早慶戦制し、待ちに待った2勝目!

ア式蹴球男子

 遠かった1勝をようやくつかんだ――。関東大学リーグ戦(リーグ戦)も第8節を迎え前期も残すところあと4節となったが、ワセダの順位は12チーム中12位。これ以上の敗北は許されない、そんな状況で宿敵・慶大との一戦に臨んだ。これまで3試合連続無得点と攻撃面に不安もあったが、開始早々それを一蹴するようにMF堀田稜(商4=浦和レッズユース)が先制点を奪取。この勢いで後半も押し切りたいが、慶大も攻撃に変化を加え、その対応に手こずり防戦一方の時間帯が続いた。それでも一丸となって虎の子の1点を守り抜き、最後まで逃げ切ることに成功。初戦(〇1-0)以来、念願の2勝目を挙げた。

 待望の1点目は14分。「一瞬の隙を突くということを意識した」(堀田)と、MF小林大地(スポ3=千葉・流通経大柏)のスルーパスに抜け出し放ったループ気味のシュートは一度バーに弾かれたものの、再び自ら押し込んで見事ネットを揺らした。これで流れを引き寄せたワセダは、次々に決定機を演出する。小林とMF平澤俊輔(スポ3=JFAアカデミー福島)のダブルボランチがハードワークを繰り返し攻撃の芽を摘むと、さらには起点もつくる働きで大きく貢献。前線から前向きにボールを奪うワセダらしいサッカーも随所に見られ、何度もゴールに迫るが追加点とはならず。もう1点が欲しいところだったが、前半を1-0で折り返した。

左足を振り抜きネットを揺らした堀田

  迎えた後半、慶大がFWを減らして中盤に厚みを持たせるフォーメーションに変えると、これに苦戦を強いられる。47分にはゴール目の前でこぼれ球を拾われあわや失点かと思われたが、GK後藤雅明(スポ3=東京・国学院久我山)のビッグセーブでなんとかしのいだ。しかし流れは依然慶大。相手陣地までボールを運べず、攻め込まれる展開が続く。中盤に差し掛かると、古賀聡監督から(平4教卒=東京・早実)DF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)へ「FWを下げてよりコンパクトに」と指示が。ここからはさらに守りを固め、金澤主将を中心にDF陣が奮闘。ペナルティエリア内への侵入を許すも必死に押し返し、シュートも体を張って弾き返した。そしてそのまま最後までゴールを割らせることなく試合終了。華の早慶戦は、ワセダに軍配が上がった。

肩を組んで喜ぶ金澤主将(左)と山内

 「勝ちが無い中で、本当に苦しかった」(DF奥山政幸副将、スポ4=名古屋グランパスU-18)。試合終了の笛と共にピッチに倒れ込み、涙を流す選手たち。その姿が、この試合の激しさと今節に懸けた思いを物語っていた。長いトンネルを抜け出せずにいたが、これで8位まで浮上し最下位を脱出。一つ大きな危機を乗り越えた。だが、いまだ首位の背中は遠く、追い付くにはここからできる限り勝ち点を積み上げる必要がある。厳しい戦いは続くが、負けるわけにはいかない。この1勝を足掛かりに、エンジイレブンは逆襲を誓う。

(記事 佐藤凌輔、写真 渡部歩美、桝田大暉、近藤廉一郎)

スターティングメンバー

関東大学リーグ戦第8節
早大 1-0
0-0
慶大
【得点者】(早)14堀田
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 後藤雅明 スポ3 東京・国学院久我山
DF 新井純平 スポ3 浦和レッズユース
DF 奥山政幸 スポ4 名古屋グランパスU-18
DF ◎4 金澤拓真 スポ4 横浜F・マリノスユース
DF 12 八角大智 社4 千葉・流通経大柏
MF 平澤俊輔 スポ3 JFAアカデミー福島
MF →80分 大丸瞬 教4 東京・早実
MF 14 小林大地 スポ3 千葉・流通経大柏
MF 田中太郎 商4 静岡・藤枝東
MF 堀田稜 商4 浦和レッズユース
FW 宮本拓弥 スポ4 千葉・流通経大柏
FW 10 山内寛史 商3 東京・国学院久我山
FW →80分 中山雄希 スポ3 大宮アルディージャユース
◎はゲームキャプテン
監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表
順位 校名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
国士舘大 16 18
流通経大 15 12
順大 14 10
慶大 12 10
明大 12 14 13
法大 12 12 12
中大 10 13 17 -4
早大 -4
駒大 11 14 -3
10 桐蔭横浜大 15 -8
11 専大 -1
12 神大 -3
※第8節終了時点
※下位2校は関東大学リーグ戦2部リーグに自動降格
コメント
コメント

DF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)

――おめでとうございます!いまのお気持ちはいかがですか

本当に長かったなと。一安心というか率直にうれしいです。ただ、優勝を考えたらまだ遠い位置にいるので、そういった意味では危機感というのはあります。

――先制点を挙げることができて、チームも勢いに乗れたのではないでしょうか

そうですね、ボランチの2人が頑張ってくれました。セカンドボールの攻防で相手のボランチ以上に出だしが早くて、自分たちで拾って前にさばくっていうのが45分間できていたので、そのボランチの攻防を制したからこそああいった先制点や試合を優位に進めることができたのかなと思います。

――その優位に進めていた前半に、もっと点差を離せなかったことについてはいかがですか

次の1点が取れないことは自分たちの課題ですし、その1点を取れないからこそ落とした試合もあったので、そういった意味ではまだまだ得点力や追加点っていうのは自分たちの課題かなと思います。

――きょうはチーム全体に守備の意識が浸透していたという印象ですが

気持ちが入っていたなと純粋に思いますし、後半あれだけペナルティエリアに侵入されても体を張れて守り切れたのは全員が集中切らさずにできたからこそだと思います。

――後半の途中、古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)から前線への指示を受けていましたが、どういった指示だったのでしょうか

いつもだったらどんどん前から奪いにいくっていうのを突き詰めていましたけど、あれだけ慶大がワイドにポジショニングを取ってきたので、コンパクトにしようという指示でした。FWを一列下げてプレスラインも下げてコンパクトな状況をつくっていこうと言う話があったので、そういう指示が出たのは初めてでしたけど、監督の勝ちへの意思というのを自分自身感じて、その指示のおかげで守れた部分もあったのかなと。

――では後半はどちらかと言えば、守り切ろうという意識だったのでしょうか

慶大が攻撃のやり方を変えてきてボールを動かしてきた中で、もう1点狙いにいく意思はありましたけど、そうせざるを得なかった方が大きいかなと。ああやってワイドにポジショニングを取ってきた中でも欲を言えば前向きに攻撃に転じたかったんですけど、それだけの守備の力が無かったのが現状ですし守らざるを得ない状況に陥ってしまったのかなと思います。

――中盤でボールを回されて、そこからサイドに流される場面も多かったですが

相手の14番(渡辺夏彦選手)が一枚落ちてきて中盤の枚数を増やして、そのせいでなかなかボランチの選手がつかまえ切れなかったですし、そういったファジーなポジションを取られたからこそ中から外へ優位に回されてサイドで勝負されました。

――試合終了の笛が鳴った瞬間のお気持ちは

ただただうれしかったです。初めて勝って涙が出てきましたし、自分では気付かなかったんですけど重圧とかも感じていたのかなと。安堵の気持ちもありました。

――きょうはこれだけ観客も多くて、声援も力になったのではないでしょうか

あれだけ多くの人が声援を送ってくれてベンチ外のメンバーも一緒になって戦ってくれたので、プラスアルファのエネルギーをもらえたかなと思います。

――ここからの巻き返しを図りたいところですね

次勝たないときょうの勝利が意味のないものになってしまいます。明大という力のあるチームに対して勝利を収めるには、間の1週間で自分たちが成長しなくてはいけないといけないので、そこには危機感を持って貪欲にやっていきたいと思います。

DF奥山政幸副将(スポ4=名古屋グランパスU-18)

――早慶戦を勝利で終えることができましたが、率直な感想をお願いします

勝ちが無い中で、本当に苦しかったです。そんな中できょうの早慶戦を勝つことができて良かったと思いますが、ただの1勝に過ぎないと思いますし、ここで何かを変えなければいけません。ここからさらに上を目指してやっていくだけだと思います。

――初戦ぶり悲願の勝利ということで、試合後涙を流されていましたが

勝てない状況の中でも試合に出られない仲間やウルトラスの方、全員が自分たちの勝利を信じて応援してくれている姿を見ていました。そういった人たちがスタンドで喜んでいる姿を見て、心動かされるものがありましたし、単純に勝てて良かったという思いが込み上げてきました。

――全体的に攻撃数が多い印象でした

前半は相手が前からプレッシャーに来なかったので、自分たちが優位にボールを運ぶことができました。そういった中でゴール前までボールを運ぶシーンが多かったのですが、結果は1点しか取れていませんし、後半にいたっては守備に回ることが多かったと思います。そこで全員で耐えられたというのは大きいですが、あそこでカウンター一発で点を取るというような勝負強さというのは必要かなと思います。

――もう1点取れそうな雰囲気でしだが

チャンス自体無いわけではないと思うので、そういう全員でつくったチャンスを決めるのは個だと思いますし、そこで他人任せになること無く自分がゴールを決めるという意識を全員が持ち続けることが重要だと思います。

――後半には自らも攻撃に加わっていましたが

守備に回る時間が長い中でも、ゴールに向かっていく姿勢というのを持ち続けることは大事だと思っていたので、ああいうプレーが出たと思います。前線の選手がハードワークしてくれて、しんどそうな顔色も伺えたので、自分も前で絡めたらいいなと思い攻撃に加わりました。

――一方のディフェンスでは少ないタッチ数でゴール前まで運ばれてしまう場面もありましたが

バイタルエリアのところで相手の選手がふらふらしている状況というのが多くあって、そこで優位をつくられたのは間違いありません。そこの対応というのを考えなければいけないと思いますが、そういったところで全員が集中を切らさずに最後の守りや勝ちへの執念を持ち続けることができたと思うので、そういうところはこれからも絶やさずにやっていきたいと思います。

――相手の攻撃の印象は

前半はそれほどリスクを冒してこない印象で恐くなかったのですが、後半にある程度つないできて良い状況をつくられるシーンが多かったので、そこでもっとオンとオフをやり続けることが必要だったと思います。し辛いポジショニングというのを取られ、なんとか守りきることができましたが、水際で守った印象が強いです。

――試合終盤のディフェンスでは気持ちのこもったプレーが見受けられました

なにより負けることが一番苦しいことだと思いますし、そこで勝利に対する執念というのをみんなが試合前から持っていたと思うので、ゴール前での守備というかたちで表現できて良かったと思います。

――早慶戦の前にゲン担ぎをされましたか

ゲン担ぎとかをしないタイプなので、何もしていないですね(笑)。

――次節は明大戦、この勢いに乗りたいところですが

明大は選抜に選ばれている選手がたくさんいると思いますし、いままでの相手よりも確実に個の力が高いと思います。きょうの勝利に満足することなく、この1週間高め続けてここから連勝できるようにチーム一丸となって頑張っていきたいです。

MF田中太郎(商4=静岡・藤枝東)

――初戦(〇1-0)以来かつ、早慶戦での勝利ということで、いまのお気持ちは

もう本当にうれしいです。早慶戦というのは特別ですし、いままでのチームの状況というのもありますがこの一戦に懸ける思いというのはチームとして高いものがあったのではないかなと思います。

――前半からペースはワセダでしたが

最近の試合は入りの部分は良かったので、その入りの部分で点を取ろうというのは声掛けをしていました。きょうはそこで点を取れたのが大きかったと思います。

――ご自身も積極的に攻撃に絡んでいましたが

自分が試合に出ている意味として、攻撃の部分に絡んでいかないといけないと思います。ボール状況に合わせて顔を出し、攻守に絡んでいこうと思っていましたし、求められている部分だと思うので意識してやりました。

――攻撃数とゴールチャンスが多くあった中、もう1点取れそうな印象でしたが

実際に前半の内にチャンス的には(もう1点)取れたのかなとは思います。これから勝っていくにはそこを突き詰めていかないといけないところです。慶大も後半からプレーを変えてきて、ペースを持って行かれていました。前半もう1点取っていたら自分たちのアドバンテージになることだと思うので、これからそういったところを意識していかないとだと思います。

――慶大のプレーの変化を具体的にお願いします

前半は慶大がばたばたしていたので、自分たちのプレッシャーが効きました。相手の選択肢としてもロングボールだったり、後ろに下げて蹴るということしか無く怖さがありませんでした。後半は距離を取ってきて、自分たちの距離も広げられてしまって、プレッシャーに一人二人と連続していけず、ボールをポゼッションされる時間が長かったです。

――リーグ開幕から長く課題としてきた「単調な攻撃」がここ数試合で改善されている印象ですが

1、2週間前に一度チーム全員でミーティングをした時にこのままではダメだというのをスタメンだけでなく、サブだったりベンチ外の選手も説明したり、模索して自分たちにぶつけてきてくれました。そういったのを参考にしたり、チームとして勝っていく意識や変化するための考えを共有する機会があったので、変化が生まれたのかなと思います。

――後半は全員で守り切るというのが伝わるディフェンスでしたが

やっぱり勝ちたかったので、その思いがみんなプレーに出せていたし、1-0という部分で体を投げ出して当然な守りでした。

――次節、明大戦への意気込みをお願いします

きょう勝ちというのは大きいですが、次負けたらこの勝利の意味も小さいものになってしまいます。これから勝ち進んでいくことでしか自分たちの目標は達成できないので、次も見に来てくれる人も多いのでその人たちのためにも、自分たちのためにも絶対に勝ちたいです。

DF八角大智(社4=千葉・流通経大柏)

――激闘を制しました。いまの感想をお願いします

チームとしてなにがなんでも勝利が必要だったので、結果が出せたことはうれしいです。

――試合の総括をお願いします

早慶戦は気持ちのぶつかり合いになるだろうと想定できていた中で、きれいなサッカーはできないと分かっていました。なのでそこは割り切って、球際だったり戦う気持ちだったりサッカーをやる上でベースとなる部分を前面に出していこうと全員で共有して戦いました。

――久々の得点が先制点となり、チームも盛り上がったのではないでしょうか

やっぱり先制点取ってもいままで勝てていない状況からして、そのあとの守備でのもろさというか集中力の切れっていうのが自分たちには課題としてあって。そこは全員で促し合いながら点を取っても緩むことなく集中してやろうと、ピッチで声を掛け合いながらやっていました。

――では実際に集中が切れる場面というのは少なかったでしょうか

きょうに限って言えば全員が分かっていたことですし、早慶戦ということもありましたけど割り切ってまた0-0の気持ちでボールを運べたかなと思います。

――後半は押し込まれる場面が続きましたが

ゲームの中で課題はありましたけど、結果として失点を0で抑えられたことっていうことがいまの自分たちにはプラスの要素というか。後半の戦いぶりっていうのはポジティブな意味で課題として受け止めています。

――その課題と言うのは具体的には

チームとしてはもっと良い状態での守備を心掛ける必要があるかなと思っています。きょうだったら、相手の10番(端山豪選手)がサイドに流れてきたのマークの受け渡しや、FWが一枚落ちて数的有利をつくられた状況の中で、ボランチやサイドハーフを後ろの選手がうまく使いながらスムーズにマークを受け渡せないと、相手に先手を取られて自分たちが良い状態で守備ができなくなってしまっていたので、そういったところは後ろから促したり、前の選手もその意識っていうのを持ってほしいと思います。

――次節の早明戦も多くの観客が来られることが予想されますが、意気込みをお願いします

優勝する上で連勝しなくてはいけないですし、相手は明大で力のあるチームですけど優勝するには勝つしかないので、きょう全員でつくり出したチームの一体感を継続して、来週また勝てるようにしっかりと準備したいと思います。

MF堀田稜(商4=浦和レッズユース)

――久しぶりの勝利となりましたが、率直な感想をお願いします

これまで結果が振るわなくても声をかけてくださったり支えてくださったりする方々であったり、いままでもチームメイトに助けられることがすごく多かったので、きょうは本当に自分が結果を出してやろうと思っていました。

――今シーズン初の早慶戦でしたがどのような意気込みで試合に臨みましたか

昨シーズンの後期リーグに僕たちが大学生になってから初めて慶大に敗北してしまって、そのときの悔しさというのはいまでも忘れられないですし、今季結果を残すことができていない中でもこれを一つのきっかけにするために勝利だけを目指して戦いました。

――きょうの試合の振り返りをお願いします

いままで自分たちが押し込んでいる時間帯に点を取ることができずに、相手の流れの中で失点を喫してしまっているゲームが多かったです。なので、きょうも立ち上がりからアグレッシブに戦った中で、その時間帯に必ず点を決めようという意識がゴールに結びついたと思います。相手の流れの中でも粘り強く守り抜いた結果がスコアに表れていると思います。

――早い段階での先制点となりましたがご自身のゴールシーンを振り返って

一瞬の隙を突くということを意識して、大地(MF小林、スポ3=千葉・流通経大柏)にボールが入った時に信じて走ったことで、大地が良いボールを出してくれました。一度ポストに当たりましたけど、やはりネットを揺らすまで諦めずにゴールに向かう意識というのが押し込むことにつながったと思うので良かったと思います。

< p>――堀田選手にとっても待望の1点だったのではないでしょうか

そうですね。自分が直接的にチームの勝利に関わりたいとずっと思っていたので、それが一つかたちになって良かったです。

――前半はワセダのペースでしたが攻撃面はいかがでしたか

ボランチの2人がすごく頑張ってくれたというのが一つの要因だと思っています。セカンドボールを奪うことだったり、そういうところで前向きなエネルギーというのがつくり出せていました。チーム全体として前への意識は高く保つことができましたけど、特にボランチの2人は良いプレーをしてくれたと思います。

――その中でご自身も積極的に裏への抜け出しをしていた印象がありました

チームとしてより良いボール状況をつくろうと意識している中で、やはり状況をつくるだけではなくてそこで勝負をし切ることが必要だと思ったので、その一つのアクセントとして自分のランニングを生かしたいと思っていました。それが一つゴールに結びついて良かったです。

< p>――後半は守る時間帯が多かったと思いますが振り返って

ずっと押し込めるほど甘くはないですし、そういった相手の時間が長かった中でも粘り強く後ろからしっかりと守ってくれた守備陣や、自分たちも守備陣を少しでも助けようという意識を持ち続けることができたと思います。いくつか相手のチャンスもありましたけど、そこを守り切れたというのは良かったなと思います。

――後半の終盤に足を気にされていたように見えましたが何かあったのでしょうか

少しつってしまったのですが、ピッチに立っている以上は自分のできることを最大限やることっていうのは変わらないですし、やはりスタンドを見れば応援してくださる方々がいるので、苦しい時間も自然と足は動きましたね。本当は何かあったと思われてはいけないのですが、みんなの支えがあったから走れましたし、走り切れたので気持ちの部分でしっかりと戦うことができたと思います。

――試合終了後にピッチに倒れ込んでいる姿が印象的でしたが、勝ちが決まったときのお気持ちは

決して良い時間だけでなく苦しい時間帯も多かったので、そういった意味で全部出し切ろうと思っていました。サブには信頼できる仲間が控えてくれているので、とにかく自分の力を全力で出し切ろうというのを意識していました。なので終わった時には完全燃焼というか、自然とピッチに倒れてしまった感じですね。

――ベストヒーローにも選ばれましたね

そうですね。先ほども言った通り、自分が直接的に勝利に導きたいという気持ちが本当にあったので、それがかたちになって良かったです。

――次の明大戦への意気込みをお願いします

(明大は)個の質が非常に高いですしチームの完成度も高いのですが、自分たちの強みとしている部分であるボールを奪ったら早く攻めるなどといったアグレッシブなサッカーというのを、自分で信じて出し切ることができれば勝利に近づくと思います。なのでもう一度、この1週間チームの中でしっかりと高め合って、良いコンディションとモチベーションで臨んでいきたいと思っています。

FW 宮本拓弥(スポ4=千葉・流通経大柏)

――早慶戦に勝利しましたが率直な感想は

早慶戦に勝てたことは本当良かったんですけど、開幕戦以来勝ち星がなかったので、チームの勢いの弾みになったんじゃないかと思います。

――ここまで長い道のりだったと思いますが

勝てないという現実はしっかり受け止めていましたが、自分たちの可能性は信じていました。本当にそれがきょう実を結んでこういう勝ちにつながったと思うので、そこはぶれずに戦えたと思います。

――この早慶戦に向けてこの1週間チームとしてはどのような調整を行いましたか

いい緊張感の中やることができて、サブのメンバーからのエネルギーも練習から感じられたので、そこは本当にいい影響を及ぼしてくれたんじゃないかと思います。

――前半、早い段階で先制ゴールをMF堀田稜選手(商4=浦和レッズユース)が決めましたね

前半で先制してもすぐに失点しまっていたのが課題だったので、早い時間に決めることができてその後は守り切れ、後半も苦しい時間帯があったんですけど、そこをしっかり体を張って防ぎ切ったというところが良かったんじゃないかと思います。

――集中力が高い守備ができたというのは相手が慶大だったということが影響していますか

そうですね。自然と力が入ってエネルギーが出ますし、みんな体を張れたんじゃないかと思います。この早慶戦ならではじゃないかと思います。

――前半、早大が押していた中で1点にとどまってしまいましたが

フィニッシュの精度に関しては現実としてまだ課題です。決められる時は決められるし、決められない時は決められないので、いかに決める時に持っていけるか大事だと思うので、そこは練習するのみだと思います。

――自身のプレーに関しては

僕はきょうどうしても勝ち点3がほしかったので、ゴールを狙いつつも守備を頑張ろうとしていました。前線からのプレスは自分たちの強みですし、最後の方はずっとプレスを掛けていたらディフェンス陣も疲れてくると思い僕自身が少し下がって最後の方は守備をしていたんですが、あのような勝つためのサッカーというのも一つ収穫なのではないかと思います。

――その中で反省点として挙げるとしたらどのような点ですか

反省点はゴールですね。前半でもう1点は取れたと思いますし、そこは本当にフィニッシュの精度だと思うので、そういった決められるか決められないかは個人の能力次第なので、僕自身もその点に関しては受け止めてしっかりやっていきたいと思います。

――この試合でチームは再び勢い付いたと思いますが次節の明大戦に向けて意気込みをお願いします

明大も力のあるチームだと思うのできょうのような緊張感を持ちながら、最後までぶれずに戦いたいと思います。

DF新井純平(スポ3=浦和レッズユース)

――勝利おめでとうございます!率直にいまの感想をお願いします

6試合勝ちがなく、きょうの早慶戦を機にはい上がりたいという全員の気持ちがあったので、きょう勝てたことは本当に大きなターニングポイントになるんじゃないかと思います。

――きょうは絶対に負けられない早慶戦でしたが

そうですね、特別な試合というのは皆わかっていてメンバーに入った選手だけでなくそれぞれの立場でがんばってくれている人たちがいる中、結果を残せるのは18人のメンバーだけなので、内容はともかく勝利できたことが本当に良かったと感じています。

――序盤から攻勢を強める中、攻めている時間にしっかり先制点を取れたことに関していかがですか

試合が90分ある中、最初の段階でああいったかたちで先制点を取れたってのは良かったと思います。いままではその後に追い付かれてしまったり、逆点されてしまうところ、きょうはDFラインだけでなく全体で守備を徹底してやれたことがこの1-0の勝利につながったと思います。

――得点直後、堀田選手(MF堀田稜、商4=浦和レッズユース)に駆け寄る姿が印象的でした

本当にほしかった1点というか、ホリくんがああいったかたちで点を決めてくれてうれしさがそのまま行動に出たんじゃないかなと思います。

――カウンターに対する守備ではしっかり中に絞って相手の攻撃の芽を摘めていたのでは

前節(●0-2)はクロスに対して自分のマークミスから失点してしまったというのもあって、きょうは攻撃という自分の強みを出すことももちろん考えてはいましたが、自分はディフェンスの選手なので、守備に重きを置くってわけではないですが自分のポジショニングを常に修正しながらきょうはしっかりやろうと。前節の反省からしっかり変えていかなければと自分自身思っていたので、ああいった中に締めてカバーリングができたシーンが何度かあったのは一つ良かった点だと思います。

――後半は相手にボールを保持される時間帯が続いた中、無失点で抑えることができた点に関してはいかがですか

失点をしなければ自分たちが勝てるという状況は分かっていてどんなに押し込まれていてもゴールラインを割らさなければ失点ではないので、DFラインを中心として最後は身体を投げ出してでもゴールを守れたのは良かったことだと思います。

――相手のハイボールに対しての守備やそのこぼれ球に対しての守備がチーム全体で徹底できていたのではないでしょうか

スカウティングの段階で相手のサイドハーフの松木駿之介選手が背はそんな高くないけどヘディングが強いというのはわかっていて、そこを起点として攻撃をつくってくるというのも分かっていたので、そこに対してDFラインは一人がチャレンジしてあとの選手はカバーリングしようと。競り負けたとしてもその次の部分をしっかりしていればやられることはないと思っていたので、そこに関しては全員がやれていたと思います。

――きょうは特に運動量で相手を上回ることができたのでは

そうですね、試合前にみんなの前できょうはぶっ倒れるぐらいまで走ると話していて、その言葉に責任を持ってプレーしていました。でもまだまだこんなもんじゃないと自分では思ってますし、もっと上を目指していかないと上の世界ではやっていけないと思います。いつもよりは走れていたとは思いますが最後の部分で自分が決定機をつくったりゴールにつながるシーンをつくり出せていないのはまだまだ課題なので、それに向き合いながら運動量を増やしていきたいです。

――きょうはたくさんのサポーターに勝利を届けることができました

いまこういった状況ですけど、たくさんの人たちが西が丘(味の素フィールド西が丘)に足を運んでああいった応援をしてくれるのは本当に幸せなことだと思います。きょうは集中応援日ということでしたが、そういった人たちがたくさん来てくれることに感謝しないといけないし、それを結果に表せなきゃいけないと思っていて、きょうに関しては勝利という結果で感謝の気持ちを表すことができました。ただこの試合がゴールではなく、ここからはい上がっていくだけだと思うので、そこをもっと結果にこだわってやっていきたいです。

――開幕戦以来の勝利でようやく長いトンネルを抜け出せたのでは

きょうまでいろいろありましたけど、自分たちのやってきたことを信じるだったり、応援してくれる仲間が諦めないで良い雰囲気つくり出して応援し続けてくれたことがきょうの勝利につながったと思います。この勝利を経てチームを良い方向にもっていけるように、ビッチに立つ選手がそのことに感謝して勝利を積みあげていけるようにしたいです。

――この勝利を無駄にしないためにもこれから勝ちをつなげていくことが重要なのではないでしょうか

きょうは特別なことをしたわけではないですが、もう一度初心に返ってワセダらしさはなんなのかというのを考えて、最後は身体を投げ出して泥臭くやることがワセダの戦い方だと思うので、きょうみたいな良い試合をもっともっとつなげられるようにできれば連勝できると思います。

――次の明大戦に向けて抱負をお願いします

ここで波に乗るというか、この勝利を良いターニングポイントにしなければいけないので、もう一度チーム一丸となってやることもそうですし、応援してくれる人も諦めないで応援してくれていると思うので、そういった期待を背負って戦いたいと思います。

MF小林大地(スポ3=千葉・流通経大柏)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

立ち上がりから中盤で競り勝っていたことが大きかったと思います。

――ご自身のプレーに関してはいかがですか

早慶戦ということもあって90分間で全て出し切ろうと思っていたので、その分球際で厳しくいけました。後半少し体力が落ちて、守備に隙ができてしまったことは今後の課題だと思います。

――前半の内容に関してはいかがですか

前半は特に良かったです。これまでの試合では、前半のいい時間帯に点が取れていなかったのですがきょうは取れたので、それが勝利に繋がったと思います。

――先制アシストの場面を振り返っていかがですか

普段の練習から堀くん(MF堀田稜、商4=浦和レッズユース)が裏へのアクションを得意としていることは知っていたので、それを試合でうまく生かせてよかったです。

――後半の内容に関してはいかがですか

相手にボールを回されて少しペースを握られましたが、うまく守り切れたと思います。

――無失点で終えた守備についてはいかがですか

カバーの意識を全員が持っていたことが、無失点で終えられた要因だと思います。

――早慶戦というのはやはり他の試合とは違うものなのでしょうか

いつもより観客も多く応援もすごいので、その分走り切ることができました。早慶戦ならではのパフォーマンスができたと思います。

――早慶戦で勝つとチームの雰囲気もいつもより良いのでは

中々勝てていなかったので、この勝利は非常に大きいですし、このまま波に乗っていきたいです。

――次節の明大戦に向けての抱負をお願いします

相手は全日本大学選抜の選手もいるので、個々の勝負で負けないようにしたいと思います。

MF平澤俊輔(スポ3=JFAアカデミー福島)

――早慶戦勝利おめでとうございます。いまの率直なお気持ちをお願いします

本当に勝ててない中で早慶戦を迎えて、勝てたことはホッとしたというのが正直な感想です。

――前半早い時間で得点を手にしました

あの時間帯は、こっちの流れだったので決めることができてよかったなと思います。

――久しぶりの得点となりましたが

そうですね。練習のところからそこを課題としていて、取り組んでいたのであれは堀くん(MF堀田稜、商4=浦和レッズユース)の得点でしたがみんなで意識して相手の裏に送って堀くんが取ってくれたので本当によかったなと思ってます。

――中盤の体を張ったプレーが目立っていましたが

やっぱり早慶戦なんでそういうところで譲っていたら負けてしまうと思うので意識しました。

――やはりいつものリーグ戦とは違ったモチベーションですか

お客さんもたくさんいたので、そういったところでモチベーションが高いなと思った部分はあります。

――後半はどう意識して臨みましたか

このまま自分たちのサッカーを変えないということをハーフタイムで話し合ったのですが、相手がやり方変えてきて結構難しい戦いになったのですが後ろの選手たちが0で抑えてくれたので本当によかったかなと思います。

――試合終盤にかけて押し込まれ気味の展開になりましたが

そうですね。相手が前半とは違った戦い方をしてきてそこの対応がまだまだ自分たちには足りていなかったので、後半は相手のペースでしたけど相手に決定機があった中で後藤(GK後藤雅明、スポ3=東京・国学院久我山)だったり拓くん(DF金澤拓真主将、スポ4=横浜F・マリノスユース)だったりが守ってくれたのでそういった点では大きい一勝だなと思います。

――苦しい状況の中でのうれしい白星となりました

早慶戦で勝ったことというのは本当に大きいと思うので、次も明大で強い相手ですがこの早慶戦をきっかけとしてこれから勝ち進んでいけるように、ここからまた1週間練習頑張っていきたいです。

――最後に次節への意気込みをお願いします

本当に質の高い相手ですし、自分たちよりも力は上だと思うのでチャレンジャー精神で一つ一つ勝っていけるようにやっていきたいと思います。