順大を下し、前期を4位で折り返す!

ア式蹴球男子

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)前期最終節。これまで3連勝と波に乗っているワセダは、順大と対戦した。試合開始直後にFW宮本拓弥(スポ4=千葉・流通経大柏)が自ら獲得したPKを落ち着いて決め、さっそくリードを奪う。続けて追加点を挙げることにも成功し、2-0で前半を折り返した。しかし後半、順大も激しさを増してくる中、中盤に1点を返されるが土壇場で粘り勝ち見事勝利。順大戦で白星を飾ったのは、2012年のリーグ戦後期以来、実に2年半ぶり。好調をキープし、前期リーグ戦を4位で締めくくった。

 まさしく一瞬の出来事だった。試合開始のホイッスルが鳴った直後、ボールはDF新井純平(スポ3=浦和レッズユース)からペナルティエリア内の宮本へ。空中戦に競り勝ち収めたところを相手DFに倒されると、PKと判定される。宮本自ら落ち着いて沈め、幸先良く1点目を挙げた。これで主導権を掌握したワセダは17分、MF堀田稜(商4=浦和レッズユース)の左サイドからのクロスに、走り込んでいたMF平澤俊輔(スポ3=JFAアカデミー福島)がうまく合わせ追加点。平澤はこれが今季初得点であると同時に、待望の公式戦初ゴールをマークした。その後は、前線からのプレスでペースを握らせず、安定感のあるDFで間を割らせることもなく落ち着いて試合を展開。良い流れで前半を終えた。

公式戦初ゴールを記録し、喜ぶ平澤

 後半も、宮本のヘディングシュートで開始早々攻め立てる。56分には、堀田のファークロスにFW山内寛史(商3=東京・国学院久我山)が頭で合わせたが、これは相手GKのファインセーブに阻まれ得点とはならなかった。そして、前半こそ攻撃に怖さを感じなかった順大だが、徐々に調子を取り戻し後半も中盤、嫌な時間帯に失点を許してしまう。そこから試合はさらにヒートアップ。しかし、ピッチ内から互いに鼓舞する声は絶える事無く、DF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)とDF奥山政幸副将(スポ4=名古屋グランパスU-18)を中心に立て直し、冷静さを取り戻したイレブン。GK後藤雅明(スポ3=東京・国学院久我山)もビッグセーブを連発し、チームの勢いを後押しする。最後、気持ちのぶつかり合いはワセダに軍配が上がり、2-1で試合終了。怒涛(どとう)の4連勝で、終盤順位を大きく上げることに成功した。

試合後ハイタッチを交わす金澤主将(左)と奥山副将

 リーグ戦前期を、5勝3分3敗の4位という結果で終えたワセダ。途中最下位まで沈んだことを考えると、慶大戦(〇1-0)から今節までの4連勝で1位との勝ち点差を縮めることができたのは大きいだろう。この前期を振り返り、「大きく変わったところは、一人一人の献身性」だと金澤主将は語る。全員がチームを思い、それが勝利への執着に、そしてこの結果に結び付いたのだと。一時は首位と大きく離されたが、いまは違う。1位の国士舘大との勝ち点差はわずかに2点と、射程圏内に捉えている。リーグ戦後期の開幕まで期間は空いてしまうが、必死に紡いだこの良い流れを継続できるか。そして、この先どんなドラマが待っているのか。いまから秋が、待ち遠しい。

(記事 佐藤凌輔、写真 藤巻晴帆、大森葵)

スターティングメンバー

関東大学リーグ戦第11節
早大 2-0
0-1
順大
【得点者】(早)1宮本、17平澤 (順)70吉永
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 後藤雅明 スポ3 東京・国学院久我山
DF 新井純平 スポ3 浦和レッズユース
DF 奥山政幸 スポ4 名古屋グランパスU-18
DF ◎4 金澤拓真 スポ4 横浜F・マリノスユース
DF 12 八角大智 社4 千葉・流通経大柏
MF 平澤俊輔 スポ3 JFAアカデミー福島
MF 14 小林大地 スポ3 千葉・流通経大柏
MF 田中太郎 商4 静岡・藤枝東
MF 堀田稜 商4 浦和レッズユース
MF →80分 大丸瞬 教4 東京・早実
FW 宮本拓弥 スポ4 千葉・流通経大柏
FW 10 山内寛史 商3 東京・国学院久我山
FW →85分 中山雄希 スポ3 大宮アルディージャユース
◎はゲームキャプテン
監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表
順位 校名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
国士舘大 20 11 22 12 10
流通経大 19 11 15 10
法大 18 11 17 15
早大 18 11 10 11 -1
慶大 17 11 16 13
明大 15 11 17 17
順大 15 11 13 13
駒大 14 11 16 16
専大 13 11 11
10 中大 11 11 17 23 -6
11 桐蔭横浜大 11 11 12 22 10
12 神奈川大 11 12 -5
※第11節終了時点
※下位2校は関東大学リーグ戦2部リーグに自動降格

DF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)

――関東大学リーグ戦(リーグ戦)前期の最終節を見事勝利で飾ることができました。いまの率直な感想をお願いします

本当に大きな勝利だったかなと。前日に上位が勝ち点を落とした中で、この上ないチャンスが来たと思っていましたし、勝たなきゃいけない試合だということをみんなで共通理解を持って試合に臨みました。

――第10節駒大戦(〇1-0)から少し期間が空いての今節でしたが、チームの雰囲気はいかがでしたか

アミノバイタルカップ2015(アミノバイタル杯)2回戦で負けてしまって、挫折と言うか、チームとして大きな損失のあった期間でしたけど、チームの一人一人がこの一戦のために準備してくれたかなと思います。Bチームの方でもエネルギッシュな、Aチームに勝る雰囲気でトレーニングしてくれましたし、そういったチーム一人一人の取り組みの総和の結果がきょうにつながったんだと思います。

――アミノバイタル杯での敗戦がチームに与えた影響は、やはり大きかったのでしょうか

試合後みんなと話したら、なかなか切り替えることができていないとか、やはり気にしている選手もいました。その中でも前向きに切り替えなきゃいけないことは確かですし、すぐにリーグ戦もあったので、そういったところでうまくチームとして切り替えられたからこそ、結果に結び付いたかなと思います。

――良い時間帯で得点を奪い、前半はワセダが主導権を握れていたという印象ですが

ファーストプレーで得点取れたことも大きかったですし、そこから前線の選手がハードワークしてくれて、FWの選手や中盤の選手がプレッシャーを掛けてくれたおかげで優位に進められたかなと思います。

――間を消す動きや、スペースをつぶす動きで相手の侵入を防ぎ、ピンチも少なかったと思いますが

あれだけ前の選手がプレスを掛けてくれれば自分たちも狙いやすいですし、本当に前の選手のハードワークのおかげかなと思っています。

――後半の失点シーンでは、かなり深いところまで侵入を許してしまいましたが、あの場面を振り返っていかがですか

押し込まれた状況の中で、ファーストディフェンダーが連続して止められなかったことが失点の要因だと思いますし、人数はいましたしその中でどうやって次のファーストディフェンダーを決め続けるかっていうのが大事だと思うので、そこを怠ってしまった、隙をつくってしまったからこそシュートを撃たれてブロックし切れなかったんだと思います。人数がいるなら、そういったところはしっかり守り切らないといけないなと。

――失点した直後は少し全体として慌てる様子も見られましたが

そうですね。でも前回の筑波大戦(●1-2)で失点を重ねたことから、その教訓を生かせたかなと思いますし、一人一人の声掛けや集中を促す声はありましたし、そういった意味では、この部分は筑波大戦での敗戦を前向きに捉える要素の一つかなと思います。

――終盤は割り切ったプレーも見られましたが

全ては勝つためにプレーをしようと話をしていますし、勝つための戦いをしようと話をしていたので、その中でああいう判断はあっていいと思います。本当に、全てはただ勝つためにサッカーをしなくてはいけないし、理想と現実は違うと思うので、きょうは現実的なサッカーをして勝ち点3を取ったかなと思います。

――リーグ戦前期の総括をお願いします

自分自身、まだまだ優勝には程遠い現状にあることは痛感させられましたし、特に6試合勝てなかったあの期間は特にそうですね。ここから後期の開幕は2か月ちょっとありますが、そこでどれだけ差を埋めて自分たちが優勝にふさわしいだけの力を付けられるかが大事になると思います。間に早慶サッカー(早慶サッカー定期戦)や天皇杯東京都予選がありますけど、自分たちが掲げているのはやはりリーグ戦での優勝なので、それに向けてまたみんなで積み上げていく必要があるかなと思います。

――第8節の慶大戦(〇1-0)から4連勝と、やはりこの試合が一つターニングポイントになったのではないでしょうか

厳しい試合でしたけど、全員で力を振り絞って勝てたことがこの4連勝につながったと思いますし、一つ自分たちが勝つ上で気付きと言うか、こういうことしなきゃ勝てないよ、と気付けた試合だと思うので、そういった意味では間違いなく早慶戦での勝利が大きかったと思います。

――こうして連勝して、勝利が遠かった時期を振り返ってみていかがですか

大きく変わったところは「一人一人の献身性」かなと思っています。あの勝てなかった時期と、この4試合を振り返って見れば、守備で走ることだったり、最後体を張ってでもゴールを守るところだったり、勝利に執着するプレー、勝つために一人一人が思いを乗せたプレーと言うか、そういうのが出たからこそ厳しい勝負でも勝ち切れるところまで来たと思うので、ここから何を積み上げていくかが課題だと思います。

MF堀田稜(商4=浦和レッズユース)

――リーグ戦前期の最終節となりましたがどのような意気込みで試合に臨みましたか

やはりアミノバイタル杯で負けてしまい、総理大臣杯やアミノバイタル杯優勝という目標を掲げている中でそれがついえてしまいました。なので、これから先自分たちが目標として掲げていくのは、関東リーグ優勝しかないということを全員で改めて共有しました。きのうの結果もあって、自分たちが3位4位に上りつめるチャンスだということで、何が何でもそのチャンスをつかもうということを共有して試合に臨みました。

――2ー1での勝利となりましたが試合を振り返って

前半の自分たちの良い流れの中で2点を奪えたということは良かったと思います。もっと欲を言えば、もう少し点を奪えたのではないかなというシーンもありましたが、前半に2点を奪えたことがきょうの勝利の決め手となったと思います。その中で後半は、自分たちが主導権を握るきっかけにできるプレーというのがあったと思うので、相手に押し込まれてしまうシーンがあったのは仕方ないですが、その中でできることはもっとあったのではないかと思います。

――試合開始直後にPKから先制点を奪いましたが、それは大きかったでしょうか

そうですね。うちの強みとしてFW2枚というのがあります。自分もその2人が競ったところのこぼれ球を狙っているのですが、キックオフ後の相手の集中力が高くない段階で、隙をついてPKを奪うことができたというのは大きかったと思います。

――2点目のアシストシーンを振り返って

カウンターではあったのですが、あそこで自分で仕掛けようという判断ができたことが結局クロスにつながりました。そこに走りこんだ平澤(MF俊輔、スポ3=JFAアカデミー福島)に触ってもらってゴールになったので、平澤のランニングには感謝したいですし、自分もそこで仕掛けようという判断も良かったと思います。

――前半はプレスが効いていて相手に前を向かせないプレーが多い印象がありましたが、守備面はいかがでしたか

攻守の切り替えという部分と相手の出どころに対してしっかりプレッシングをしていくところは、今週練習を通して意識してきた部分でした。それをみんなが高い意識を持って臨んでくれたので、うまくいったかなと思います。

――一方で後半は耐える時間帯が続きましたね

2-0というスコアだったので、相手も何が何でも点を取ろうということでエネルギーを持ってくることは予想していました。そういうシーンはしっかり耐えればいいですし、その中で自分たちの流れに引き寄せるようなプレーというのはもう少しできた方が良いのかなと思います。

――きょうは後半途中での交代となりました

90分もたせようということは全く考えていなくて、前半終わった時に倒れてもいいのではないかというくらい、前から前からやっていました。自分は運動量とスピードが持ち味で、走らなければいる意味はないと思っているので、そういう意味で出し切りましたね。もっと高めなければいけない部分はありますけど、それでも力を持て余すことなく出し切れたのかなと思います。

――これでリーグ戦4連勝となりました

最下位という苦しい期間も経験した中で、負ければ終わりというところしっかりと勝ってこられたことは、ある意味自分たちにとって自信になると思います。後期リーグ戦は期間が空きますけど、前期に自分たちが学んだ課題や収穫を生かして、後期につなげていきたいです。

――前期のリーグ戦を振り返っていかがですか

序盤自分たちが得点を奪うことができず、相手に多くの得点を奪われて最下位に低迷してしまいました。攻撃の中でバリエーションを増やそうとか新たなことにトライしてきたのですが、その中でワセダとしていままで大切にしてきた守備の部分で、少しおろそかになった部分があったかなと思います。ワセダとして先代の方々が築き上げてきてくれたワセダの強さという部分は磨きをかけていきたいですし、その中で自分たちも攻撃のバリエーションという部分をプラスしていければなと思うので、そこを意識してやっていきたいと思っています。

――早慶サッカーへの意気込みをお願いします

自分自身、昨年も直前のケガで早慶戦の出場を逃していますし、もし出場することができれば自分にとって最初で最後の早慶戦になるので、しっかりと良い準備をして自分がチームの勝利に貢献できるようにやっていきたいです。

FW宮本拓弥(スポ4=千葉・流通経大柏)

――今回の勝利でリーグ戦では4連勝となりましたが、まずは率直にいかがでしょうか

きょう4連勝できたことはチームとして大きなプラスの要因になるんじゃないかと(思います)。僕たちは総理大臣杯には行けませんでしたが、次の早慶サッカーに向け、いい弾みになったんじゃないかと思います。

――アミノバイタル杯での敗戦後、チーム内で修正した点はあったのでしょうか

アミノバイタル杯で筑波大に負けて(●1―2)、立ち返るべき自分たちの強みというところに立ち返って、勝つべき選択をできるチームになっていかないといけないなと振り返ってやってきたから、きょうのリーグ戦で勝ちにつながったんじゃないかなと思います。

――試合の内容ですが、1点目をラッキーなかたちで手に入れましたが、そのシーンを振り返っていかがでしたか

あのキックオフの新井(DF新井純平、スポ3=浦和レッズユース)からのパスというのは、僕たちは練習からずっとやってきていました。それで僕が競り勝って、競り勝てば点を取れるんじゃないかという自信もあったので、それがファウルというかたちにつながりました。僕がPKを蹴って決めることができたというのは、チームとしていいパターンができたんじゃないかと思います。

――チーム全体として球際の強さが目立ったと思いますが、その点はいかがでしょうか

自分たちは(リーグ戦)最下位も経験しましたが、その時に何で勝てなかったかというのを自分たちでミーティングして、サッカーの戦術的な事も話し合いましたが、球際の強さや一対一の強さで本当に勝てなかったら、何をしても勝てないんじゃないかというのをみんなで話して共有し合いました。サッカーの本質的なところをもう一度見つめ直した結果が、だんだんとですが出てきたんだと思います。

――エリア内でつないでフィニッシュに向かう場面もありましたが、そういった部分も手応えは感じているのでしょうか

そうですね。そこが自分たちで考えて修正した攻撃のところだったので、ああいうパターンをもっと良くしていき、最終的にはゴールにつなげられればチームとしても自信になるんじゃないかと思うので、最終的にゴールを決めるまでの過程というものを突き上げられるように頑張っていきたいと思います。

――後半もクロスに頭で合わせる惜しいシーンもありました。自身の調子も上がってきていますか

もっと点を決めなければいけない場面もあったので、そこは反省点として変えていかなければいけないなと思っています。ただ僕は結構波が激しい選手なのですが、そういうところで悪い波に持っていかないということをできているので、そこは本当に僕自身も成長したところだと思います。

――そうした波は練習でのコンディションの上がり具合などに左右されるのでしょうか

練習の時でもそうなんですが、何かうまくいかない時があったら相手や味方のせいにしてしまって。僕自身もそうですが、チームのプレーも悪い方向に持っていってしまうこともあったのですが、いまは本当に無くしていって、自分が(態度を)示せば周りもついてくるだろうという方向に持っていけるようになったので、そこは成長したところかなと思います。

――ワセダのサッカーではFWにも前線からの激しいプレスを求められますが、そういった点も年々磨かれているのでは

FWがファーストディフェンダーで最初になるというところで、前線からのプレスを強みにしますが、そこをどのチームでも出していければ自分たちのいい守備のかたちができて、攻撃にもいいかたちで持っていけるというのが強みでもあります。どうしても僕たちがファーストディフェンダーをさぼったり、(プレスを)掛けられなかったりしたら、おのずと後ろも厳しくなるだろうし、そういうところは意識してやれているいいところかなと思います。

――最後に、これでリーグ戦の前期は終了しましたが、リーグ戦前期を振り返ってどんな印象でしょうか

今季リーグ戦は、開幕戦こそ勝ちましたが、その後6戦勝ち無しで最下位まで落ちてどん底を味わいましたが、その時もみんな弱気な発言をしませんでしたし、優勝に向かって立て直すんだ、という気持ちでやってきました。そういう気持ちでぶれずにやってきたから、まだまだ4位ですがここまで来られたと思います。これからもそこをぶらさずに、夏はより磨きをかけていきたいと思います。

DF新井純平(スポ3=浦和レッズユース)

――リーグ戦4連勝となりました。率直に今のお気持ちをお聞かせください

素直にうれしいというのが一つです。きょうは勝ちましたけど、前期の結果を見てみればまだまだ4位で自分たちが目指す位置には遠いので、ここからどれだけ勝ち進んでいけるかが大事だと思います。後期が始まるまでもそこまでの準備が重要になってくるので、それに対して自分たちでどんどん積み上げていくだけだなと思います。

――アミノバイタル杯の敗退からどのようにしてこの試合を迎えましたか

アミノで負けて全国出場を逃して、自分たちはまだまだなんだという現状を突きつけられ、日々のトレーニングから見つめ直してもっともっと厳しい競争をしていかないと上にはいけないと考え直しました。もう一度ワセダの強みはなんなのかというところに立ち返って、磨きをかけ続けた結果がきょうの勝利につながったと思います。試合に出ているメンバーそれぞれの強みというのはありますけど、なくしてはいけないワセダの良さを常に出し続けなければ勝てないというのを直近のリーグ戦4試合通じてわかりました。それを忘れずに、勝つためのサッカーを続けていけたらなと思います。

――逆サイドではありましたが、サイド攻撃からの得点でワセダらしさの一つを出せたのではないでしょうか

そうですね。サイドを自分たちの強みにしている中で、やっとサイド攻撃から結果が出せました。あれはホリくん(MF堀田稜、商4=浦和レッズユース)から得点につながったとシーンだと思うんですけど、それを両サイドからというか、右サイドもチャンスが全くなかったわけではないので自分がもっと得点に結びつく働きをしないとなと思いました。

――前半の守備に関して、プレスの距離感が良く相手にスピードアップをさせない場面が多かった印象がありました

スカウティングで相手のサイドに個人能力が高い選手が多いとわかっていました。スペースを与えれば相手に好き勝手やらせてしまうと考えていたので、個の力が素晴らしい選手には距離を詰めて何もさせないと試合入る前に意識していました。後半はサイドで時間を作らせてしまう場面も少しありましたが、試合の入りからそのことを意識してやれたのは良かったことだと思います。

――ディフレクションでコースが変わった不運な面もありましたが、失点の場面を振り返っていかがでしょうか

シュートを撃った選手に横へドリブルをさせてしまったと思うんですが、相手にシュートを撃たせる時間を与えなければもっと前の段階で防げたと思います。ゴール前の守備というところでもっともっと意識していかないといけないところだと思います。

――後半を押し込まれる時間が続いてしまいましたが

後半押し込まれることは想定していました。それでも最後に勝っていればいいので、どんなかたちでも守り切るということをできたと思うのでそこは自信持っていいと思います。だからといって攻め込まれっぱなしではいけなく、改善していかなければいけない面はまだまだあるので、そこは映像を見るなりして考えて改善していけたらいいなと思います。

――リーグ戦の序盤のように追いつかれることなくしっかりリードを守り切ったのはやはりチームが成長できているといったところでしょうか

はい。序盤戦は苦しい試合が多く、追い付かれて逆点されてしまう試合があった中で、ワセダらしく体を張って守れているのかを見つめ直した結果がいまの4連勝につながっていると思います。少なからず成長していると思うので、この成長をもっと伸ばして後期の試合で勝ち続けられるような戦いぶりをしていけたらなと思います。

――きょうは攻撃参加が少なかった印象ですが

後半はほとんど押し込まれたのもありますし、上がるタイミングやがむしゃらに上がっても空いたスペースを突かれたらとかをいろいろ考えながらやっていた結果、攻撃参加が少なかったという面もあります。それでもまだ攻撃参加のタイミングを逃していることがきょうの試合でもいくつかあったと思います。持ち味の持久力ももっと出していけたらなと思うので、そいうところを逃さないようにやっていきたいです。

――上位との勝ち点差を詰めて前期を締めくくることができました

勝ち点差を縮められたのは大きなことだと思いますが、頂点に立てなきゃ意味はないと思います。きょうは大きな勝利ですが、ここからが本当の勝負だと思うので明日から切り替えてやっていきたいです。

――次には早慶サッカーが控えています。それまでの期間をどのように過ごしますか

成長していくことが全てで、結果を残すことが一番大事だと思いますし、それに向けて高められるところはまだまだあります。個人個人が課題を持って取り組めばもっと良いワセダになると思います。いまの現状だと優勝するチームではないので、リーグ戦優勝するチームに値するようにこれからやっていきたいです。

MF小林大地(スポ3=千葉・流通経大柏)

――2ー1という結果を振り返って

前期最終節を東伏見の会場でやれるということで、普段この地域でお世話になっている方々や、朝早く会場を作ってくれている仲間に対して、必ず勝って感謝の気持ちを表したいなと思って試合に臨みました。

――プレーし慣れたピッチでの試合はいかがでしたか

普段の試合は天然芝でやっているのですが、きょうはいつも練習している人工芝でやれるということで、タッチやパスという部分ではいつものようにできたかなという感じです。

――上位進出に向け負けられない相手である順大との対戦でしたが、どのようなことを意識して挑みましたか

前日に上位が勝ち点を落として、勝ち点を詰められるチャンスでした。相手も同じ勝ち点15という状況だったのですが、勝ちたい気持ちが大きい方が勝つかなと思って気持ちを前面に出して戦いました。

――きょう勝てたことは大きかったのではないでしょうか

そうですね。リーグ戦の前期で4位までに入れば最終節を西が丘(味の素フィールド西が丘)でやれるということで、西が丘で優勝の瞬間をみんなで分かち合いたいなと思います。

――試合開始直後に得点しましたが、チームでゴールに関して話し合っていたことはあったのですか

あのかたちはシーズン始まる当初に練習でかたちとしてつくっていました。これで一度押し込もうという狙いでやっていたので、それが実際に点につながって良かったです。その分試合も入りやすかったです。

――前半もワセダペースだったと思いますが

その立ち上がりの1点が大きかったなと思います。その後もみんな落ち着いてプレーできていましたし、チャンスも多くつくれて、しっかりと追加点も取れたので良かったかなと感じます。

――後半は順大に攻め込まれる時間も多かったですが、前半と比べ、相手の攻撃の違いなどはありましたか

前半は後ろでつないでくる中でロングボールなどを入れてきたのですが、後半は相手が修正してきてバイタルエリアや組み立てのところでパスやドリブルをしてきました。それでうまく崩されてしまったかなと思います。

――アミノバイタル杯では逆転負けを喫しましたが、今回は踏ん張って勝利を手にしました。アミノバイタル杯との違いはありましたか

アミノバイタル杯のときは先制点を取りましたが、その他のほとんどの時間で守備に回ってしまって、いつ失点してもおかしくない状況でした。その分きょうは前半からワセダがゲームを支配していましたし、後半も何度かチャンスをつくれていたのでそういった面で2ー1というスコアで勝てたのかなと感じます。

――早慶サッカー定期戦への意気込みをお願いします

自分自身いままではスタンドからしか関われなかったので、ことしはピッチ上で直接自分のプレーで勝利を導けるように頑張りたいと思います。

MF平澤俊輔(スポ3=JFAアカデミー福島)

――アミノバイタル杯からどういった調整をしてきましたか

アミノバイタルを終え自分たちの力というのが足りないと分かった中で、決勝の試合を見に行きました。その中で古賀監督(古賀聡監督、平4教卒= 東京・早実)が球際などの部分があったからこそ優勝できたと言っていて、自分たちも同じようなサッカーをしているのでもう一度そういった部分を見直していこうと共有して2週間やってきました。

――久々のリーグ戦ということでしたが意気込みは

ここ東伏見で開催されるということで多くの地域の方々が見に来るというのもあって、自分たちが日頃お世話になっている思いというのをここで結果として恩返ししようというのは全員で話していました。そういった中で気持ちの入ったプレーができたかなと思います。

――試合を振り返っていかがですか

立ち上がりラッキーなかたちと言ってはなんですが、PKというかたちで先制でき、自分たちの時間帯で2点目を取れたというのはすごく良かったと思います。後半は押し込まれましたが全員で体を張っていこうという話はしていたので、その中で1失点に抑えて勝てたというのは良かったと思います。

――ご自身の得点についてはいかがですか

初ゴールだったので本当にうれしい得点でした。ホリ君(MF堀田稜、商4=浦和レッズユース)からいいボールがきたので自分がニアで入っていこうというのが頭の中にあって、来たボールをうまく決められて良かったと思います。

――前半はいいかたちで攻められていたように思いますが振り返っていかがですか

前半がカギというのは試合前から話していました。相手がつないでくる中で前からプレッシャーに行って、それを奪って攻撃につなげていこうという話をしていたので、そういったかたちが前半は多くできていたと思います。

――後半は逆に押し込まれる展開となってしまいましたが

相手が前線の人数を増やしてきて、そういった中で流動的にポジションを取ってきていたので、なかなか守りにくい部分はありましたが、最後の部分で体を張って相手に突破させないというのは最終ラインから全員で意識してやっていました。結果的に押し込まれてしましましたが、1失点に抑えられたというのはポジティブに捉えていいと思います。

――後半、厳しい展開の中でのオフェンスの意識というのはどういったものでしたか

相手に押し込まれる状況にあって前線の2枚が孤立してしまったので、前線でも奪えずそういった部分ではまだまだ課題というのはありますし、高い位置で奪えないと自分たち攻撃できていないというのが現状だと思います。なので低い位置で奪えたとしてもつないで行く判断や、前で共有する判断というのをもっともっと増やしていければいいと思います。

――最終節ということですが前期をどのように評価されますか

リーグ戦では結果4連勝できましたが、まだまだ自分たちがアミノバイタルでも突き付けられたように弱いというのはあるので、これから中断期間に入りますが、本当に1つ1つの練習というのが絶対に後期つながってくると思うので、まだまだ自分たちに課題を突き詰めて成長していけるようにやっていきたいと思います。

――早慶サッカーに向けての意気込みをお願いします

本当に多くの方が見に来てくださると思うので、そういった方々に自分たちのプレーや戦いぶりというのを見せて感動してもらって、結果的に勝てるようにまた高めていきたいと思います。