捉えた首位の背中。3戦連続の3ゴールで4連勝!

ア式蹴球男子
JR東日本カップ2020 第94回関東大学リーグ戦 第14節
早大 2-0
1-1
専大
【得点】
(早大)1’ 田中 雄大、41’ 鈴木 郁也、47’ 倉持 快

わずか2週間で5試合を戦う、超過密スケジュールの5戦目。関東大学サッカーリーグ(リーグ戦)第14節、早大は専大と対戦した。試合開始早々の1分、MF田中雄大(スポ3=神奈川・桐光学園)のゴールで幸先よく先制に成功。前半終了間際にはFW鈴木郁也(社4=F C東京U18)に得点が生まれ、2点のリードを持って前半を折り返す。後半開始早々の47分にも、MF倉持快(人3=神奈川・桐光学園)がゴールを奪い、試合を決定づけた。その後PKを献上し1失点こそ喫したものの、3戦連続の3得点でリーグ戦4連勝となった。

正確な左足のキックで好機を演出した鈴木俊

コロナウィルス感染症対策の影響から、一部選手は試合前日のトレーニングをスキップ。コンディション面を考慮し、十分にトレーニングを行うことができたメンバーを積極的に起用した。開始早々に試合は動く。1分、MF小野寺拓海(政経4=岩手・専大北上)が背後に飛び出しパスを引き出すと、サイドで待つMF杉田将宏(スポ3=名古屋グランパスU18)へと預ける。杉田の蹴り込んだクロスボールはゴール前の選手と合わずも、駆け上がったDF大西翔也(スポ3=浦和レッズユース)の足元へ。大西がもう一度ゴール前へと送り込んだボールを田中が合わせ、貴重な先制点を奪う。

その後も試合は早大ペース。11分、田中がドリブル突破からループシュートでゴールを脅かすと、21分にも大西がMF鍬先祐弥(スポ4=東福岡)からのくさびのパスを受け、ループシュートでゴールを狙った。迎えた41分、杉田とのパス交換からDF鈴木俊也(商2=東京・早実)がサイドを突破する。「弟の俊也から自分のところにクロスが来るかなと思って準備していた」と鈴木郁がゴール前に走り込み、空いたスペースでボールを受けたMF倉持快(人3=神奈川・桐光学園)のシュートはクロスバーを直撃。しかし、続くプレーで鈴木郁が「良い形でポジションを取り直せた」と得意のヘディングでゴールに流しこみ、2点目をもぎ取った。

ゴールを奪った倉持に駆け寄る清水

さらに後半開始早々の47分。鈴木俊のマイナスのクロスボールをFW倉持快(人3=神奈川・桐光学園)がダイビングヘッド。ボールをゴールネットに突き刺し、試合を決定づける3点目を奪った。その後早大はFW山崎昂(スポ4=松本山雅FCU18)、DF松高遼(スポ4=浦和レッズユース)といった、ここまでチャンスの少なかった選手を次々と投入。さらに選手層の厚みを増すための、布石を打つことにもなる一戦となった。

結果をだけをみれば3得点を奪っての快勝だ。しかし外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)は「チャンスを得た選手が、そもそも出ていたメンバー達の場所を奪う意欲をもっと持って欲しかった」と、選手にさらなる奮起を促した。出場機会を得た小野寺、FW清水駿(政経4=京都橘)、松高、山崎らの4年生。そしてMF余合壮太(社2=千葉・市立船橋)、MF平松柚佑(スポ1=山梨学院)といった下級生。彼らの存在がチームに刺激をもたらすだろう。「本当の意味での優勝」(外池監督)を目指し、チーム内の競争を高め、勝ち点差1と迫った首位明大を追撃する。

(記事 橋口遼太郎 写真 朝岡里奈、橋口遼太郎)

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 山田 晃士 社4 浦和レッズユース
DF 大西 翔也 スポ3 浦和レッズユース
DF ◎5 杉山 耕二 スポ4 三菱養和S Cユース
DF 22 監物 拓歩 スポ2 清水エスパルスユース
DF 26 鈴木 俊也 商2 東京・早実
→7分 39 松高 遼 スポ4 浦和レッズユース
MF 12 小野寺 拓海 政経4 岩手・専大北上
→HT 43 平松柚佑 スポ1 山梨学院
MF 田中 雄大 スポ3 神奈川・桐光学園
MF 鍬先 祐弥 スポ4 東福岡
→62分 15 余合 壮太 社2 千葉・市立船橋
MF 13 杉田 将宏 スポ3 名古屋グランパスU18
MF 25 小倉 陽太 スポ1 横浜FCユース
→HT 28 丹羽 匠 スポ2 ガンバ大阪U18
MF 13 杉田 将宏 スポ3 名古屋グランパスU18
FW 19 倉持 快 人3 神奈川・桐光学園
→68分 20 山崎 昂 スポ4 松本山雅FC U18
FW 18 鈴木 郁也 社4 F C東京U18
→HT 32 清水駿 政経4 京都橘
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位 大学名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
明大 31 13 10 29 12 15
早大 30 13 10 37 28
駒大 23 13 28 23
国士舘大 20 14 24 21
桐蔭横浜大 20 13 19 16
順大 20 13 21 22 −1
法大 17 13 21 19
慶大 15 14 14 21 −7
筑波大 14 12 17 26 −9
10 立正大 13 10 15 15
11 中大 13 11 29 −18
12 専大 13 11 14 37 −23
※第13節終了時点
コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――西が丘での試合になり、連勝となりました

まず今日、大学サッカーの聖地でたる西が丘での試合になりました。それがこうして有観客での試合となったのは、1つ今年やってきて良かったなと感じました。連勝に関しては、1試合1試合積み上げてという気持ちでやってきたので、結果的に4連勝になったというところです。しかし駒大に負けてから、攻撃というところ、最初にいかにゴールを目指せるかという意欲やサッカーの本質の部分に取り組んできました。そういう点に関しては、今日も開始1分でゴールが取れたり、後半の頭に取れたり。みんなのメッセージが結果として示せているというのはチームとしていい状態かなと思います。

――加藤選手などのいつも出ていたメンバーが今日は外れました

昨日大学関係のところでコロナウイルス感染が出まして、濃厚接触が疑われた選手は活動が停止になりました。夜に大学から濃厚接触が疑われた選手に関して、活動再開を認めるという連絡が来ました。しかし昨日のトレーニングが出来ていなかったので試合のメンバーには入れないという判断をしました。しかしスタンドでの観戦は大学からの許可を得られました。そのため、一人も欠けることは無く今日のゲームに臨むことができました。そこに該当していた選手達が出場できなかったという状況です。

――前半の立ち上がり1分で得点を取れ、後半も立ち上がりに得点を奪えました。得点への意識に関してどのように準備をしてきましたか

シュートのトレーニング、クロスからのトレーニングによるゲームに入った時のイメージの部分。特に今日だと鈴木俊也というキックにストロングがある選手が入っていました。そこがいい状態でボールを保持している時にはどのようにクロスに入るか、といったところはトレーニング時間こそ短かったですが、意識のすり合わせをかなりしていました。共通理解の部分がチャットしたポジション取りなどの面で、相手よりも有利な状況を作り出せたのではないかと思います。

――相手は3バックでは無く4バックで試合に入りました

3バックでも4バックでもというのが専大でした。ただ今日のゲームプランとして専大がボランチを起点に中で崩そうとしてくるので、我々としてはワイドで縦を切って、中の鍬先、小野寺、田中のところでボールを引っ掛けてショートカウンターを狙うというのが一つの形でした。前半それがうまくいっている時間帯はかなり押し込むことができましたが、やはりそこが一個外されたりした時には相手の時間帯になったかなと思います。

――守備の面ではPKの1失点のみで、4試合無失点に近い内容ではありました

ただ今日の試合では新しいメンバーが入り、チームの状況や活動の状況の中でチャンスを得た選手がいました。そういう選手がただ試合に出るということだけではなく、そもそも出ていたメンバー達の場所を奪う意欲をもっと持って欲しかったと思います。チーム全体としてもまだまだ足りていないなと感じました。やられてもおかしくないシーンは何度もありましたし、そういった意味で少しメンバーが変わると隙が生まれてしまっているというところは、非常に反省材料ではあります。ただこういったイレギュラーをチーム全体で乗り越えたという事から生み出された一つの副産物かなと思います。我々の大きな伸び代と考えて、久々に1週間開くのでしっかりとリフレッシュして次に向かいたいなと思います。

――松高選手を投入した際にはポジション修正もありました。

松高はどちらかといえばボールを握れる選手だと思っています。奪ってからボールを握るというところまではセットで考えなければならなかったのですが、どうしても守備の緩さ、ボールをかなり握られてしまっていたので、そこをなんとか打開したいなと思っていました。

――今日は小野寺選手、清水選手と4年生の2人が再びチャンスを得ました。2人に期待したプレーはどんなプレーでしたか

4年生がチームの顔としてチームを運営しています。そういう中でこういうイレギュラーというか、難しい状況の中でも彼らが示せるものというのは日々積み上げてきたものだと思っています。純粋に彼ら2人だけではなく、4年生の主体性やエネルギーを期待しました。

――かなり久々に1週間あきます。どんな準備をしていきたいですか

当然疲労もあると思うのでそこのリフレッシュの部分と、今日の後半見えた課題というのは、チームとして勝ってきた分なかなか浮き彫りにならなかった課題だと思います。選手たちが試合に出たことで見つかったものがあると思います。勝ちながら課題に向き合えるというのは非常に大きな機会だと思うので、もう一度チーム全体の競争を高めて、試合に出ているメンバーだけが成長をしていくのではなく、枠組みをどんどん広げていきたいです。でないと本当の意味で優勝を目指せないと思います。しっかりとそこの部分に取り組みたいなと思います。

FW鈴木郁也(社4=F C東京U18)

――中3日でした。この試合に向けてどんな準備をしてきましたか

チームとしては、今節が5連戦の最後の試合ということで、疲労もかなりあった為、まずはリカバリーをしっかりとすることを心がけて準備してきました。個人的には得点というものを意識して、トレーニングに臨んでいました。

――ゴールのシーンを振り返ってください

得点直前の倉持がバーに当てたシーンでは弟の俊也から自分のところにクロスが来るかなと思って準備してたのですがボールは来ず、残念でした。そのあと、セカンドボールを小野寺が拾ってくれて、杉田が縦に仕掛けるときには良い形でポジションを取り直せた事が良かったなと感じています。あとは得意のヘディングが冴えました。

――欲しかった今シーズン初ゴールを奪いました。今のお気持ちを聞かせてください

素直に自分のゴールで勝てた事は嬉しく思います。ただ、これを継続できるかどうかが大切だと思うので来週からまた頑張りたいです。

――ワントップのポジション争いは厳しいですが、残りの試合どんなシーズンにしたいですか

特に個人的には意識はしてません。みんな良い特徴がある中で調子の良い選手が出るだけです。自分は毎年怪我が多く、ピッチに立つ時間が短いので今年は怪我なく継続してチームの為に働く事が目標です。残りのシーズンはそんなシーズンにするための努力をします。

――次節に向けての意気込みを聞かせてください

敗戦から始まった連戦を結果、4連勝で終える事が出来ました。ただ、リーグも半分くらい残っていますので本当の勝負はここからです。自分達のビジョンを体現し続け、目標であるリーグ制覇に突き進んで行きます。

DF大西翔也(スポ3=浦和レッズユース)

――中3日でしたが、どんな準備、具体的に専修大にどのような対策をしてこの試合に臨みましたか?

連戦ということでコンディション管理を徹底しつつ、その中でも得点やクロスの部分は特に意識して準備してきました。専修大学さんはパスワークや個々の部分で特徴があるチームだと分析していたので、それらの注意と、最後まで身体を張って接点をつくるという意識を軸に対策しました。

――先制点の場面に顔を出し、その後もループシュートを狙う場面などがありました。今日の攻撃面を振り返っていかがでしたか

前後半含めて攻撃に加わる回数は多かったと思います。得点に繋がるプレーを意識していましたし、前に出ていく姿勢なども表現することができたので良かったと思います。そして先制点をアシストすることで結果を残し、チームを勢いづけられたことは素直に嬉しいです。ただ、ゴール前の質やフィニッシュの部分にはまだ課題があるので、それらの質を高められるよう意識していきます。

――大西さんはチャンスと見るやゴール前に顔を出しているシーンが印象的です。攻撃で意識していることはありますか

得点に繋がるプレー、結果を意識しています。ただ試合に出場するだけでなく、結果を残すためのプレーが求められていると思いますし、どのポジションでも得点を狙いにいく姿勢はチームにとってもプラスになると思います。そういった意味でも、攻撃に積極的に加わることで得点に繋がるプレーの回数を増やすことは意識しています。

――多くの出場時間を今シーズンはつかんでいます。残りの試合、どんなシーズンにしたいですか

試合に出場するだけでなく出場した上で何ができるかが大事だと思うので、ピッチの上で躍動できる準備をし続けていきたいと思います。リーグ優勝に向けて重要な試合が続きますし、チームとしての挑戦も続いていきます。大事なのは今までではなくこれからだと思うので、目の前の試合で最善を尽くすための準備をしていきたいと思います。そして最後に頂点に立てるよう積み重ねていきます。

――ここまで過密日程でしたが、ようやく次節まで1週間空きます。次節に向けての準備と意気込みを聞かせてください

リーグ優勝に向けて重要な一戦であることに変わりありません。コンディション管理をしつつ、次戦を勝利で終えるために最善の準備をしていくのみです。着実に積み重ねて次戦も全身全霊で臨みます。