1回戦突破!総理大臣杯に向け、第一歩を踏み出す

ア式蹴球男子

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)前期を終えてから約2週間、アミノバイタルカップ2016(アミノバイタル杯)が開幕した。今大会の上位8校が夏に行われる総理大臣杯への切符をつかむことができるが、ワセダはここ2年出場を逃している。目標とする3冠(リーグ戦・総理大臣杯・全日本大学選手権)を達成するためにも、早大は気持ちを新たに明学大戦に臨んだ。前半13分、セットプレーからDF熊本雄太(スポ3=東福岡)のヘディングシュートで先制点を獲得。終盤にはFW小林大地(スポ4=千葉・流通経大柏)がPKで追加点を決め、無失点のまま試合は終了。2-0の勝利で総理大臣杯に向け、第一歩を踏み出した。

 開始早々の13分、ワセダはセットプレーをものにした。FW起用となった小林のFKにMF鈴木裕也(スポ3=埼玉・武南)が頭で合わせると、ボールはバーに跳ね返される。そのこぼれ球を熊本が確実にヘディングで叩き込んだ。幸先良いスタートを切った直後の19分には相手に鋭いミドルシュートを放たれるが、ボールに飛び付いたGK後藤雅明(スポ4=東京・国学院久我山)が好セーブ。弾いたこぼれ球をまたしてもシュートされるが、落ち着いた対処でピンチを救った。その後幾度となく攻撃を仕掛けていくワセダは39分にチャンスを迎える。しかし、小林のスルーパスに反応したFW中山雄希(スポ4=大宮アルディージャユース)は左足でシュートを放つが決め切れず。追加点を得ることができないまま、前半を折り返した。

得点を決めた熊本(3)の下に集まるメンバー

 迎えた後半、63分にMF相馬勇紀(スポ2=三菱養和SCユース)のCKを鈴木裕が頭で合わせるが、惜しくも相手GKに弾かれてしまう。ワセダペースで試合を展開しながらなかなかゴールを生むことができない。そんな中、65分にFW山内寛史副将(商4=東京・国学院久我山)が中山との途中交代で戦列復帰を果たす。その直後にはCKの流れからMF秋山陽介(スポ3=千葉・流通経大柏)が右足を振り抜くが相手DFに当たってしまう。スコアが動かないまま試合は終盤へ突入したが、88分、山内副将からゴール前でパスを受けた小林が相手に倒されPKを獲得。小林は冷静にゴール右隅を狙い、待望の追加点を奪う。ワセダはそのまま守り抜き、2ー0で試合は終了した。

FW起用に応えた小林

 「前期は失点が多かった中で、守備をもう一度見直して無失点にこだわったからこその結果」とDF新井純平主将(スポ4=浦和レッズユース)が振り返るように、前線からのプレスで安定した守備を見せた今試合。ここ7戦、勝ち星が遠のいていた中でようやくつかめた一勝であった。次戦はリーグ戦第9節で屈辱の敗北を喫した(●1-2)慶大との対戦だ。7月6日に行われる早慶サッカー定期戦の前哨戦であり、勝てば総理大臣杯出場が決まる重要な一戦となる。これまで以上に熱のこもった試合となるだろう。激闘が予想されるが、栄冠を手にするためにも、エンジイレブンは目の前の一戦一戦を全力で戦っていく。

(記事 新庄佳恵 写真 佐藤諒)

ワセダのエースが負傷離脱からカムバック!

 シーズン開幕前の早関定期戦(〇3-0)で負傷し、戦線を離脱すること約3カ月。頼れるエンジイレブンのエース、山内副将がついにピッチに戻ってきた。懸命のリハビリを経て、チームに合流した山内副将は中山との交替で65分から今季初出場。88分には抜群のポストプレーから小林へ絶妙なスルーパスを通し、PKを誘発。シュートを撃つ場面こそなかったが、しっかりとその存在感を示した。「まだまだ全然キレはない」とブランクの影響を覗かせた山内副将の当面の目標は出場時間を伸ばし、本来のパフォーマンスを取り戻していくこと。久しぶりの公式戦勝利で勢い付くワセダは背番号『10』の復帰によりさらにその勢いを増すことになりそうだ。

戦列に復帰した山内副将

スターティングイレブン

アミノバイタルカップ2016 1回戦
早大 1-0
1-0
明治学院大
【得点者】(早)13熊本,88小林
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 後藤雅明 スポ4 東京・国学院久我山
DF ◎新井純平 スポ4 浦和レッズユース
DF 熊本雄太 スポ3 東福岡
DF 鈴木準弥 スポ3 清水エスパルスユース
DF 12 木下諒 社3 JFAアカデミー福島
DF →90+2分 松岡拓郁 商3 大阪・履正社
MF 平澤俊輔 スポ4 JFAアカデミー福島
FW →85分 飯泉涼矢 スポ3 三菱養和SCユース
MF 14 鈴木裕也 スポ3 埼玉・武南
MF 相馬勇紀 スポ2 三菱養和SCユース
MF →89分 今来俊介 商3 神奈川・桐光学園
MF 秋山陽介 スポ3 千葉・流通経大柏
FW 中山雄希 スポ4 大宮アルディージャユース
FW →65分 山内寛史 商4 東京・国学院久我山
FW 11 小林大地 スポ4 千葉・流通経大柏
◎はゲームキャプテン
監督 古賀聡(平4教卒=東京・早実)
コメント

DF新井純平主将(スポ4=浦和レッズユース)

――今のお気持ちをお聞かせください

ただ一勝したにすぎず、次はここ2年間出ていない総理大臣杯出場権を懸けた大事な試合になるので、そこに向けて一瞬一瞬を過ごしていくだけだなと思います。

――無失点で勝ち切ることができました

前期は失点が多かった中で、守備をもう一度見直して無失点にこだわったからこその結果です。相手の質が低くて助かっている部分もあって、まだまだ隙が多くあるので、ミーティングとかでもう一回見直していかないと次のケイオーには勝てないと思います。

――2回戦の慶大戦に向け意気込みをお願い致します

早慶戦ということで、何が何でも勝たないといけない相手ですし、前期リーグ戦(第9節、●1-2)では黒星をつけられた相手なので勝ちしかないです。そこに向かって全員の勝ちたい思いや覚悟が必要なので、そこに向けてやっていきたいです。

FW山内寛史副将(商4=東京・国学院久我山)

――久々の出場となりました

結果は残せてないのでここからまたやって、夏へ向けてどういうかたちであれチームに貢献できるようにやっていきたいと思います。

――アミノバイタル杯までどのように合わせてきましたか

あんまり練習試合が入っていなかったので、(調整が)できてなかったんですけど、夜の練習試合とかBチームの練習試合とか2部練とかもあったので、量をこなしてきました。

――調子はいかがでしたか

まだまだ全然キレはないし、きょうの試合でもふがいないプレーも多かったので、調子は上がっていないと思います。

――ケガはもう大丈夫なのですか

患部は完全に治っているので、あとは周りの兼ね合いだったりだとかフィットネスとかを高めていきたいと思います。

――1点先行した状況での出場となりました

もう1点追加点を自分が取りたかったんですけど、取れなかったです。でも、PK獲得につながったポストプレーはしっかりできたのであの部分は良かったと思います。しっかりとパスを出せました。

――復帰戦を勝利で飾ることができました

一つ段階が上がったっていうことでしかないし、きょうの試合はきょうの試合で次に向けてやっていかないといけないと思いますし、内容としてももっともっとやらなければいけなかったので、そこら辺はしっかりと考えて次につなげていきたいと思います。

――次戦は慶大との戦いとなります

自分たちは前期で負けているので絶対に勝たなければいけないので、勝って総理大臣杯への出場権を得たいと思います。

FW中山雄希(スポ4=大宮アルディージャユース)

――本日の試合を振り返っていかがですか

自分たちはこのアミノバイタル杯で優勝するという目標があるのですが、リーグ戦7戦勝ちなしという中の中断期間で、自分たちのプライドを一度捨てて、トレーニングをひたむきにやってきました。それがきょうの試合で勝てた要因だと思いますし、素直に勝ててうれしいです。

――中断期間となった約2週間、本大会に向けてどう取り組んできましたか

自分たちは全然強くないチームだと、今の立ち位置をもう一度再認識しました。プライドを捨てようという思いを持ちながらトレーニングをやってきました。

――小林選手がFWに起用されましたが、連携面ではいかがでしたか

4年間同期として一緒にやってきた仲なので、何も気を遣うことなくしっかり連携できたので良かったと思ってます。

――前線からの守備がうまくはまっていましたね

前線の選手からの守備がチームの勝利につながるということを念頭に置いて、この期間やってきました。きょうのようなプレッシャーではまだまだ足りないと思うので、これからもどんどん意識していきたいです。

――前半39分、小林選手からスルーパスが回ってきた場面は惜しかったですね

あのような決定機で自分自身が決めないといけないですし、大地(小林)があのようなパスがくれたのは、大地を信じて走れたからこそできたプレーでした。今後は、決め切ることだけをイメージして練習をやっていきたいです。

――次戦は早慶戦となりますが、意気込みをお願いします

前期で負けているので気を抜けないし、負けを許されないので勝つためだけに頑張っていきたいです。