【連載】早慶サッカー直前特集『Challenge to the 1ST』第7回 武颯×石川大貴

ア式蹴球男子

 今季リーグ戦で圧倒的な攻撃力を誇る早大。攻撃陣をけん引する2トップがFW武颯(スポ4=横浜F・マリノスユース)と石川大貴(スポ4=名古屋グランパスU-18)だ。FWとしてタイプは違う二人が、前期リーグ戦を終えて感じたこと、早慶サッカーへ向けた熱い思いなどを語った。

 

※この取材は6月29日に行われたものです。

 

「ようやくサッカーができている」(石川)

 

FWにコンバートされ存在感を発揮する石川

 

――前期のリーグ戦を振り返って、どのように感じていますか

 初戦は結構入りが難しいところがあったんですけど、公式戦で初めてゴールを奪えて、そこからは自分の流れができたというか、一試合一試合ゴールを決めることができました。最後の国士舘大戦はけがで交代してしまったんですけど、そこまではいい流れでいけたのかなと思います。

石川 チームとしてここ最近だったら2部リーグを戦うという経験がない中で、全員で手探りして模索しながら始まったシーズンでした。いざふたを開けてみると、難しい前期リーグだったなというのが正直な感想で、中大戦(△2-2)だったり、神大戦(△2-2)、国士舘大戦(●1-2)だったりと、自分たちがライバルになるだろうなと思っていたチームに苦戦している現状というのが、強い相手に対して勝ち点を拾っていけないチームの弱さが垣間見えた前期リーグだったかなと思います。

 

――1部リーグと2部リーグで違いというのは感じられますか

石川 結構違いますよ。1部は例えばどっちも始めは大きく蹴ったりと堅い試合になることが多いんですけど、2部はどっちかというとうまくやろうとするチームが多いというか、勢いがあるかと言ったらそうではないので、そういう意味では今まで自分たちが強みとして掲げてきたプレッシャーの速さだったりとか、裏を突く動きというのが相手に合わせるとそれが薄れてしまう。その薄れた結果が国士舘大戦で流れを持っていかれたのにつながったかなと思います。

 

――武選手は11試合に出場し12ゴール。古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)も「4年間で1番調子がいい」というふうにおっしゃっていましたが、好調の要因はどこにあるのでしょうか

 好調の要因…。

石川 まぁ、当然の結果ですよね!(笑)

 まずシーズン初めはけがで離脱していて合流できなかったんですけど、そこからは問題なく、膝の調子も良くて、少しずつコンディションが上がったというのはあると思います。あとは、去年より自分たちがボールを持てる時間が増えたり、周りにうまい選手がいるので、そういった人たちが自分にパスをくれたりだとかクロスを上げてくれたりだとかしてくれたのを、正直自分は決めるだけだったという感じなので、調子がいいという感じはあまりしないですね。

石川 かっこいい(笑)。

 (苦笑)

 

――自分の与えられた仕事をこなしただけだ、ということですね

 そうですね、シュートが得意なので、それをみんながさせてくれたという感じですね。

石川 くぅ~!

 やめろ(笑)

一同 (笑)

 

――前期リーグ戦のMVPに多くのチームメイトが武選手を選んでいましたがどのように思いますか

 客観的に見たらゴール決めた選手が選ばれると思うので、まあ、それはそうなのかなという感じではありますけど、やっている側からすれば守ってくれる選手や、パス出してくれる選手がいるから自分が点を取れるとは思います。

――石川選手はFWとして全試合にスタメン出場されました。いつからFWはやり始めたのでしょうか

石川 去年の最終節の駒大戦(〇6-1)、降格が決まって、チームが入れ替わりますよっていうタイミングでFWへ転向しました。2年の最初のときも少ししましたし、ユース時代もトップ下という感じでやっていたので、そんなに違和感はなかったです。

――では以前のポジションとはそこまで違いはなかったのでしょうか

石川 元々攻撃が好きなボランチでしたので、そのプレーするエリアが少し前になっただけで、特別にFWになったから強引に自分から仕掛けようだとか、シュートをたくさん打とうという意識はそんなに自分の中にはなかったですね。今までやってきたことがPAに近くなったという感じですね。

 

――リーグ戦では全試合二人で2トップを務めましたが、連携面を振り返っていかがでしょうか

石川 結構相思相愛なので(笑)。

 デキちゃってるので(笑)。

石川 1年生で入ったときから、自分はそのときボランチで、颯がFWで一緒にプレーする機会があったときから、颯とは合うなっていうのが自分の中にあって。自分の動いて欲しい1年生の時からところに動いてくれるFWが颯だったので、その距離感がFWになったことによって近くなったので、やりやすさは感じますね。

 自分も1年生で同じチームになったときに、欲しいところでパスが来たりだとか、ここで出してほしいなっていうところを見てくれていたりだとかそういうのはありますね。パートナーとしていてくれたりだとか、後ろのポジションで自分を伺ってくれたらいいなと思っていたので、結果的にパートナーとして初戦に出られたのは自分としてもプラスの方向に働いたなと持っています。

 

――特別コミュニケーションを取らなくてもやりやすいということですか

 コミュニケーションは普段から仲がいいので取っているんですけど、プレーの中でも愛し合っているかなという感じですね(笑)。

――苦笑いされていますが、石川選手はどのように感じていますか

石川 キツいっす(笑)。

 (笑)

石川 でも、二人とも3年生までけがに泣かされてきた大学生活で、トータルで2人とも2年くらいけがしていたので、大学入ってようやくサッカーできているなという感じですね。

――コンディションのお話が出ましたが、コンディション維持のためにやられていることはありますか

 空いている時間に整骨院に通ったりだとか、交代浴したり、とりあえず今の自分にできることは精一杯やった中でのコンディションだとは思います。

石川 僕はケアはやりますけど、特別しているかと言ったら・・・っていう感じですね。それよりも、4年生になったり、大学サッカーの終わりが見えてくる中での、責任感が強くなったというか気持ち的な部分は多少なりとも意識するようになりました。

――責任感というのはチームを引っ張るという気持ちでしょうか

石川 チームを引っ張るというのもそうですし、自分がこの先の進路を選択していくうえで、プロを目指すなど色々ある中でも、試合に出続けないといけないという責任感は出てきているかなと思います。

――前期リーグ戦のMVPについてですが、武選手は秋山陽介(スポ4=名古屋グランパスユース)選手、石川選手は今来俊介(商4=神奈川・桐光学園)選手でした。選んだ理由についてお聞かせください

 やっぱり名古屋グランパス内定が決まったというのもあります(笑)。プロになるということで輝いてくれるだろうという期待を込めて選びました。

石川 スタメン11人見たときに自分も含めて特に前線、まぁ後ろもそうなんですけど、 準弥(DF鈴木準弥主将、スポ4=清水エスパルスユース)だったり、木下(DF木下諒、社4=JFAアカデミー福島)や大桃(DF大桃海斗、スポ2=新潟・帝京長岡)、安田(DF安田壱成、スポ4=ベガルタ仙台ユース)、相馬(MF相馬勇紀、スポ3=三菱養和SCユース)、柳沢(MF柳沢拓弥、社4=清水エスパルスユース)、で俺、颯、陽介と個性が強すぎて、けんかしちゃってもおかしくない。そこを今来がうまくつぶしてくれたりとかして。今来がいないとこのチームは成り立たないかなと思います。

――バランサーといった感じですね

石川 そうですね。あいつが汚れ役とかやってくれるからこそ俺らが自由にサッカーできるのかなと思います。

「シュートを見てもらえれば自分のプレーがわかる」(武)

研ぎ澄まされたゴールへの嗅覚を武器に得点を量産する武

――チーム全体の雰囲気というのは今いかがでしょうか

石川 もしあそこで国士舘大に負けずにそのままアミノ(アミノバイタルカップ2017)へ進んでいたら、多分負けていた、全国に出られていなかっただろうなというのが正直なところです。あの試合がきっかけでもう一度俺らが生まれ変わるんだというか、もう一回ここから意識高く夏頂点目指すんだぞというのを再認識させられたという意味では、国士舘大戦がターニングポイントになるのではないかなと思います。 だから、今までなかった球際の強さだったりとかが練習の中でも垣間見えるし、そういう意味ではいい雰囲気かなと思います。

 自分は(負傷で)交代してしまって試合をあまり見れていないのでわからないんですけど、あそこで負けたことでまた気が引き締まるというか、ここからもっと成長していかないといけないという雰囲気は流れたので、そこがポイントとなって夏頂点目指しにいければいいかなとは思います。

――国士舘大戦での敗戦がきっかけとなってチームの雰囲気も良くなったということでしょうか

石川 まぁ、そうしなきゃいけないというのが一番ですね。

 下向いていてもしょうがないので。プラスにプラスに考えている感じですね。

――ことしからボールを動かすサッカーを掲げていますが、その熟成度というのはどのくらいでしょうか

 回すサッカーというより、最速の選択をできなかった時の回避する手段、というイメージなので、自分のなかでは正直回すサッカーというイメージはあまりないです。

石川 取られないことが目的ではないんですよね。例えば、相手に守られているのにロングボールを蹴ってヘディングで跳ね返されることが最速なのか、今までのチームはそこに対して疑いを持たずにロングボールを蹴り続けてきたんですけど、自分たちは去年降格したときにそれではだめだと感じて、どこかでワセダのサッカーを変えないといけないと思いました。そこで、前に蹴るよりパス3本つないだほうが 確実にゴールに迫れるのであれば、それが本当は最速なんじゃないかとか、そういう今までのワセダの考え方に対して疑いを持ち始めた、疑いを持てたから今の目指すサッカーが決まってきたと思います。

――パスサッカーを目指すのではなく、バリエーションを増やそうということなのですね

 そうですね。

石川 正直GKが蹴ったボールがそのままゴールに入ればそれが最速ですし、一番簡単ですが、それを強引に狙い続けるのが正しいのかと言われたら、そうじゃないよね、ってなったときに何をするのかっていうのを追い求めていかないといけないかなと。

 まぁ、相手も馬鹿じゃないのでそれを防ぐために守ってきますし、それを打開するために違う選択肢を持とうという感じでちょっとずつ増やしていて、その結果たまたまボールがつながっているという感じなので。

――ことしのア式の特徴として武選手は「いい意味で調子に乗る」と答えていましたが、これはどういう意味でしょうか

 調子に乗るというとふざけているというか、そういうイメージを持たれがちなんですけど、調子いいときは吹っ切れているというか、「これできそうだな」と思ったら、ためらわずにチャレンジしていくことがいい意味での調子に乗るという感じですね。例えば早い段階で点が取れて、きょうイケるなと感じたときはどんどんシュートを狙っていくとか、なんかいい意味で調子に乗るというか、そういうふうにしていくのはいいことなんじゃないかなと思います。まぁ、個性強い選手もいますし、明るい選手もいますし、自分のモチベーションというか、俺はイケるぞというのを持てればもっと自分のパフォーマンスも上がると思います。そういういい意味で調子に乗ると書きました。

石川 ほんとお調子者が多いので(笑)。下級生のころからずっとそれが問題なんじゃないかと先輩方から強く怒られてきて。まぁでもそれが良さでもあるから消さないように消さないようにいい方向に持っていけるようにしてきて、多少大人になったつもりですけど、お調子者が多いですね(笑)。

――それが今はいい意味で働いているということですね

石川 そうですね。ただ、逆もまた然りなときもありますね。調子悪くなったとき、神大戦や国士舘大戦などチームの流れが悪いときに全員が落ちてしまうので。

 そこで調子に乗ってこれるやつが出てこないと、という感じですね。

――石川選手はあだ名が『ヴィエラ』ということですが、それについてはどのように感じているのでしょうか

石川 出た(笑)。

 まぁツッコまれるだろうね。

石川 サッカーやっているときは「大貴」って呼ばれても反応できないですね。私生活は「大貴」なんですけどね。だから、サッカー関係ない人からは「大貴」です。学部の友達とかからは「大貴」って呼ばれています。

――もうご自身の中では馴染んでいるのですか

石川 中学1年生のときからずっとヴィエラなので。だからヴィエラ歴が10年目とかなんで。まぁ、馴染みますよね。

 俺らからしてもヴィエラ以外出てこないんで。大貴っていうのが出てこないです。

――ちなみになぜヴィエラなのでしょうか

石川 中学1年生のときに、ジュニアユース時代の恩師が「お前はフランス代表のヴィエラのような選手を目指せ」と言われて、セレクションの時に「おい、ヴィエラ!」と言われましたね。そこからずっとヴィエラです。で、グランパスから来るときにヴィエラを卒業しようとしたんですけど、近藤洋史元主将(平27スポ卒=名古屋グランパスU−18)や奥山元副将(奥山政幸、平28スポ卒=名古屋グランパスU−18)が「ヴィエラ、ヴィエラ」って呼ぶので、ヴィエラを卒業できず、浸透しました。

――ちなみに、武選手は何かあだ名はありますか

 俺はないですね。基本「颯」です(笑)まぁ、人によってです。数えたら結構ありますけどね。

――石川選手は普段武選手のことを何と呼ばれているのですか

石川 颯です(笑)。

――ちなみにあだ名をつけるとしたら何かありますか

石川 いやー、ないですよそんな。面白くないですもん。何もないです。

 答えられるとしたら「タイガー」ぐらいですね。虎のようにゴールを貪欲という意味でタイガー という意味なんですけどね。

石川 何事に対しても貪欲ですよ(笑) 。

――続いて鈴木準弥主将についてのイメージですが、武選手は『男気』と書いていました

 最初の学年リーダーを決める会議とかでも、先輩と話すときでも、肝が座っているのを見て、こいつは主将になるだろうなとか、リーダーにしていいなっていうのは感じましたね。普段の生活ではイジられたりとか、弱い部分もありますけど。

石川 (笑)

 でも、真面目になったときは一段と真面目ですし、肝が座っているので、男気と書きました。

――石川選手はここぞというときのキャプテンシーが素晴らしいと書いていますが

石川 バカなんですけど(笑)、俺らが同期に強く言いたい場面だと気を遣っちゃうときとかあるんですけど、準弥はそこに強く言えるし、絶対に許せないプレーだったり、ラフなプレーが出てきたときも、準弥だけはそこに対して強く踏み込めますね。それは、チームに対して一番思いが強いからこそ、嫌われてでもチームに対して何かしたいというキャプテンシーを感じるから、なんだかんだ選手全員が信頼していると思いますけど、表面ではイジってますね(笑)。

――イジられ役でもあるんですね

 そうですね。

石川 でも、あいつヤクザですよ(笑)。私生活で金のネックレスつけてるんですよ(笑)。だから、あいつヤクザです(笑)。

(同じ部屋で対談中だった鈴木準弥主将) いやいやいやいや(笑)

 アイスクリームとか、食生活も腐ってるので(笑)。

石川 そうは言いつつも、頼りにしてますね。

――自分のプレーのここを見て欲しいという部分はありますか

 自分はシュートですね。リーグ戦の得点ランキングとかを見てもらえればわかると思うんですけど、シュートの数と得点決めている数とか、精度は高いかなと思いますし、自分の中でもシュートは得意なので、シュートを見てもらえれば自分のプレーがわかると思います。

石川 183センチ80キロという恵まれた体格ながら、実はテクニック派というこのギャップに対して、ギャップ萌えしていただければ(笑)。

 ギャップ萌えって(笑)。

石川 お前絶対ヘディングで競るだろ、って思われながらあまり競らないとか。ウルトラスの横断幕にもフィジカルモンスターって書いてあるんですけど、あそこから駆け引き始まってギャップ萌えしようとしているので(笑)。

 サッカーしている俺らからすれば、ヴィエラがフィジカルモンスターとはちっとも思ってないです。0に等しいです(笑)。

石川 チームでもフィジカル測定があるんですけど、数値いくつ?

 俺、27(満点は30点)。

石川 俺、14とかですよ(笑)。多分、スタメンで出ているなかで 一番低いんじゃないですかね

 多分低いよ。

石川 だから、意外にフィジカルはないです。ギャップ萌えって書いておいてください(笑)。

――武選手から見た石川選手のここが凄いという部分はどこでしょうか

 1年生からやってる中で、自分も高校のときにプロを経験しているんですけど、その感覚があるなっていうのは思ってて。大学サッカーとか高校とかで、ここで出てこないだろうなっていうところでパス出してきたりとか、パスの強さはフィジカルの部分がありますけど、タイミングは凄いなっていう部分がありますし、自分もやっててプロっていう感じがするっていうか、まぁ言葉に表すのは難しいですけど、プレーしていて感じる部分はありますね。

――逆に石川選手から見た武選手の凄いと思う部分はどこでしょうか

石川 それはもうゴールですよ。ゴールです。あと強いて言うなら、颯は四次元で生きてるプレーヤーだから人とは違う感覚があるので・・・。あ、嘘です(笑)。ゴールです(笑)。

 (笑)

石川 やっぱ記事に嘘載せちゃだめだから。

 俺が対応に困るからやめて(笑)。

石川 どんなかたちでも決めますからね。ペース的にはルイス・スアレス(バルセロナ)とかメッシ(バルセロナ)と同じペースで点取っていますからね。1試合1得点。

 まぁ、狂っちゃってますね。

石川 右も蹴れるし、左も蹴れるし、頭も合わせられるし、ミドルも打てるし。PAぐらいからGKが出てると見てロングシュート打ったりするし。シュートしか考えてないですもん。パス出すようなところからシュート打ったりしますし。でも、それが凄いです。

 

――FWととしてはそういう部分は大事になるのではないですか

 そうですね。

石川 俺がそういうタイプじゃないので、颯がいるとやりやすいですね。シュート打ってくれるので。

「早慶戦だけはいい思いがしたいです(笑)」(石川)

早慶サッカーへの意気込みを話す二人

――お二人にとって早慶サッカーとは

 何だろうな…。

石川 憧れの舞台ではありましたよね。ワセダ入るまでは観たことなかったんですけど、1年生のときから先輩達が戦う姿を見てきて、やっぱ特別な舞台だなというのは感じていますし、何回見ても、リーグ戦でも鳥肌立ちますね。初めて早慶戦を見たときに、これがワセダかと思いましたね。ことしの一年生も早慶戦を見たときにワセダに来て良かったと思うはずだし、そういうプレーをしなきゃいけないなと思います。そう意味では憧れの舞台ですね。

 自分も観客の数というか、あの中でサッカーしたら楽しいだろうなとか、自分はFWなのであそこでゴール決めたらかっこいいだろうなとか思っていますね。自分はけがも結構多くて早慶戦に出たことは1回もないので、そういった意味ではすごく楽しみですし、待ち遠しいという感じはありますね。

石川 1万人ってすごいよね、そもそも。Jリーグだよ。

 なかなかないよ。

石川 俺らのサッカー人生のなかでも何回かしかないくらいの経験だから、すごいですよ。

――今季初の早慶戦ということになりますが、モチベーションはいかがでしょうか

 リーグが一緒ではない分、ケイオーとできるのは最後かもしれないので、そういう意味ではここで負けると借りを返せるところがないので、絶対に勝って終わりたい気持ちはあります。

石川 相当たぎってますよね。相当ですよ、マジで。毎年そうですけど、リーグ優勝とか、日本一とか掲げますけど、その中の一つに早慶戦出場というのが自分の中ではモチベーションでしたし、目標の一つだったので、今から相当高まってますよね。今からアミノ(アミノバイタルカップ2017)優勝して、早慶戦来いよって(笑)。

 気持ち良くね。

石川 はよ来い!はよ来い!(笑)

――ここまで早慶サッカーは5連覇していますが、6連覇は意識していますか

 僕はそこまで意識してないです。

石川 僕も全くです。去年出ていたら意識していただろうけど、去年出てないんで。

 出ていたとか、出てないとかじゃなくて、自分はただケイオーとのことし初めての試合で勝ちたいとか、高校のチームメイトがいたりするので、そいつらに絶対負けたくないとか、そういった単純な思いですね。

――早慶サッカーではどのようなプレーを見せたいですか

 俺はもうゴールですね。とりあえずゴールを決めて、やっぱり決めてくれたなという感じを出したいです。

石川 早慶戦だけはいいとこ取りしたいです(笑)。させてほしいです(笑)。颯がすごいかたちで抜け出して、一対一ですよ多分、そのときだけGKに頑張ってもらって、こぼれ球を詰めると。

 で、MVP取ると。

石川 早慶戦だけでいい、もう。

――早慶サッカーのキーマンですが、武選手は笠原駿之介(法2=埼玉・早大本庄)選手と答えていました。なぜ笠原選手を選ばれたのでしょうか

 小島(GK小島亨介、スポ3=名古屋グランパスU-18)と準弥が多分全日本でいなくて、笠原が代わりに出るんだろうなというのがあるので、ケイオーとの一試合で厳しい試合にはなると思いますし、どれだけピンチを笠原が止めてくれるかとか、そういったのが結構大事になってくるかなと思うので、選びました。

――石川選手は自分と答えていましたね。

石川 自分ですよ。早慶戦だけは俺が輝きますよ(笑)。

――早慶戦のポスターはご覧になりましたか

二人 いや、まだ見てないです。

――(ポスターを見せる)

石川 陽介の顔がきついですね。

 顔濃いな(笑)。

石川 性格悪そう(笑)。

――自分がポスターに写りたいとは思いましたか

 まぁ、それはありますよね。すごい写りたかった、俺は(笑)。

石川 自分なんて写れないですよ、そんな。颯はかっこいいから写りたいと思うんでしょうけど、とてもじゃないけど写れないです。

 はいはい(笑)。

――最後に、早慶サッカーに向けて意気込みをお願いします

 点決めます。ゴール決めます。MVP取ります。

石川 颯がこのまま腰のけがが長引いて試合出られないので、(MVPは)俺ですね(笑)。とりあえず、観に来る観客の皆様には紺碧の空を練習してきてください、歌う準備をしてきてくださいと言いたいですね。勝ってみんなで一緒に歌いたいです。

――ありがとうございました!

 

 

(取材・編集=新開滉倫 写真=皆川真仁)

 

 

早慶サッカー号外ではお二人が裏面を飾っています!

◆武颯(たけ・はやて)(※写真左)

1995(平7)年7月17日生まれ。175センチ/74キロ。横浜F・マリノスユース出身。スポーツ科学部4年。ゴールへの貪欲さが対談の中でもあふれ出ていた武選手。早慶サッカーでも持ち前の優れた得点能力を発揮し、ゴールを奪ってくれるでしょう!ちなみに、試合前コンビニで買うおにぎりの具材は昆布だそうです!

 

◆石川大貴(いしかわ・だいき)(※写真右)

1995(平7)年10月1日生まれ。183センチ/80キロ。名古屋グランパスU-18出身。スポーツ科学部4年。周りの選手を生かすプレーが持ち味の石川選手。早慶サッカーでは恵まれた体格から想像するプレーと実際のプレーの『ギャップ』に注目です!