4月23日、真っ赤な夕日が差し込む早大東伏見グラウンド。ア式蹴球部と地域スポーツクラブ・ココスポ東伏見が共催するサッカー教室『ワセチャレ』が開講された。この日集まったのは、およそ30人の地域の小学生。約1時間行われた練習には選手たちも参加し、試合で見せる真剣な表情とは打って変わって、笑顔で子供たちとの交流を楽しんだ。
『ワセチャレ』が始まったのは約6年前。当初は、年に2回ほどの開催だったが、今では年に8回ほどまで回数が増えた。企画を発案したココスポ東伏見の早乙女勇一会長は、「こうした学生と子供たちがスポーツを通じて交流できる取り組みが、この先も続いていって欲しい」と話す。選手たちが日頃厳しい練習に励むグラウンドも、この日ばかりは子供たちの弾けるような笑顔であふれた。
ミニゲーム形式の練習で交流する選手と子供たち
ア式蹴球部が1924年の創部以来掲げ続けてきた『Waseda the 1st〜人として1番であれ〜』という理念には、「地域の方々、子供たちにあすへの活力を与えることができる存在であれ」という意味合いも込められている。こうした伝統が脈々と受け継がれてきたことこそが、ア式が地域の人々から愛され続ける最大の所以といえるだろう。
ア式だけではない。ア女(ア式蹴球部女子)は、ココスポ東伏見の女子サッカー教室に学生コーチとして参加し、サッカーの楽しさを伝える取り組みを続けている。さらに、庭球部やバスケットボール部なども、地域の子供たちと競技を通じて交流する取り組みを行っているそうだ。学生たちは、子供たちに「いつかこうなりたい」という目標を与えることができる。そして、子供たちとの交流を通じて多くのエネルギーをもらい、より高みを目指して競技に打ち込むことができる。学生スポーツだからこそ可能であるともいえるこうした取り組みの輪がさらに広がることで、早大の体育各部一つひとつがより愛され、より応援されるチームへとなっていって欲しい。
集合写真
(記事、写真=栗村智弘)