出せない『自分たちらしさ』。苦しい6連敗

ア式蹴球男子

 何としてでも勝利が欲しいワセダのインディペンデンスリーグ(Iリーグ)第9節は流通経大との対戦。前半、早い時間帯に先制点を許し、追いかける展開に。後半も2点を追加され試合は終始相手ペースで進む。78分にMF小長谷勇太(人4=静岡・清水東)が浮き球をミドルシュートで決めて巻き返しを図るも、奮闘も空しく1―3で試合終了。今節も勝ち点を得ることはできなかった。

 5連敗中のワセダ。この現状を打開するためにも、できるだけ早い時間に先制点を奪い試合を有利に進めたいところであったが前半9分、逆サイドに空いたスペースを使われ、寄せ切れずに得点を許してしまう。DF渋谷勇太郎(社3=神奈川・桐蔭学園)は「もう少し準備して寄せていれば、ああいったかたちでの失点はなかった」と悔しそうな表情で振り返った。先制点を奪ったことで勢いに乗った相手の攻撃に押され、防戦一方の苦しい試合運びとなる。追い付きたいワセダは、前半16分と35分にCKのチャンスを得るも、ゴールネットを揺らすことはできず。相手の猛攻を何とか耐え抜き、0-1のまま後半へ折り返した。

ドリブルで攻めあがる広田

 攻撃のリズムをつかみたいワセダは、後半立ち上がりから果敢に相手ゴールに迫る。48分に相手のファールからFKのチャンス。49分にはFW直江健太郎(商1=東京・早実)がシュートを放つもボールはキーパーの上へ。1点が遠いもどかしさからか、51分にDF小笠原学(社1=青森山田)がイエローカードを受けてしまうなど、いまひとつリズムがつかめない。その後56分にはボールを奪われダメ押しの3点目を許す。打つ手なしかと思われたが、78分にFW石神佑基(スポ1=埼玉・浦和)の浮き球をMF小長谷が豪快に決めて1-3とする。しかし反撃はここまで。6連敗という結果に終わった。

ミドルシュートを決め、一矢を報いた小長谷

 久しぶりのホームでの試合ということで、ここで連敗を止め次節へとつなげたいところであったが、個の力で格上の相手に、ワセダらしい堅守速攻は見せられず。「点を取ることだけを意識していたのですが、ほとんど自分のプレーを出させてもらえませんでした」とFW広田佑(商1=神奈川・桐蔭学園)が語るように、厳しい状況の中でも最善のプレーができるようになることが今後を左右するカギとなる。次節、エンジイレブンの奮起は見られるか。

(記事 山下夢未 写真 大森葵)

スターティングメンバ―

Iリーグ第9節
早大U-22 0-1
1-2
流通経大U-22A
【得点者】(早)78小長谷 (流)9土田 56松本 75浅見
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 中村大志 法4 東京・早大学院
DF 小笠原学 社1 青森山田
DF 井上純平 商1 東京・早実
DF 山本新太郎 スポ2 ジュビロ磐田U-18
DF 渋谷勇太郎 社3 神奈川・桐蔭学園
DF →77分 山本有一 人4 神奈川・桐蔭学園
MF 川井健吾 創理4 東京都市大付
MF 山本隼平 スポ1 新潟・北越
MF →69分 石川大貴 スポ2 名古屋グランパスU-18
MF 臼倉宏 文構2 東京・暁星
MF →67分 牟田翼 基理4 佐賀・鹿島
MF 小長谷勇太 人4 静岡・清水東
FW 10 直江健太郎 商1 東京・早実
FW 11 広田佑 商1 神奈川・桐蔭学園
FW →73分 石神佑基 スポ1 埼玉・市浦和
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース)
コメント

DF渋谷勇太郎(社3=神奈川・桐蔭学園)

――Iリーグ6連敗という結果をどう受け止めていますか

きょうは何としてでも連敗を止めて勝ちをとりたかったのですが、とれなくて非常に残念です。

――最初の失点が、意表を突かれて寄せ切れずというかたちでの失点でしたが

もう少し準備して寄せていればああいったかたちでの失点はなかったのかなと思います。

――きょうは3失点という結果ですが、今後どのように守備を改善していこうとお考えですか

失点シーンを振り返ってみると、流れの中で崩されたわけではなくて、個人の最後の守備における粘り強さであったり、セットプレーにおける1対1での責任のなさというのが失点につながってきていると思います。もう1回そういうところで本当に気を引き締めてやっていかなければいけないと感じています。

――次の試合への意気込みをお願いします

ずっと連敗していますが今週から関東リーグが開幕します。Bチームから上に突き上げていく選手が出てこなければいけないですし、そういったときにIリーグの結果というのは絶対必要になってくるので、本当に次こそは結果を出して勝ちたいと思います。

DF山本新太郎(スポ2=ジュビロ磐田U-18)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

TRAUMCUP(TRAUM CUP 2015 in SUMMER)で優勝できて、勝利へのモチベーションはすごくあったのですが、どこか自分の殻に閉じこもってしまって、今までDFラインを引っ張ってくれた先輩たちが抜けただけで、また元に戻ってしまったなというところは感じました。

――きょうの試合でも3失点を喫してしまいましたが、率直にDFとしてこれをどう受け止めていますか

屈辱です。3失点しまってはチームは勝てないと思いますし、2失点でも良くて引き分けだと自分の中では思っているので、3失点を続けていることで連敗してしまっていると思いますし、やはり連敗の原因はDFリーダーである自分にあると思っています。

――ゲームプランはどういったものだったのですか

相手は個の力が強いチームだとわかっていたので、みんなでハードワークして勝とうということは考えていました。

――実際に試合をしてみて、そのあたりはいかがでしたか

あまりうまくいかない部分が多かったですが、後半の終盤あたりは全員で気持ちを出して1点取れたので、そこは前に前にという意識を持てたと思います。ですが、全体としてはあまりうまくいかなかったという思いです。

――最後に次節以降への意気込みをお願いします

いまBチームはうまくいっていないですが、Aチームのほうは関東リーグ(関東大学リーグ戦)でずっと勝ち続けたり、天皇杯(天皇杯東京都予選)も決勝まで進んで、FC町田ゼルビアと本当に心を動かす試合をしてくれていて、それが僕たちにとっての道しるべになってくれています。まずはIリーグで1勝して、チーム全体に良い報告ができるように自分たちも頑張っていきたいと思います。

FW広田佑(商2=神奈川・桐蔭学園)

――どのような意気込みで試合に臨みましたか

FWなので点を取ることだけを考えて、自分の得点で良い結果につなげたいと思っていました。

――1-3での敗戦となりましたが試合を振り返って

前半から自分たちのやりたいことが終始できなくて、相手のペースになってしまったことが悔しいですし、個人としてもチームとしても悔しい結果でした。

――3失点ということで、チームとして挙がっている課題などは

攻守においてゴール前での攻防というのをテーマでいまやっているのですが、3失点かつ1点しか取ることができなかったというのは、まだ甘さがあるということだと思います。

――FWとして意識していたことはありますか

点を取ることだけを意識していたのですが、ほとんど自分のプレーを出すことができませんでした。とにかく悔しい結果に終わってしまいましたね。

――この試合で6連敗となってしまいましたが

良い結果ではないですけど、次勝つことだけを考えてやっていくしかないので、そこは切り替えて前だけを見てやっていきたいと思います。

――今後への意気込みをお願いします

個人としてもチームとしても結果にこだわって、自分が点を取って勝つということを考えてやっていきたいと思います。