学生企画の早慶フットサル対決を開催

ア式蹴球男子
早慶フットサル対決
早大 2-1
1-3
慶大
【得点】
(早大)4’鍬先 祐弥、14’、28’清水 駿
(慶大)17’瀬賀 凛太郎、22’笠 篤史、31’渡辺 穣、32’中畝 楓流

  Fリーグのエキシビションマッチとして、開幕駒沢セントラルにて早慶フットサル対決(フットサル対決)が行われた。7月12日の早慶定期戦(早慶戦)の前哨戦とも言えるこの試合に、ア式蹴球部のメンバーに加えフットサルサークルなどで活躍している「オール早稲田」のメンバーで臨んだ。全日本大学フットサル大会準優勝、関東大学フットサルリーグ優勝等の成績を収めている慶大ソッカー部のフットサル部門を相手に前半は2-1で勝っていたものの、試合終了間際に逆転を許し3-4で敗北した。

先制点を挙げた鍬先

 普段プレーしているサッカーとは違い、交代が自由に行われるフットサルでは攻守の切り替えはもちろんのこと、頭も常にフル回転しなければいけない。高い集中力が求められる中、一人一人が臨機応変に対応を見せた。開始早々4分には加藤拓己(スポ2=山梨学院)からボールを受けた鍬先祐弥(スポ3=東福岡)が勢いよく先制点を挙げ、流れをつかんだように思えた。しかし試合展開が早いフットサルでは流れがすぐに変わってしまう。得点後は慶大がボールを持つ時間帯が続き、9分には一瞬無人になってしまったゴールを水野雄太(スポ1=熊本・大津)が体を張って守り切り、ピンチを免れた。ワンタッチでのパス回しが多く各々の責任がいつも以上に大きい中、早大はゴールに向かう姿勢が強かった。14分にGK藤川優祐(法3=現コロナFC/権田)のスローから清水駿(政経3=京都橘)がダイレクトで相手GKの股を抜いて追加点。16分に片岡竜大(スポ4=現The Words)がゴール前フリーの状態で鍬先からボールを受けたが、GKに防がれ得点にはつながらず。このまま無失点で前半を終えると思われたが17分に慶大に完璧なかたちでサイドから崩され、ワンタッチで決められついに失点してしまう。そのまま得点は動かずに前半を終えた。

得点後、仲間の元に駆け寄る清水

 リードしている状況で迎えた後半、早々に慶大に主導権を渡し22分にゴール前でシュートを許してしまい同点に追いつかれてしまった。パスミスが目立ち、なかなか攻撃に勢いを付けられない早大とは裏腹に慶大は積極的にシュートを打ってくる。GK山田晃士(社3=浦和レッズユース)のナイスセーブや枠外のシュートに助けられ、何とか失点を免れている状態。27分には鍬先がインターセプトで奪ったボールを水野がゴール前で受けるが得点にはならず。少しずつゴールに近づく機会が増えている早大にこの直後チャンスが生まれた。28分に馬場雄大(創理2=現FC.FALTA、Sonne千葉/LANTEC)からロングボールを受けた清水が胸トラップでボールを収め、左足を振り抜きこの試合2点目を決めた。その後も久間鉄兵(スポ3=現足猿キッカーズ)が慶大選手の間を抜けるパスを出し杉田将宏(スポ2=名古屋グランパスユース)がシュートを打つが惜しくもゴール上へ。そして31分、再び同点に追いつかれてしまった。渡辺穣にゴール前で正面を向かせてしまい、放たれたシュートは選手に当たってコースが変わりゴールへと吸い込まれていった。その1分後にはキックインからの鋭いシュートが突き刺さり、まさかの逆転を許してしまった。その後も久間を中心にチャンスをつくるが追加点を挙げることができず、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

 新たな取り組みとして開催された今回のフットサル対決は学生たちの力によって企画から実行が達成され、大成功に終わった。『日本をリードする存在になる』ために大学サッカー、そして大学スポーツの枠を超えた取り組みにア式蹴球部は日々挑戦し続けている。大学スポーツの魅力を多くの人に感じてもらうため、学生主体となって運営される早慶戦も盛り上がることは間違いないだろう。7月12日、等々力競技場で早稲田を共に盛り上げよう!

「オール早稲田」で構成されたメンバー

 

(記事、写真 大山遼佳)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません


早大メンバー
背番号 名前 学部学年 前所属(ア式以外は現所属)
藤川 優祐 法2 現コロナFC/権田
稲葉 健太 人3 現The Words
片岡 竜大 スポ4 現The Words
加藤 拓己 スポ2 山梨学院
清水 駿 政経3 京都橘
鍬先 祐弥 スポ3 東福岡
齋藤 慶多 文3 現FC.FALTA
10 馬場 雄大 創理2 現FC.FALTA、Sonne千葉/LANTEC
11 杉田 将宏 スポ2 名古屋グランパスユース
12 栗島 健太 社4 千葉・流経大柏
13 久間 鉄兵 スポ3 現足猿キッカーズ
14 水野 雄太 スポ1 熊本・大津
16 山田 晃士 社3 浦和レッズユース
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――新たな試みとしてきょうの早慶フットサル対決がありました

結果的には大きなイベントになりましたが、慶應のソッカー部さんが元々フットサルに取り組まれている中、Fリーグに所属している早稲田の選手がいて、こういうイベントに声をかけてもらいました。それを学生たちが自分たちでこうしていきたい、我々はサッカーしかまだしていないから学内の色々なフットサルの知恵やネットワークを借りて「オール早稲田」で試合をしたいということになりました。きょうは他のカテゴリーが多く試合もしていて、AチームのTMメンバーしか来ることができなかったのでア式の中心となってやっているメンバーがここでやらせてもらいました。慶応さんに対峙してもらったのは学生たちのアイデアだし、そのパワーとかから生み出されるエネルギーがここまで色々人たちの協力を得て賛同されたりしてこういうかたちになったのだと思います。

――企画は大成功だったのではないでしょうか

僕も正直、惨敗するのかなと思っていて監督で帯同するのは嫌だなと思っていました(笑)。でも本当に部員たちも一生懸命していましたし、融合してくれたメンバーも一体感をもってチームをつくってくれていたので、短い時間の中でボールを通じてここまでコミュニケーションを深められました。ア式ということだけでなく「オール早稲田」としてやることでサークルとの融合もしていますが、そういうところで早稲田のパワーをどんどん引き出せているかなと実感できています。学生たちが自分たちで生み出して自分たちでかたちにしているところがすごく熱量を作り出していて、それがFリーグの関係者だったりお客さんだったりと色々な人を刺激するいいイベントになったと思います。いい試合でしたし、本気度や熱量がかたちになったというところでは大成功でした。

――サッカーとフットサルの違いはどう感じましたか

清水は普段より頑張っていた気がします、小さいゴールの方が点決めましたね(笑)。大きいゴールは入らないのに2得点もして(笑)。フットサルのいいところは、見ていて思ったのですが個人技術がよりクローズアップされるところですかね。選手の表情もよく見れて、その選手が出ている時間は入れ替わりもあって短いですが、そこに集約されるものがあると思いました。こういう取り組みを通じて新しい発見、選手自身もプレーの新たな可能性だったり、ちょっと行き詰まっている時にフットサルをすることできっかけをつくったりもするのではないかと感じました。サッカーもフットサルも両方やれる環境にはあると思いますが、ただ競技として取り入れるだけでなくてネットワークとしてもやっていってもいいのではないかと。慶應さんに先陣を切ってやっていただいているのでかなり学ばせていただきました。試合をしないとなかなか分からない部分もあったのですが、こういう企画を通して実感できたこともあったので非常に良かったです。

――大学スポーツの枠を超えていますね

元々大学サッカーは大学スポーツとして、大学に関わる人たちがいかに自分事化していことが本来のあるべき姿です。それが1番エネルギーを発揮しやすい環境ですし、1番人を巻き込んで自分たちの求める姿になっていくと思っています。学生たちが楽しめてそれによって自分の人生を切り開くきっかけや出会いをつくっていく場であれば、何も閉ざす必要はなくて、むしろつながれるところはつながるべきだと思います。元々サッカーは色々な分野と関わっていけるスポーツだと思っているので、それに大学時代に気づけると今後の人生を豊かにしていくと思っています。そういうチャレンジをどんどんしていってほしいし、それに対する手伝いは全力でしていきたいです。

――今後も何か企画はお考えですか

企画を出してくるのは学生たちなので彼ら次第ですね。メディアの部分だったり運営の部分だったり、特にきょうは元々関わっていたところもあったのでそういったところでちょっとつながっていなかったところをつなげたりはしているにしても、そもそものコンテンツの部分だったりは学生たちが頑張ってくれています。まだまだ取っ払えるものというか、大学生だからできることもあると感じています。それが本当に世の中に影響力をもてるぐらい大学生はパワーがあると考えているので、早稲田のメンバーがビジョンとして掲げている『日本をリードする存在になる』ためにこの大学生という場で好き勝手というか、思うように真剣に夢中になって色々なチャレンジをしてほしいです。そこは咎めることはしないし、そこから僕自身も学んでいきたいです。

――最後に、早慶戦の意気込みをお願いします

早慶戦は1年のうちの1マッチですが、きょうみたいな場があることで色々な感情だったり情熱だったりを伏線でつくることができました。きょうも勝てるかもしれないというところまでいきましたし、最初は惨敗で耐え凌ぐしかないと思っていたのにすごく楽しそうにやっていて彼らの本当に可能性を感じました。早慶戦は心の持ち方、メンタルの置き所でいかようにも変わっていくのが早慶戦の面白さでも難しさでもあります。そういう意味でいくと、負けてしまったことは学生たちにとっては当日にはポジティブに働くのではないかと思っています。改めて負けられない試合がそこにあることに対してすごく責任も感じますが、そこに関われるというか、その試合に向けて皆が様々なかたちで盛り上げてくれているので、その集大成の試合になると思います。誇りと喜びを感じられるような時間にしていのであと1カ月成長できるように時間をつくっていきたいです。

清水駿(政経3=京都橘)

――2得点を振り返っていかがでしたか

この企画ができて即興のチームだったのですが、練習試合をしたので一応共通認識はありました。切り替えの部分でうまくいったと思います。

――サッカーとフットサルの違いはどう感じましたか

フットサルはマンツーマンでいくので全部のボールを追わないといけないので、切り替えや走りの部分が正直キツかったです(笑)。今回は「オール早稲田」で試合に挑んだのですが、サークルと部活は何かしら垣根があると思います。今回のフットサル対決を通して垣根をなくして、もっともっとつながっていきたいです。

――早慶戦の意気込みをお願いします

早慶定期戦の前哨戦で初めてフットサル対決の企画があって、負けてはしまいましたがチーム一丸となって戦えた面では良かったです。でも負けたという結果はやはり悔しいのでそれは定期戦にぶつけたいです。また8連覇の重圧はあると思いますが、全員でそれを跳ね返して絶対に勝ちます