今季エンジのユニフォームをまとい戦うイレブンの中には3年生の姿が多くある。中でもそれぞれのポジションで活躍を見せているのがMF奥山政幸(スポ3=名古屋グランパスU-18)、DF八角大智(社3=千葉・流通経大柏)、MF堀田稜(スポ3=浦和レッズユース)の3人だ。主力として1年間を戦い様々な経験をしたことしを振り返り、サッカー面からプライベートまでざっくばらんに語っていただいた。
※この取材は12月4日に行われたものです。
「4位は妥当だった」(堀田)
今季からスタメンに定着した堀田
――今季を振り返っていかがですか
堀田 全体を通して大事なところで勝てなかったシーズンだったなと感じていて、最後の5節でそのチームの課題が浮き彫りになったと思います。自分たちの色を出せる時間は徐々に長くなったと思いますが、その中でそれを結果に結び付ける最後の力というのが足りず、シーズン4位という結果になったと思います。
奥山 シーズンを通して失点も少なくて得点も少なくてというシーズンでしたが、サッカーは得点を取らなければ勝てないスポーツなので、得点力の無さというのが堀田も言うように、最後の5節であらわになったと思います。勝ちたいところで勝てない勝負弱さというのは一年間通してあったので、そういうところを1年通して改善できないままリーグ戦(関東大学リーグ戦)は終わってしまったなと思います。
八角 今季を振り返って、出てないことが自分にとってはすべてでした。勝負どころで上位のチームに勝てなかった要因だと思うので結果に満足はしてないです。
――最終的にはインカレ(全日本大学選手権)への出場権を得ましたが上位には勝てないというお話しでしたが、今回の4位という順位は自分たちの実力としては妥当だったと思いますか
堀田 自分たちは上位のチームに勝てていないので、上位のチームというのはどれも敗戦している相手です。そういう意味で自分たちの4位は妥当だったと思いますし、そこで勝ち切れなかったことが順位にあらわれていると思います。納得いかないという感じではないです。
奥山 負けた試合を振り返ると勝てない試合だったなという試合は少なくて、そんな中でも勝負どころで負けています。上位のチームに勝てずに自分たちのシーズンは終わっています。いまの4位という位置は自分たちの実力が出たなという印象です。
八角 自分は後期から試合に出て実際にやっていく中で、相手に対して劣っていると感じる部分は少なからずありましたが、それは必ずしも勝てないということにはつながらないと思います。勝てた試合も中にはありましたが勝てなかったのはいまの自分たちの素直な実力なんだと思います。
――勝ち切ることができなかった理由としてはどのようなことを考えていますか
堀田 まず率直に個の力が足りなかったなと思います。サッカーは組織のスポーツですが、攻撃面では相手をかわすだけの実力がなければボールを前に進められないですし、一番大きな要因は個の力だと思います。あとは、チャンスはつくれていたと思うのでそれを決めるだけの冷静さ、メンタリティーが足りなかったと思います。
奥山 堀田の言った個の力がすべてだと思います。それがあらわになるのは守備でも攻撃でもゴール前だと思います。そういうところで決め切る力もそうですし、守りきる力もまだまだやれることはあったと思いますし、それをもっと伸ばせば勝てたゲームも数多くあったと思うのでそういったところを改善していきたいと思います。
八角 自分はDFをやっていてリーグ戦で失点は少なかった方ですがリーグ戦でもっと少なくできたなというのは感じます。自分たちはいい状態でボールを奪いに行くことを続けられていればもっと減らせたなと思います。負けた試合は失点しているのでDFとしてはもっと失点を減らせていたらなと感じます。
――失点がまだ減らせたということでしたが、後期に入ってから枚数をかけた攻撃、連動的な攻撃が目立つようになった半面それによる切り替えの遅さからの失点も見られたように感じます。失点を少なくするということに特化するのであれば守るという手もあったように感じますが後期のサッカーをどのように考えていましたか
堀田 連動的な攻撃という面で全員で攻撃して全員で守るということをチームで高めていました。明大や専大といった個の力があるチームを相手にしたときに自分たちも個を高めつつも組織では負けないということを心掛けてのことでした。連動的な攻撃は勝つためには必要なことだったと思いますし、実際何人も枚数かけてゴールに向かうことで多くのチャンスをつくれていたのでそこに関しては続けていくべきだと思いますしいい部分だと思います。まあ、連動的でゴールに向かうベクトルが強い分奪われたときは全員で戻らなければならないとは思います。ただ、引いて守る練習を自分たちはしてこなかったので、何より、奪われたときに素早く奪い返せればピンチも少なくなると思いますし、ネガティブな選択はせずに、アグレッシブに戦っていきたいと思います。
奥山 やはり自分たちの強みはアグレッシブなサッカー。どんどん前に人数をかけて奪われても高い位置で奪い返すことが自分たちの強みだと思います。引いて守るサッカーは一つの手段ですが、守っても引き分けにしかならないのでいまのサッカーで正解だと思います。もっと前に枚数をかけることで奪うことができ、二次攻撃三次攻撃につなげていけると思うので、連動的な枚数をかけた攻撃に特化していけば守備もよくなると思います。
八角 ワセダのサッカーは一人でできるものではなくて、チーム全体で連動して共通意識を持ったDFでも攻撃が求められるのでインカレで勝つためには全員での連動は欠かせないと思います。なので、これからもブレずに自分たちの強みを高めて取り組んでいきたいです。
――リーグ戦が終わりましたが3選手はそれぞれのプレーはどのように見ていましたか
堀田 政幸(奥山)は前期センターバックで後期ボランチとしてシーズン通してチームに貢献していました。自分が感じていたのはどこにいてもチームを落ち着かせられる選手だなと感じていて、それは守備においても攻撃においても政幸自身落ち着いて余裕をもってプレーする準備を欠かさない選手なことからもそう思います。そういう選手が自分たちのシステムの中心にいてくれるのは、自分自身サイドで個で仕掛けたりする、リスクを負う選手にとって、頼もしい存在です。八角は途中から左サイドを組むようになったのですが、非常にアグレッシブに攻撃に加わってくれる選手なので僕自身もドリブルという選択肢以外に八角のオーバーラップという選択肢が増えて、攻撃のバリエーションが増えました。リスクを負った後も何回でも上下できる運動量が八角にはあるので、そういう面で非常に後ろにいてやり易い、安心感のある選手です。
奥山 堀田は今シーズンから出始めるようになって、そのスピードというのは関東のトップレベルにあると思いますし、そのスピードで相手を打ち負かすのが堀田の特徴だと思います。前期の国士舘大戦(○3-1)のアシストであったりで非常に堀田の個性が生きた試合もありました。攻撃だけではなくて守備でも試合を重ねるごとに自分の中で意識して取り組むことで成長していたなというのはすごく感じましたし、攻守で欠かせない存在だったなと思いました。八角は後期から出始めて、前期は平澤(DF俊輔、スポ2=JFAアカデミー福島)が出ていました。平澤はどちらかというと攻撃的というよりは後ろでバランスを取ってというスタイルだったと思います。それに比べて八角は運動量がありますし、アグレッシブにというのを特徴にしているので攻撃面でチームにプラスになっていたと思いますし、守備面でも危ないシーンで顔を出してくれるというか、逆サイドからのカバーリングはきょねん組んでいた経験からも信頼できる部分なので今季も貢献してくれたと思います。
八角 堀田は今季が実質コンビを組むのは初めてで、自分前期出ていないときは堀田はスピードを生かしたプレーが得意なので、自分が出たら堀田の強みを引き出せるようにということを考えていました。アシストであったりゴールであったり結果を出していたのでチームとしてはそういうプレーが一番チームにも堀田にもいいのかなと感じていました。堀田はチームの中で個で勝負できる選手なので、自分は堀田に託すという意味で信頼しています。マサ(奥山)はきょねんから一緒にプレーしていて、自分自身を知っている選手だなと感じていて、自分のできること、自分の技量をわきまえた上でハイパフォーマンスを発揮する選手です。なので、センターバックでもボランチでもチームとして求められる役割を忠実にこなしてくれるので、ボールを奪う、守るというところはチームトップなので信頼してプレーしています。
――みなさんから意見を伺いましたが自分自身として今季を振り返っていかがですか
堀田 自分自身スピードを生かしたプレーを意識してプレーできたとは感じています。ただ、自分に足りないのは継続して結果を出す力。前半はゴールやアシストができましたが、シーズン進むに連れて、ゴールに絡む仕事は減ってしまって、そういう意味で自分自身成長しきれなかったなと感じています。自分自身が単調だったなと感じています。
奥山 やはり、全日本大学選抜にも選ばれていますし、1年生のときから数多くの試合に出させてもらっていたので、もっとチームを背負って立つ活躍をしなければいけないと感じています。守備においてはある程度やれている自信はありますが、自分の課題は攻撃と感じています。後期はボランチをやらせてもらってより攻撃に関われるシーンは増えましたが結果得点に絡めていませんし、あまり攻撃において特徴を出せなかったなというのが反省としてあります。もっと上のレベルを目指すにしても、ワセダを上に引き上げるにしてもそういったところを改善しないと高いレベルには行けないのでそういったとこに向き合って挑戦していきたいと思います。
八角 二人からはアグレッシブという評価を頂きましたが、自分の中ではまだ抑えている部分がゲームの中であって、後期試合に出ている中で勝ちたいという思いがあったので、まずは失点をしないようにと考えていました。チームが勝つために抑えるようにしていました。ただ、相手が強くなったときに、自分がもっとアグレッシブに仕掛けてチームを勝利に導くこともできませんでしたし、プレーしきれない試合もあったので反省しています。
――難しいシーズンでしたがやりにくかった相手や選手はいましたか
堀田 自分がやりにくかったのは専大と明大かなと感じています。専大は誰がというよりは自分たちの嫌なところにポジションを取ってきて、陣形を崩されたり、自分たちのプレスをうまくかわされてスピードを生かされる場面もあったのでチームとしてやり辛かったです。明大は個人的に前期チームの敗北につながるプレーをしてしまいました。そのときにマッチアップしていたのがDF室屋成(明大)選手で前期はアグレッシブなポジショニングに手を焼いて自分は押し込まれてしまっいていたのでそういう意味でやり辛かったです。
奥山 僕も専大がやりにくかったです。ボールを保持するスタイルですが、決して保持するだけではなくて、常にゴールを狙っている姿勢があります。その中でもトップ下に入っているMF北出雄星(専大)選手は目立っていました。どんな時でもポジショニングがよくて相手の間で常に顔を出して受ける姿勢というのはうちのチームにはいないタイプの選手です。紅白戦の中でもそういう選手を相手にしてこなかったからこそ、いざ対峙したときにフリーにしてしまうシーンもあったので専大、特に北出選手はやりにくかったです。
八角 自分個人的にやりにくい選手はいません。ただ、チームとしては専大です。やはり、自分たちはボールを奪いに行くチームですが専大は自分たちのプレッシャーをかわすポジショニングがあったり、個があって、どうしてもいいところでボールを奪いにくいです。失点も自分たちが後ろ向きになったシーンからだったのでそうさせられるのは非常にやりにくいです。
――全員に共通して専大のお話しがありましたが専大に勝つためにはどのようなことが必要だと思いますか
堀田 本当に90分間自分たちのいい状態を貫いて気持ちを切らさずにいくことだと思います。後期の専大戦を振り返っても自分たちがいい時間帯は間違いなくありました。ボールを奪ってから素早く仕掛けられたときは点につながりました。自分たちのできることは少なくはなかったと思うので、そういう中でも失点はどこか隙をつくってしまったというか相手に優位を与えることになってしまったと思うので、そういう部分を突き詰めて無くしていけば決して勝てない相手ではないと思います。
奥山 回される中でも下がるのではなく前向きにというか、自分たちの強みである前から奪いに行く守備を徹底すれば勝てない相手ではないなと感じています。前期の専大戦(●0-3)も前半は前向きの姿勢が強くて数多くの決定機をつくることができました。後期もしっかりプレッシャーをかけられているときは互角に戦えていたと思います。そういった準備がそういったプレーには必要です。ちょっとした隙を逃さないチームなので隙をつくらない集中力、ネガティブにならないメンタリティーが備われば勝てると思います。
八角 自分が思うのは専大に限らず、明大や順大に対して勝つためには、ワセダのサッカーは高い位置からボールを奪いに行くのは大前提になります。しかし、それに加えて個で守る力がいまのチームには必要だと思います。やはり相手の質が上がるとボールを奪い切れるシーンは少なくてどうしても押し込まれるシーンは出てきてしまいます。その中で一人一人がゴールを守る力が発揮できれば失点はしないと思います。自分たちは強い相手にも点が取れない訳ではないので、失点をしないための個の力が必要だと思います。
「謎が多い」(奥山)
同期の印象を語る奥山
――プレー面でのお互いの印象は語っていただきましたが、普段の性格はいかがですか。まずは堀田選手から見た奥山選手の印象からお願いします
堀田 一言でいうと、人ができているというか、プレーヤーとしても人間としてもあまり欠点の見つからない人だと思います。一緒にいる時間も長いので欠点を探すのですが、なかなかないので。ボロ出さないかなと(笑)。欠点はなかなかないのですが結構腹黒い部分があって、一言言って周りの人をはめたりするので、そういったところは注意が必要ですが、あまり欠点のない人だと思います。
――奥山選手から見た八角選手の印象はいかがですか
奥山 謎が多いというか、何をしているのか分からないですね。つかめないというのが正直なところで、何考えているのか分からない(笑)。たぶん人とは違うというか、普通の人が持っていないものを持っているというか、悪い言葉で言えば変人だと思います。
――八角選手から見た堀田選手の印象はいかがですか
八角 堀田君は真面目で情熱に溢れています。ピッチ内外でやることはしっかりとやっていて、それに伴う集中力というかその姿勢は見ていてかっこいいなと思います。逆に熱くなりすぎると、ちょっと周りが見えなくなるタイプなのかなとも思います。熱すぎるがゆえに。
――最近の趣味やはまっていることはありますか
八角 最近は紅葉の季節なので、紅葉を意識して見るようにしています。
堀田 最近はブラックサンダーをたくさん食べています(笑)。前から好きだったのですが、最近よく食べますね。箱とかでも買うようになって、この前お土産で白いブラックサンダーをもらって。いまは練習の後とかに食べることを楽しみにしています。
奥山 まあツムツム(笑)。1駅とか2駅とかだったら歩くとかですかね。散歩というか。あまり知らないところを歩くのを楽しんでいます。
「侍になりたい」(八角)
八角のインカレへの思いは並々ならぬものがある
――インカレのお話に移りたいと思います。リーグ戦が終わって少し経ちましたがチームの雰囲気はいかがですか
堀田 毎回リーグ戦やカップ戦が落ち着いた時というのは、もう一度ゼロから選手同士も競争していこうということをやっているので、そういう意味でことしもリーグ戦が終わってから一人一人がインカレのピッチを目指して高い志で激しい競争ができてるなと感じてます。雰囲気としてもものすごく良い雰囲気の中で新たな課題に取り組めているかなという印象があります。チームとして良い状態かなという風に思います。
奥山 堀田が言ったようにみんながインカレを目指して、インカレで自分が絶対に出るんだという気持ちでやっていて非常にギラギラしたというか、お互いに高めあっている環境だと思います。ピッチ外においても一人一人の距離が近いというか、誰とも隔たりなくみんなと接することができていて、仲が良いと言ったら良いか悪いかわかんないですけど、本当に距離が近いと思います。仲が良い集団なのかなと最近思うようになりました。
八角 インカレはシーズン最後の大会なので、ア式の部員である以上はみんな出たいという思いを持って日々トレーニングをしているというのは一緒にやっていて伝わってくるので、そういった意味でチームとして自分もその中にいて周りの人間に負けないようにという思いでやれているのですごく充実しています。雰囲気自体もすごく良いのかなと思っています。
――トーナメントの組み合わせを見て率直な感想は
堀田 組み合わせが決まる前から、どこのグループに入っても2つ目では必ずどの地区においてもトップレベルの相手と当たるということはわかってましたし、そういった意味では組み合わせを見て驚くというか何か特別感じるものというのはなかったです。ただただインカレに向けて現実味というのが増してきて、より気持ちが引き締まる思いがあります。その中で、自分たちが最終節破れた慶大が同じ山にいるので、ことしのうちに借りを返したいという思いはあります。
奥山 そこまで特別な感情というのは芽生えなくて、本当に一戦一戦戦うだけだなというのは改めて感じますし、インカレに出てくるチームというのはどこも力のあるチームばっかりだと思うので、そういったところを相手にして自分たちや自分がどこまでやれるのかというのが単純に楽しみだなと感じました。
八角 勝てば次強い相手が来るというのはどこの山にいっても当たり前のことなので、別にどこに入っても結局は同じだと感じているので特別な印象というのはないですね。
――堀田選手と八角選手は初めてのインカレとなりますがいかがですか
堀田 僕自身きょねんケガから復帰して厳しい状況が長く続いたんですけど、なんとか最終節とその前でベンチに入って、インカレもベンチには入ったんですけどその場でメンバーから外れるようなかたちになったので、その場でピッチに立つ権利を与えてもらうことができずに負けて4年生が引退というかたちになって非常に悔しい思いをしました。なので、インカレという言葉を聞くとその時の感情であるとかみんなが涙する姿であるとかが非常に鮮明に思い出されます。そういう意味で非常に強い思いっていうのがインカレに対してはあります。
八角 1年生の時は登録メンバーに入っていなかったんですけど、チームとしてはAチームでメンバーの選手たちと一緒にトレーニングをしていました。やっぱり登録されてはいないけれどもAチームでプレーさせてもらっていることに関して、それまでの自分自身が信頼を勝ち得なかったというか、登録メンバーに入るだけのアピールをできなかったというのがありました。その中でチームが勝っていく姿というのはうれしい反面、すごくもどかしいというか悔しい気持ちはありました。2年生の時は自分はケガで出ていなくて、ピッチに立てずにチームが負ける姿をスタンドから見ていて、その時にもまた1年目とは違う悔しさというのを味わったので、ことしこそはという思いでピッチに立って絶対に優勝したいなという風に思っています。
――最近は練習試合などもされていると思いますが、調子はいかがですか
奥山 インカレの初戦が迫ってきているということで、それぞれが自分の強みを出してアピールできていると思います。それに伴ってみんなで激しい競争ができてるなというのはあります。チームとしても何をすれば自分たちの流れに持ってこれるのかというのが浸透してきて、全員が同じ方向を向いてやれていると思います。それが、この前の土曜日に流通経大とやったんですけど、リーグ戦では負けていて(今回は)絶対にリベンジしようという話があった中でトップチームでは2-0で勝てました。そういった姿勢というのが結果になって表れた良い試合だったかなと思います。
八角 チームとしてインカレ前ということでみんながアピールすれば試合に出られるという状況の中で、まだまだ自分を含めて選手一人一人がもっとアピールするだけの思いをプレーに乗せるべきなんじゃないかなという風には思います。
――警戒しているチームや選手はいますか
堀田 僕は特にはいないですね。さっき政幸の口からもありましたけど、インカレに出てくるチームっていうのは本当にどこの地区でも高いパフォーマンスを示して良い結果を残しているチームなので、そういう意味で誰が特別というよりは一人一人が結果を出し続けてきた選手だと思うので、この人が特別というのはないですね。
奥山 一戦一戦戦うというのもありますけど、きょねんインカレで負けた関西学院大とはやってみたいなとは感じます。関西学院大にも全日本に選ばれている人が複数いて、個としてもすごい選手が集まっていますし、チームとしても本当に真面目で良いチームという噂も聞いているので、そういったチームとやってどこまでやれるのかであったり、勝てるのかというのを見てみたいなという気持ちはありますね。
八角 自分は特に意識はしていなくて。強いて言うなら初戦当たる相手ですかね。負けたら終わりなので。先を考えてもあまり良いことはないと思うので、まずは初戦勝つためにというところを考えたいです。
――インカレでのそれぞれの目標を教えてください
堀田 個人としてこれというのは特にないですけど、チームとしてとにかく優勝したいですし、結果を残したいというただそれだけですね。優勝につながる働きがどんなものであれ自分がピッチの上に立ってそれができればいいなと考えているので、個人としてこういう目標というよりは、ただただ優勝したい、結果がほしい、それだけです。
奥山 ただ単純に結果が欲しいというのは僕も同じです。2年前にインカレで優勝した身としてはそこで得られるもというのはすごく大きいので、ことし優勝することでより成長できると思いますし、個人としては点が取れたらいいなと感じています。きょねんのアミノバイタル(アミノバイタルカップ)以来点が取れていないので、まずは守備の人間なので無失点に抑えることが大事ですけど、狙えれば得点も狙っていきたいと思っています。
八角 インカレは優勝したいというのはありますけどインカレはまだ先の話なので、自分の中ではあしたのトレーニングで自分自身をアピールすることがインカレで優勝するためにいま一番必要なことだと思うので、インカレっていうよりはまず次のトレーニングだったりで最高の準備をして挑んでいくことが大事だと思います。
――インカレで4年生は引退となりますが、何か4年生への思いというのはありますか
堀田 率直にことし試合に出させてもらえている身としては、最後に本当に4年生と一緒に歓喜の瞬間を迎えたいという思いがあります。4年生は自分のことよりもチームのことを優先して考える人たちがすごく揃っているなと感じています。自分自身が良い状況であれ悪い状況であれ、チームに対してポジティブな声掛けをしてくれる存在というのは自分としてもいつも4年生だったなと思います。そういう支えがありながら自分自身試合に出て結果を残すことができなかったということがものすごく心残りというか、申し訳ない気持ちでいっぱいなので、最後のチャンスということでインカレでは最後は笑って4年生が引退を迎えられるように、自分たちも今シーズンを締めくくることができるように、とにかくひたむきにやっていきたいと思います。
奥山 4年生が今シーズン苦労しながらもチームを前に進めてきている姿というのは近くで見てますし、寮で生活していても4年生は本当に常に考えて行動しているなと感じているので、その4年生に笑って終わってもらいたいです。個人的には洋史くん(MF近藤洋史主将、スポ4=名古屋グランパスU-18)とは高校時代から一緒にやってきていて、これが最後の大会だと思うので良い思いをさせて卒業させてあげたいという気持ちが強いですね。
八角 僕は特にないですね(笑)。
一同 (笑)。
――では最後にインカレに向けての意気込みをお願いします
堀田 チームがものすごく良い状況というか、良い方向を向いて同じ方向を向いてやっている分、いま結果というものが得られるか得られないかで自分たちの今後に大きく影響すると思いますし、とにかく優勝という結果だけを目指してしっかりと足元を見ながら一試合一試合を全力で戦っていければいいなという風に思います。
奥山 今シーズンの最後の大会ですし、優勝したい気持ちが全員にあると思うので優勝したいです。なかなか今シーズン結果が出なかった中で最後のチャンスなので、結果を出さなければワセダの歴史の中では何の記憶にも残らないチームになってしまうと思います。なので何かしらの記憶に残るように、まずは優勝を目指して一戦一戦真面目にしっかり戦っていきたいと思います。
八角 僕は侍になりたいので。侍はいつ死んでも良いっていう思いの中毎日生きているので、まずはインカレまで生きて、インカレになったらインカレに全力を注ぎます。
――ありがとうございました!
(取材・編集 大森葵、辛嶋寛文、栗田麻里奈)
色紙にそれぞれの意気込みを語っていただきました
◆奥山政幸(おくやま・まさゆき)(※写真中央)
1993年(平5)7月23日生まれ。身長173センチ、体重69キロ。愛知・中京大中京高出身。前所属・名古屋グランパスU-18。商学部3年。時間のある時は1駅、2駅分は歩くという奥山選手。90分間無尽蔵に走り切るあの運動量もそうした積み重ねの賜物かもしれませんね。
◆八角大智(はっかく・だいち)(※写真左)
1992年(平4)4月15日生まれ。身長173センチ、体重70キロ。千葉・流通経済大柏。社会科学部3年。インカレへの意気込みで侍への思いを口にした八角選手。まさかの発言に早スポ部員も驚きを隠せませんでした(笑)。インカレでは『生死』を懸けた侍の姿に注目してみてください!
◆堀田稜(ほりた・りょう)(※写真右)
1994年(平6)2月8日生まれ。身長174センチ、体重66キロ。浦和レッズユース出身、商学部3年。お互いのプレーや性格を分析する際に、「信頼できるプレーヤー」「情熱的で真面目」と言われて照れ笑いをしている表情がとても印象的でした。箱買いするほど大好きなブラックサンダーを練習後に食べることが楽しみだという堀田選手。意外な一面を見ることができました!