難敵・立正大に完敗。天皇杯本戦への道は絶たれる

ア式蹴球男子

 東京都トーナメント学生系の部予備予選の2回戦が行われ、早大はホーム・東伏見グラウンドで、立正大と対戦した。試合は、立ち上がりから立正大ペースで進むと、15分にセットプレーから失点。その後もゴールを脅かされ続けた。後半に入ると、反撃の機運が高まったが、なかなかシュートまで持ち込めない。じわじわと流れを押し戻されると、73分に追加点を奪われ、点差を広げられた。その後の反撃も不発に終わり、0-2で完敗。来年度の天皇杯全日本選手権本戦出場の可能性は、早くも消滅してしまった。

 立ち上がりから、高さやフィジカルに特徴を持つ立正大が、ロングボール主体の攻撃でペースをつかんだ。早大は立正大の1トップ・FW関岡亮太への対応に加え、最終ラインからの精度の高いロングボールにも骨を折った。GK千田奎斗(スポ1=横浜F・マリノスユース)がぎりぎりの対応に迫られるシーンも複数回つくられるが、耐えしのぐ。しかし、13分から連続して4本のCKを与えると、ついに決壊。ファーサイドに流れた選手をフリーにしてしまい、ゴール前にボールを落とされると、混戦からボールをかき出せない。最後は立正大DF岡村大八に押し込まれ、先制を許した。追う立場となった早大は、DF冨田康平(スポ3=埼玉・市浦和)の推進力や、MF相馬勇紀(スポ3=三菱養和SCユース)のキックを生かし、左サイドを起点に状況を打開しようとしたが、なかなか決定機を生み出せない。30分には、MF鍬先祐弥(スポ1=東福岡)の縦パスにFW武田太一(スポ2=ガンバ大阪ユース)が反応して抜け出したが、オフサイドの判定。2トップは何度もDFの背後のスペースを狙ったが、集中力を高く保つ立正大の守備を崩すには至らなかった。45分には、左サイドでFKを獲得し、相馬が直接狙ったが、相手GKがセーブ。1点ビハインドのまま前半を終えた。

公式戦初先発を果たした鍬先は、攻撃の組み立てを担った

 「裏を狙うということをもう一回意識し、球際と一対一で絶対負けないようにしよう」(相馬)。そう確認してピッチに戻ってきた早大イレブンが、後半の立ち上がりの主導権を握った。セカンドボールも早大が拾い続け、相手陣内に押し込む展開。つなぎからサイドを崩し、クロスを上げるシーンも見られた。しかし、どうしてもシュートまで持ち込めない。すると、次第に立正大がカウンターから好機をつくり始める。57分、早大が中盤でボールを失うと、素早くサイドに展開され、中央からのボレーシュートを許したが、枠を外れた。60分にも低い位置でボールを失い、ショートカウンターを浴びる。あわやという場面をつくられたが、シュートは千田がおさえて事なきを得た。再び劣勢の兆しを感じた早大は、MF栗島健太(社2=千葉・流通経大柏)、FW蓮川雄大(スポ3=FC東京U18)を投入し、流れを変えようとしたが、立正大に戦術的なファウルも交えながら、未然に攻撃の芽を摘まれてしまう。すると73分、再び立正大に決定機。左サイドからのアーリークロスを、ゴール前の関岡が頭で合わせてゴールにたたき込む。この日の早大にとっては、あまりにも重い2失点目となった。その後も必死にゴールを目指したが、83分にボックス手前からMF高岡大翼(社3=広島皆実)、アディショナルタイムにエリア内左からFW石神佑基(スポ3=埼玉・市浦和)がそれぞれシュートを放つも、ともに枠を外れる。最後まで決定的なシーンをつくり出すことはできず、完封負け。スコア通りの完敗だった。

千田は好セーブも見せたが、勝利にはつながらなかった

 「現時点の実力差がただ結果に表れた」(相馬)。関東大学リーグ戦(リーグ戦)での前回対戦時(第19節、△1-1)のスターティングメンバーから、9人が入れ替わった早大と対称的に、当時も下級生主体のチーム構成だった立正大は、わずか2人の変化にとどまった。始動3週間のチームが、1年間の積み重ねを持つチームに立ち向かう。それが困難なミッションだったことは明らかであり、この敗戦に対し悲観的になりすぎる必要はない。しかし、来季戦う1部の舞台では、並み居る強豪を打ち倒していかなければならないのも事実。選手たちは、2部で中位に沈んだチームを相手に、完敗を喫したという現実を受け入れ、成長することを誓う。「真摯にこの結果を受け止めないといけない」(DF杉山耕二、スポ1=三菱養和SCユース)。「自分たちは実力がないと認めてどれだけ本気で変わっていけるかが大切だと思う」(相馬)。来季のリーグ戦開幕まで約4カ月。1部で躍進を遂げる姿を思い描き、選手たちはオフシーズンを過ごす。

スターティングイレブン

(記事 守屋郁宏、写真 篠原希沙)

第23回東京都トーナメント兼第98回天皇杯全日本選手権東京都予選
学生系の部予備予選2回戦
早大 0 0-1
0-1
2 立正大
【得点】
(早大)なし
(立正大)15’岡村、73’関岡
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 21 千田 奎斗 スポ1 横浜F・マリノスユース
DF 2 井上 純平 商3 東京・早実
DF 5 杉山 耕二 スポ1 三菱養和SCユース
DF 12 坂本 寛之 スポ1 横浜F・マリノスユース
DF 6 冨田 康平 スポ3 埼玉・市浦和
MF 13 高岡 大翼 社3 広島皆実
MF 4 鍬先 祐弥 スポ1 東福岡
→61分 8 栗島 健太 社2 千葉・流通経大柏
MF 7 飯原 健斗 文3 東京・国学院久我山
MF ◎10 相馬 勇紀 スポ3 三菱養和SCユース
FW 9 武田 太一 スポ2 ガンバ大阪ユース
FW 15 直江 健太郎 商3 東京・早実
→68分 29 蓮川 雄大 スポ3 FC東京U18
→80分 17 石神 佑基 スポ3 埼玉・市浦和
◎=ゲームキャプテン
監督(暫定):竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース)
コメント

MF相馬勇紀(スポ3=三菱養和SCユース)

――この結果をどう受け止めていますか

4年生が抜けて、現時点の実力差がただ結果に表れただけだと思います。

――この試合に対する準備としては

相手の3バックが身長が大きくて前に強いんですけど、横ずれと裏のところは弱いので、まず第一に裏で入れ替わるのを狙っていこうというところと、相手はサイドに偏る場面が結構あるので、サイドチェンジを狙っていこうという感じでやっていきました。

――立ち上がりから相手ペースで試合が進んでしまった印象があります

こっちもつないでいるんですけど、それもどんどんはまってしまっていて、相手ペースになってしまったのかなと思います。

――続けざまのセットプレーから失点を喫してしまいました

うちはマンツーマンでディフェンスをしているので、最後のマークは個人個人のところなんですけど、ファーに流れた選手に何回もやられていて、最初の2、3回はそこにボールが来なかっただけで、4回目に合ったから失点してしまったのだと思います。来年どういうかたちでやるかはわからないですけど、きょうであれば絶対に人から離れないというところはやらなければいけなかったのかなと思います。

――後半の入りで意識し直した点はありますか

裏を狙うということをもう一回意識するのと、球際と一対一という個人の部分で負けていたシーンが多かったので、そこで絶対負けないようにしようという話で入りました。

――結果として無得点で敗れてしまいました

逆にいい捉え方をするならば、ここで勝っていたら自分たちは実力がないまま強いと思って進んじゃっていたかもしれないので、この敗戦をどう捉えるかが大事で、ただ負けたと思うんじゃなくて、自分たちは実力がないと認めてどれだけ本気で変わっていけるかが大切だと思うので。良くはないんですけど、これを良い負けにしなきゃいけないなと思います。

――来年は1部の舞台での戦いが待っています

さっき岡田(FW優希、スポ3=川崎フロンターレU18)も言ってたんですけど、ここから差もあるかもしれないけど、変わるしかないし、だからといって去年と同じことだけをやっていても絶対成長しないから、もっとより良いことを取り入れたりとか、今までのワセダの「デュエルのところで負けない」という部分は残しつつも、もっとしっかりポジションを取ったりとか、動き出して連携をつくったりとか、もっと個の部分を上げたりだとか、そういう部分にもフォーカスをしながらやっていって、変わって、来年1部で上位を目指せるように戦っていきたいと思います。

DF杉山耕二(スポ1=三菱養和SCユース)

――結果についてどう受け止めていますか

新チームになって主力だった4年生が多く抜けて、3年生を中心にがんばっていこうと言っていたんですけど、やはり自分たちに力がなくて。これが実力だと思うので、真摯にこの結果を受け止めないといけないなと思います。

――試合全体を振り返っていただけますか

セットプレーを自分たちの中でターニングポイントといいますか、重要視していたんですけど、立て続けにされた中で1失点してしまって。前半のうちに失点をしてしまったことが、自分たちが試合を進めていく上で不利な状況にしてしまったかなと思います。自分たちの攻撃がうまくいった場面というのは流れの中でもほとんどなかったですし、勝つためには点を取らないといけないと思うので、難しい試合だったかなと思います。

――相手のトップの選手がかなり力のある選手でしたが

フィジカルがあるというのは聞いていて、自分が絶対に勝たないといけないと思っていたんですけど、なかなかヘディングの競り合いとかで圧倒することができなくて。そこからチームの流れをつくることができなかったので、自分にも責任があるかなと思います。

――相手の前線からのプレッシャーもかなりあったかと思いますが

自分たちのビルドアップに自信を持っていたのでそこはあまり感じなくて、そこからのつなぎの部分とかも問題なくできたとは思います。ただそこからの突破の部分でうまくいかなかったかなと感じています。

――他に見つかった課題はありますか

やはり攻撃の部分で大きく課題があるというのは感じているので、そこは全体でもっと突き詰めていかないといけないかなと思っています。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

自分自身全然満足できる内容ではなかったですし、今まで試合を経験させてもらっている身としてはもっとチームを引っ張れるようなプレイヤーにならないといけないなと思います。

――指示出しなどの面でチームを引っ張る側になったという意識の変化などはありますか

そう感じています。CBってそういうポジションだと思っていますし、自分の発信から守備が始まるというのがあると思うので、そこはもっと意識してやっていかないといけないなと思います。

――今後に向けての意気込みをお願いします

圧倒的な努力で1部で絶対に戦いたいと思っているのでがんばります。