11月16日に行われるア式蹴球部(ア式)の関東大学リーグ戦(リーグ戦)第21節の明大戦、12月1日に行われるラグビー蹴球部(ラグビー部)の関東大学対抗戦(対抗戦)の明大戦に向けて、ア式の大桃海斗主将(スポ4=新潟・帝京長岡)とラグビー部の齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)に話を伺った。
大桃主将
――まずは早稲田のサッカー部とラグビー部ということで、どちらも大学からサポートもらっていて、歴史も長くて、重圧等あると思います。キャプテンということをテーマに、あとは、早明戦への意気込みをお聞かせください
大桃 そうですね、今年からキャプテンということで、これまで自分はサッカーをやってきて、キャプテンということをやってこなかった、やったことがなかった中で、大学で初めて早稲田大学ア式蹴球部の主将というふうになったときに、そのときの自分のままではダメだなということはすごく感じて、もちろん普段の言動や行動を改めなければならないと思いましたし、一番意識しているのはさっきも言ったように立ち振る舞いや言動、行動をピッチ内外ともに意識しているところではあって、なによりもやはり、自分のポジション柄、DFという立場もあるので、姿勢というか、チームが苦しいときだったり、良い時はどのチームも良い状況で試合を運べたりすると思うんですけど、悪い状況で何ができるか自分はすごく意識して取り組んでいるので、今シーズン負ける試合が多くて苦しい状況が続いていく中でも自分が後ろでなによりも情熱を持って闘うという姿勢を常に見せれるようにっていうことを意識しています。
齋藤 海斗も言ったんですけど人に色々言わなきゃいけない立場になったので、やはり言うからには自分もその規律の部分とか、普段グラウンド内外でそこまで堅くなってるつもりはないですけど、最低限のことをしっかりやろうというふうになりました。あとは、僕はこれまで自分のことばかり考えていたんですけど、キャプテンなって、より広い視野を持ってというか、選手だけでなく、スタッフも含めて色んな人とコミュニケーションをとって、やはり自分だけで見て判断するには限界があるので、色んな人と話して、色んな情報とかを取り入れながら、チームの現状などを把握するようになったなと思います。
――ちなみに齋藤さんはキャプテンになる前はどのような選手でしたか
齋藤 今までは、三年生までは一応ポジション柄的には結構ゲームを動かしたり、色んな人とコミュニケーションを取らなければいけない立場だったんですけど、コミュニケーション苦手だったので、結構自分のことに集中してフォーカスして練習していました。それがキャプテンになって、自主練とかも後輩とか巻き込んでやったりとか、あとは普段の生活とかでも、あんまり後輩と絡んだりとかなかったんですけど、でも今は意識的に絡んでそれが雰囲気作りややりやすさに繋がるのかなと思ってやってます。
――やはり主将になってストレスが人一倍かかると思うんですけど、自分なりのストレス解消法、こうしたら次に向かえるとかそういうのがあれば、教えてください
大桃 今年入って全然勝てなくてストレスも毎週毎週ストレスで、前まではそれを寮にいる同期といることでストレスを解消していたんですけど、最近になってその同期と喋って笑ってる自分ってどうなんだろうって考え始めちゃって。特に後期始まったくらいから逆にストレスとか、プレッシャーから逃げちゃってるんじゃないかって考えていますね。だからなんか1人で結構いることが多いかもしれないです。逆にそれでストレスを解消というか、よりストレスをかけるようにしているのかもしれないです。同期といると楽しくなっちゃって、忘れちゃっているんだけど、忘れちゃっていいのかなとか思うし、週末の試合のこととか、反省とかを。だからそこをそんなピッチ内と外を切り離してないというか、っていうことをあえてやっています。
――それはキャプテンとして考えなければいけないと思っているからですか
大桃 同期といると、同期の意見でそうなんだって思ってしまって、それが正解だと思ってしまう。自分を持てなくなる気がしてしまって。だから最近は1人でいたりとか、直人とかと週末とか話したりとかそれは結構。
齋藤 いいね。
大桃 2人で結構温泉とか行ってるから。そのときに色々話して、こうだよねみたいなのは話す。それくらいかな、ストレス解消法っていうか最近のあれは。
――齋藤さんはいかがですか
齋藤 うーん。
大桃 ストレスかからないの?
齋藤 いや、ってか全然質問とはずれるんですけど結構海斗の悩みとか聞いてると、なんか俺って全然考えてないのかなとか思って、ここまで悩んだり今のところなくて、まだ対戦相手的にもこっからが山場だから。ここからどうなるか分からないけど、今のところ海斗みたいにものすごい悩んだりストレスに感じることはないんですけど、逆にこういう話とか聞いて俺はこのままでいいのかなとか思って、自分を見つめ直す時間とか増えました。キャプテンになったからかはわからないけど、そういうときは上手くいかなくていやになったり、それはが個人的なプレーのときとかは、結構机やノートに向かって自分の目標を再確認して、目標に向かって何が必要か逆算して、文字にするようにしていますね。
――なるほど
齋藤 そうするとなんか、俺は自ずとやる気が出てくるというか、やっぱこうなりたいなら、目標に対してこういくことやってかなきゃとか、そう思うと嫌なことでもやらなきゃいけないってなります。あとは、学校でも会ってるし、週末とかもたまに会ったりして、良い刺激もらっていますね。
――今年ア式も早明戦は残留という目標もあってキーになる試合になります。ラグビー部に関しても、対抗戦での早明戦はその後選手権を考えたら非常に重要な試合になります。今年の早明戦は多分、ア式、ラグビー部にとって位置づけがかなり高いと思いますが、どう捉えているのかと例年との比較を教えていただきたいです
大桃 明治さんは、少し早稲田と似ている部分が伝統としてあると思うので、それは人間的な部分での成長であったりとか、サッカーの面でも、球際だったり、切り替えだったり、ハードワークするという点で、すごく共通している部分はあるというふうに自分も早稲田入学してから思っている部分があります。今年に関しては、すごく完成度が高く、個の能力も高いですし、チームとしてやろうとしていることを全員が体現できているチームだと、明治さんは特に思うので、結果を見ても分かる通り。そこがずば抜けているから今の順位にいて、どんな苦しい試合も逆転で勝ったりとか、苦しい状況でも、一人一人が自立して闘えているんだろうなとは思うので、やはりそこで、前期、リーグ戦と天皇杯負けてしまったものの、やっぱりそういったところで自分たちも、夏から取り組んできたと思っているので、後期残留に向けてすごく重要な一戦になるのは間違いないと思います。正直、戦術どうこうではなくベースの闘いになるのかなとは思います。例年と比較すると、去年もリーグ戦で1-6で負けたりとかしてて、毎年明治は能力の高い選手が多いです。でも特に今年の明治はよく走るし、3バックを今年からやってハマってるし、勢いがあるなとは思うので、例年よりも完成度の部分で高いのかなと思います。あと、常に勝ち続けているというのは本当に強いチームだと思うので、波がないっていうのは、本当に強いチームの証だと思うので、今の明治を象徴しているというところだと思う。
齋藤 上手くいけば、お互い全勝対決で、対抗戦の最終節が直接の早明戦なので、勝った方どちらかが優勝となれば注目度も、元々一番観客が入る試合なので、そこに全勝対決ということが重なれば注目度も上がってくると思うので、勝ちたいです。でも、相手が明治だから特別なことをやるってことはなくて、やはり自分たちがこの一年間積み上げてきたものを忠実にやりきれば勝てる相手だと、まだ勝てる相手かはわからないですけど、そう思って試合に臨むことが大事だと思います。そう思えるくらい準備することが大切だと思うので、まだ先ですけど一か月後、まだその間に3試合あるのでそれを含めて、チームとしても、個人としても、成長して、早明戦というのを1つの、ピークと言ったらあれですけど、大きな試合として捉えて試合に臨みたいです。去年と比較すると、去年は対抗戦では勝ったんですけど、選手権の準決勝で負けて、四年生を引退させてしまったというところでは、やはり、明治だから意識しないってさっき言ったのであれですけど、何かしらみんな思うことがあるだろうし、そういったみんなの明治に対する思いっていうのを自分たちの実力にプラスして、プレーの中で発揮できたらなと思います。
齋藤主将
――早明戦、サッカーもラグビーも相手が強いので苦しい展開が予想されますが、苦しい中でキャプテンとしてどういうところを意識していきますか
大桃 まず、自分のプレーとしては、自分はセンターバックなので、当たり前ではありますが、球際だったり、競り合いであったりとかそういう部分での迫力だとか、そういう部分では誰よりも出さなければいけないです。その上でチームが苦しい状況、今シーズンはほぼそういう試合が多いんですけど、もちろん後ろから声を掛けたりだとか、どういうことが必要かしっかり意思決定をして、みんなに伝えています。最近外池さん(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実)が言っている空気とかっていうのも今のチーム状況には大切だと思うので、3年生のスギ(杉山耕二、スポ3=三菱養和SCユース)だったり、クドウ(工藤泰平、スポ3=神奈川・日大藤沢)だったり、っていうのはそういう部分も大切にやってくれているので、自分だけじゃなくて上手く周りを巻き込みながら、空気を変えていけるような声かけやプレーっていうのを苦しい状況やそういうときに心がけています。
齋藤 まずは一番ハードワークするっていうのは全試合意識していますけど、チームが苦しいときにこそ、自分が一番走って、一番声出して、一番体張ってっていうのを、先頭に立ってやりたいなって思いますね。声かけとかに関しては、単に頑張ろうぜとかではなくて、今何が必要かっていうことを本当にシンプルなかたちでチームに伝えられればと思っています。
――これからの早稲田のサッカー、ラグビーにどうなってほしいか、キャプテンとしてシーズンを終えた後にこうなってほしいとか、ビジョンがあれば教えてください
大桃 去年監督が変わって、すごく雰囲気もそうだし、色々な部分が柔らかくなったというか、自由になったと思うんですけど、その中で自分たちが早稲田としてこれまで伝統としてやってきたものを自分はすごく大切だと思っています。一年生のとき入学した時はちょっとびっくりしたというか、この組織にすごく違和感であったり、理不尽なことが多かったりはしたものの、その経験はすごくいま四年生になって大切だったなというふうに思えるし、早稲田に入って良かったなってすごく思えてる自分がいます。そのいままで大切にしてきたものっていうのは継承していって欲しいなと、伝統として受け継いでいって欲しいなっていうのは、自分の願いとしてありますが、その中でもいま外池さんがやっているようなことっていうのも視野に入れながら、それだけになってはいけないと思うので、そのバランスっていうのは難しいかもしれないけど、広い視野を持ちながらそういった伝統だったり、規律っていうのは大切にして欲しいなとは思います。自分の残りの大学生活でもそういった部分を意識して取り組みたいですし、3年生以下にもそういったことをしっかり伝えていきたいです。p>
齋藤 自分の世代が小学生の頃にラグビーを見始めたときは早稲田がすごく強くて、優勝し続けてるチームといえば早稲田で、大学ラグビーといえば早稲田っていう認識があって、こうして憧れて早稲田に入ったわけですけど、小さい子達が憧れるチームって強いチームだと思います。そういった意味では今年まず優勝して、これから優勝し続けるチームとしてのきっかけをまず作って、小さい子達が早稲田ってカッコいいなって思ってもらえるチームになっていきたいし、なって欲しいです。途切れた歴史をまた作る一年目にしたい。あと、今年for oneというスローガンを掲げていて、いろんな意味が含まれているんですけど、例年よりもラグビー部だけではなく関係者との交流も大切にしようとしていて、そこが一昨年と昨年から変わってきているところで、来年以降も引き継いでいって欲しいなと思います。
――今後の関係性を築いていく上でお互いの部について思っていることはありますか
大桃 俺も最初早稲田入学したときは、ラグビー部を知らなかったから、直人と友達になって初めて話しを聞き始めて、知って試合とか観に行くようになりましたね。イメージ的にはめっちゃ強い。俺らは去年優勝したけど、波があって、強い代もあれば弱い代もある。ラグビー部はずっと強いなってイメージがあったりとか、環境っていうのは素晴らしいものがあるなっていうのは思って、少し羨ましさみたいなのはあります。
齋藤 サッカーを通じて、外向きに発信したり、例えばnoteとかアルフとか、自分たちを知ってもらおうと自分たちから動いて、世の中に発信してるなって思います。自分が結構フォローしているんで(笑)。あとは、入るのが大変そうだなって。厳しいのかなって思ったんですけど、それは監督が変わっても同じなんですか?
大桃 やり方は一緒です。それで、基本的に四年生で新人監督を中心に、入部に対しては決めていくけど、監督とももちろん話して決めるけど、監督主導というよりかは、四年生主導だから、監督が変わってもそんなに変わらないです。
齋藤 SNSとか見てて、すごく仲が良さそうだなって。誕生日企画とか、監督もたまに出演する動画とか見てすごく思います。
大桃 それはもう監督の人柄とかもあるから。前の監督の古賀さんとかだったら、そんなラフに話せなかったです。外池さんは逆にラフな感じで話しかけてきたりとか、訳の分からないダル絡みとかしてくるから、そういうので、コミュニケーションは取りやすいんですかね(笑)。
――ありがとうございました!
(取材 ア式蹴球部、編集 大山遼佳)
終始笑顔の二人
◆大桃海斗(おおもも・かいと)
1997年(平9)10月28日生まれ。181センチ、81キロ。ポジションはDF。新潟・帝京長岡高出身。スポーツ科学部4年。
◆齋藤直人(さいとう・なおと)
1997(平9)年8月26日生まれ。165センチ、75キロ。ポジションはSH。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部4年。