8月26日土曜日、明治安田生命J2リーグ第30節、名古屋グランパス対横浜FCの試合が行われた。この試合に、早大から特別指定選手として名古屋グランパスに帯同しているMF秋山陽介(スポ4=千葉・流通経大柏)が先発出場。チームは2−3で敗れたものの、ホーム・豊田スタジアムに訪れた2万人を超える観衆を前に、80分の交代まで躍動感あふれるプレーを披露した。なお、横浜FC所属のDF新井純平(平29スポ卒=浦和レッズユース)とFW中山雄希(平29スポ卒=大宮アルディージャユース)は共にベンチ外となった。
秋山は第26節の愛媛FC戦で念願のJリーグデビューを果たすと、以降4試合で2アシストを記録。戦術理解力に長けるア式のファンタジスタは、風間八宏監督が標榜する攻撃的なパスサッカーにもすぐさま順応してみせた。5戦連続の先発となったこの日も、これまで同様3−4−3の左ウィングバックで出場。サイドに張るだけでなく、中盤中央へ絞ってパスを受けるなど、秋山らしい柔軟でクレバーなプレーも随所に見せた。
得意のドリブルでサイドを突破する場面も見られた
味方との連携でゴール前へと飛び出す場面も見られたこの試合。惜しくもJリーグ初得点とはならなかったが、臆せず伸び伸びとプレーする『現役大学生』に対し、サポーターも大きな声援で後押しした。水曜日に行われた公開練習後には、サインや写真撮影を求めるサポーター一人ひとりの要望に、丁寧に応じていた秋山。その謙虚さと時より見せる無邪気な笑顔は、すでに多くのファンの心をつかんでいるに違いない。
チームの勝利のため全力で走り続ける。その姿勢はア式でもグランパスでも変わらない
試合後には、名古屋グランパスの一員として味わった初の敗戦に悔しさをにじませた。「まだまだ、自分のパフォーマンスには満足できていない。もっと自分の強みを出していけるようにしたい」と、挑戦者は飽くなき向上心をのぞかせる。今後は、9月上旬まで名古屋グランパスに帯同したあと、再び東伏見へ戻りア式の練習に合流する予定だ。「ア式は1部にいるべきチーム。来年以降のためにも、必ず昇格したい」。そう力強く語った秋山はこの夏、「Jリーグでも攻守にア式での経験が生かされている実感がある」と、さらなる自信を身につけることができた。一段とたくましさを増した『エンジの10番』は、9月16日からの関東大学リーグ戦でも、その実力を存分に見せつけてくれることだろう。ア式が1部へと返り咲くためのキーマンは、やはりこの男で間違いなさそうだ。
(記事・写真=栗村智弘)