【ワセダ×横浜FC】平成29年卒業生特別インタビュー①|新井純平・中山雄希

ア式蹴球男子

 

 主将としてチームをけん引した新井純平(スポ4=浦和レッズユース)と関東大学リーグ戦でチームトップの10得点をあげた中山雄希(スポ4=大宮アルディージャユース)。今回はア式蹴球部での4年間を経て、プロとしてのキャリアをスタートさせたふたりに、独占インタビューを敢行。新天地となる横浜FCの印象や、新シーズンの目標について語る。

※この取材は1月21日に行われたものです

 

 

――いよいよプロとしての新生活が始まりました。どういった気持ちで日々を過ごしていますか

中山 プロという厳しい世界に入って、毎日危機感を持って過ごしています。簡単に活躍できる舞台ではないですし、自分の実力次第でいかようにもなると思うので、これからも危機感を持って、日々努力を続けていきたいと思っています。

新井 プロではこれまで以上に、結果を出せるかどうかということが重要ですし、日々のトレーニングの質がより上にいけるかいけないかにつながってくると思っています。今はこれまで以上にサッカーだけに集中できる環境があるので、ピッチで結果を出すためにはどうすればいいのかということを常に考えながら過ごすようにしています。

――プロになってからの練習には、当然これまでと違う部分もあると思います。どういった意識を持って取り組んでいますか

中山 これまでやってこなかったようなトレーニングも多くあって、自分自身の足りない部分を痛感していますし、技術においてもフィジカルにおいてもまだまだ劣っていると思うので、日々の取り組みを大切にするよう意識して、成長し続けていきたいです。

新井 トレーニング自体はやっぱりこれまでとは違う部分があって、新鮮な気持ちで取り組めています。試合に出るには当然、練習から自分をアピールできなければいけないですし、そのために自分の弱みを克服して強みを出していくということを意識して取り組んでいます。チームにはたくさん上手い選手がいるので、周りから一つでも多くのことを学んで、成長につなげていきたいです。

新井はプロの世界でもキャプテンシーを発揮できるか

 

――横浜FCの印象を教えてください

中山 本当に素晴らしい環境が整っていると思います。食事が三食あって、ボールをいつでも蹴れるということに対して感謝していますし、それを自分の活躍につなげていけるようにしなければと思っています。

新井 中山も言ったように素晴らしい環境が整っていると思います。チームメイトを見ても、カズさん始め、経験豊富な選手がたくさんいますし、そういった選手たちから学べることは多くあると感じています。このクラブのプラスの部分を自分の成長につなげていって、いずれは先輩たちを越えていけるように頑張りたいです。

――少しお話にも出ましたが、横浜FCにはJリーグ最年長の三浦知良選手がいます。日本サッカー界の象徴ともいえる三浦選手とチームメイトになったことに関しては、率直にいかがですか

中山 まだ直接ご挨拶はできていないんですけど、チームメイトとしてプレーできることをすごく誇りに思います。カズさんの経験値は計り知れないものがあると思うので、同じフォワードの選手として、自分からいろいろなことを聞いて吸収していきたいですし、早く一緒にプレーしたいです。

新井 今まで遠くから見てきて、献身性とか人間力といった面で、本当に素晴らしい方だと思っています。自分としても見習わなければいけない部分がたくさんあると思いますし、一緒にプレーできることを誇りに思います。たくさん刺激を受けて、たくさん吸収していきたいです。

――これから伸ばしていきたい、強化していきたいと思っているところはありますか

中山 一番は決定力を磨いていきたいです。あとは、ボールロストしない選手になるためのキープ力もつけたいです。ボールを失う回数が多いなと、これまでの練習の中でも自分自身感じているので。シュートに持ち込むシーンを増やせるように、得点力を上げれるようにしていきたいです。

新井 自分の強みは何度もオーバーラップできる運動量と、ディフェンダーですが攻撃に絡んでいけるというところだと思っています。ただ、ワセダではそれを全然出すことができなかったという後悔がとてもあって、やはり試合で出すことができなければそれは強みとは言えないですし、もっとそこに磨きをかけて、試合でも発揮できるようにしていきたいです。あとは、ワセダに入って、ア式に入って、人として大切なことというのを教えていただきましたし、プロに入ってもその学んだことはぶれないように、人としての『人間力』を大事にし続けていきたいです。

パンチ力のあるシュートが武器の中山

 

――ア式で学んだことのなかで、この先も大事にしていきたいと思っていることは何ですか

中山 新井も言っていたように、人間としてどうあるべきかというのを4年間で学ばせていただきました。自分のためにではなくて誰かのために戦うこと、自分のことよりも周りにいる人たちのことを考えることが大切だということを4年間で学んだので、この横浜FCでもそういったことを還元していきたいです。

新井 先ほど言った『人間力』に加えて、4年間古賀さん(古賀聡監督、平4教卒=東京・早実)のもとでプレーして、最後の一年間は主将もやらせていただいた中で感じたのは、感情を表現することの大切さです。感情のこもった言葉でしか人の心は動かせない、そして自分自身が常に本気でプレーしなければいけない。自分の感情を隠すのではなくて表現し続けることであったり、ピッチ内でも声を出し続けて鼓舞することであったり、そういったことをこれからも大切にしていきたいです。

――今後はともにア式でプレーした選手との対戦もあるかと思いますが、それに関してはいかがですか

中山 今季は同じJ2で敵としてプレーすることになる選手も何人かいますし、対戦した時には絶対負けたくないですね。ただ、まずは試合に出ることが重要ですし、対戦したときには自分の成長した姿を見せたいと思っています。

新井 中山の言葉に尽きると思うんですけど、まずは自分自身が試合に出られなければ、ライバルとして競争する以前の問題だと思いますし、プロの世界には本当にたくさんの先輩方もいて、そういった方々に「新井頑張ってるな」と思ってもらえるように頑張りたいです。

今後に向けた抱負を語るふたり

 

――今シーズンの目標を教えてください

中山 まずは二桁得点というのを目標にしています。それが達成できれば自ずとチームの勝利にも貢献できると思いますし、とにかく一試合一試合チームに貢献できるようになりたいです。

新井 まずは開幕スタメンというのを掲げています。それをクリアして次のステップにいければと思っていますし、まずは目の前の目標を達成することに集中したいです。

――これからキャリアを築いていくにあたって、プロとしての目標を教えてください

中山 一番大きな目標としては、世界で活躍できる選手になりたいというのがあります。ただ、その前にやるべきことがまだまだ山ほどありますし、一つ一つクリアしていって、最終的にそこまでたどり着きたいと思っています。

新井 自分も最終的には海外で活躍できる選手になりたいです。大舞台で活躍できる強い選手、自分のプレーで人の心を動かせるような選手になることが目標です。

――たくさんの方々が、お二人の活躍を楽しみにしていると思います。全ての応援してくださる皆さんに向けてメッセージをお願いします

中山 自分が試合で活躍することが恩返しにもなると思いますし、そのために何が何でも結果を残したいと思っています。横浜FCの一員として、サポーターの皆様に勇気や感動を与えることができるような選手になれるように日々努力を続けていきますので、応援よろしくお願いします。

新井 たくさんの方々が応援してくださっているということを、本当にいつも感じています。ただ、それに対して恩返しできているのかというと、全くできていないと思っていて、期待を裏切ってきた部分も多くあると思っています。がむしゃらなプレーで感謝の気持ちを表し、信じ続けて応援してくださる方々に活躍している姿を見せられるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします。

――ありがとうございました!

 

 

 

◆中山雄希(なかやま・ゆうき)(※写真左)

1994(平6)年10月16日生まれ。174センチ、73キロ。埼玉県出身。スポーツ科学部4年。U-18日本代表。柏レイソルジュニアユース→大宮アルディージャユース→早大ア式蹴球部→横浜FC

◆新井純平(あらい・じゅんぺい)(※写真右)

1994(平6)年11月22日生まれ。173センチ、67キロ。埼玉県出身。スポーツ科学部4年。U-18日本代表。浦和レッズジュニアユース→浦和レッズユース→早大ア式蹴球部→横浜FC

◆横浜FC〈http://www.yokohamafc.com〉

昨季はJ2を8位でフィニッシュ。クラブ創設19年目となる今季は、『BE BRAVE-一心に-』のスローガンのもと、11年ぶりのJ1昇格を目指す。主力には、今月26日に50歳となる“キング・カズ”こと三浦知良、昨季リーグ3位タイの18ゴールをあげたFWイバらがいる。

 

(文=栗村智弘 写真=松富リサ)