【連載】第69回早慶サッカー定期戦直前特集 第6回 岡田優希×武田太一

ア式蹴球男子

 関東大学リーグ屈指の『矛』として、前線で大暴れしているFW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)とFW武田太一(スポ3=ガンバ大阪ユース)。リーグ戦でもし烈な得点王争いに身を置くお二人に、好調の要因と早慶戦への熱い思いをうかがった。

※この取材は6月26日に行われたものです。

「丁寧に取り組めている」(岡田)

リーグ戦では二人で15得点を決めている

――ここまで(第10節終了時点)8勝1敗1分で首位独走。これほどの快進撃は予想していましたか

岡田 全くしていませんでした。ビリになったらどうしようかと思っていて、主将としてはそういう風に臨んだシーズンでした。

武田 ゼロでした。俺らの代の中でもとりあえず残留を目標にやろうと話していたし、4年生も同じことを考えてたんじゃないかなって思います。

――連勝を重ねられている要因は

岡田 一つは、勝てると思って臨んだ試合が一つもないことじゃないかと。負けることって言ったら変ですけど、そういったことから想定して、分析もより一層力を入れて、試合に入ってからも相手によって柔軟に対策を立てて、その中で自分たちが勝負できるところで勝負して、耐えるべきところで耐えるという、サッカーにおいて勝つために必要な要素っていうのを一つ一つおごることなく丁寧に取り組めていると思います。

――謙虚さという言葉が試合後のインタビューで出たことがありますが、そういったことがチーム内に浸透しているということですか

武田 外池さんが試合中にも(謙虚を)3つのコンセプトの1つに挙げたりしてて、途中勝ってても、あれなんでしたっけ? 『頭(こうべ)を垂れる稲穂かな』のやつ。

岡田 『実るほど』?

武田 それ(笑)。それをコンセプトに挙げたりしてて、謙虚っていう言葉はずっと自分たちの中にあったし、勝てる相手と思ってない分、強く謙虚さは持てたかなと思います。

――今年から就任した外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)への印象は

岡田 サッカーの監督というよりも、ディレクターとか、プロデューサーみたいなイメージがあります。選手をよく見て、その選手がどうやったら生きるか。個人としてもチームとしても、より良いかたちでそれぞれが生きるような組み合わせと、そこまで持っていく過程をすごく大事にしています。これまで自分が出会ってきた監督の中でも中々いないタイプですし、(プロを)引退してからビジネスマンとして10年ほど生活していらっしゃったんですけど、そういった経験がそうさせているのかなと思っていて。新鮮な監督だと思います。

――武田選手は今年からレギュラーに定着し、外池監督の就任と時期が重なっていますが、どういった印象を持っていますか

武田 外池さんはコミュニケーションを取りやすい監督だなと思っています。自分たちの思っていることを素直に言えたりだとか、「自分たちの学年の色はこうや」って言ったら「その通りやっていい」とか。結構建設的な言葉をかけてくださることが多くて自分たちもやりやすいし、それに対して応えようと思うことは多いですね。それで自分の中では、レギュラーになれた要因はちょっと分かんないですけど、伸び伸びやれていることは大きいかなと思います。

――今季はお二人で合計15ゴール。チームの半数以上の得点を記録しているわけですが、好調の要因は

武田 得点王争いでも『打倒岡田』。チーム内で負けたくないっていうのも大きいんで、岡ちゃんが点取ったら「絶対俺も負けられへんから点取る」って思うし、それが点取れてる要因かなと思います。

――と、言われていますけど岡田選手は

岡田 いや、僕はそんなに気にせず(笑)。自然体でやってる感じですね。ただ、歴代最多得点記録が20なので、それは超えたいですね。渡邉千真さん(平21スポ卒=現ヴィッセル神戸)が記録してましたね。僕の場合はそんなに「俺が点を取る」って思ってないことで逆にチャンスが来てるのかなって思っています。あくまでチームの中で自分がやるべきことをやった結果、そのリターンとして(得点できている)。味方がそこまで運んできてくれて最後自分が決めるところに入るってところに、もっと取れるシーン、あと5点くらいは取れたと思うんですけど、あくまでそこに(主眼点を)置いているので。得点王はもちろん意識しますけど、あまりがっつかずに自然体でやれてるのが要因かなと思います。

――その姿勢が法大戦以降のスーパーサブとしての得点量産にもつながっていますか

岡田 そうですね、途中から出るのは去年からもやってましたし、スタメンだろうが途中出場だろうが与えられた仕事は変わらないので、途中からだからとかスタメンだからとかいう位置付けはしてないです。

――武田さんにお聞きしたいのですが、スーパーサブとして岡田さんがピッチに入った時、雰囲気に変化はありますか

武田 そうですね、ギアが一段階変わるというか、前半苦しくても岡ちゃんが入ってきたら、タメ作れるし前向けるしで、岡ちゃん投入で戦術が変わったりするので、それで相手が嫌がってチャンスが増えるっていうのが後半の印象ですね。

――お互いを評価してください

岡田 武田はこれだけのサイズがある中で、あれだけ器用に動けるのは素直にすごいと思っています。大きいだけとか、パワーがあるだけの選手が多い中で、それに加えて(ボールを)さばけたり、動けたりするっていうのはサッカー選手としての才能だと思います。

武田 (岡田選手は)ゼウスっす(笑)。

岡田 それ、共有されてるよね3年生に(笑)。

武田 岡ちゃんは足元で受けれるし裏にも抜けられるし自分でシュートに持ち込める、なんでもできる選手です。自分に持ってないものを持っている選手だというのが一番思っているところで、(DFの)間で縦パスもらって器用に前向けたりとか、自分はできないし、ドリブルで(相手を)はがしてシュートとか、自分が持ってない武器をたくさん持ってて、見習うべき点はたくさんあるし尊敬しています。たまにちょっとエゴイストが出過ぎる時があるのは、どうかなって思いますけど(笑)。エゴイスト過ぎる時があるんですよたまに。最近は全くないんですけど。チームの大黒柱ですしキャプテンなので尊敬してます。

――主将としての岡田さんは

武田 言葉のチョイスが素晴らしいなと。喋り方とかも意識してるのかなと感じますし、岡ちゃんの一言でチームが奮い立つというか。それがチームの勢いにつながってんのかなと思います。

――そういったことは意識してるんですか

岡田 意識…。意識してる…?あー、まあそうですね。どのタイミングでどんな風にどういう言葉を言うかはとてもこだわっています。何気なくふわっと言ってるような言葉でもそれはすごく考えてます。どういう言葉でその状況を表すかというのも考えてますね。たとえば、「早稲田を証明しよう」って言ったんですけど、『勝とう』とかだと、(意味が)そこだけになってしまうなと。証明するといえば、いろんなこと全部やった上で、1部復帰だけでなくて今後早稲田はこういうものであると示すところまでみんなの考えが及ぶんじゃないかと思っていて。ちょっとしたニュアンスですけど、みんなの中にどう響くかなっていう。それが短時間の瞬発的な言葉じゃなくて、長期間で頭の片隅にでも残ってたらいいなと思ってますね。限定しちゃうとみんなが逆に苦しくなるというか、価値が一つになってしまう。『勝とう』って言っちゃうと、負けたらダメなのか、勝てばなんでもいいのかってなるじゃないですか。証明するっていえば、勝っててもやっていることは正しいのか、今までやってきてないことをやらなきゃいけない(ということを考えられる)し、負けたとしても、証明するために、勝つためにやらなきゃいけないことがあるという風に考えられたりします。証明するっていう言葉一つを取っても、ピッチ内外でできることがあるんじゃないかと。みんなの中に一つの基準や軸となって、自分のやりたいことをできるように言葉を考えて使っています。

――ほかに意識していることはありますか

岡田 主将らしくしないことですね。さっきの自然体っていうのと一緒で、素直に自分の思ったことを言うようにしています。キャプテンだから負けていたら声出さなきゃいけない、勝っていても怒らなきゃいけないとかそういうのじゃなくて、その時々に自分が思ったことを言う。それだけしか心がけてないですね。

「フィジカルでは負けたくない」(武田)

武田は攻撃の起点としても重要な役割を担っている

――ワールドカップは見ていますか

岡田 観てます。

武田 ほぼ観てます。

――深夜でも?

武田 はい。5時まで起きてます(笑)。

――印象に残ったチームや選手はありますか

岡田 そうですね…。いいよ、先。

武田 んー、ベルギーのルカク、かな?あんなに足速くないし、体も強くないけど、モンスターとか呼ばれるじゃないですか。怪物とか。それで、一応俺もワセダでは『フィジカルモンスター』とか言われたりしますし、フィジカルでは相手にも味方にも負けたくないっていうのもあるし。そういう面ではワンタッチゴールもできる選手で、裏にも抜けられるし、あの大きさでいろんなことができるのが凄いなって思う部分が多いです。参考になる部分もあるけど、あそこまで規格外だと真似できないところも多いんですけど(笑)。ワンタッチで決めるとか、裏への飛び出しとかは真似できますし、参考にもできるんで、そういうところは注意深く観てます。

岡田 僕は個人よりもチームの中での個人とか、戦略がぶつかり合ってどういうことが起きてるのかに着目してるので、特にこのチームがっていうのはないですね。ドイツとメキシコの試合とか、今後はどっち(の立場)にもなり得ると思うんですよね、ワセダは。今後はドイツみたいに、ワセダの方が事実として強いって思われている中でどのように振る舞ったらいいのかとか。逆にメキシコみたいに戦力差だったり苦しい時間帯の中でどのようなマインドで取り組んでたのかなとか。そういう意味で物すごく勉強になった試合かなと思いますね。あとはアルゼンチンとかもよく観てて、なんであんなに苦戦してるのかなとか。逆にアイスランドみたいなチームも面白かったし、昨日のウルグアイ対ロシアでの、スアレスとカバーニのゴールに行くタイミングのギアの上げ方とか、そういうところを観ています。ちょっと長くなっちゃいますねこれ話すと(笑)。

――対談前アンケートの中に『主将の印象』という欄に、武田選手と相馬選手(MF相馬勇紀、スポ4=三菱養和SCユース)が「髪型がすごい」と書いていらっしゃいました

岡田 だいぶ落ち着いたんだけどな(笑)。

武田 だいぶ落ち着きましたよね(笑)。最初何か乗ってるとか言われてたから(笑)。

――髪型を変えた理由というのは

岡田 えー、まぁ、適切なかたちが見つかったという(笑)。そういうことにしといてください(笑)。ただ、あの時(主将就任時)は自分も変に力が入っていたというか、何か変わったことを示すのに一番手っ取り早いのは髪型じゃないですか。変に奇抜にしようと思ったわけじゃないんですけど、あの時は必死に何かちょっとでもしようかなと。そう思った結果があれだったんだと思います(笑)。

――あとは先ほども少し話題に上っていたと思うのですが、4選手ほどが『ゼウス』と書いていました

岡田 俺はよくわかんないですね意味が。

武田 いやもう、ゼウスですね。降臨すれば結果残してくれるし、ワセダに君臨しているゼウスです(笑)。

――3年生が中心になって呼んでいる感じですか

武田 いや、もうチーム全体ですね。

岡田 まあね、言われますね。よく。

武田 相馬くんとかよく言ってる(笑)。

――ゼウスと言われるのはどうですか

岡田 ゼウスって言われても…ねえ?わかんないですよね、だってゼウスって言われたことないですからね(笑)。

武田 全知全能ですからね(笑)。

岡田 ゼウスって言われても何していいかわかんない(笑)。

武田 ゼウスはゼウスのままっすよ。そのままでいいんじゃないですか。

岡田 わかんないですけど僕が思ったのは、たぶんチームのパズルに入ってないっていうか、みんなが持ってる価値観からズレたところにいるから、ちょっと変わった(人だ)っていうのが、『神』っていうかたちになっちゃったのかなっていうのがあって(笑)。だから良いのか悪いのかわかんないですけど、それが自分だし、逆にそういう視座を持って主将に就任したので、そこは良くも悪くも変わらずにいきたいですね。逆にそういう風に見てくれてることにホッとしているというか、みんなと同じ土俵って言ったらおかしいですけど、同じような枠で見てたら主将として駄目だと思うので、そこが反映された結果がゼウスという言葉になってるんじゃないかなとは思いますけどね(笑)。

「ワセダとしてもア式としてもプロフェッショナルになれるチャンス」(岡田)

リーグ戦では何度も決定的な仕事をみせてきた岡田。早慶戦でも勝利へ導くか

――岡田さんは昨年の早慶戦直前対談で、「観客が多ければ多いほど燃える」とおっしゃっていましたが、いざピッチに立ってみていかがでしたか

岡田 空いてるところが目立ったので、もっとそこが埋まってほしいなと。(ピッチに)入ってスタジアムをバーって見た時にそれを一番思いましたね。やっぱりもっと埋まって欲しいと思いました。さっきもミーティングしてたんですけど、今年はいろんな取り組みをやってくれているし、多分早慶戦だけ集めようとしても駄目で、2月の始動以来のチームの取り組みの途中経過として早慶戦に表れると思うので、外池監督も来てビジョンもつくりましたけど、(今まで)積み上げてきたものがどういう結果になって表現されるかということで、今年はすごい楽しみですね。それと、主将としてワセダを見た時に、ワセダっていろんな価値があるのに生かしきれてないと思っています。サッカーはサッカー部内部だけで完結してるし、大学4年間だけで完結しているのはもったいないなと。それが今はたとえばスカパーとかポカリスウェットとコラボさせていただいたりとか、社会と連結していく装置になったり、ワセダ内部でも色んな人とつながって、少しでも良いものを出せないかと、そういう思いでビジョンをつくったので、ここまでは上手くいってるのかなと思います。結果自体も色んなことをやった結果がついてきてると思うので、それは武田たちにも引き継いでもらって、新しいワセダの良さや伝統を残して欲しいなと。主将というより、僕個人としてそう思います。

武田 頑張ります(笑)。

――武田選手にとっては初めての舞台になります

武田 去年は2週間前くらいから紅白戦して、途中までスタメンじゃないかっていうところまで行ったんですけど、当日はバックアップというかたちでした。実際バックアップが自分の中では一番悔しくて、運営には携われないし、ピッチにも立てない。途中まで選手と一緒に準備して、その後はベンチの仕事だけで、めちゃくちゃ悔しくて、こんなに人が来るビッグイベントなのに自分は何してんねんって思いました。今年は去年よりいろんなことをしているから人が去年より集まるんじゃないかなと思っている中で、最近ケガから復帰したばっかりなのでスタメンかは分からないですけど、今年こそ絶対スタメンで出てやるっていうのは自分が今強く思っていることです。こんな大舞台は大学に来て初めてなので、試合自体はすごく楽しみですね。早慶戦の存在は大阪にいた時は知らなかったんですけど、こっち来て「そんなビッグイベントあるんか」って。

岡田 俺も知らなかったよ?

武田 ほんまですか?川崎やのに(笑)?

岡田 全然知らなかったよ。等々力でやってるのに知らなかった(笑)。

武田 岡ちゃんで知らんかったら俺絶対知らんなぁ(笑)。まあ、ワセダに来たからには絶対出ないといけないかなと強く思います。楽しみです。

――当日は多くの観客が詰めかけると思いますが、リーグ戦と臨む姿勢が変わったりはしますか

武田 俺は一緒っすね。楽しむ。

岡田 早慶戦って他の部活だとリーグの中の1試合なんですよね。野球とかラグビーとか。けどサッカーは別個でやってるんですよ。多分それはどんなプロ、アマチュア見ても早慶戦だけだと思うんですよ。サッカーで、その1試合のためだけにやってるっていうのは。そこの価値っていうのはまだまだあると思っているし、伸び代はあると客観的に見て思います。そこに出るモチベーションは僕には違うものがあって、よりエンターテイメントとして選手として求められる。そういう意味ではプロよりプロフェッショナルを求められる舞台なんじゃないかなと。そこで何を見せるのかというのを一番問われる大会なんじゃないかと思っています。ものすごく楽しみだし、ワセダとしてもア式としてもプロフェッショナルになれるチャンスじゃないかと思っているので、特別な思いがありますね。

――武田選手はMF栗島健太選手(社3=千葉・流通経大柏)、岡田選手は全員を早慶戦のキーマンに挙げていますが、その理由は

武田 リーグ戦観ていたら分かると思うんですけど、アイデアの多さ。そこでそんなことする?みたいなプレーを見せるエンターテイナーじゃないですか。そういうプレーが好きで。楽しいからサッカー始めたわけで、サッカーを楽しむっていうのが自分の中で大前提としてあるので、ああいうプレーしてたらワクワクしますし、味方でとして「すげえな」ってなるので、早慶戦でも盛り上げてくれるかなっていう期待を込めて栗島にしました。

岡田 去年も同じ答えにしたと思うんですけど、さっき言ったみたいに、早慶戦をつくりあげているのは僕たち選手だけではなくて。僕は下級生の頃外回りの仕事をやっていたのですが、ピッチ外でメンバーに入れない悔しさはありつつも、何かしら早慶戦に関わっているってだけで「何かいいなぁ」っていうのは本当に素直に思ったんですね。文化祭で考えたら、ステージに上がる人だけが主役じゃないし、運営に関わる全ての人の支えあって、その場が成り立っていると思うので、観客の方々にはピッチだけではなくて、クラシコパークで部員がどういう顔をしているか、駅から来るときに立っている誘導係の人たちはどういう顔でやっているのか、一人一人を見てほしいですね。Jリーグの試合で運営している人とは全く違う学生の思いが込められているはずです。主将としてではなく個人として本当にそう思っています。ここ大きく強調しといてください(笑)。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします

武田 自分のゴールで勝つっていう気持ちは、もちろん早慶戦でもあるので、周りの助けあってこそですけど自分のゴールで勝利に導いて、岡ちゃんとか差し置いてMVPになってやろうって思っています(笑)。

岡田 いや、3年生はそれでいいと思うんですよ。そういうエゴで今のチームは助かってますしね。僕も昨年までは同じ立場だったので、4年生になってチームのことを客観的に見た時に、(自分も昔は)生意気やってたけどそれも必要な要素だったなと思ったので。だから3年生以下は伸び伸びやってくれたらと思いますね。

岡田 さっき言ったことに似ると思うんですが、早慶戦という舞台は今後の大学スポーツを動かす存在になると思うし、日本のスポーツ界においても重要な存在になっていかないといけないと思っています。日本サッカー初のナイター試合でもありますし、4万人の観客を集めた歴史もあります。海外を見ても大学同士の試合でここまでやるのは早慶戦くらいしかないと思っているので、そういう意味でも日本のスポーツを引っ張っていく存在にならなければいけない。そういうビジョンを掲げた1年目として、何ができるかすごく楽しみですし、10年後20年後くらいに、『今の早慶戦の礎になった』と思われるような大会にしたいという思いがあります。そのために今いろんな部員が、秋葉(MF秋葉遼太主務、文4=都駒場)なんか寝ずに動いていますし、たくさんのOBの方や企業の方も早慶戦のために動いてくれていると思うので、その思いに選手として応える。エンターテイメントとしてお客さんに何かを伝えられるような大会にしたいと思っています。そういった結果、僕がMVPになるので(笑)! 絶対そうなったらワセダが勝ちますから。ワセダが勝って得点を取ってMVPになるのが僕のシナリオです。

武田 ちゃんとエゴイスト(笑)。

岡田 まあどうなるかわかんないですけど(笑)。本当に色んな人に観て欲しいし、これをもし部員が見たら、それぞれが与えられた役割で最大限、悔しさとか出していいのでやりきって欲しいです。スタッフ含めて全員で早慶戦をつくりたい。その結果どうなるかっていうのはすごく楽しみなので、わくわくした思いで臨みたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 森迫雄介、写真 守屋郁宏)

◆武田太一(たけだ・たいち)(※写真左)
1997年(平9)4月22日生まれ。184センチ。84キロ。大阪・追手門学院高出身。前所属・ガンバ大阪ユース。スポーツ科学部3年。FW。貪欲に得点を狙う姿勢が持ち味の武田選手。「とにかく点を取りたい」と、ストライカーらしい本音が漏れ出る場面もありました。豪快なゴールで荒鷲軍団を粉砕してくれることでしょう!

◆岡田優希(おかだ・ゆうき)(※写真右)
1996年(平8)5月13日生まれ。172センチ。68キロ。神奈川・新城高出身。前所属・川崎フロンターレU18。スポーツ科学部4年。FW。川崎フロンターレの下部組織で育った岡田選手にとって、早慶戦が行われる等々力陸上競技場はまさに『ホームスタジアム』。かつて憧れたピッチで、どのようなプレーを見せてくれるのでしょうか。