FW飯泉涼矢(スポ4=三菱養和SC)とFW岡田優希(スポ3=川崎フロンターレUー18)。今季の関東大学リーグ戦(リーグ戦)では共に途中出場ながら、ここぞという場面で得点を重ねてきた。スタメン奪取に闘志を燃やすこの二人に、前期の振り返りと早慶サッカーへの意気込みを伺った。
※この取材は6月29日に行われたものです。
「満足できない結果だなと思います」(飯泉)
フィジカルを生かし攻撃にアクセントを加える飯泉
――はじめにリーグ戦前期の個人のパフォーマンスを振り返っていかがですか
飯泉 シーズンが始まった時に、けがから復帰して、関東リーグ開幕の前に、いろんな人のけがもあって、試合に出させてもらえる機会があったんですけど、開幕前にまたけがをしてしまって、そこからスタメン奪われて、途中出場という機会しかもらえなかったので、悔しさがあります。
岡田 試合に出る回数が少ないのと、時間が短いのでそこが心残りです。もっと出たらもっと活躍できるのに、という半シーズンでした。
――チームとしてはいかがでしたか
飯泉 前期首位で折り返すというのを目標にしてやっていて、途中首位に立つことができましたけど、最終的に国士舘大との直接対決で敗れて(●1-2)、首位を逃したっていうのはチームとして反省しなければいけない点だと思います。あと、振り返ってみて、自分たちより下であろうチームには勝つことできましたけど、同等であったり、それ以上とやった時には、勝てていないっていう結果があったので、そこはもっと自分たちの状況を見つめ直してやっていかなければいけないかなと思います。
岡田 成績に、2敗と2分けがあって、それがありえないというか。きょねんまでのベースでいくと、1部でどう勝てるか、どういう流れでできるかというふうにやっていた中で、2部になって、2部のぬるま湯に浸かってるんじゃないかなということは感じていて、基準もどんどん下がっていく気がしますし、本当にこれでいいのかなという思いはあります。もっと2部でやっていることの恥ずかしさというか、恥みたいなものを感じなければいけないというふうに思います。
――お話にもあったようにことしは2部での戦いとなりました。チームとしての共通意識や2部での戦いに懸ける思いというものはいかがでしたか
飯泉 絶対に一年で1部に復帰するというのと、日本一を目指すのが目標なんですけど、その目標を立てている以上、2部のチームに負けたり、引き分けたりっていうのは満足できない結果だし、勝ち方も2部のチームに圧倒的に勝てないと、1部のチームとやっても勝てないと思うので、そこは満足できない結果だなと思います。
岡田 ほぼそんな感じです。
飯泉 ちなみにこれ、普段岡田が試合前に言ってることなんですけど(笑)。
岡田 大体俺がそういう厳しいこと言うよね。
飯泉 いや、でも大事だと思うよ。岡田がいつも試合前のミーティングで、日本一掲げているんだったら、2部のチームに負けているようじゃだめだって言って、本当にその通りだなと。
岡田 やっぱり2部とやっていると、2部の相手の目線になっちゃうと思うんで。2部の相手に勝てばオッケーみたいになっていると、目標がないならいいんですけど、日本一とか掲げている以上は、目の前の相手じゃなくて、その先に、筑波とか明治とか強い相手がいるということを考えた上でやっていかないと、その時に戦ってみてだめでしたって感じじゃだめだと思うんで。そういう意識がちょっと足りないのかなと思います。
――ことしのチームはお二人から見てどんなチームですか
岡田 僕が今まで見てきたチームよりも、いい意味でまとまりがないというか、個が強いチームだと思います。
飯泉 確かに。
岡田 チームとして、点を取るというよりは、誰と誰で取るみたいな。
飯泉 僕たちの代って、ずっと個性が強いって言われてて、今3年生でも試合に関わってる相馬(MF相馬勇紀、スポ3=三菱養和SC)だったり、岡田もいい意味で個が強いんで。でもそういう人がチームに関わっているということは、逆に個が尊重されているということだと思うんで、それはチームの良さかなというふうに思います。
――そんなチームを率いているDF鈴木準弥主将(スポ4=清水エスパルスユース)の印象はいかがですか
岡田 髪型がずっと変わってない。
一同 (笑)
岡田 スパイクもずっと古いの履いていますし。あれはあれでいいと思いますね。らしいというか。
飯泉 歴代の主将を見てみて、なんか準弥が違うなって思うところは、ワセダって伝統があって、責任を背負いすぎちゃうところがあって、どんどん固まっていっちゃうところがあると思うんですけど、準弥は跳ね除ける力があるというか。そこで小さくまとまってないし、むしろそれを一度落とし込んだ上で、でもそれだけじゃなくて、チームとしてもっと個を出していけるというか。オンとオフの切り替えもうまいし、頼れます。
――前期の試合の中で、印象に残ってる試合やターニングポイントとなった試合は
岡田 チームとしては、8節の東農大の負け試合(●1-3)だと思います。今までやってきた相手は正直実力差がありすぎた試合だったんですけど、東農大は実力差もあまりない中で、ちゃんとワセダ対策をしてきている感じで、ワセダをリスペクトして研究してきていて、それでうまくはめられてしまったので、初めて何もできなかったです。でもその試合に僕は出られなかったので、負けている試合に出られないと、なんでっていう、怒りじゃないですけど、そういうものを覚えた試合だったので、チームとしても、個人としてもターニングポイントでした。
飯泉 その通りだと思います、チームとしては。目標から逆算した時に、もっと焦らなければいけないということが再認識できた試合だったと思います。個人的には、神大戦(△2-2)が自信につながったというか、動きの部分で割り切れた試合でした。足元でもらって、うまくパスでっていうのが今やろうとしていることなんですけど、きょねんだったら、フィジカルを生かして自分が前で起点をつくってっていうサッカーをやっていたので。自分の苦手なところが、今チームが目指しているところで、そこをうまくやろうって思いすぎて、ずっとさまよってたんですけど、神大戦で点も取れてうまく吹っ切ることができました。
――前期を戦って課題は見つかりましたか
岡田 個人としての課題は、出られないんで、そこですかね。負けている時とか、チームとして流れが悪い時に出られないんで、それが自分にとってはインパクトがあったというか。サッカー選手として、出なきゃダメだと思うんで、そこができなかったなと。あと、チームとしては、見ている中でやっぱり個でのサッカーなので、個で負け始めると何にもできないというのが今のチームの限界かな、というのがあります。国士舘大戦もマッチアップで負けるシーンが攻守両方多かったんですけど、そこで破られるともう誰も守れないみたいな、個人の負担が大きすぎるのは、これからもっと強いチームとやっていく中で、チームとしての課題、弱点だと思います。
飯泉 個人としては、チームのやり方が変わって、自分の不得意な部分もできなければならないっていうところで、技術面で実力の無さを感じたりして、そこが間違いなく課題です。FWは点を取ってなんぼのポジションだと思うんですけど、少ないチャンスの中で決め切る力っていうのがまだ全然ないし、岡田よりも試合には出てるんですけど、岡田の方が点も取ってるし。そこは途中出場同士の中で、自分は勝手に意識しているんですけど、自分の課題だなというふうに感じます。チームの課題としては、天皇杯予選の時に国士舘とやって、まだまだ全然自分たちだめだよねってなった中で、また最終節で国士舘とやって、全然変わってないなというのもチームの課題だと思ったし、国士舘はあれ以上のチームになっていた中で、自分たちがどれだけ成長できたのかっていうのは、もっと見つめ直さなきゃいけないと思います。岡田も言っていたように、自分たちが何も敵わない相手になった時に、何もできないっていうのは技術面でもそうですけど、精神的にまだまだ弱いなと思ったんで、そこはチームの課題だなと感じます。
――逆に強みはどういった点でしょうか
岡田 ゴールを決めるプレーですかね。パスにしろ、シュートにしろ、ドリブルにしろ、全部それができる選手になりたいと思っていたので。だから、いつも思っているのは、出してくれれば何でもやるよっていうところですかね。シュートもできるし、パスもできるし、ドリブルもできるし。もっと専門性じゃないですけど、それを尖らせていくようなことに今取り組んでいるので、そういうところですかね。
飯泉 僕はフィジカルだけなので。そこは強みって言っていいと思います。それだけじゃだめだなっていうのもあるんで、そこは向き合っていきたいと思いますが、強みって言えるのは、前線で体を張るプレーだと思います。守備でも攻撃でもそれは強みだと思います。気持ちみたいな。
――スタメン奪取にかける思いはいかがですか
岡田 ずっとあります。だからずっと出してくれと思ってますけど、練習でスタメンの選手削ってやろうかなとか(笑)。まあそれは冗談ですけど。
飯泉 でもワセダってあんまりスタメン変わらないんで、そういう岡田のいう削ってやろうかなとかいうのもみんな思っていると思うんで。僕もスタメン奪取っていうのは誰かがけがをした時以外あまりないので、そこでスタメンで出た時にいつでもできる準備っていうのはしてるつもりです。
――やはりポジション争いは厳しいですか
飯泉 厳しい、というか…。
岡田 競争はないですね。(スタメンに)なったら固定なので。なのでそれを崩しにいかなきゃいけないから、競争しているという意識はないです。どう崩そうかなみたいな。だから自分の良さをアピールすると同時に、自分の良さを補っていかなければいけないな、というのはずっと意識してやっています。
――今まで課題や強みなど、色々とお話いただきましたが、そういったことを含めて、この夏はどのように過ごしていきたいとお考えですか
岡田 夏はオフが10日間くらいあるので、もう一回肉体改造をしたいと思います。体重を増やして、筋トレをして、フィジカルを鍛えたいなと思います。
――オフ期間に、ですか
岡田 シーズンが始まってしまうと筋肥大のトレーニングができなくて、どうしてもパワーとかスピード重視になってしまうので。
飯泉 すごいですよね。
岡田 オフが長いって聞いたので、オフにそれをやろうかなと。
飯泉 なんかだって、シーズン前も増量してたよね。
岡田 してました。
飯泉 今目標をみんな持ってやっていて、俺とかだったら例えば足元の技術とかなんですけど、岡田は体重を何キロにする、みたいな。意識が高い。
岡田 意識が高いのかどうかはわからないんですけど、僕は大学サッカーで終わりたくなくて。プロの世界に行きたいんで。もちろん大学サッカーで活躍しなければいけないっていうのもありますけど、先も踏まえてというところで。どうしてもFWで小さいんで、スピードとか技術もそうなんですけど、厚さとか重さがないと、というところも意識していかないと。
――飯泉選手は夏に向けていかがですか
飯泉 課題を克服するためにも足元の技術とか、空間の認知能力というのはもっとつけないといけないなと思っています。それは練習の中でやる部分と、練習後の時間を使って、シュートの意識だったり、そういうところを高めて、FWらしくプレーできるようにっていうのは思います。
――事前アンケートで前期のMVPをお聞きしたところ、岡田選手は秋山選手(秋山陽介、スポ4=千葉・流通経大柏)とお答えいただきました
岡田 プロに決まった後のクオリティの出し方が、人一倍すごくて。多分誰が見ても、あの人は名古屋に行く人だっていうプレーをずっとしてたと思うんで、結果とか、チームとしてよりも個人としてそういうふうに僕は見えたので。早く決まったけど、その後も落ちることなく、一人だけ違うレベルでやっていると僕は思っていたので、そういった意味でMVPだと思いました。く
飯泉 観点がいいね、指導者だね(笑)。
――飯泉選手は武選手(FW武颯、スポ4=横浜Fマリノスユース)とお答えいただきました
飯泉 颯は大差の試合でも点取ってるし、でも大差になってるのは颯のゴールだなと思うので、そこがチームを救ってくれてるっていうふうに思うし、結果出してるってところでMVPかなって思います。
――リーグ後期に向けての目標はいかがですか
飯泉 スタメンを取ることです。それと自分がチームに不可欠なストライカーになるっていうところは目標にしたいと思います。
岡田 僕も出ることですね。以上です。
「観客がいればいるほど燃えるタイプ」(岡田)
類い稀なセンスで魅せる岡田
――それでは少し話題を変えて見たいと思います。チーム内で仲のいい選手は
飯泉 いる?いないよね(笑)。
岡田 あんま特定の誰かっていうのは苦手なんですよ。誰にでも思ったことは言えますけど、特定の誰かとっていうのは、もう小学校くらいからなかったですね。
飯泉 馴れ合いじゃないよって感じ?
岡田 一人の方が好きなんですよ。だって飯行くのとかも、時間も場所も合わせるの嫌じゃないですか。
飯泉 そういうやつなんですよ。でもなんか、岡田らしい(笑)。
――飯泉選手は仲のいい選手は
飯泉 俺は結構柳沢拓弥(社4=清水エスパルスユース)とか、須藤駿介(スポ4=静岡学園)とか。一緒にいて楽だし。
岡田 男で一緒にいて楽だしって。それなんか気持ち悪い、やめましょう。
一同 (笑)。
飯泉 え、いや、じゃあ、なんか自分のペースが…
岡田 ペースが合うとか?
飯泉 そう。
岡田 じゃあそれにしましょう。一緒にいて楽ってなんか気持ち悪いです。
飯泉 言われちゃいましたよ(笑)。
――選手同士で面白いエピソードなどはありますか
飯泉 今来選手(今来俊介、商4=神奈川・桐光学園)はリアルタイムで面白いエピソードがあるんですけど…これは言っちゃだめなやつだな、やめとこう(笑)。
岡田 選手との面白いエピソードですよね?
飯泉 岡田は試合前のミーティングで、いきなりこの間までやってたドラマのいいシーンに絡めた話を始めましたね(笑)。
岡田 みんな同じようなことを話すし堅苦しいんですよ。それが耐え切れなくて。
――オフの日の過ごし方は
岡田 オフっていう意識があんまりないんですよね。
飯泉 そこは分けないと(笑)。
岡田 サッカーはやらないけど、普段練習やケアに追われてできない、勉強や読書をやろうってなるので、オフっていう感じではないですね。
飯泉 俺は結構分けちゃうタイプなので。サッカーのことはあんまり考えずにプラプラしてます(笑)。寮で寝てることもあるんですけど、だいたい誰かと出かけてますね。
――どこに行かれるんですか
飯泉 この間は東伏見公園で須藤と柳沢と、でっかいローラーの滑り台で遊んでました。
岡田 男三人で公園行くって気持ち悪くないですか?小学生ならわかるけど。
飯泉 その日は子どもの頃に戻ろうっていうやつだったの!駄菓子屋行って水風船買って、公園で投げ合って。
岡田 男三人ですよ?小学生に戻った結果どうだったんですか?
飯泉 やっぱ、大事だなって…(笑)。
一同 (笑)。
飯泉 岡田はすべての行動に意味を持たせるタイプなので。
岡田 真逆ですね。
――同じスポ科生ですが、何か絡みはありますか
飯泉 岡田は所沢行ってるでしょ?僕はビジネスコースなので東伏見で授業受けてます。
岡田 僕はコーチングなので所沢なんですよ。
飯泉 だからあんま授業被んない。
――寮生活はいかがですか
岡田 (部屋が)狭いっす。
一同 (笑)。
飯泉 広いじゃん。俺の部屋なんて特別に狭い部屋なんですよ。でも岡田の部屋は、1年生と3年生の分際でめっちゃ広いのに、狭いって…!贅沢なこと言うなよ!
岡田 ベッドと机置いたらほぼ人通れないですよ。
飯泉 いやいやいや。俺なんてベッドで足伸ばしたら机にぶつかっちゃうよ。てかさ、違うじゃん。岡田はまってることあるじゃん(笑)。
岡田 えっ、何。
飯泉 チャーシューづくり。
岡田 それ言うの(笑)?寮の食事は主菜の量が少ないんですよ。大学生の体育会の食事なのに、夜ご飯うどんの時とかありますから。基本的にタンパク質が足りない。それで、バイト先のラーメン屋が炊飯器でチャーシューつくっているのを真似して、寮でつくってます。
飯泉 おいしいんですよ。それでいろんな人が真似してつくり始めてます(笑)。
「もう一度MVPを狙いにいきたい」(飯泉)
早慶戦へ向けて意気込みを語る二人
――現在のチームの雰囲気は
飯泉 国士舘大戦で実力差を叩きつけられて、逆に良かったなと。いい意味でまだまだ足りないなというのを気付かされて、部の雰囲気はいい感じですね。
岡田 これ監督のパクリって書いといてください。
飯泉 違うよ(笑)!俺の思いを監督がパクってるんだよ(笑)!逆に思わなかったの?
岡田 思ってないです。だって足りないことは分かってるじゃないですか。
飯泉 分かってたけど…。自分たちが大事にしてた球際とかが通用しなくて、こんなんじゃだめだって。俺は国士舘大戦で気付いたけど、岡田は常に厳しさを持ってやってるから(笑)。
――岡田選手はいかがですか
岡田 早慶戦の前にアミノバイタル杯があるので。早慶戦に対する気持ちも、この結果で変わってくると思います。でも(早慶戦に)出たいんで、いろいろと計算してやってます。
――早慶サッカーに対するお二人のイメージを教えてください
岡田 日本で唯一お祭り騒ぎでやってる試合。勝敗はもちろん大事ですけど、そこじゃない感じがします。
飯泉 とは言いつつ、ワセダとケイオーって意識しなくても因縁の仲だと思いますね。きょねんまでは同じリーグで戦っていたんですけど、ことしは自分たちがカテゴリーを落としてしまったので、ここでしかぶつかれないですし、熱い思いがあります。
――岡田選手から見て、飯泉選手はどんな選手ですか
岡田 以前はDFだったのにFWになって、得点力があるっていうのはすごいと思います。僕でも入れないような場所に入ってシュートを決めるところは本当にすごい。参考というか、見てるところはあります。
飯泉 本当に?嘘だー。
岡田 僕だったら確実に決められるところに動くようにするんですけど、(飯泉選手は)絶対決まらないようなところにも信じて走る。そういうところは僕にはないですしすごいですね。
飯泉 なんか照れちゃうな。
――反対に、飯泉選手から見た岡田選手の印象は
飯泉 俺は、岡田の自分の弱みを分析して克服する能力がすごいなって。例えば、今のチームにはここが足りないから自分がここの選手になろうって、練習から意識して本当にできるようになるとか。他にも、足がちょっと遅かったら走り方を研究して変えて、実際にドリブルとか速くなりましたし。裏で努力しているとは思うんですけど、それを見せないし、自分の足りないところを分析してプラスに変えていく能力がありますね。
岡田 意外と俺のこと見てますね(笑)。
飯泉 俺は岡田のことずっとそういう目線で見てたし。だから罵倒されると傷つくんだよ(笑)。
岡田 小学生の時とか下手だったんですよ。自分に才能やフィジカルがあるとは思ったことがなくて、だからやらなきゃいけないっていうのはずっと思っていました。ワセダに来て、パワーのサッカーに最初は適応できなくて。だから今はフィジカルもスピードもやるし、足りないことは全部やっていかなきゃいけないですよね。
飯泉 プロフェッショナルだな。
岡田 息の長い選手って、使う側にも使われる側にもなれる選手だと思うので。
――理想の選手像やプレースタイルは
飯泉 強いて言うならイブラヒモビッチ(マンチェスターユナイテッド)か岡崎慎司(レスター・シティFC)ですかね(笑)。イブラヒモビッチは、ただかっこいいって思ってるだけなんですけど。岡崎は、うまくないと言われ続けてきたにもかかわらずプレミアリーグで活躍していて、泥くさいプレーを大事にしている。自分も技術は高くないんですけど、そういう選手になりたいですね。
岡田 野球選手なんですけど、ダルビッシュとかイチローとかすごいなって思います。ダルビッシュ選手が記事で、引退したら日本の野球界を変えたいって言っていて、自分もそういう存在になりたいなって思いました。
――ことしのケイオーの印象は
飯泉 試合観てないからわかんないよね(笑)。でも、あんまり雰囲気は良くないんじゃないかなと思います。勝手ですけど、リーグ戦の順位とか噂話とかを聞く限りはそういう印象です。ただ、ケイオーも早慶戦に懸ける思いは相当強いと思うので、何とも言えないです。
――早慶戦で注目してほしいプレーは
飯泉 スタメンで出るとなったら、誰よりも走るところだったり、体を張るところだったりっていうのは絶対に示さなきゃと思います。率直にそこは皆さんに見てほしいなと。あとは、さっき岡田がほめてくれたように、決まるか微妙なボールでもキープしたり自分のところで収めたりできればいいですね。
岡田 僕は観客がいればいるほど燃えるタイプなので、全てのプレーに注目してほしいです。試合に出たらですけど(笑)!観る人がいてこそ成り立つプロを目指す以上、印象に残るプレーが必要になると思うし練習からそこは意識しているので。観客の皆さんには(意識の)違いを見てほしいです。
――ズバリ、早慶戦のMVPは誰になると思いますか
岡田 早慶両方の主務と副務じゃないですか?僕の部屋と主務と副務の部屋が近いんですよ。忙しそうにしているのをよく見かけるので、誰が活躍するかというよりは、そういう人たちに感謝を忘れたらいけないんじゃないかと思いますね。これ好感度上がるよ(笑)!
飯泉 いい奴ぶるね(笑)。僕は前の大会でもらったことがあるので、貪欲にもう一度狙いにいきたいですね。つまり、俺です(笑)。
――事前アンケートでは、飯泉選手は相馬選手、岡田選手は山本選手(山本隼平、スポ3=新潟・北越)と秋葉選手(秋葉遼太、文3=東京・駒場)を注目選手に挙げていましたね
飯泉 (岡田選手の回答に対し)どこ見るんだよそれ(笑)。
岡田 ピッチだけを見るんじゃなくて、(運営などを)全部学生がやっているんだよっていうのも見てほしいってことです。プロとの違いみたいな。
飯泉 さっきから好感度ばかり気にしてさ、良くないよね(笑)。俺は特に理由はないんだけど、俺にアシストしてくれそうだから(笑)。
岡田 言っちゃった(笑)。
飯泉 勇紀のCKとかは自分の得点源の一つだと思うし、クロスを上げてくれる人がいなかったら正直自分は点が取れないので。俺からお前にMVPあげるよっていう。これ好感度下がるなー(笑)。
――早慶戦への意気込みをお願いします
飯泉 今はリーグ戦で戦えないので、1年に1回しか試合ができないと思うと絶対に勝たないといけないという思いが強いですね。自分の得点でケイオーを倒したいなと思います。
岡田 等々力に1万、2万という観客が来るので、プロに負けないプレーをしたいです。観客の方々に来て良かったなと思ってもらえるプレーができれば。
――最後に、観客の皆さんにひとことお願いします
飯泉 勇気と元気を与えます!
岡田 俺なら絶対言えないよそんなこと(笑)。
飯泉 下手くそだけど頑張ってんじゃんっていうのも俺の魅力のひとつだと思うし。
岡田 上手な人が泥くさくやってもいいじゃないですか。
飯泉 つまり逃げてると言いたいのね。これ絶対岡田に指摘されると思ったんですよねー。
岡田 俺すごい嫌なキャラじゃない?大丈夫?
飯泉 俺はいいと思うけどね。こんなストレートなやつ他にいないから。
――岡田選手もお願いします
岡田 難しいな…。とりあえず一生懸命やります(笑)。
――ありがとうございました!
(取材・編集=梶井夏葉/山下夢未 写真=皆川真仁)
二人の個性が伝わってくる対談でした!
◆飯泉涼矢(いいずみ・りょうや)(※写真?)
1995年(平7)12月28日生まれ。身長181センチ、体重78キロ。東京・府中西出身。前所属・三菱養和SCユース。スポーツ科学部4年。大切にしている言葉は『闘魂』という飯泉選手。その思いを胸に、早慶サッカーでも熱い戦いを繰り広げてくれるでしょう!
◆岡田優希(おかだ・ゆうき)(※写真?)
1996年(平8)5月13日生まれ。身長170センチ、体重67キロ。神奈川・新城出身。前所属・川崎フロンターレU-18。スポーツ科学部3年。誰よりも真摯(しんし)にサッカーと向き合う姿が印象的だった岡田選手。得点でスタンドを揺さぶる瞬間に期待しましょう!