J入団内定の3選手がプロでの飛躍を誓う

ア式蹴球男子

 早大大隈会館にて、Jクラブへの入団が内定した3選手による合同記者会見が行われた。MF秋山陽介(スポ4=千葉・流通経大柏)が来季のJ1昇格を決めている名古屋グランパス、DF熊本雄太(スポ4=東福岡)がJ2・モンテディオ山形、FW武颯(スポ4=横浜F・マリノスユース)がJ3・福島ユナイテッドFCへの入団をそれぞれ報告。活躍の場をJリーグの舞台に移すにあたって、意気込みを語った。

左から岩井部長、古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)、秋山、熊本、武

 秋山は流通経大柏高時代に高円宮杯U18チャンピオンシップを制し、高校年代日本一を経験。早大入学後は、ドリブル突破を武器にサイドアタッカーとして2年時から試合出場を重ねた。今季はボランチへとポジションを移し、豊富な運動量と高い技術を生かして、攻守において中核を担った。JFA・Jリーグ特別指定選手の認定も受け、すでに名古屋グランパスの一員として、J2リーグで9試合に出場。豪快なミドルシュートで、初得点も記録済みだ。

 熊本は的確なポジショニングと空中戦の強さが持ち味のCB。昨季は関東大学リーグ戦1部の舞台で21試合にフル出場し、早大の最終ラインを支えた。今季はケガに泣かされたが、秋に復帰を果たすと、セットプレーから3得点を記録するなど、早大の2部逆転優勝に大きく貢献。ここ一番での勝負強さにも強みがある。

 武は優れたゴールへの嗅覚を持つ選手で、主戦となった今季はその才能を存分に発揮した。2部リーグで最多得点を記録した早大攻撃陣をけん引し、15得点を挙げて得点王も獲得。シュート決定率33%という圧巻の数字が示す通り、シュートの精度には絶対的な自信を持つストライカーだ。

それぞれ加入するクラブのユニホームを身にまとった

 会見の冒頭で、岩井方男部長は「この3人はプロに行っても十分に活躍してくれると思う」と期待を寄せた。その後、あいさつを済ませ、記者から目標を問われた3選手は、そろって早期デビューを目標に挙げ、各チームへの貢献をと意気込んだ。来季以降、彼らのプロの世界での活躍に注目だ。

(記事 守屋郁宏、写真 田中佑茉、新開滉倫)

会見内あいさつ

秋山 名古屋グランパスへの入団が決まりました秋山陽介です。一日でも早くピッチに立って、名古屋グランパスの勝利に貢献できるように頑張ります。

◆秋山陽介(あきやま・ようすけ)

1995年(平7)4月13日生まれ。身長170センチ、体重64キロ。千葉・流通経大柏高出身。スポーツ科学部4年。MF。関東大学リーグ戦1部通算31試合1得点。同2部通算20試合1得点。


熊本 モンテディオ山形に入団することになりました熊本雄太です。チームのJ1昇格という目標に、自分なりに少しでも貢献できたらと思っています。

◆熊本雄太(くまもと・ゆうた)

1995年(平7)7月18日生まれ。身長186センチ、体重80キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部4年。DF。関東大学リーグ戦1部通算21試合1得点。同2部通算5試合3得点。


 この度、福島ユナイテッドFCに入団することになりました武颯です。(目標は)J3優勝と、個人としてはJ3得点王をとりたいと思っています。

◆武颯(たけ・はやて)

1995年(平7)7月17日生まれ。身長175センチ、体重67キロ。神奈川・金沢総合高出身。前所属・横浜F・マリノスユース。スポーツ科学部4年。FW。関東大学リーグ戦1部通算6試合0得点。同2部通算18試合15得点。

コメント

MF秋山陽介(スポ4=千葉・流通経大柏)

――6月に加入内定が出ましたが、いつごろから契約の話はありましたか

話をいただいたのは5月ですね。そこから自分の中で考えて名古屋を選択しました。

――そのときクラブからはどのような話がありましたか

練習参加して名古屋にフィットしているよねという話もありましたし、自分のプレーもずっと見てくれていたというのもあったので、自分のプレースタイルを理解してもらったうえで呼んでもらったというのと、活躍できるビジョンが自分の中で浮かんだのでそこを加味して決めました。

――8、9月は名古屋の一員としてJリーグの試合にも出場されていましたが、感じたことなどはありますか

自分の通用する部分と足りない部分が両方分かったのでいい経験になりました。

――具体的にはどのような部分ですか

大学4年間でやってきた切り替えの部分であったり、攻撃の仕掛けの部分では通用したと思う部分があったんですけど、逆にフィジカルや判断の部分、一つ一つの技術の質というのを上げていかないといけないと思いました。

――風間監督からはどのようなことを求められていますか

プレーを楽しむというところと、自分は攻守においてハードワークするというのが特徴の一つだと思うので、その部分で考えて動き続けるところは意識してやりました。

――風間監督が目指すサッカーに通ずる部分がありますね

パスやトラップなど一つ一つの技術を求めて、常にゴールに仕掛け続けることを求められていると思うので、自分のプレーを出しつつもそういう部分を意識したいと思います。

――今季早大の試合では主にボランチを務めていましたが、名古屋の試合では左サイドを主に任されていました。違いなどはありましたか

早大と名古屋ではやるサッカーが違う部分もあったので、結構違いはありました。ただ、自分も昨年早大で左サイドをやっていたので、ボランチをやったことと両方がプラスになって、名古屋でもプレーができたと思います。

――名古屋のチームの雰囲気はいかがですか

いい雰囲気だと思います。やっているサッカーも楽しいし、私生活の面だったり練習の面でも、自分が初めて練習参加したときから声をかけてくれる選手っていうのは多かったので、非常にいいチームだなと思いました。

――今後に向けて抱負をお願いします

まずは自分が試合に出られるようにトレーニングの段階でアピールするというのと、試合に出て名古屋グランパスの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。

DF熊本雄太(スポ4=東福岡)

――モンテディオ山形に入団する決め手となったのは何ですか

僕がケガをしている中でもオファーをいただいて、僕の将来的なことであったり、今のこの状況っていうのを理解してくれた中でオファーしてくれたので、そこが一番の決め手だったかなと思います。

――ご自身のどのようなところが評価されたとお考えですか

空中戦の強さであったり、フィジカルの面であったり。あとはセットプレーで得点を狙えるっていうところを評価してもらったのかなというふうには思います。

――練習には既に参加されましたか

練習は参加してないんですけど、練習見学というかたちで見には行きました。

――実際に練習を見てどのような印象を受けましたか

みんなハードワークな部分であったり、戦う姿勢っていうのがちゃんとしていて、楽しそうだなっていうイメージがあります。

――いつ頃からプロを意識し始めたのですか

サッカー始めた時からですね。でもさすがに5歳の頃は思ってなかったかな(笑)。まあ小学生の頃とかにテレビで中継してるのを見て、本当にそこからプロになりたいなという思いはありました。

――大学入学後、いつ頃プロへの道が見え始めましたか

それが全然で、1、2年生の頃は試合に絡めなくて、自分自身でもどうしようかなという迷いはありました。でも自分の中でしっかり考えていく中で、サッカーを外したら何も残らないし、本当に自分がやりたいことはサッカーだと思ったので、そこからはプロしか目指さないというか、プロになりたいっていう欲を出していけたかなと思います。

――そんな中、実際にオファーが来た時のお気持ちというのは

正直めっちゃうれしかったです。ケガしてて決まらないかもなというふうに思っていたんですけど、その中でもオファーをいただけたのは本当にうれしかったです。

――周りの反応というのはいかがでしたか

ケガしてたので、周りも「え、お前来たの?」みたいな感じで(笑)。そんな感じで驚いてました(笑)。

――以前プロへの意気込みということで、結果だけを求めてやっていきたいとおっしゃっていましたが、具体的には

僕自身、来年、再来年が勝負になってくると思ってるので、チームの結果もそうですし、自分の結果だったらセットプレーで点を取ることだったり、守備の面では0点で抑えることであったり、自分の特徴を生かして勝利に貢献できるようやっていきたいなというふうに思います。

――最後に改めて抱負をお願いします

モンテディオ山形がJ1に上がるために、自分が少しでも力になれればと思ってますし、来年はプロ1年目ですけど、最初のほうから試合に出て、結果を求めてやっていきたいなと思います。

FW武颯(スポ4=横浜F・マリノスユース)

――プロ入りが内定してのお気持ちを聞かせてください

幼い頃からの夢であってプロサッカー選手になれたということはうれしく思います。

――プロの道を現実的な目標として意識し始めたのはいつごろですか

夢に見ていたのも小学校からで、自分はマリノスというJリーグのチームの下部組織でずっと育ってきたので、トップチームの選手に会ったりとか、Jリーグも毎週見たりもしていたので、サッカーをやり始めた時からプロに行くというのがずっと目標でした。

――入団に至った経緯は

大学4年生でのプレーであったり、(2部で)得点王を取ったということで得点力だったり、そういったところを評価してもらい、獲得してくれたのかなとは思います。

――クラブの方から期待されている部分もそういったところなのでしょうか

そうですね。あとは自分は(性格的に)明るいところがあると思っていて、そういったところも期待していると言われました。

――練習参加もされたんですか

しました。3日間くらいですね。

――実際に参加された感想としては

得点力やシュート精度であったり、通用する部分はあると思いましたけど、これまでも課題だったボールの受け方であったりとか、ゴールに至るまでのつくりの部分だったりとか、そういった部分はまだまだなのかなとは思うので、これからもっとやっていかないといけないかなと思います。

――福島ユナイテッドFCというチームの第一印象はどうですか

スタッフの皆さんであったり、選手の皆さんであったり、強化部の皆さんであったり、本当に優しく接してくれて、温かいなと思いました。

――プレースタイルとしては

『繋がりタオす』というのがチームのスローガンであると思うんですけど、密集をつくって攻めるというところがあると思います。

――その中でやはりゴールで貢献していきたいということになりますか

そうですね。チームのやり方に沿いながら、自分の特徴をどんどん出していけたらなと思います。

――最後に改めて抱負をお願いします

入団して1年目とかは関係なく、自分は開幕からスタメンで出場して、福島ユナイテッドをJ3の頂点に立たせて、個人としてはJ3の得点王をとりたいと思います。