約1か月ぶりの試合となった関東学院大戦。今季インディペンデンスリーグ(Iリーグ)初出場のMF今来俊介(商2=神奈川・桐光学園)のゴールで先制点を奪う。しかし追加点を奪えずにいると後半にまさかの2失点。終盤の猛攻も実らず悔しい逆転負けを喫した。
試合開始からFW西本八博(スポ3=岐阜・多治見北)を中心とした前線の組織的なプレスが面白いほど機能する。慌ててボールロストする相手を尻目に多くのチャンスをつくりだすワセダ。その中でも今来が輝きを放つ。数こそ少ないが、パス主体の攻めの中で得意のドリブルが一つのアクセントとなり相手に的を絞らせない。20分、今来が相手2人を引きつけ左サイドに流れたFW秋葉遼太(文1=東京・駒場)に展開。その折り返しをPA内に走り込んだ今来が合わせネットを揺らすことに成功する。その後も試合を優位に進めると、大きなピンチを迎えることもなく時間は経過。無失点勝利への期待が高まる安定した内容で前半を終えた。
先制点を奪う活躍を見せた今来
迎えた後半、少しずつ歯車が狂いはじめる。序盤から積極的にボールを追い続けた前線に疲労が見え、選手間の距離が遠くなる。決定機でもラストの精度、集中力を欠き追加点を奪うことができない。ピッチに漂う焦りの気配。嫌な予感は現実となった――。70分、相手に一瞬の隙を突かれるとDF陣の背後にスルーパスを通され失点。その10分後には連携ミスも重なり逆転ゴールを献上してしまう。土壇場で陥ったビハインドの状況。崖っぷちのエンジイレブンが選択したのは、パワープレーだった。守備の枚数を削り、長身のDF熊本雄太(スポ2=東福岡)を前線のターゲットとして投入。「やることが本当に明確になった」と西本が振り返るように、割り切った攻めで次々と相手ゴールに襲い掛かるワセダ。しかしシュートはことごとく枠外へと消えてゆく。最後の一秒まで同点弾を狙うも猛攻実らず無念のホイッスル。悔しさにうなだれる姿がその試合の全てを表していた。
痛恨の逆転負けとなった
リーグ戦4試合で計12失点と守備の面に不安を抱える今季のIリーグの戦い。堅守が持ち味のワセダ本来の出来には程遠いと言えるだろう。1点を守り切る堅実な試合運びも時には必要である。次節は意地とプライドがぶつかり合う伝統の早慶戦。絶対に負けられない戦いがそこにはある。目指すは勝利のみ。打倒ケイオーを胸に誓うエンジイレブンに足踏みする時間はない。
(記事 桝田大暉、写真 難波亮誠)
スターティングメンバ―
Iリーグ第4節 | ||||
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早大U-22 | 1 | 1-0 0-2 |
2 | 関東学院大U-22 |
【得点者】(早)20今来 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 中村大志 | 法4 | 東京・早大学院 |
DF | 2 | 小笠原学 | 社1 | 青森山田 |
DF | 4 | 日高裕介 | スポ4 | 横河武蔵野FCユース |
DF | →84分 | 熊本雄太 | スポ2 | 東福岡 |
DF | 3 | 山本新太郎 | スポ2 | ジュビロ磐田U-18 |
DF | 5 | 冨田康平 | スポ1 | 埼玉・市浦和 |
MF | 7 | 安田壱誠 | スポ2 | ベガルタ仙台ユース |
MF | 14 | 石川大貴 | スポ2 | 名古屋グランパスU-18 |
MF | →72分 | 渋谷勇太郎 | 社3 | 神奈川・桐蔭学園 |
MF | 8 | 臼倉宏 | 文構2 | 東京・暁星 |
MF | 6 | 今来俊介 | 商2 | 神奈川・桐光学園 |
MF | →83分 | 鈴木崇文 | 文構3 | 東京・早実 |
FW | 11 | 秋葉遼太 | 文1 | 東京・駒場 |
FW | →72分 | 直江健太郎 | 商1 | 東京・早実 |
FW | 10 | 西本八博 | スポ3 | 岐阜・多治見北 |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
コメント
FW西本八博(スポ3=岐阜・多治見北)
――久しぶりのインディペンデンスリーグ(Iリーグ)出場となりました。どのようなお気持ちでこの試合に臨まれましたか
関東大学リーグ戦(リーグ戦)中はずっとAチームに関わらせてもらって、いまBチームに落ちてきた中で、上級生が少ない分自分が引っ張ってチームを勝たせたいと臨みました。決め切るところで決められなかったりチームとしてうまくいかない分があったので、もっと練習からこだわっていかないといけないところがあるとたくさん感じる試合でした。
――先制点を奪うことができた前半の攻撃を振り返っていかがですか
前半のフレッシュな時間帯は相手にプレッシャーを掛けて、前からうまくボールを奪えたり早く攻めるということが全体で共有できました。得点も奪えてチャンスも多く作れたのは良かったと思います。
――お話にあったように、前線からのプレスが非常に機能していましたが
前半のフレッシュな時間帯は特に話さなくても前からプレスが掛かっている状況がありました。でも徐々に疲れから選手間の距離が開いてきたときに、しっかり悪い部分を改善しながらどうプレスを掛けるのかというのをコーチ主導ではなく自分たちで変えていけたのでやりたいことができました。
――後半はシュートを打ち切れない場面が多くありました
最後の部分で思い切ったプレーが少なかったですし、最後までパスで崩すことを考えてしまってフィニッシュまでつなげられなかった部分があると思います。ゴールを奪わなければサッカーは勝ちにつながらないのでそこをトレーニングからこだわっていきたいです。
――逆点されてから前線のターゲットとしてDF熊本雄太(スポ2=東福岡)選手が投入されましたが練習からやっていたことなのでしょうか
いや、特にトレーニングではやったことがありませんでした。選手としても点が欲しいときに前にいきたいというのをコーチ陣がくみ取ってくれたとかなと思います。
――熊本選手が投入されてからどのような変化を感じましたか
やることが本当に明確になりました。あの時間帯でできることが前に蹴ることだったのでクマ(熊本)が入って戦える状況がつくれました。攻撃も滞っていた中で一つアクセントを加えられたのは良かったです。
――次節は慶大との試合になります。早慶戦への思いはいかがですか
昨年のIリーグでも慶大戦に出場できずいままでまだ早慶戦に関われていないので、自分はケイオーと試合がしたいと感じています。絶対に負けてはいけないと思うので、きょう出た課題をしっかり自分に突き付けて次の試合に臨みたいです。
MF今来俊介(商2=神奈川・桐光学園)
――きょうはどのような意気込みで臨まれましたか
攻撃面では積極的に点に関わるプレーと、自分の持ち味である守備の部分を試合の中に出していこうと思っていました。
――先制点をあげたときの心境はいかがでしたか
あれは意図的ではなく、たまたま自分のところにボールが来たので足を出しました。先制点が取れたのは良かったです。
――持ち味のドリブルを生かしたプレーはありましたか
今日は中でプレーすることが多かったのであまりボールを持つことはできなかったです。なので仕掛けたり、ドリブルをする場面は少なかったです。
――チームの敗因は何でしょうか
チャンスがあった中で、流れを相手に持っていかれたときに、それを押し返すだけの力がなかったという感じです。
――次の慶大戦に向けてどのよに準備をしますか
早慶戦同様、Iリーグの中でも重要な戦いになってくるので、きょうの反省を生かして、また戦っていきたいです。