人の同期という仲間に感謝していたし、今後の人生次のステージはまだ決まっていませんが、この経験を生かさなきゃいけないし、生かすことで自分がア式にいた4年間の意味を表現できるかなと思います。

 

――進路について伺ってもいいですか

 

 まだ正式なオファーはないのですが、練習会に呼ばれることはあるので、次のステージに行けるかまだ分からない状態なので、呼ばれたらしっかり準備して臨みたいと思っています。

 

――後輩にはどのような声を掛けますか

 

 後輩たちは非常に能力が高い選手で、自分たちはどちらかというと気持ちでした。根性論になってしまいますが、最後は技術じゃなくて気持ちが非常に出てくるので、チームに対してどう思うかや、仲間のために走るといったことをやっていけば、自分たちが成し遂げることが出来なかった日本一を必ず取れると思います。来年以降も非常に期待しています。

 

――最後に、同期に愛のメッセージをお願いします

 

 同期には本当に感謝していますし、自分が特にけがした時に声を掛けてもらったりしたし、4年間を通してここまで深く仲良くなれて本当に良かったなと思います。とにかく「ありがとう」って伝えたいし、またどこかで一緒にサッカーもしたいし、23人っていうのは僕の一生の宝物かなと思います。

 

(写真 初見香菜子、手代木慶)

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