きょう4月6日、第93回関東大学リーグ戦(リーグ戦)がついに開幕する。昨シーズン新しく監督に就任した外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)の下、1部で戦った早稲田は当初誰もが想像していなかった優勝という結果を勝ち取った。今シーズンは真の強さを手に入れるべく、謙虚に戦い抜いて「ホンモノ」を目指す。リーグ戦を戦うにあたってぜひ注目してほしい選手を紹介する。
初期登録の30人に加え、追加で5人が出場選手登録された。そのうち4人がGKであり、層の厚さを物語っている。背番号1を手に入れたのは2年時に、代表招集などで不在のGK小島亨介(平31スポ卒=現大分トリニータFC)に代わってリーグ戦にレギュラーGKとして抜擢されていたGK笠原駿之介(法4=埼玉・早大本庄)。試合の経験値が高く、安定感のあるセービングで幾度とチームを救ってきた。しかし先日行われた東京都トーナメント学生系の部予選(天皇杯予選)でゴールマウスに立ったのはGK山田晃士(社3=浦和レッズユース)。足元の技術はGK陣の中でも高く、守備から攻撃に素早く切り替えることができる特徴をもつ山田だが、いずれの二人もスタメンに選ばれるためには一切気が抜けない。やはり今シーズンもGKは激戦区のポジションになりそうだ。
最終ラインには昨シーズンからチームを支えてきた選手が多く残っている。対人能力が高く、サイドを駆け上がり豊富な運動量で攻撃にアクセントを出しているDF牧野潤(スポ4=JFAアカデミー福島)。ディフェンスリーダーとして周囲を見て適確な状況判断をし、ヘディングでも圧倒的な力をもっているDF大桃海斗主将(スポ4=新潟・帝京長岡)。積極的にドリブルでボールを持ちだし、得点にも多く絡んでいるDF杉山耕二(スポ3=三菱養和SCユース)。彼らに加え、天皇杯予選では2得点を挙げてすでに存在感抜群のDF阿部隼人(スポ3=横浜Fマリノスユース)や、昨シーズンスタメンに選ばれた経験もあるDF大里優斗(社4=鹿島アントラーズユース)らに期待がかかる。
チーム一丸となって戦うア式
中盤にはMF鍬先祐弥(スポ3=東福岡)、MF金田拓海副将(社4=ヴィッセル神戸U18)、MF栗島健太(社4=千葉・流通経大柏)と昨シーズンとほぼ変わらず、安定感があってそれぞれの特徴を高め合うことができる選手たちがいる。ケガから復帰し、多くの人から期待されているMF千葉健太(スポ4=鹿島アントラーズユース)や圧倒的な足元の技術で相手を抜いていくMF田中雄大(スポ2=神奈川・桐光学園)らの活躍からも目が離せない。
昨シーズン得点王の岡田優希前主将(平31スポ卒=現FC町田ゼルビア)、アシスト王の相馬勇紀(平31スポ卒=現名古屋グランパス)ら得点に多く絡んでいた選手たちは卒業し、新たなステージへと進んでいる。次の得点王を狙うのは常にゴールを見据え、隙あれば強烈なシュートを打ちチームに数多くの勝利をもたらしているFW武田太一(スポ4=ガンバ大阪ユース)。U23北朝鮮代表としてアジア競技大会に出場経験をもつFW梁賢柱(スポ3=東京朝鮮高)、昨シーズンチームマネジャーとしてチームを支え、度重なるケガを乗り越えたFW蓮川雄大(スポ4=FC東京U18)をはじめとした攻撃陣にも注目してほしい。特徴の違う選手をそろえていることで攻撃にバリエーションも増えることだろう。
天皇杯予選で勝利し、喜ぶ選手とスタッフ
それぞれが様々な思いをもってプレーしているが、全員に共通しているのは「勝ちたい」という熱い思い。昨シーズン優勝して追われる立場の早稲田だが、「自分たちもチャレンジャーとして謙虚に戦う」と大桃は言う。過去にすがらず、「ホンモノ」になるために前を常に見続ける早稲田の姿に期待したい。試合に出場しない部員も一丸となって同じ方向を向くことが勝利に大きくつながることだろう。新たに新入生や学生スタッフを迎えた早稲田が「日本をリードする存在になる」のはそう遠くないのかもしれない。
(記事、写真 大山遼佳)