アミノバイタルカップ2020 第9回関東大学トーナメント大会 兼 全国大会予選 | ||||
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早大 | 0 | 0-0 0-0 延長前半0-0 延長後半0-0 PK4-2 |
0 | 立大 |
【得点】 (早大)なし |
アミノバイタルカップ(アミノ杯)1回戦の城西大戦(○2−1)から中1日。2回戦では1回戦で関東大学リーグ1部に所属する中大に勝利する下克上をみせ、勢いに乗る立大と対戦した。前半から拮抗した展開が続き、両者一歩も譲らず試合はPK戦にもつれた。早大3人目、立大2人目までのキッカーが成功し、続く立大3人目のキッカーが放ったシュートをGK山田晃士(社4=浦和レッズユース)がスーパーセーブ。さらには立大4人目のキッカーの放ったシュートは枠を大きく逸れ、苦しみながらも早大は3回戦、準々決勝進出を決めた。
チームを鼓舞し続けた杉山
左サイドバックにDF鈴木俊也(商2=東京・早実)、右サイドハーフにDF阿部隼人(社4=横浜F・マリノスユース)を起用するなど、前節から5人の選手を入れ替えて臨んだこの一戦。左サイドでは鈴木が、対峙する右サイドハーフの内側にポジションを取り、左サイドのタッチライン付近で待つ水野雄太(スポ2=熊本・大津)への最終ラインからのパスコースを創出。水野にパスが入るとともに、インナーラップで一気に背後のスペースを陥れる形で、何度もチャンスの場面を作り上げた。一方の右サイドでは、技術の高い阿部にMF田中雄大(スポ3=神奈川・桐光学園)や鍬先祐弥(スポ4=東福岡)も加わり、テンポのいいパス回しでゴール前に迫る。前半に迎えた大きなチャンスは24分。前線からプレスに来る立大に対し一度GKまでボールを戻すと、山田は高いラインを形成した立大守備の裏のスペースにボールを供給。タイミングよく抜け出した阿部がゴールに迫るが、相手GKの攻守に阻まれた。
PKストップで勝利をたぐり寄せた山田
両チームとも得点なく迎えた後半。早大は鍬先や途中投入のMF小倉陽太(スポ1=横浜F Cユース)がボールを保持した際には最終ラインに加わり、ビルドアップをサポート。前半からは少し変化を加えてゴールを目指した。しかしなかなか得点には至らない。90+1分、FW加藤拓己(スポ3=山梨学院)のポストプレーから右サイドに展開。ボールを受けたDF大西翔也(スポ3=浦和レッズユース)は鋭い切り返しで相手を完全に翻弄し、シュートを放つもGKに阻まれる。さらにはセーブしたシュートは加藤の足元にこぼれたが、無情にもシュートはバーの上に外れた。
試合はそのまま延長戦に突入。両チームとも気迫のこもったプレーを見せるが、前節から中1日での延長戦が選手を苦しめる。疲労感による僅かなズレから、局面での精度を欠きゴールネットを揺らすことができない。交代選手が気をはきチームを牽引するも、あえなく30分の延長は終了。試合はPK戦にまでもつれた。
勝利を決め歓喜の輪をつくる選手たち
早大は1人目キッカーのMF梁賢柱(スポ4=東京朝鮮高)、2人目のFW杉田将宏(スポ3=名古屋グランパスU18)、3人目の小倉が落ち着いて沈め、立大も2人目までは成功する。迎えた立大3人目のキッカー。ゴール右隅に放たれたシュートを、山田が驚異的な反応で弾き出した。続く早大4人目のキッカーMF植村洋斗(スポ1=神奈川・日大藤沢)が確実に決め、後がなくなった立大4人目のキッカーが放ったシュートはゴールマウスの上に大きく外れた。早大の勝利が決まった瞬間である。
イビチャ・オシム氏(元サッカー日本代表監督)は「PK戦はサッカーではない」と語った。誰かが外すまで終わらない。言い換えるならば、直接的な敗戦の原因を決める、決まるまで終わらない。残酷な決着の付け方である。勝利は勝利、自信を持って三回戦・準々決勝へと進出する。しかし、所属リーグとしては上に位置する早大と120分戦った、僅かな僅かな差であった立大には最大のリスペクトを送る必要があるだろう。休む間もなく中2日で次節が訪れる。立大の無念も胸に、日本一へ向けての歩みを進める。
(記事、橋口遼太郎 写真 手代木慶、山崎航平)
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 山田 晃士 | 社4 | 浦和レッズユース | DF | 37 | 大西 翔也 | スポ3 | 浦和レッズユース |
DF | ◎5 | 杉山 耕二 | スポ4 | 三菱養和S Cユース |
DF | 22 | 監物 拓歩 | スポ2 | 清水エスパルスユース |
DF | 2 | 阿部 隼人 | 社4 | 横浜F・マリノスユース |
MF | 26 | 鈴木 俊也 | 商2 | 東京・早実 |
→56分 | 19 | 倉持 快 | 人3 | 神奈川・桐光学園 |
MF | 28 | 丹羽 匠 | スポ2 | ガンバ大阪U18 |
→81分 | 25 | 小倉 陽太 | スポ1 | 横浜FCユース |
MF | 4 | 鍬先 祐弥 | スポ4 | 東福岡 |
→110分 | 14 | 植村 洋斗 | スポ1 | 神奈川・日大藤沢 |
MF | 8 | 田中 雄大 | スポ3 | 神奈川・桐光学園 |
→101分 | 13 | 杉田 将宏 | スポ3 | 名古屋グランパスU18 |
MF | 27 | 水野 雄太 | スポ2 | 熊本・大津 |
→67分 | 9 | 梁 賢柱 | スポ4 | 東京朝鮮高 |
FW | 10 | 加藤 拓己 | スポ3 | 山梨学院 |
◎=キャプテン 監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実) |