関東大学リーグ(リーグ戦)もこの日で第7節を迎えた。これまで5試合連続で白星を逃しこれ以上の足踏みは避けたいワセダは、法大と対戦。前節(△0-0)とは打って変わって、序盤からスコアは動いた。一瞬の隙を突かれカウンターから先制点を献上すると、続いてアディショナルタイムにセットプレーで失点を許し2点ビハインドで前半を折り返す。後半はさらにヒートアップし両者一進一退の攻防を繰り広げたがワセダに2点差を盛り返すだけのエネルギーは無く、最初の点差を返せずそのまま試合終了。リーグ戦最下位脱出とはならなかった。
出だしから攻撃的な姿勢を見せたワセダ。FW山内寛史(商3=東京・国学院久我山)やMF小林大地(スポ3=千葉・流通経大柏)が立て続けにミドルシュートを放つなど、得点のにおいを感じさせた。しかし17分、攻め出そうと前掛かりになったところでパスカットされるとそのまま素早いカウンターを食らい、左サイドからのクロスを頭で合わせられあっさりと1失点目を許してしまう。その後1点を追うかたちになってからも積極的にゴールを狙うがミスが目立ち、あと一本がつながらない。そんな中46分、嫌な時間帯にペナルティエリアすぐ外でFKを与えてしまうと再びセットプレーで失点。0-2と離され、嫌な雰囲気で前半を折り返した。
自らボールを前線へ運ぶ金澤主将
迎えた後半も球際で競り勝てずなかなか自分たちのリズムをつくることができない。だが51分、MF平澤俊輔(スポ3=JFAアカデミー福島)のパスをMF堀田稜(商4=浦和レッズユース)がうまく合わせネットを揺らしたが、これはオフサイドと判定され幻のゴールとなった。そこからは良い位置までボールを運ぶもののうまく足元に収めることができずに苦しい時間帯が続き、さらにはパスやクロスの精度も欠き決定機も演出できないまま試合は終盤へ。最後までタフに戦うも点差を跳ね除けることはできず、無念の敗戦。手痛い黒星を喫した。
ハードワークで攻守において貢献した平澤
ここまで3試合連続で得点を奪えていないワセダ。決定力不足の問題をいち早く解消しなくては、現状からの脱却はまず厳しい。とにかく一つ勝つことが上位へ浮上するきっかけとなり、そこから好転の兆しが見えてくるだろう。次節は集中応援日でもある早慶戦、伝統の一戦だ。慶大は現在首位を走り、ここまで好調をキープしている。「ここで勝利することができればチームも大きく一歩前進できる」とDF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)も話すがこの一戦で白星を飾って勢いに乗り、悪い流れを変えたいところ。ピッチに立つ選手も外から応援する選手も全員が一つになって貪欲に戦い、勝利をその手に引き寄せてほしい。
(記事 佐藤凌輔、写真 高柳龍太郎、渡部歩美)
スターティングメンバー
関東大学リーグ戦第7節 | ||||
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早大 | 0 | 0-2 0-0 |
2 | 法大 |
【得点者】(法)18白石、46山田 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 後藤雅明 | スポ3 | 東京・国学院久我山 |
DF | 2 | 新井純平 | スポ3 | 浦和レッズユース |
DF | 3 | 奥山政幸 | スポ4 | 名古屋グランパスU-18 |
DF | ◎4 | 金澤拓真 | スポ4 | 横浜F・マリノスユース |
DF | 12 | 八角大智 | 社4 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 6 | 平澤俊輔 | スポ3 | JFAアカデミー福島 |
MF | →76分 | 佐藤飛天 | スポ3 | 清水エスパルスユース |
MF | 14 | 小林大地 | スポ3 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 7 | 田中太郎 | 商4 | 静岡・藤枝東 |
MF | →85分 | 須藤駿介 | スポ2 | 静岡学園 |
MF | 8 | 堀田稜 | 商4 | 浦和レッズユース | FW | →78分 | 中山雄希 | スポ3 | 大宮アルディージャユース |
FW | 9 | 宮本拓弥 | スポ4 | 千葉・流通経大柏 |
FW | 10 | 山内寛史 | 商3 | 東京・国学院久我山 |
◎はゲームキャプテン 監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実) |
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表 | |||||||||
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順位 | 校名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 慶大 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 10 | 7 | 3 |
2 | 流通経大 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 8 | 6 | 2 |
3 | 法大 | 12 | 7 | 4 | 0 | 3 | 12 | 11 | 1 |
4 | 順大 | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 9 | 8 | 1 |
5 | 国士舘 | 10 | 6 | 3 | 1 | 2 | 10 | 5 | 5 |
6 | 明大 | 10 | 6 | 3 | 1 | 2 | 12 | 11 | 1 |
7 | 中大 | 7 | 6 | 2 | 1 | 3 | 11 | 10 | 1 |
8 | 神大 | 7 | 7 | 1 | 4 | 2 | 5 | 7 | -2 |
9 | 桐蔭横浜大 | 7 | 6 | 2 | 1 | 3 | 6 | 10 | -4 |
10 | 専大 | 6 | 6 | 1 | 3 | 2 | 4 | 4 | 0 |
11 | 駒大 | 6 | 6 | 2 | 0 | 4 | 9 | 12 | -3 |
12 | 早大 | 6 | 7 | 1 | 3 | 3 | 4 | 9 | -5 |
※第7節終了時点 ※下位2校は関東大学リーグ戦2部リーグに自動降格 |
コメント
DF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)
――最後までペースをつかめないまま試合終了を迎えてしまいましたが、試合を振り返っていかがですか
前半を振り返ってみれば決定機は自分たちの方が多くて相手陣地でプレーしていた時間も長かったかなと思います。その中で決めるべきとこで決められず守るべきところで守れなかったっていうサッカーの本質的なところだと思うんですけど、ゴール奪うゴール守るっていうそこで法大と差が出たのかなと。
――球際で勝てずなかなかボールを収められませんでしたが
それは予測のところかなと思っています。前半立ち上がりの部分とかは、そういった予測から一歩早く先手取って動けることでボールを収められたりセカンドボールを拾えたりってことがあると思うんですけど、それが時間が経つにつれ休んでしまうところがあるのかなと。そういった部分で後手に回って相手に支配される時間も増えたと思うので、どれだけ予測を立てて継続的に関係性を築けるかっていうのが一つ自分たちの課題かなと思います。
――得点につながりそうな場面でのパスミスも目立ちましたが、パスの精度という部分ではいかがですか
そういう小さいとこのこだわりが自分たちの弱みかなと思いますし、いま個々の強みを出していくとか攻撃のバリエーションを模索している中で、一つ一つ個人的な技術の低さっていうのは自分たちの攻撃を停滞させている原因だと思います。単純な、止めて蹴るっていうところは高めていく必要があるのかなと。それがあって初めて攻撃の質、チームの質に繋がると思うので、そういう個人個人のスキルには向き合う必要があると思います。
――セットプレーから2失点を許しその両方でフリーの選手をつくってしまいましたが、あれはマーカーのミス、個の部分でのミスでしょうか
オフザボールの動きでの勝負かなと思いますし、2失点目で言えば自分のマークでした。そのオフの段階での駆け引きの勝負で負けましたし、そういうところで先手取って守れるかっていうのも一つ課題だと思います。
――1失点目はカウンター気味でしたが、DF陣の準備不足というのはありましたか
良い状態でクロスを上げさせないことができたかなと思います。サイドへの押し出しとか、もしかしたら自分がサイドで対応してゴール前へ運ばせないこともできたかもしれませんし、(クロスを)上げさせないというかゴールに近づけさせない守備っていうのができたと思うので、そういった意味では準備不足、コミュニケーション不足だったかなと思います。
――ここまで順位を上げられず、得点力不足が目立ちますが
最初に言ったサッカーの本質を突き詰めるところにあると思います。もちろん得点取らなきゃ勝てないし、ゴールを守らなければ勝てません。攻守の本質的なところに練習からどれだけこだわれるかっていうところだと思うので、そこに対して本当に向き合ってやっていく必要があるのかなと思います。
――次節は早慶戦ですが、ここで勝てれば勢い付くのではないでしょうか
やはり特別な一戦ですし相手も上位のチームということで、ここで勝利することができればチームも大きく一歩前進できると思うので、絶対にそこで一歩踏み出せるようにしっかり準備したいと思います。
――最後に、次節への意気込みをお願いします
リーグ戦(関東大学リーグ戦)の一つですけど、それとはまた違う重みのある一戦だと思うので絶対勝てるよう頑張りたいと思います。
DF奥山政幸副将(スポ4=名古屋グランパスU-18)
――今節の敗戦でいまのところ最下位となってしまいましたかが
点が取れませんし、なかなか勝てない状況が続いている中で最下位ということですが、やることを変える必要はないと思っています。自分たちはぶれることはないと思うので、質などの面でやれることを試行錯誤しながらやっていきたいと思います。
――前半に同じかたちでの2失点ということでセットプレーへの守備に関して
今シーズンはそういったクロスや高さの勝負でやられるシーンが非常に多かったと思います。キーパー陣もそういったところを自分たちの課題だとしっかり意識して取り組んでくれていますが、それに応えられていないのがいまの結果だと思います。背が低いことは変えられないことなので、もっと良い準備をするだとか、そもそもクロスを上げさせないというところ、ファールをしないことにフォーカスしてやっていくべきなのかなと思います。
――セカンドボールを拾えない印象もありましたが
相手の前線に大きい選手がいて、そこに自分たちが有利に弾きかえすことができませんでした。そういう意味で自分たちの勝つ予測というよりは、負ける予測というのも持ったポジショニング取りというのが必要になってくるのかなと思います。
――クロスの精度について
サイド攻撃の回数自体は以前より増えてきていますが、質というところに関してはもっと改善の余地はあると思います。クロスだけでなく、中の入りというところでも出し手がはっきり分かりやすい動き出し、タイミングといったコミュニケーションを高めることができるのかなと思っています。
――後半4分のオフサイドの判定に対して自分から抗議するシーンもありましたが
相手のキーパーの後ろにカバーがいたのだと思います。自分も横から見ていたわけではないので実際はどうか分かりませんが、キーパーが最終ラインということになっていたので抗議しました。抗議はしてしまいましたけど、審判の判定は絶対だと思います。久々に得点が入ったかなと思ったので、単純にその思いのままに行動してしまいました。もう一度審判へのリスペクトというところもチーム全体として意識しなければいけないのかなと思います。
――リーグ戦前にテーマとして掲げていた、躍動感について
自分は関学大との定期戦の時に久々にチームに合流したのですが、後ろから見てみて前にエネルギーを持っていく姿勢を感じました。その時に比べたらそういったところは多少落ちてしまっているのかなと思います。なかなか公式戦という場、勝負の懸かった状況で発揮するのは難しいと思いますが、この躍動感というのが自分たちのことしのチームの長所だと思います。徐々に改善はされてきていると思いますし、過去と比べてそこを目指すわけではなく1日1日高めていくことが必要になると思います。もっと前向きに頑張っていきたいと思います。
――次節、集中応援日となっている対慶大戦に残る不安はありますか
不安自体はありません。早慶戦は集中応援日で多くの方が応援に来てくれると思うので、いまは勝てない状況が続いていますが、早慶戦は順位とか関係なく負けられない戦いになると思うので、単純に相手に勝ちたいという気持ちが勝った方が勝利すると思います。中3日空くので、そこで勝てるように良い準備をしていきたいと思います。
FW宮本拓弥(スポ4=千葉・流通経大柏)
――直近の試合でワセダは点が取れない試合が続いていますが、きょうの結果についてはいかがでしたか
点が取れないというのは個人の能力もありますが、僕たちの攻撃のバリエーションが無いので、そこを改善しろと言われてもすぐには無理なんですが、それでも個人で点を入れる能力をもっとつけていかないといけないなと感じています。
――FWの二人へのマークはやはり厳しいですか
マークは厳しいですが、僕自身前を向いてドリブルできたり、そんなにどの試合も相手を脅威と考えていないので、後はシュートにもうちょっとつなげられればチャンスも増えるだろうし、自分自身で打開できる力をもっとつけていかなければと思います。
――中央で受けない分サイドからクロスを供給するシーンが多かったですね
僕がサイドに行くことによってマークもサイドに吊られるだろうし、中がフリーになって、そこでいいクロスを上げられれば得点チャンスというのはもっと増えていくんじゃないかと思うので、そこに関して言えば後半は良かったんじゃないかと思いました。
――FWがサイドに流れていくのはチームとしても意識してやっているのですか
本当は中央で勝負したいんですが、場合によっては僕たちがサイドに抜けて中央の固まっているディフェンスを分散させなくちゃいけないなと思っていて、そういうのを少しは入れていかないといけないかなと思っています。
――練習で攻撃のバリエーションについてはどのような取り組みを行っているのですか
サイドからの攻めはありますが、俺と山内(FW山内寛史、商3=東京・国学院久我山)の関係で崩したりというのも練習でやったりしていて、だからこそ僕が中央でターンできたりというのがあって、きょうも二人のパス交換というのもなかなかあったので、そこをもっと増やしてゴールにつなげられればいいんですが、まだそこまでいけていないので、もう少しやっていくしかないのかなと思います
――シーンごとに見ればやりたいこともできていたということでしょうか
負けていますが、内容的にも個人的にも別に悲観することはないですし、ただ結果が出ていないので、そこを結果を出す事につなげていかないと、いま最下位ですしこのままでは降格になってしまうので、そこは危機感を持ってやっていかないといけないかなと思います。
――守備の部分でルーズさが出ているように感じますが
中大戦(●1―4)もそうですが、相手の高さがある中でうちは小粒なので、そこでうまく競らさないだとかその前にブロックするだとかしていかないと勝てないんじゃないかと思います。そこももうちょっとプロの試合を見るだったり、どういう付き方をしていいのかを分析していかないと、この先も駒大だったりセットプレーが脅威のチームというのは数あると思うので、改善していかないとまた同じ目に会うと思うので、そこはチームで、ディフェンスだけじゃなく僕たちも含めて改善していきたいと思います。
――決して悲観する事はないという言葉もありましたが、いまのチーム状況を率直にどのように捉えていますか
本当にいま崖っぷちですし、僕たちもリーグ優勝とか掲げていますが、いまの状況ではそんなこと言う資格は無いです。まずは勝ち点3を次の慶大戦で取るしかないと思うので、いまの現実としては優勝できるということはないと思うので、いかに打開するかは僕たち次第だと思います。そこは選手次第だと思います。
――次戦の慶大はいま勢いに乗っているチームですが印象はいかがでしょうか
ことしの慶大はスコアを見ても本当に勝っている試合が多いですし、僕たちよりも失点も少ないですし守りも固いということで、よりいまの状況だと得点を取りづらい状況になってくると思いますが、そこで取り切る力をつけないといけないと思うので、やっていきたいと思います。
MF小林大地(スポ3=千葉・流通経大柏)
――前節から中1日での試合となりましたが
中1日だったので、練習というよりかはリカバーでコンディションを整えることに努めました。
――きょうの試合は
前半立ち上がり良いシーンが何回かあったのですが、攻撃を乗り切れないところが流れを渡してしまう原因かと思います。
――球際での競り合いで負けたという印象でしたが
そうですね。そこを意識して試合に入ったのですが、良い準備ができなかった時というのはそういった球際で負けてしまいました。
――パスの精度に関してはいかがですか
何本かロングパスで局面変えるシーンだったり、そういった場面が増えたりしたことは前節より増えたことは良かったと思います。
――得点力不足については
前半立ち上がりのところで決めきれないのがいまの実力なので、後半も何本か決定機があった中で決めきれなかったことは開幕戦から勝てていない原因かと思います。
――やはりチームの課題としてはそういったところですか
そうですね。得点が取れれば流れに乗って勝てると思うのですが。
――どちらもセットプレーからの失点でした
相手がヘディング強くてセットプレーが得意だという情報は入っていたのですがそこはやられてしまいました。
――現在リーグ戦最下位という厳しい現状が続いていますが
次の早慶戦を機に、連勝して流れに乗りたいと思います。
――次節は集中応援日であり、多くの方が会場に駆けつけることが予想されます。意気込みをお願いします
いつもより多くの観客が来てくれる中で、いつもより力を出しやすいと思いますし、いつもの試合より走れると思うので90分しっかり戦います。相手の慶大はいま流れに乗って結構上の方の順位ですがそれは関係ないのでチャレンジャー精神でぶつかっていきたいと思います。
FW山内寛史(商3=東京・国学院久我山)
――きょうはどのようなお気持ちで試合に臨みましたか
前節は勝ち切れなかったということで、今節勝ち点を奪わないともう後がないし、首位との勝ち点差が6なので自分たちの目標を達成することができないという話はしていました。
――前半に2点取られてしまいましたが
失点シーンの前に前線でいい機会はあったので、そこで点を取れていればっていうのを自分はFWなので考えないといけないと思っています。スカウティングの方でも話していたヘディングやセットプレーっていうところで失点してしまったので、それに関しては全員で集中力を高めてやれば失点しなかったのかなって思います。また、自分たちはセットプレーでは得点を奪えていないのでそこは弱みかなと思っています。
――相手のDFはいかがでしたか
ヘディングは強かったです。宮君(FW宮本拓弥、スポ4=千葉・流通経大柏)との連携で何度かシュートには持ち込めましたけど、もっと機会を増やして得点を奪えなければチームは勝てないのかなと思います。
――課題は何か見つかりましたか
前線の高い位置からプレスを掛けるっていうのが自分たちの強みなんですけど、できなかったのでそこは課題かなと思います。
――試合終了のホイッスルをどのようなお気持ちで聞きましたか
90分全部出ましたけど何もできなかったので、チームとしてもそうですけど個人として何もできなかったということを強く考えました。
――残り数節はどのようにして戦いますか
今から戦い方は変えないと思います。自分と宮君(宮本)のところで勝ちきって点を取らないと勝てないので、そこに関しては向き合い続けてやっていきたいと思います。