先日の試合結果(○5-0国際武道大)により惜しくもグループリーグ敗退となってしまったワセダは、順位決定リーグに回りBブロック6位の中大U―22Bと対戦した。FWの牟田翼(基理3=佐賀・鹿島)とFW柳沢拓弥(スポ1=清水エスパルスユース)が最前線からプレスをかけ相手のミスを誘い先制すると、後半も完全にワセダペースで試合を展開する。しかし試合終了間際、負傷から復帰したMF大丸瞬(教3=東京・早実)が痛恨のファウルでPKを献上。同点に追いつかれ、痛恨のドローで終わってしまった。
前半からワセダは運動量を駆使した攻撃を展開。「自分がスイッチになった」(牟田)と話すように牟田、柳沢を筆頭に前線からプレッシャーをかけていく。ボールを奪い左サイドを中心に仕掛けると、17分には久々の出場となった大丸が強烈なシュートを放ち存在感を示した。すると24分、相手DFへのバックパスに素早く反応した牟田がそのままボールを奪い、相手GKをかわしてゴールへ流し込む。中大に右サイドから突破されるシーンも見られたが、その後も37分にはMF鈴木崇文(文構2=東京・早実)が左サイドをドリブルで駆け上がりチャンスを演出。45分にもMF安田壱成(スポ1=ベガルタ仙台ユース)が鈴木崇のこぼれ球をシュート。中盤からボールをはたき、右サイドから崩してくる相手に対してやや対応し切れていない部分もあったが、まずまずのかたちで前半を1―0で折り返す。
先制点だけでなく献身的な守備も光った牟田
後半はさらにワセダらしさが発揮されたサッカーを見せる。ファーストディフェンスへのスピード、ボールへのアプローチが修正されると前半以上にプレスが効果的に機能。体をうまく入れることでノーファウルでボールを奪うシーンも多く見られた。66分に安田が頭でゴール前に落としたボールに牟田が飛び出すが、ここは惜しくもオフサイドとなる。直後の68分にも左サイドハーフに移った柳沢が逆サイドを走る牟田にドンピシャのクロスを送るが、これもキーパーに阻まれ得点には結びつかない。追加点こそ奪えないが相手を完全に抑え、誰もがワセダの勝利を確信していた。だが93分にMF大丸がペナルティーエリア内でボールへスライディングすると、これがまさかのファウルに。相手にPKを与えてしまうと、それをそのままゴールの右上に叩き込まれ試合終了。喜びをあらわにする中大の選手たちの横で、ワセダの選手たちはぼう然と立ち尽くした。
攻守のかじ取り役を担った大丸
「次につながるほぼパーフェクトな試合だった」(MF大丸)と振り返りながらも、その顔には隠しきれない悔しさが見て取れた。自分たちの強みを出せても、グループリーグでも課題となった『勝ち切る』ということの難しさはつきまとう。『自分たちのサッカーで勝ち切る』チームになるためのあと1歩が踏み出せるかどうか。残りの試合は相手の戦いであると同時に自分自身との戦いとなりそうだ。
(記事 高柳龍太郎、写真 桝田大暉)
スターティングメンバ―
順位リーグ1戦目 | ||||
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早大 | 1 | 1-0 0-1 |
1 | 中大 |
【得点者】(早)24牟田 (中)93吉良 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 江口徹 | スポ4 | 東京・早実 |
DF | 2 | 山下翔平 | 商4 | ヴィッセル神戸ユース |
DF | 3 | 山本新太郎 | スポ1 | ジュビロ磐田U-18 |
DF | 4 | 日高裕介 | スポ3 | 横河武蔵野FCユース |
DF | 5 | 山本有一 | 人3 | 神奈川・桐蔭学園 |
FW | →66分 | 西本八博 | スポ2 | 岐阜・多治見北 |
MF | 8 | 安田壱成 | スポ1 | ベガルタ仙台ユース |
MF | 6 | 大丸瞬 | 教3 | 東京・早実 |
MF | 7 | 清水大志 | 創理4 | 東京・早大学院 |
MF | 9 | 鈴木崇文 | 文構2 | 東京・早実 |
FW | 10 | 牟田翼 | 基理3 | 佐賀・鹿島 |
FW | →88分 | 堂本大輝 | スポ4 | 兵庫・三田 |
FW | 11 | 柳沢拓弥 | スポ1 | 清水エスパルスユース |
FW | →82分 | 臼倉宏 | 文構1 | 東京・暁星 |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
コメント
MF大丸瞬(教3=東京・早実)
――久々の出場となりましたが、きょうの試合を振り返っていかがでしたか
Bチームの選手がきょうの試合に懸ける思いは強かったので、自分もBチームで出る以上はチームを背負って何とか勝ちに結びつけようとしたんですけれど、なかなか難しくて。最後、自分のせいで引き分けに持ち込んでしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
――きょうへ懸ける思いは強かったのですか
自分たちはインディペンデンスリーグ優勝ということを掲げていたんですけれど、その中で5位決定トーナメントということで、なんとしてもその中で優勝して、内容も圧倒して全部勝って関東リーグ(関東大学リーグ戦)にも弾みをつけようというところでした。しかしそこで勝てなかったことが非常に残念だと思います。
――試合内容としては前半に先制し、後半は終止ワセダペースで展開できたのでは
試合の内容は間違いなく良くて、本当に次につながるほぼパーフェクトな試合だったと思うんですけれど、やっぱり結果が出ないと意味がないなというところです。結果が出なかったことに尽きると思います。
――ご自身のプレーに関してはいかがでしたか
チームの方には2週間前位に本格的に合流したんですけれども、当初よりかは動きの切れや試合勘というところでは戻ってきたと思うんですけれど、あとはシュートの精度だったり前に出るタイミングだとか、そういうところをもう少しつかんでいけたらいいなと思います。
――では攻撃の意識は高く持てていたということでしょうか
そうですね。そこは自分的にも意識していたので、ゴールを奪おうという気持ちを持っていたので、それが前半のシュート数につながったんではないかと思います。
――きょうの試合では前線の2人が特に動いていたように見えましたが、大丸選手から見ていかがでしたか
本当に前の牟田(FW牟田翼、基理3=佐賀・鹿島)や柳沢(FW柳沢拓弥、社1=清水エスパルスユース)が、こっちも心を動かされるくらい守備で頑張っていましたし、攻撃でもどん欲にゴールを奪おうとしていたし、それを見て自分もこいつらより頑張らなければいけないと思えたので、本当に彼ら2人には感謝しています。
――ボランチでコンビを組んだ安田(MF安田壱成、スポ1=ベガルタ仙台ユース)選手との連動もうまくできていたのでは
壱成は上下動がすごくできる選手で、前でも後ろでも頑張れる選手なので自分はそこで彼を見ながらバランスをとって、自分も時には前に出たり、彼が前に出たら後ろにまわったりしました。きょうはセカンドボールもたくさん拾いましたし、バランス良くできたんじゃないかなと思います。
――次戦は筑波大戦です
このBチームでさらなる高みを目指していくことと、自分自身はここにいてはいけない選手だと思っているので、上を目指して、関東リーグに絡んでいけるように頑張っていきたいと思います。
――やはりAへの思いはもちろん強いということでしょうか
もちろんレベルの高いところでやらないと自分自身も成長しないですし、アピールにもならないと思うので関東リーグでスタメンを獲るということを目標にして、そこでさらに活躍してチームの勝利に貢献するというところを目指してやっていきたいと思います。
FW牟田翼(基理3=佐賀・鹿島)
――試合を終えて全体の感想をお願いします
率直に悔しい試合だったなと思います。ずっとこっちの流れでやっていけてたと思うので、最後失点してしまって悔しかったなって感じです。
――先制点の場面を含めて前線からのプレスが多く見られたことに関して
自分ではいつも通りやったつもりなんですけどすごい周りからいいアプローチになっていたと言われたので、たぶんすごいいいアプローチができていて、自分がスイッチになったことで周りが付いて来てくれてそれによってボールを奪うことができていたと思うので、その点に関しては自分でもよかったと思います。
――1―0で前半を折り返してハーフタイムにチームでは何を話しましたか
前半の流れがよかったのでそれを続けていくということですね。相手のビルドアップのときにセンターバックが開いてきてアンカーが落ちてくるというのがこの前練習試合をした東京学芸大のようなビルドアップの仕方だったので、それを前半のうちに改善できてアプローチがうまいこといけていたのがよかったので、それをもう一度確認して後半入ったような感じです。
――後半押し込みながら追加点を奪えなかった攻撃を振り返って
やっぱり最後の質ということですね。相手から奪って速く攻撃してゴール前まで向かうことはできていたんですけど、最後決めれなかったというのが最終的に勝てなかった原因だと思いますし、流れがよかったときに追加点を奪えないとこういう結果になってしまうのかなと思いました。
――牟田選手個人として結果を出せていることに関して
前半いい時間に点を取れてチームも楽になったと思いますけど、チャンスをもっともっとつくって相手にもっと怖れられるような選手になりたいなと思います。
――次節筑波大戦に向けて
やることは変わらないと思いますし、今回攻撃が最後決めれなかったとこを極められるようにして臨みたいと思います。
MF鈴木崇文(文構2=東京・早実)
――惜しい結果となってしまいました
そうですね。率直に悔しいです。
――前半から積極的に仕掛けていく場面が多かったですが振り返って
きょうは調子が良かったですし、自分はドリブルが得意なのでみんなからも信頼してボールがもらえましたし、仲間があってのいいプレーだったと思います。
――調子が良かったというのは具体的にどういう部分でしょうか
ドリブルで仕掛けて何回かCKにつなげたり、抜ききってセンタリングを上げれてたりという部分ですね。
――後半はかなり攻守の切り替えがうまくいってましたがハーフタイムに何か指示はありましたか
結構自分のサイドで攻められることが多くて、自分のサイドのサイドバック(DF山本有一、人3=神奈川・桐蔭学園)が高い位置をとったときに自分が低い位置に下がっちゃうことがあったので、サイドハーフの自分がもっと高い位置をとってそこでボールを奪っていこうという話をしました。
――プレスもうまくハマってましたが手応えは
そうですね、結構ハマってたと思います。ハーフタイムで話したこともできてましたし、高い位置からインターセプトできてたので良かったかなと思います。
――山本有一選手との縦の関係はいかがでしたか
山くん(山本有)とはあんまり組むことなかったんですけど、山くんは結構気を使える選手でして、後ろから声掛けしてくれるので自分のポジション修正もできたし、良かったです。
――相手のサイド攻撃に対しての守備に関してはいかがでしたか
まあ特にこっちサイドでは後半もやられてなかったし、大丈夫だったかなという印象です。
――途中からサイドバックにポジションを変えましたが何かプレー面で意識したことはありますか
自分がサイドハーフやってるときは後ろの選手に声掛けしてもらって助けられてたので、前の選手にしっかり声掛けするようにしました。
――ただ試合終了間際にPKを与え同点に追いつかれてしまいました
悔しいですね。きわどいプレーだと思いましたけど、最後集中力が途切れてバラバラになってたことが原因だったと思います。
――バラバラになってた、というのは
みんな自分のプレーが定まってなかったというか、相手の声援が大きい分周りの声も聞こえにくかったですし、自分の好きなプレーをしてしまって最後団結できなかったと思います。試合をコントロールできず、それらが全部出たのが最後のPKの場面だったと思います。
――試合後のミーティングの内容は
ワセダらしさっていうのは結構出ていて、勝てなかったのは悔しいですけど、いい経験になったということを話しました。
――次戦、そして残りの順位リーグに向けての意気込みをお願いします
こういう悔しい思いはしたくないですし、1位を取るのが自分たちの使命なので、残り全勝します。