インディペンデンスリーグ2014(Iリーグ)順位リーグ戦を2連勝とし、好調を維持するワセダは国士舘大U―22Bと対戦。前半にFW西本八博(スポ2=岐阜・多治見北)の先制弾で得点すると、後半にも2点を追加した。結果、フィニッシュまで持ち込むシーンこそ多くはなかったものの3―0で勝利。決め切る強さとともに守備面でも高い集中力を見せつけ、連勝を3に伸ばした。
前半序盤こそ相手のペースにのまれるものの、徐々に強みである球際で相手を圧倒しゴールに迫るワセダ。10分にはDF清水大志(創理4=東京・早大学院)のクロスにFW堂本大輝(スポ4=兵庫・三田学園)がダイレクトで合わせるが、これは惜しくもゴールの上に外れる。均衡が破られたのは25分、MF山下翔平(商4=ヴィッセル神戸ユース)の右サイドからのクロスを受けた堂本。PA内で相手DFに囲まれながらも粘りを見せ西本につなぐと、これを落ち着いて決め待望の先制点を奪う。対してディフェンス面ではサイドの突破を許すことはあっても決定的な仕事はさせず、シュート数をわずか2本に抑えてそのまま1―0で前半を折り返す。
得点だけでなく前線でのアクションで攻撃をけん引した西本
後半にもDF恩田雄基(スポ3=埼玉・西武台)のフィードや堂本・西本の2トップの接点での強さを生かしてチャンスつくり出す。スコアが動いたのは57分、DFからのロングボールを受けたMF今来俊介(商1=神奈川・桐光学園)が自ら上がると相手GKの不用意な飛び出しを見逃さず、鮮やかなループシュートを放ち2点目を加える。さらに73分には途中出場のMF田中太郎(商3=静岡・藤枝東)からのCKをニアに構えた西本が反応し、この試合2点目をヘッドでたたき込んだ。終了間際にはカウンターからゴールを脅かされるシーンもあったがGK斉藤康平(法2=静岡・清水東)や山下らの体を張った守備でラインを割らせず。3―0で完封勝利を収めた。
タイミングのいいオーバーラップから好機を演出した清水
チャンスをものにし、守備では相手を0に抑えた今節。このことからはチーム力の向上がうかがえる。だが「90分間通じて圧倒し切れたかと言えばそうでもない」(恩田)と語るように、1試合を通してのパフォーマンスの質はまだまだなようだ。ただ「課題があるということは伸びしろもある」(清水)とポジティブな意見もあり、次戦にも期待が高まる。チームに貢献するため、Aチームに上がるため。それぞれの思いを抱え、選手たちは残り少ないIリーグに挑む。
(記事 伊藤なつ実、写真 桝田大暉、高柳龍太郎)
スターティングメンバ―
順位リーグ4戦目 | ||||
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早大 | 3 | 1-0 2-0 |
0 | 国士舘大U-22B |
【得点者】(早)25、73西本、57今来 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 斉藤康平 | 法2 | 静岡・清水東 |
DF | 2 | 清水大志 | 創理4 | 東京・早大学院 |
DF | 3 | 永井あとむ | スポ4 | FC東京U-18 |
DF | 4 | 恩田雄基 | スポ3 | 埼玉・西武台 |
DF | 5 | 鈴木崇文 | 文構2 | 東京・早実 |
DF | →67分 | 山本有一 | 人3 | 神奈川・桐蔭学園 |
MF | 6 | 山下翔平 | 商4 | ヴィッセル神戸ユース |
MF | 7 | 小林大地 | スポ2 | 千葉・流通経大柏 |
MF | →87分 | 多田八起 | 商2 | 神奈川・桐光学園 |
MF | 8 | 今来俊介 | 商1 | 神奈川・桐光学園 |
MF | →83分 | 東浦壮一朗 | 教2 | 東京・国学院久我山 |
MF | 9 | 仲谷将樹 | 社1 | 石川・星稜 |
MF | →61分 | 田中太郎 | 商3 | 静岡・藤枝東 |
FW | 11 | 西本八博 | スポ2 | 岐阜・多治見北 |
FW | →87分 | 中谷幸葉 | スポ4 | 千葉・八千代 |
FW | 10 | 堂本大輝 | スポ4 | 兵庫・三田学園 |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
コメント
DF清水大志(創理4=東京・早大学院)
――3-0の快勝でしたが振り返って
先週とは大きくメンバーが変わって、その中で自分たちが積み重ねてきたものを違うメンバーでも出せたのが大きな収穫だったと思います。
――ここ数試合サイドバックでの出場が続いてますがきょうはいかがでしたか
サイドハーフとは違って守備から入るので、まずは守備から危険なところを察知して、出れるタイミングがあったらどんどん前に出ていこうと意識してました。
――大胆に上がってクロスを上げる場面もありましたが攻撃面の手応えは
何度か後半の途中までは攻めれてたので良かったとは思うんですけど、最後の方は足が止まってしまったので、次は最後まで出れるタイミングで前に出ていきたいと思います。
――守備でも完封でした
守備面も最初は競り負けないなど気持ちの部分で意識してやってましたけど、最後の方でいままでやってきた危険なところを察知するということができなかったので、そこがまだまだ課題だと思います。
――3-0でしたが試合後はチームでどういった話をしましたか
積み重ねてきた攻撃でアクションを起こして相手ゴールせ迫るっていう部分や、守備面で危険なところを察知しつつファーストディフェンスを厳しきいくっていうのが出せてたとは思うけど、単発だったというか90分できたとは思わなくて、今週木曜日に練習試合をしたんですけど(○11-0東学大)、その時の方が良かった部分もあるのでしっかり反省しようと。課題があるということは伸びしろもあるので、しっかり課題を克服して成長していこうという話をしました。
――あしたはAチームの試合が控えてますが何かメッセージを
自分たちはトップのチームが勝つためにIリーグ(インディペンデンスリーグ2014)で勝とうとやってるわけではないですけど、自分たちも責任を持って勝つということを意識してやっているので、あしたの選手たちにも、自分たちも一緒に戦っているんだということを感じて戦ってほしいです。
――Iリーグの順位リーグ戦も残り1試合となりましたが最後に意気込みをお願いします
一番最初に中大U-22Bに引き分けて(△1-1)、そこから全勝しているので次もしっかり勝って、最後他のブロックの1位に勝つごとが自分たちの使命なので、それを意識して戦いたいです。
FW堂本大輝(スポ4=兵庫・三田学園)
――久しぶりの先発でしたがいかがでしたか
長いことケガしてチームに迷惑かけてたし、4年生としてIリーグ(インディペンデンスリーグ2014)では絶対勝たなくてはいけない舞台なので、強い気持ちを持って戦いました。
――ケガの影響はありましたか
いや、それはもう全然大丈夫でした。
――FW西本八博(スポ2=岐阜・多治見北)選手との2トップでハードワークからボールを収めたり前に運ぶ動きが印象的でしたが、2トップの関係はいかがでしたか
きょうも良かったと思います。八博(西本)とは普段の練習やピッチ内外でもコミュニケーションをとるようにしているので、いい関係で試合に臨めたと思います。
――前半はフリーでシュートを打つなど惜しい場面もありました
やっぱりああやって0-0のときにゴール前で決めなきゃいけないところで外してるようじゃ、自分はもっと成長しなきゃいけないなと感じます。
――ただ先制の場面ではPA内で冷静なパスからアシストを記録しました
ほとんど中を確認してなかったんですけど、八博ならあそこにいてくれるかなと思って(パスを)出して、冷静に決めてくれたので良かったです。
――ハーフタイムの修正点は
1-0で勝ってましたけど、自分たちのやろうとしていることは間違ってなくて、ファーストプレッシャーのところだったり攻撃でのアクションの部分でもうちょっとエネルギー出していこうという話をしました。
――きょうの試合でのチームの良かった点は
一人一人がリーダーシップを発揮してやってくれたのが良かったと思います。結果は3-0でしたけど、90分通してまだまだやられてる時間もあったので、トレーニングの中でしっかり高めていこうという話はしました。
――きょうの試合では先発や途中出場も含めて4年生の選手が多く出場してましたが何か思うところはありましたか
やまし(MF山下翔平、商4=ヴィッセル神戸ユース)だったり清水(DF清水大志、創理4=東京・早大学院)、あとむ(DF永井あとむ、スポ4=FC東京U-18)や幸葉(MF中谷幸葉、スポ4=千葉・八千代)らとは4年間一緒にやってきて、Iリーグや練習試合も残りわずかしかできないので1試合1試合を大事に悔いを残すことなくやっていこうとみんな感じていると思います。
――あしたのAチームのメンバーに向けては何かメッセージはありますか
自分たちはAチームのメンバーを信じていますし、しっかりチーム一丸となって戦えば勝てると思うので、自分たちもそれを信じてしっかり応援します。
――残りIリーグの試合も2試合となりましたが最後に意気込みをお願いします
自分たちの目標である関東リーグ(関東大学リーグ戦)で優勝するためにもIリーグは全部絶対勝たないといけないと思うんで、残り内容も結果もいいものを求めて、Aチームの試合につながるようにやっていきたいです。
DF恩田雄基(スポ3=埼玉・西武台)
――試合内容を振り返っていかがですか
今週AチームとBチームがはっきり分けられて、先週まであまり試合に出ていなかった選手がたくさん出たのですがそのメンバーでもやれるということだったり、そこ(Bチームであること)に対しての悔しさを持ちながらも全員でいままでやってきたことを出すことであったり、今週積み上げてきたことをしっかり勝ってあしたの関東リーグ(関東大学リーグ戦)につなげたり自分のこれからにもつなげていこうという気持ちで臨んだので、気持ちを込めていい試合ができたと思います。
――内容としては良かったということでしょうか
そうですね。流れとしてはやりたいこともできていたのですが、90分間通じて圧倒し切れたかと言えばそうでもないですし、自分の中でもクリア1本であったりヘディング1本であったり隙が多くあるからこそまだこの立場だと思うのでそういうところはしっかり個人としてもチームとしても詰めていきたいと思います。
――相手の攻撃の印象はいかがでしたか
FWの選手に競り合いができる選手がいたのでその選手に当ててきたり、自分たちの左サイドの選手が頑張ってくる相手だったので、いつも国士舘大とやるとそうなんですが、バチバチしてくるので球際は負けないように意識してやっていました。
――無失点に抑えましたがディフェンス全体の評価をお願いします
無失点で終われたことは良かったのですが、ピンチはありましたし個人個人のところでもクリアだったりやられてしまう部分もあったので、そこはしっかり反省してまた練習していきたいと思います。
――具体的な課題はありますか
チームとしてはいま自分の横の選手とタテの選手との関係性をしっかり持とうということと個人で察知して相手のFWの動きを捕まえていくことが課題なのでぶらさずやっていくのと、個人としてはヘディングや対人でもっと圧倒しないとないですし、拓真(DF金澤拓真、スポ3=横浜F・マリノスユース)やしんのくん(DF田中進之介、スポ4=湘南ベルマーレユース)だったら競り合いで圧倒しているので、そういうところは自分と向き合ってやっていこうと思います。
FW西本八博(スポ2=岐阜・多治見北)
――試合を振り返っていかがですか
前半の立ち上がりから前から勢い良く行こうと言っていたのですが、最初はあまり行けなくて相手のペースで試合が進んでしまったと感じていて、それは良くなかったと思っています。
――相手のペースにのまれてしまった中で、どのように自分たちのペースに戻していきましたか
試合が進むにつれて後ろの選手が声を掛けてくれて、FWが守備のスイッチになることをやりやすくしてくれたので、その指示に従ってやったら良くなっていったと思います。
――チャンスは決して多くはありませんでしたが、3得点というこの結果についてはどのように思われますか
あまりシュートに持ち込めなくて少ないチャンスではありましたけど、決め切るということはチームで大切にしてきたことなのでそこをしっかりできて良かったと思います。
――チーム全体で球際の強さが目立っていたように感じましたが
チームで球際であったり接点だったりは大切にしようとずっと言っていて、そこが良ければチームとして波に乗っていけるので、そこはいつも通りというか強く行こうと言ってやっていました。
――ご自身のプレーの評価をお願いします
きょうは自分的にも得点を取りたくて、得点を取ってチームを勝たせたいとずっと思っていて。ここ最近チームに貢献することができていなかったので、きょうは自分は得点というところで少し貢献できたと思うので良かったです。
――それぞれの得点シーンを振り返っていかがですか
1点目は堂本くん(FW堂本大輝、スポ4=兵庫・三田学園)が粘ってボールを中に供給してくれたので自分は入れるだけでしたし、2点目もCKで太郎くん(MF田中太郎、商3=静岡・藤枝東)から本当にいいボールが来たので決めるだけでした。
――快勝でしたがチーム全体で何か課題はありますか
全体として前線がアクションを起こしてそこにボールを供給していくというのがあったのですが、前半はなかなかそれができていなくて、ボールを動かしていく中で何回も何回もこまめにFWがアクションしていくことがまだまだできていないと感じたので、そこを取り組んでいきたいと思います。
――次の試合へ向けての意気込みをお願いします
自分が次もスタメンだとは決まったことではないので、トレーニングの中で自分が示し続けてもう1回得点を取ってチームを勝たせるということを意識して取り組んでいきたいと思います。
MF今来俊介(商1=神奈川・桐光学園)
――きょうの試合を振り返って
3連戦ぐらいアウェーだったんですが、きょうのIリーグ(インディペンデンスリーグ2014)はホームということでみんなが見に来てくれる中で、Bチームがこれまでどれだけ積み上げてきたのかというのをAチームの人たちに対して証明したかった試合なので、勝てて良かったです。
――その出来映えはいかがでしたか
気合いが入っていただけに、ちょっと前半から気合いが空回りしてしまって自分の調子的にはそんな良くなかったんですが、その中で点を決められてチームの勝利に貢献できたことは良かったです。
――きょうは積極的にボールをチェイスするシーンが多かったように感じました
相手が早い段階から蹴ってくる相手で、ハーフタイムにも竹谷コーチ(竹谷昂祐コーチ、平26スポ卒=ガンバ大阪ユース)からも出所をしっかり抑えるという話もあったので、そういうところも蹴らせないという意識をして前からプレスに行きました。
――攻撃面では3発大勝ですが、ご自身の感想はいかがですか
3点取れたんですがその分けっこうピンチもあり、それを全員で守り切れたんですがまだまだ隙があるので、別に快勝という訳ではなかったです。結果だけ見れば快勝ですが内容的にはまだまだだったと思います。
――その課題とは具体的にどのような部分でしょうか
要所で強度の高いプレーは出たんですけれども、それが90分間継続して出し続けられなかったので、これからまた改善して、強度の高い良いプレーを90分間継続して出せるようにやっていきたいと思います。
――きょうはボールを奪った後のパスの精度や動きが全体的に甘い印象を受けましたが、その点についてはいかがでしょうか
そうですね。要所を見れば出ていたんですけれど、逆に出ていない時のアクションが全然出なくて、ボールを奪った後に裏に抜ければチャンスというところを自分たちで潰していたというのはあったので、また練習で改善していきたいと思います。
――残り試合数も少なくなりましたが、次戦に向けての意気込みをお聞かせ下さい
4年生たちと試合できる機会というのも本当に少なくなってきているので、一戦一戦本当に大事にしてやっていきたいと思います。