ホーム・東伏見グラウンドで城西国際大を相手に迎えたIリーグ第11節。前節、チームは引き分けにより6連敗からようやく脱出していただけに、勝利が期待される中でのキックオフとなった。しかし開始早々、自陣でのパスミスから一気に攻め込まれ、先制点を許してしまう。さらにカウンターで2失点目を許し、前半を折り返す。追い付きたい後半だったが、シュートまでパスをつなげていくことができず、試合終了間際に3点目を決められ0−3という結果に終わった。
前節、苦しみ続けた6連敗からようやく抜け出すことができたエンジイレブン。誰もがきょうこそは勝利を、と意気込んでいた。試合開始直後、GK斉藤康平(法3=静岡・清水東)から蹴り出されたロングボールにFW広田佑(商1=神奈川・桐蔭学園)が反応し、豪快なシュートを放つ。その後もインターセプトをするなど前線からプレッシャーを掛け、うまくパスを回し、試合の立ち上がりに成功したかに思えた。しかし7分、自陣でパスをカットされると一気に左サイドを駆け上がられフリーになっていた相手にボレーシュートを決められる。早くも1点を追いかける苦しい展開にエンジイレブンも悔しさを隠せない。しかし、斉藤がチームメイトに下を向かせまいとピッチ上の誰よりも大きな声を出し続けチームを鼓舞した。すると17分、FW石神佑基(スポ1=埼玉・市浦和)とMF山本隼平(スポ1=新潟・北越)の連携で決定的なチャンスをつくり、MF小長谷勇太(人4=静岡・清水東)がフィニッシュするもゴールならず、巡ってきたチャンスをものにできない。そしてその直後だった。一瞬の隙を突かれてまさかの2失点目を浴びる。その後もなんとかゴールを奪おうとするも、1点も上げられることなく前半を折り返した。
サイドで存在感を放ったMF秋葉遼太(文1=東京・駒場)
後半は両チームとも慎重にパスを回す時間帯が多くなった。何が何でも2点を取りにいかなくてはならないワセダは、残り20分、15分頃から積極的に相手ゴールへ攻めるようになる。石神のDFの裏に抜けるようなプレーや、相手GKの反則による至近距離からのFKなどでワセダに良い波が来たかに思えた。しかし、そんな期待を打ち砕くように3点目を決められ、そのまま試合終了のホイッスルを聞くこととなった。
献身的な動きを見せたMF須藤駿介(スポ2=静岡学園)
試合後、悔しさと苛立ちの入り混じった表情を浮かべていたエンジイレブン。「Bの選手には粘り強いプレーが極端に少ない」と斉藤が語るように、勝つためにチームに求められているものが何なのかは選手たちも理解している。あとはそれをいかに90分間という短い時間の中で表現して、良い結果につなげていけるかどうか。次こそは、エンジイレブンに勝利を期待したい。
(記事 篠原希沙 写真 栗村智弘)
スターティングメンバ―
Iリーグ第11節 | ||||
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早大U-22 | 0 | 0-2 0-1 |
3 | 城西国際大U-22A |
【得点者】(城)7,17,87香川 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 斉藤康平 | 法3 | 静岡・清水東 |
DF | 2 | 小笠原学 | 社1 | 青森山田 |
DF | 3 | 山本新太郎 | スポ2 | ジュビロ磐田U-18 |
DF | →48分 | 山本有一 | 人4 | 神奈川・桐蔭学園 |
DF | 4 | 高岡大翼 | 社1 | 広島皆実 |
DF | 5 | 多田八起 | 商3 | 神奈川・桐光学園 |
MF | 6 | 山本隼平 | スポ1 | 新潟・北越 |
MF | →75分 | 石川大貴 | スポ2 | 名古屋グランパスU-18 |
MF | 7 | 渋谷勇太郎 | 社3 | 神奈川・桐蔭学園 |
MF | 8 | 秋葉遼太 | 文1 | 東京・駒場 |
MF | →75分 | 臼倉宏 | 文構2 | 東京・暁星 |
MF | 9 | 小長谷勇太 | 人4 | 静岡・清水東 |
MF | →65分 | 須藤駿介 | スポ2 | 静岡学園 |
FW | 10 | 広田佑 | 商1 | 神奈川・桐蔭学園 |
FW | →54分 | 直江健太郎 | 商1 | 東京・早実 |
FW | 11 | 石神佑基 | スポ1 | 埼玉・市浦和 |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
コメント
GK斉藤康平(法3=静岡・清水東)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
ずっとIリーグでは負けとか引き分けが続いていて、やっぱり全体的に勝てる雰囲気が無いかなと思っていて、自分から結構働きかけようとしたんですけど、あまり出来ませんでした。イージーなミスから失点する場面が多かったと思うし、それは普段の練習から見られる兆候だったと思うので、そういうところをきちんと見直さないとたぶん次節も同じ結果になってしまうのかなというのをきょうの試合を終えて思いました。
――試合中ずっと声を出されているのが印象的だったのですが、やはり意識してされていたのですか
ずっとメンバー外とかベンチとかが続いていて、今回はいろいろ条件が重なって出ることができました。外から見ていてこういう部分を自分が変えていけたらもっとチームも良い方向に行くんじゃないかなと思ったんですけど、やっぱり変え切ることができなかったし、これから練習とかで自分への信頼をもっと勝ち得ないといけないなと思いました。
――早い時間帯での1失点目で、まだ試合のリズムがつかめていない中だったと思うのですが、そこからの気持ちの切り替えなどはどうだったのでしょうか
そうですね、やっぱりあの1失点目は自分の中でも反省材料といいますか。試合ができ上がる前に失点してしまうと、連敗が続いている中でまた負けてしまうのかという空気も流れてしまうと思うし、最初の時間帯で自分たちのペースをつくらないといけないところでパスミスをしてしまって、切り替わった時にマークがずれてしまったりする場面が多くてそういう部分は練習で高めていかないとだし、時間帯も意識してプレーしないとだなと思いました。
――きょうは暑さもあって体力的にきつい部分もあったと思うんですけど、最後守りきれず3失点目を入れられてしまいました
2点取られている状況でラスト10分15分くらいになったらやっぱりチームとしても勝ちたいので攻めていて、自分からも前に人数をかけようって指示を出した反面、リスクは背負わないといけないとは思っていました。判断自体は間違ってはなかったと思います。そういうリスクをマネージメントするのが自分の役目だと思っているので、そこで甘さが出たかなと。あと、ゴール前でもキャプテンの金澤拓真さん(DF金澤拓真主将、スポ4=横浜F・マリノスユース)とか特にですけど、トップチームでは見られるスライディングとか体でブロックしてっていう場面が多くみられるんですけど、Bの選手っていうのはそういう粘り強さとかも極端に低いと思うし、来週からの練習でそういう部分に向き合っていきたいと思います。