19年ぶりの関東王者へ――。強豪ひしめく関東の頂点を決める戦い、関東大学リーグ戦(リーグ戦)がいよいよ開幕。ワセダが見据えるのは優勝、ただそれだけだ。そしてその初戦、対戦相手に迎えたのは国士舘大。アミノバイタルカップ2014での敗戦(●0-2)が記憶に新しい、全く気の抜けない相手だ。試合は、前半こそ硬さが見られたが、後半は一転流れがワセダに傾くと79分、FW宮本拓弥(スポ4=千葉・流通経大柏)が今季初ゴールを記録。その後も落ち着いて試合を運び、危なげなく試合終了。幸先の良いスタートを切った。
雨で濡れたピッチの影響か、序盤は互いにボールを収められずフィニッシュまで持っていけない時間帯が続いた。そんな中、19分にMF平澤俊輔(スポ3=JFAアカデミー福島)がゴール前でこの日最初のシュートを打つと、立て続けにMF小林大地(スポ3=千葉・流通経大柏)も不意を突きエリア外からゴールを狙う。これは惜しくもキーパー正面だったが攻めの姿勢、得点への積極性を示すことはできた。守備においても、DF西山航平(スポ4=浦和レッズユース)が左サイドを独走していた相手FWをスライディングで止めるなど強気の姿勢をアピール。そうして徐々に勢い付くワセダに、最初のチャンスが訪れた。39分、MF田中太郎(商4=静岡・藤枝東)の右サイドからのクロスが弾かれるとこぼれた先には宮本。グラウンダーで確実に決めにいったが、ボールはゴール横を通り過ぎ、0-0のまま前半を終えた。
相手FW陣を抑え込んだ金澤主将
勝負の後半、スコアレスで折り返したものの流れはワセダに傾き始めていた。FW山内寛史(商3=東京・国学院久我山)やMF堀田稜(商4=浦和レッズユース)の運動量が光り、強みである前線からのプレスが息を吹き返す。51分、高い位置でボールを奪うと、素早い攻守の切り替えでバイタルエリアに侵入。ラストパスを受けた宮本は、ゴールに背を向けた状態から振り向きざまに強烈なミドルシュートを放つ。枠こそ捉え切れなかったが、十分に得点のにおいを感じさせた。そして79分、ついにスコアが動く。この沈黙を破ったのもまた、宮本だった。角度のないところから、逆サイドのネットに突き刺す豪快な一撃で1-0に。そこからも落ち着いて試合を運び、反撃の隙を与えることなく見事完封。無事に勝ち点3を獲得した。
開幕節ゴールで喜びを爆発させた宮本
決定機を逃さないオフェンスはもちろん、堅固なディフェンスでも抜群の安定感を見せたワセダ。それは数字にも表れている。失点を0に抑えただけでなく、国士舘大に許したシュートはわずかに1本。それでも「出来という部分ではだめだった」と、DF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)は話す。結果こそ良かったが、内容に満足することはない。まだ勝負は始まったばかり。第一歩目を踏み出したイレブンは、愚直に頂を目指す。
(記事 佐藤凌輔、写真 高柳龍太郎、豊田光司)
スターティングメンバー
関東大学リーグ戦第1節 | ||||
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早大 | 1 | 0-0 1-0 |
0 | 国士舘大 |
【得点者】(早)79宮本 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 後藤雅明 | スポ3 | 東京・国学院久我山 |
DF | 2 | 新井純平 | スポ3 | 浦和レッズユース |
DF | 3 | 奥山政幸 | スポ4 | 名古屋グランパスU-18 |
DF | ◎4 | 金澤拓真 | スポ4 | 横浜F・マリノスユース |
DF | 23 | 西山航平 | スポ4 | 浦和レッズユース |
DF | →83分 | 八角大智 | 社4 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 6 | 平澤俊輔 | スポ3 | JFAアカデミー福島 |
MF | 14 | 小林大地 | スポ3 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 7 | 田中太郎 | 商4 | 静岡・藤枝東 |
MF | 8 | 堀田稜 | 商4 | 浦和レッズユース |
FW | 9 | 宮本拓弥 | スポ4 | 千葉・流通経大柏 |
FW | 10 | 山内寛史 | 商3 | 東京・国学院久我山 |
◎はゲームキャプテン 監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実) |
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表 | |||||||||
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順位 | 校名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 慶大 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 |
2 | 明大 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 2 | 1 |
3 | 駒大 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 |
4 | 早大 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
5 | 専大 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 |
5 | 中大 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 |
5 | 流通経大 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 |
5 | 神大 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 |
9 | 順大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 | -1 |
10 | 桐蔭横浜大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | -1 |
11 | 国士舘大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | -1 |
12 | 法大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | -3 |
※第1節終了時点 ※下位2校は関東大学リーグ戦2部リーグに自動降格 |
コメント
DF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)
――初戦としてのきょうの試合の出来はいかがですか
出来という部分ではだめだったかなと。勝てたことが全てですね。オフシーズンに積み上げてきたものだったり、自分たちがフォーカスして高めてきたものだったりをこの場で表現できたかと言われるとできなかったので、その点ではまだまだ成果としては足りない部分かなと思います。
――出だしは硬さも見られましたが
そうですね、初戦なのでこういう試合になるかなとは思っていましたし、国士舘大も堅実な戦い方をしてくるので、そういう意味では想定内でした。
――前後半通して守備は安定感があったという印象ですが
相手もシンプルにやってきた中で先手を取って守備の準備をして、相手FWとの対人の部分では負けなかったので、そういった意味では危ない場面は無かったのかなと思います。
――競り合いの部分でも勝っていたという印象ですがいかがですか
自分たちも背は高くないですけど、それでも競り勝たなくてはいけないと思っていますしそこには向き合っているので、普段の紅白戦とかの日々の成果が出たのかなと。
――気持ちの入ったプレーも目立ちましたが、どんな思いを持ってこの初戦に臨みましたか
自分にとってもラストイヤーですし、優勝に向けた思いを一試合一試合表現したいなと思っています。キャプテンとしてもそうですし一人の4年生としても、自分がこういう思いを一番表現しなければいけないと思っているので、これからも継続して表現していきたいなと思います。
――前半の途中、前線に向かって「足が止まっている」と指示を出す場面も見られましたが
自分の印象的にはもっと引き出してほしいなと思いましたけど、前線の選手の考えもあったので。もっともっと受け手と出し手で共通理解だったり関係性だったりをつくって、相手より先に勝負できたらなと思うので、それは次の試合までに修正して臨みたいと思います。
――セットプレーではゴールを狙ったシーンもありましたが、チャンスがあれば決めてやろうという気持ちはやはりありましたか
もちろんセットプレーはチャンスですし、自分自身決めてやるっていう気持ちです。このオフシーズンの間もセットプレーからの得点が奪えなくて、自分たちの1つの課題だと思うので、自分が点を取るのもそうですしチームとしてセットプレーからの得点というのは向き合ってやっていきたいと思います。
――きょうの試合、前線からのプレスや攻守の切り替えといったワセダらしさは発揮できたと感じますか
そうですね。でももっと自分たちが求めている基準から言えば高い位置でボールを奪いたかったですし、中盤で前向きにボールを奪ってそこから早く攻撃につなげたかったです。そういった意味ではまだまだ自分たちが求める基準は下回っているというか、低い基準での試合だったかなと思います。
――ディフェンス間の連携はいかがでしたか
そうですね、問題なかったのかなと。相手も関係性をつくって早く攻撃してくることもそんなになかったですし、自分と政幸(DF奥山政幸副将、スポ4=名古屋グランパスU-18)や4バックの関係性で守れた部分が多かったので、そういったところは質の高い相手でも継続してやっていきたいです。
――最後に、次節への意気込みをお願いします
一試合一試合同じように勝ち点を重ねない限り優勝はないと思うので、一週間全員で良い準備をして次も勝てるように頑張っていきたいです。
DF奥山政幸副将(スポ4=名古屋グランパスU-18)
――リーグ戦がついに開幕しましたが、率直なお気持ちはいかがですか
堅い試合の中で勝ち点3を取れたことが非常に良かったと思います。初戦と言うことで難しい試合でしたが、チーム一体となって苦しい状況でも全員で声を掛け合って勝利を収めたことが、きょうの一番の収穫かなと思います。
――前半の攻撃はなかなかボールがつながっていない印象を受けましたが
相手がある程度割り切った戦いをしてきた中で、自分たちもそれに合わせてしまった面もあると思います。そういう状況で判断を変えたり、つなぐだけでなく状況に合わせたサッカーというのをもっともっとうまくできるようになれば、チームとしての攻撃もうまくいくのかなと思います。
――後半はFW宮本拓弥(スポ4=千葉・流通経大柏)を中心に仕掛け79分には自身がキッカケとなってゴールにつなげていましたが、振り返って
前の選手が良い動き出しをしてくれたのが見えたので、そこに自分は合わせて出すだけでした。その後宮本がゴールを奪ってくれて、それがあいつらしさだと思います。思い切って足を振ってくれれば点を奪える可能性があると、後ろから見ていて感じました。一試合一得点というのを本人も目標で言っていると思うのですが、それを達成して欲しいなと思います。
――ディフェンスでは堅実なプレーで相手に隙を与えない印象でしたが
割と広いスペースをディフェンス4人で守るというかたちでしたが、今試合みたいに前から奪いにいって、自分たちがそのスペースを埋めるという守備をしていけば必然的に高い位置でボールを奪えると思います。きょうはそういうシーンは少なかったと思いますが、自分たちが主導権を握って守備をしていけば良い攻撃にもつながると思うので、より意識してやっていきたいです
――オフシーズンの成果はきょうのどういったところに現れたと思いますか
きょうはどちらかというとオフシーズンの成果というよりは、きょねんまでの積み上げというのが色濃く出たのかなと思っています。やはりまだオフシーズンに挑戦してきたボールをつなぐというか、ボールを大切にするところが成果としては出ていないと思いますし、そういったところを次の試合までの1週間で修正し、練習して次節を良いかたちで迎えられたら良いなと思います
――試合前に古賀聡監督(平4 教卒=東京・早実)からチームに掛けられた言葉はありましたか
きょうのメンバーは4年生9人と3年生9人ということで上級生しかいないチームだったのですが、そういった構成に信頼している選手が揃っていると言われました。4年間、3年間ワセダとして積み上げてきたものが強い選手を選んだ結果、必然的に4年生が中心になったんだと思います。そういったところで下級生との違いは上級生の強みだと思うので、今後ももっと4年生がメンバー構成の中に増えれば良いと思います。それに負けず下の学年もワセダらしさプラス自分らしさといのを出していって欲しいと思います
――次節への意気込みをお願いします。
きょう勝てたのは大きいことだと思います。そういった中で自分たちがオフシーズンに取り組んできたものという面は出せた印象がなかったので、そういったところでこの1週間チャレンジしていきたいと思います。また映像も使って振り返り、反省すべきところは反省して、良いところはお互いに褒め合うことなどして良いかたちで次の試合も勝ち点3取れれば良いと思います
FW田中太郎(商4=静岡・藤枝東)
――開幕戦を勝利で終えました、振り返ってお願いします
勝ったことはすごく嬉しいですし、開幕戦で勝ち点3を取るということはこれからに向けて大きなことだったと思います。ただ、オフシーズンに自分たちがやってきたことを全て出せませんでした。開幕戦は互いに堅いゲーム展開だったのでリスクを負わないサッカーになってしまい、もう少しやれることはあったのではないかと思いました
――前半の攻撃は思うように運べていない印象を受けましたが
理想としてはボランチがもっとボールに絡んでサイドもポジショニングを変え、相手が守りにくいようなポジションを取りながらどんどん前に人を出していくというイメージがあるのですが、そこに至るまでにボールが来ないで思うように運べなくなってしまいました
――79分、自身のクロスからFW宮本拓弥( スポ4=千葉・流通経大柏)につながり得点しました。その時を振り返って
政幸(奥山政幸、スポ4=名古屋グランパスUー18)から良い縦パスが入って、大地(MF小林大地、スポ3=千葉・流通経大柏)が良いタイミングで前を向いてくれたのでゴールにつなぐことができました。オフシーズンから大地が前を向いて自分が抜け出し、中で宮(宮本)が合わせるという展開が多くありました。FWは信じて中に走り込んでくれますし、大地もテクニックで中盤をかわして自分を見てくれるという信頼関係をオフシーズンに築けて、それがかたちになったのかなと思います
――あのゴールは狙っていったと捉えて良いですか
意図的というよりは臨機応変に対応したという部分が大きいですが、やはりお互いの信頼関係というかここにボールが来るなという直感的な部分はすごく大きかったと思います
――ハーフタイムに古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)から言われたこと
開幕戦でお互い堅い試合というのは重々承知だし、根比べになるという話はありました。その中で自分たちがどうやって崩していくのかであったり、この根比べで負けてはいけないという話はありました
――相手チームの印象は
固定的なイメージはないのですが、後ろの選手はヘディングなどが強くて、サイドは小柄ですが対人が強く、チームとしてレベルの高い相手だと思います
――開幕戦を終えて見つかった課題は
オフシーズンの取り組みが全部出せなかったことだと思います。こうした公式戦になって力が入ってリスクを犯せず、あんばいに蹴ってしまう判断が先に来てしまいました。そういう部分が自分たちのメンタルの弱さにもつながっているのかなと思います
――オフシーズンの取り組みを具体的にお願いします
毎年、負けないためのサッカーをやるということでボールを放り込んでFWが競る、そこに後ろから厚みを加えていくということでした。それでは本当に優勝を目指す上ではできないということでしっかりボールを保持しながら、どんどん後ろから人を出していってリスクを負いながらも攻撃にも力を入れていこうということをみんなで共有してやっていました
――次節への意気込みを
優勝するためには連勝ということが不可欠です。この試合で出た課題を一週間で調整し、修正して次も勝てるようにしたいです
DF西山航平(スポ4=浦和レッズユース)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
終始厳しい展開だったんですけど、自分たちが積み上げてきたもの、仲間を信じて、これまでやってきたことを出せれ絶対に勝利がつかめると思っていました。みんなが最後まで勝つために執着してプレーできたことは良かったと思います。
――初戦ということで、緊張などはありましたか
自分的には緊張というのはなかったんですけど、チームとしてまだ初戦ということもあって思い切った挑戦というのはできず、少し守りに入ってしまったというのもありました。次からはそういう小さいところから勝敗が分けられると思うので、立ち上がりからしっかりと出し切っていきたいと思います。
――自身のプレーを振り返っていかがですか
守備の面でなんどかボールを奪えたりはしたんですけど、振り返ってみてもっとできるなというのが率直な感想で。攻守においてもっと自信を持ってアグレッシブにプレーすることが自分の特徴だと思うので、そういったものを出すための心身の準備をやって、出した結果チームが勝てれば良いと思うので、個人としても挑戦をしていきたいなと思います。
――前半から得点チャンスもありましたが
このシーズンに入ってから攻撃のアグレッシブさっていうものも意識して、ランニングなども多く起こしていくって言うのを自分の中の挑戦としてやってきています。ただ、結果につながっていなくて、チームを勝たせるためにはそれを結果に変えないといけないと思っているのでスコアを動かすような活躍をこれからもやっていきたいです。
――同じ左サイドを担うMF堀田稜(商4=浦和レッズユース)選手との連携というのはいかがですか
堀田とは小学校からずっと同じチームでやっていて互いに特徴を分かっている上で自分は守備において強みを発揮して彼は攻撃で強みを出してくれるので、そこの信頼関係は自分の中では持っています。なので、堀田には攻撃で自由にやらせるように自分がしっかり守備をして、堀田に良い状態で攻撃できるようにっていうのを意識していました。そういったところで堀田が積極的な挑戦をできたっていうのは自分自身にとっても良かったです。
――次の桐蔭横浜大戦に向けて意気込みをお願いします
自分たちは19年ぶりのリーグ戦優勝だけを目指してやっているので、一試合一試合負ければ優勝できないっていうプレッシャーを自分たちに掛けて、先発で出ている11人だけでなく部員監督コーチングスタッフ家族など、全ての人たちの気持ちを背負って次の一戦も勝利のためだけに頑張っていきます。
MF堀田稜(商4=浦和レッズユース)
――開幕戦1-0で勝利という結果でしたが
初戦ということで、全員結果にこだわろうと意識して臨んだので、まず勝利という結果が得られたことは良かったと思います。
――久々のリーグ戦だったと思います。調整はどうされましたか
調整というよりはやはり、いままで通りのことをやっていても勝てないということを共有して、守備においても攻撃においてもアグレッシブに動いていこう、リスクを恐れずにアグレッシブな戦いをしていこうと共有していたので、きょうは序盤からそういった戦いが出来ました。
――クロスやオーバーラップなど積極的な攻撃参加をされていたと思います
前への推進力というかランニングの部分は自分の強みだと思うので、最低限そういう部分は発揮していかなければいけないです。それに加えて、クロスの精度だとかもっと自分で走っていくドリブルの部分は上げていかないといけないと思います。
――前線でのプレスなど豊富な運動量も見られました
後ろが準備してくれている分、自分たちが前からボールを奪いに行くことができますし、前でボールを奪えれば、それだけゴールに近いということで攻撃につなげられると思うので、そこは相手の様子を伺いながら前から前からという意識でいけたと思います。
――後半は左サイドからの攻めが目立ちましたが、前半から何か変えていこうという意識ですか
どこかちょっと前から前からという意識の中でも内に絞ってしまうとか相手の背中を狙いに行くようなアクションも少なかったので、アグレッシブにという意識をしていたので、後半はそういったシーンが増えたのかなと思います。
――FW陣ともかなり連携が取れているように見えました
自分たちのFW2人の強さである速さだという部分を生かすためにも良い関係がつくれればあれだけ押し込むこともできますし、そこをもっとゴールという結果につながないといけないとは思います。
――ピッチのコンディションの影響はありましたか
やはりスリッピーだったので、裏へのボールが流れてしまったりだとか相手も短いパスをつなぐというよりはよりはっきり大きなパスで攻め込んできたりオープンな時間帯が長かったので、そういった中でも運動量を落とさないことや前へのアクションというのはなくさないようにということは意識しました。
――きょうのプレーは自分の完成度から見るとどういう評価になりますか
50点かそれ以下になると思います。守備の部分で最低限のことはできましたが、自分がボールを奪って前につなげられたか攻撃のスイッチになれたかといったらそうではないですし、ランニングだったりドリブルだったり自分の強みはもっともっと発揮していかないといけないと思うので、そういった個の力の部分でまだまだレベルは低いと感じたので、これからやっていかないといけないと感じました。
――次戦、桐蔭横浜大戦への意気込みをお願いします
きょうも押し込む時間がありながらもクロスの精度を欠いて点を奪えなかったので、きょう出た課題を克服しつつもより自分たちの強さに磨きをかけて戦っていけるように今週一週間取り組んでいきたいと思います。
FW 宮本拓弥(スポ4=千葉・流通経大柏)
――開幕戦白星おめでとうございます
ありがとうございます。
――ご自身のゴールでの勝利でしたが
開幕戦ということで少し硬さがあり、前半自分たちの色を出すことができなかったのですが、そこを改善して後半最初から良いかたちで入れたのは良かったと思います。
――ピッチのコンディションが悪く足元がおぼつかない場面が前半ありましたが
前半滑ることが多く、スパイクを変えたことで後半いいようにプレーができたのかなと思います。
――ミートしたシュートも多かったですね
得点する前も自分の意図として良いシュートが打てていたので、そこを自信にしてやっていたことがゴールにつながったのでシュートを打っていくことは必要かなと思います。
――以前セットプレーが課題になってくると仰っていましたがその点に関しては
セットプレーの守備が課題できょうのプレーが良い出来とまではいきませんが全員が集中してやっていたと思います。攻撃のセットプレーで取れることが一番ですがそこはまだ課題だなと感じています。ボールの入りはいいんですがなかなか合わないのが現状なので、そこは練習するしかないかなと思います。
――チームも守備に関しては徹底してできていたように思えましたが中盤での動きがあと一つという印象がありましたが
ボランチのペアは僕からしたら頑張っていてくれているほうだと思います。今季のワセダのボランチというのは僕たちがボールを持ったら2列目からどんどん運動量を増やして出ていくということをやっていて、この試合でも結構ランニングというのを起こしていてくれていたので、そこが多少崩れるのはしょうがないと思いますが、空いた穴というのを僕たちが埋めたり、ディフェンスラインを押し上げていうといくことをもっと連携を取っていけたらと思います。
――ご自身のゴールについてですが、田中太郎(商4=静岡・藤枝東)選手からのクロスをうまく切り替えして決めましたね
あれは本当に太郎ちゃん(田中)からきて、あの位置だったのでシュートを打てば入るんじゃないかと想像があったので、そこでうまく振り切れたというのが良かったと思います。
――宮本選手の全試合ゴールという今季の目標、まずは1歩目ですね
全試合得点を取るという目標でまず一点を取れたということは良かったと思います。しかし、まだ点を取れるシーンがあったので、そこでも点を取れるようになれば楽に得点を重ねていけると思うので、シュートの質という部分を高めていきたいです。
――では最後に次節の桐蔭横浜大戦に向け抱負をお願いします。
僕自身毎試合得点を目指しているので、僕のゴールで勝利に貢献できるように頑張っていきたいと思います。
MF小林大地(スポ3=千葉・流通経大柏)
――きょうの試合は自身にとって初めてのリーグ戦スタメンとなりましたが
オフシーズンからずっとトップチームでの練習に参加していたので特に緊張することもなく試合に入れたと思います。
――開幕戦はチームとしていかがでしたか
ことしのスタートである試合で勝ちたかったので結果がついてきたことはよかったです。
――前半はどっちつかずの展開でしたが
相手はロングボールが多いチームだったので、セカンドボールを拾うことを意識して試合に臨みました。
――前半終盤からワセダのペースをつかみはじめましたが
選手それぞれが試合に慣れ始めて、球際などの強みを発揮できるようになってきたのかなと思います。そこから押し込むことができたと思います。
――ハーフタイムではどのような話がありましたか
「個の強みを生かした攻撃をしろ」ということを常に指摘されてきていたので、その点について再度指導を受けました。
――後半は中盤での活躍が目立っていましたが
自分たちは後半からの勝負が持ち味でもあるので、後半のほうで相手より走れることができればチャンスが来るのではないかと思ってプレーしました。そこでチーム全体で、運動量を豊富にすることを意識して押し込めたことが勝利につながったと考えています。
――小林選手は、今季のキーマンとして他の選手からも期待を寄せられていますが
いままでのワセダにはない部分を自分には求められていると思っているので、そこを試合の中で存分に発揮して、チームの勝利に貢献できればいいかなと思います。
――今季の目標は
これまでの2年間を振り返ると、ケガしてばかりでほとんど試合に出場することができていなかったのでまずはケガをしないことと、最後まで試合に出続けることです。
――次節の桐蔭横浜大への意気込みをお願いします。
開幕2連勝を目指して、今週一週間練習にしっかり励んで、勝利を手に入れたいと思います。
MF平澤俊輔(スポ3=JFAアカデミー福島)
――開幕勝利ということで、まずはその感想をお聞かせください
拓真くん(DF金澤拓真主将、スポ4=横浜F・マリノスユース)からもありましたが、本当に勝てたことが良かったなという試合でした。
――試合前に古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)から何か言われたことはありましたか
特にこうしろというのは無かったんですが、自分たちがオフシーズンに積み上げてきたものを出すだけだ、という話は監督もされていて、それを意識して試合に臨みました。
――プレーに関しての手応えはいかがでしょうか
オフシーズンに積み上げてきたものは、アグレッシブに攻撃も守備も前から行って、守備は前から行って相手陣内で奪い切って速い攻撃で点を奪うということをやってきたのですが、きょうの試合は相手がシンプルに蹴ってきてセカンドボールを拾わなくてはいけない中で、まだまだ自分たちのサッカーというのを表現し切れなかったのかなとは思います。
――昨年度に増してプレスの速さが速かったなという印象を受けました
そこは自分と大地(MF小林大地、スポ3=千葉・流通経大柏)で意識しているところで、相手に入れさせず相手の懐まで踏み込んでボールを奪うということがこのオフシーズンでやってきたことなので、それを続けて自分たちの強みにしていかなくてはいけないなと感じています。
――そして自身のポジションもボランチへとコンバートされましたが、その点についてはいかがでしょうか
きょねんはサイドバックで出場させてもらって、(サイドバックは)自分の苦手なポジションだったんですがその中で成長できたことをボランチにも生かしていこうという思いがありました。ボランチは元々自分の得意なポジションだったので、きょねんの経験も踏まえて自分がボランチでもっともっと輝けるようにしていきたいなと思います。
――先日金澤選手とDF奥山政幸選手(スポ4=名古屋グランパスユース)の対談の中でも「(平澤選手が)楽しそうだ」というコメントがありました
自分の運動量という面で、その強みを出しやすいポジションだなというのは思っているので、そこを出してなおかつ楽しめれば最高だなと思います。
――一緒に組んでいる小林選手と何か話し合っていることはありますか
大地とはふざけながら、相手のボランチをどちらがより多く潰せるかという話をしているので、お互いそういう部分は意識しています。このサッカーはボランチが大事になってくるというのは自分たちでも分かっているので、大地とはコミュニケーションをうまく取りながらこの2人がもっとボールを奪って得点に絡んでいけるようにしていきたいです。
――きょうはシュートも見られましたが、そういった得点への意識も持っていますか
そうですね。ミドルシュートであったり、ゴール前に飛び出してクロスに合わせたりというのはオフシーズンにやってきているので、自分たちからチャンスをつくっていけるように頑張っていきたいです。
――チームの雰囲気も徐々に出てきていると思いますがいかがでしょうか
4年生を中心に、本当に自分たちの好きなようにやらせてもらっていますし、4年生が色々考えてチームの雰囲気だったり、向かっていくべきものを考えてくれています。3年生はそれに応えないといけないと思いますし、きょうも4年生と3年生がチームの中に入った中で、いままで積み上げたものを出していこうというのはあったので、チームとしてはいまの雰囲気はいいと思います。
――良い雰囲気で次戦に臨みますが、次戦への意気込みはいかがでしょうか
自分の中ではまだまだやり切れていない部分があったので、自分の強みとチームの強みをもっともっと表現して、次戦も勝利できるようにやっていきたいと思います。