インディペンデンスリーグ(Iリーグ)第12節はホームの東伏見グラウンドで尚美学園大を相手に迎えた。第3節以降白星を挙げていないエンジイレブンは攻守の切り替え早く、球際に厳しく寄せ、最高の立ち上がりを見せる。後半にFW臼倉宏(文構2=東京・暁星)がこぼれ球をねじ込み先制。堅守で試合を進めると終了間際に途中出場のFW直江健太郎(商1=東京・早実)がダメ押しゴール。2-0で9試合ぶり、待望の2勝目をチーム一丸でつかんだ。
第3節以降勝ちのなかったエンジイレブンは負けられないこの試合に向け、気持ちの入ったプレーを見せる。前半、開始直後にPA内のこぼれ球をMF秋葉遼太(文1=東京・駒場)がシュート。その後も5分にMF小長谷勇太(人4=静岡・清水東)からのボールをDF恩田雄基(スポ4=埼玉・西武台)が受け、侵入してシュートを放つなど、素晴らしい立ち上がりとなった。12分にはパスミスによりピンチを招いた場面もあったが、失点することなく、攻守を素早く切り替える。39分にはMF石川大貴(スポ2=名古屋グランパスU-18)からのロングパスをFW石神佑基(スポ1=埼玉・市立浦和)が受け、中央に走り込んだ秋葉がシュートするもゴール左にそれた。ワセダは惜しくも得点ならず0-0で前半を折り返した。
臼倉の気迫が先制点につながった
期待が高まる中迎えた後半、56分に試合は動いた。臼倉がこぼれ球に素早く反応して右足を振り抜き、ついに先制点を決める。流れをつかみ積極的な攻撃を見せるワセダ。前半の素晴らしい連携が一瞬乱れたかのように見えた71分には相手にシュートを放たれるも、その後はしっかりとした攻めと守りの姿勢を見せる。アディショナルタイムには途中出場のFW西本八博(スポ3=岐阜・多治見北)からのパスを同じく途中出場の直江が受け、落ち着いて右サイドのネットに流し込み追加点。その後もエンジイレブンは試合終了のホイッスルが鳴り響くまでしっかりと守り抜き、2-0でIリーグ第3節ぶりの待望の勝利を挙げた。
ダメ押しゴールに歓喜する直江
試合前のミーティングでエネルギーのある試合にしていこうと話し合ったエンジイレブン。「勝つべくして勝ったという試合」と臼倉が語るように、全員が声を掛け合い、素晴らしい立ち上がりを見せ最後まで積極的に攻めの姿勢を崩さなかったのが勝因と言えるだろう。久しぶりのIリーグ勝利。この一勝で得たものを次の勝利へとつなげてくれることを期待したい。
(記事 河野美咲 写真 梶井夏葉)
スターティングメンバ―
Iリーグ第12節 | ||||
---|---|---|---|---|
早大U-22 | 2 | 0-0 2-0 |
0 | 尚美学園大U-22B |
【得点者】(早)56臼倉 90+2直江 |
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 斉藤康平 | 法3 | 静岡・清水東 |
DF | 2 | 小笠原学 | 社1 | 青森山田 |
DF | 3 | 山本新太郎 | スポ2 | ジュビロ磐田U-18 |
DF | 4 | 高岡大翼 | 社1 | 広島皆実 |
DF | 6 | 恩田雄基 | スポ4 | 埼玉・西武台 |
MF | 10 | 須藤駿介 | スポ2 | 静岡学園 |
DF | →76分 | 多田八起 | 商3 | 神奈川・桐光学園 |
MF | 14 | 石川大貴 | スポ2 | 名古屋グランパスU-18 |
MF | 8 | 秋葉遼太 | 文1 | 東京・駒場 |
DF | →82分 | 山本有一 | 人4 | 神奈川・桐蔭学園 |
MF | 9 | 小長谷勇太 | 人4 | 静岡・清水東 |
MF | →57分 | 渋谷勇太郎 | 社3 | 神奈川・桐蔭学園 |
FW | 7 | 臼倉宏 | 文構2 | 東京・暁星 |
FW | →85分 | 西本八博 | スポ3 | 岐阜・多治見北 |
FW | 11 | 石神佑基 | スポ1 | 埼玉・市浦和 |
FW | →68分 | 直江健太郎 | 商1 | 東京・早実 |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
コメント
DF恩田雄基(スポ4=埼玉・西武台)
――久しぶりの勝利となりました。いまのお気持ちをお聞かせください
Aチームが(関東大学リーグ戦で)7連勝している中、Bチームはこれ以上負けることが許されないとみんなが感じていて、そういうプレッシャーの中で内容よりも結果として勝てたことが大きいと思います。
――やはりAチームの活躍はBチームへの刺激となっているのでしょうか
そうですね、間違いなくAチームの戦いぶりは刺激になっています。それ以上に危機感を強く感じているので、Bチームの結果でお互いが刺激し合えればいいかなと思ってます。
――この試合、最上級生の一人としての出場となりましたがどのような意識で臨まれましたか
自分も久々の出場だったんですけど、外から見ていて(チームが)闘えていないなと思うところがあったので、その部分を外さないように後ろから声とプレーで引っ張っていこうと思っていました。
――試合の立ち上がりから球際に激しくいけていましたが、やはりその「闘う姿勢」の表れといったことだったのでしょうか
そうですね、自分たちの強みは球際の強さであったり切り替えの早さなので、そこがぶれないように試合を通じてやっていこうと共有して試合に入りました。
――無失点で勝ち切ることができました
GKのコウヘイ(斉藤康平、スポ3=静岡・清水東)とDFライン四人、そしてダブルボランチが中心となって絶対に0(無失点)でいこうと話していました。なので無失点でいけてよかったです。
――攻守の切り替えの早さが無失点の要因だったのではないでしょうか
そうですね、練習から意識して取り組んできたことでした。まだまだ課題はありますが、久々に勝てた試合で無失点で勝ち切れたのはよかったと思います。
――これからに向けて抱負をお願いします
Iリーグで勝つことが全てではなく、リーグ戦で勝ってなんぼだと思います。Aチームは7連勝と良い状況が続いてますけど、これから間違いなく苦しい状況がくると思うので、Bチームも含めたチーム全体で前に進んで優勝できるようにがんばっていきたいと思います。
MF須藤駿介(スポ2=静岡学園)
――Iリーグで久しぶりの勝利となりました
本当に負けが続いている中で、Bチームの選手にとってはプレッシャーの掛かる日々が続いたんですけど、きょうは残留するためにも勝たなければいけないというところで、アップが始まる前にミーティングで一人一人喋りました。一人一人の言葉から本当に責任の重さというものを感じられましたし、そういうものが自分にとっても、チームにとってもエネルギーに変わって、一人一人最初の笛が鳴った瞬間から戦えていたんじゃないかなと感じています。
――Aチームでの試合経験もある須藤さんですが、きょうの試合にはどう臨まれましたか
自分自身は戦うところっていうのを意識して、綺麗なことをやるのではなくて、球際であったり、競り合いひとつであったり、走り切るということであったり、そういったところを意識して、チームのためを思って戦いました。
――先制点、追加点を取れたというのはとても大きな意味があったのでは
そうですね、ここ最近の試合を振り返ってみると、自分たちのミスから失点してというシーンが多くて、勢いに乗られてしまって、自分たちが思うように試合を進められないというシーンがあったんですけど、今回は気持ちを前面に出して、自分たちのとにかく勝ちたいという思いが相手に上回った結果が先制点という結果にもつながりました。そしたその後の追加点にもつながったと思うので、次またIリーグがすぐあるのできょうの戦いをいいイメージにして次の試合も戦えたらいいなと思っています。
――無失点で終われたというのも気持ちの面が大きいですか
そうですね、DFラインが練習の時から自分たちの責任が失点につながっていると話していたので、きょうの試合は本当にDFラインの4人が集中力を切らさずに戦ってくれた結果が無失点という結果になったと思うので、その点は本当によかったと思っています。
――ボランチから攻守の切り替えが早く、相手の攻撃の芽を摘むことができていたという印象でした
本当に体を張ったプレーでチームを進めることができればなと、自分自身ミーティングのところで言いましたし、そこが自分の弱みだと思っていたのできょうはそういった面と向き合って戦えました。そこの勝負は負けたくないという思いが強かったので、そこは評価できるというふうに思っています。
――これからに向けて
自分自身、足元のところで、相手との差を見せなければいけないというふうに思っていて、ドリブル一つであったり、相手を外すことであったり、パス一つであったりっていうところで、うまさの部分で、相手を上回って、なおかつチームに勢いをもたらして得点につなげるプレーっていうのをもっとやっていかなければいけないんですけど、次の試合も厳しい戦いになると思いますし、もちろん戦う部分はベースとして、そのプラスで自分の強みである足元の技術っていうのを前面に出して、得点につなげるプレー、関わるプレーっていうのを増やして次も勝てるようにやっていきたいと思います。
FW臼倉宏(文構2=東京・暁星)
――第3節からの久しぶりの勝利となりましたが、いかがですか
やっと勝てたなという感じです。もう負けられなかったので勝たなきゃという思いが乗ったいい試合だったと思います。
――臼倉さんは試合中にたくさん声を出されていて、気持ちの入ったプレーを見せていらっしゃいましたが、どのようなことを考えてプレーされていましたか
やっぱり、試合前にミーティングするんですけど、ミーティングの中でも気持ちが乗らないと試合に勝てないという議題だったので、やはり全員で声を出して、エネルギーのある試合にしていこうということだったので、ぼくも便乗して声を出していました。
――こぼれ球をしっかり捉えて、先制点を決められていましたが、その先制点はいかがでしたか
いやーもう本当に、自分のところに転がってきたのを押し込んだだけだったんですけど、本当、気持ちのあるところにボールも転がってくるので、ラッキーでしたけど、しっかり結果を残せてよかったなあと思います。
――貴重な先制点でしたが、どのような意味があったと思いますか
やっぱりチームに貢献できてよかったです。点数もなかなか入っていなかったので、みんなで喜びを分かち合えて、とてもよかったシーンかなと思います。
――追加点を取って、さらに無失点という理想的な試合となりましたが
勝つべくして勝つという試合だったと思うので、これをきっかけにチームもよくなっていくといいかなと思います。
――最後に、次に向けての一言をお願いします
もう、勝つしかないので、勝ちます。