連日試合が行われているユニオンドリームチャレンジカップ2014も残り2試合。準決勝に進出したワセダは同大と対戦した。試合は前半から攻守にアグレッシブな展開となる。中盤でのハードワークから押し込まれる場面もあったが、25分にCKからFW上形洋介(スポ4=東京・早実)のゴールで先制。39分にもFKのチャンスから上形が相手の隙を突きリードを広げる。守っては何本か危険なシュートを打たれるも、GK松澤香輝副将(スポ4=千葉・流通経大柏)を中心にゴールを許さず。2-0で勝利し決勝へと駒を進めた。
試合は序盤から激しい攻防を繰り広げる。ハードワークを武器に数的優位をつくる同大に対し、ワセダは中盤でなかなか自由にプレーをさせてもらえない。8分には高い位置でのインターセプトからポストすれすれのシュートを打たれ肝を冷す。その後もサイドを中心に速さを出してくる攻撃を前に嫌なムードが漂うワセダイレブン。この状況を変えたのは、またしてもセットプレーだった。25分、CKをファーサイドのMF堀田稜(商3=浦和レッズユース)が折り返すと、中央に構えた上形が押し込み先制。桃山学院大戦(○2-1)同様苦しい時間帯にCKが冴えわたり、前半をリードして折り返す。
右サイドで先発した永井は終始安定したプレーを披露
後半に入ると一転、ワセダが攻勢を強める展開となる。FW山内寛史(商2=東京・国学院久我山)ら前線の守備からのボール奪取からリズムをつくり相手ゴールに迫ると、40分にFKを獲得。ここで相手の守備が乱れた隙を突き、上形がリスタートからシュート。「非常に賢いプレーだったと思います」(DF田中進之介、スポ4=湘南ベルマーレユース)とチームメートも語るワンプレーでネットを揺らし、貴重な2点目を挙げる。これで前に出るしかなくなった同大は素早い縦へのパスを中心に反撃。人数をかけて攻め込まれ何本か危険なシュートを打たれる。しかし連日の失点の反省から最後の部分での集中した守りでゴールを許さず。逆に終了間際の67、70分にはカウンターからフィニッシュまで持っていくなど、最後まで攻めの姿勢を貫きそのまま試合終了。見事決勝への切符を手にした。
2得点の活躍の上形
いよいよ決勝を迎えるワセダ。ここまで決して楽な試合などなかった。ほとんど全ての試合で接戦を演じ、時に敗れて悔しい思いをした上での決勝進出。あすはタイトルを懸け筑波大と対戦する。同じ関東大学リーグ戦のチームなだけに、決して一筋縄ではいかないだろう。6月の連敗で痛感した『メンタル面の弱さ』、『個の力不足』の双方が求められるに違いない。「ワセダらしくひたむきに戦って勝利し、優勝します。」(山内)。あす、成長したワセダイレブンの真価が問われる。
(記事 増山祐史、写真 橘高安津子、巌千咲)
スターティングメンバ―
ユニオンカップ準決勝 | ||||
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早大 | 2 | 1-0 1-0 |
0 | 同大 |
【得点者】25、39上形 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 松澤香輝 | スポ4 | 千葉・流通経大柏 |
DF | 27 | 永井あとむ | スポ4 | FC東京U-18 |
DF | 3 | 田中進之介 | スポ4 | 湘南ベルマーレユース |
DF | 4 | 金澤拓真 | スポ3 | 横浜F・マリノスユース |
DF | 18 | 平澤俊輔 | スポ2 | JFAアカデミー福島 |
MF | 15 | 秋山陽介 | スポ1 | 千葉・流通経大柏 |
MF | →64 | 山下翔平 | 商4 | ヴィッセル神戸ユース |
MF | 17 | 佐藤飛天 | スポ2 | 清水エスパルスユース |
MF | 7 | 近藤貴司 | 教4 | 三菱養和SCユース |
MF | 8 | 堀田稜 | 商3 | 浦和レッズユース |
FW | 14 | 山内寛史 | 商2 | 東京・国学院久我山 |
FW | 11 | 上形洋介 | スポ4 | 東京・早実 |
◎はゲームキャプテン 監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実) |
コメント
FW上形洋介(スポ4=東京・早実)
――2得点の活躍でしたが振り返って
FWは点を取ってチームを勝利に導くことが仕事だと思うので、その点に関してはよかったと思います。
――開始からアグレッシブにくる相手に対し何か意識したことはありますか
いままでの相手より惜しみ無くハードワークしてくる相手で、いつもよりいいボール状況ができずらかったのでアクションが起こしずらかったです。その中でも強引に深さをとる動きやボールをもっと引き出せていたら、もっと楽に試合を進められたのかなと思います。
――先制点の場面を振り返って
山内(FW山内寛史、商2=東京・国学院久我山)のいいボールから堀田(MF堀田稜、商3=浦和レッズユース)が折り返してくれて、拓真(DF金澤拓真、スポ3=横浜F・マリノスユース)強く競り合ってくれたおかげです。自分は押し込んだだけです。
――2点目の場面は冷静な判断でしたが振り返って
相手GKがハンドをした時点で、たぶん相手にとって一瞬隙が生まれるだろうと思ったのでそこを突きました。
――2トップの山内選手やサイドハーフの選手との連携が高まってきた印象ですが、自身の手応えは
試合を積み重ねていく中で試合後にお互い話し合って修正していってるので、いい関係が生まれてきていると思います。
――本日も2得点でしたがストライカーとして自身のプレーは何点くらいの評価ですが
チームを勝利に導いたという点では評価できるのですが、まだまだ個の力でシュートまでもっていける場面も少ないので、60点くらいです。
――連戦の疲労の影響は
すこし疲労がたまってきていますが、この程度の疲労ならまだまだ大丈夫です。
――あしたは筑波大との決勝戦です。関東大学リーグ戦では得点も決めてますが(○1-0)意気込みの方をお願いします
筑波大は一人一人うまくてやりづらい相手ですが、ワセダらしくひたむきに戦って勝利し、優勝します。
MF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)
――決勝進出の懸る試合でしたがどのような意気込みで望まれましたか
決勝に進むことはそこまで意識せず、とにかく目の前の試合に勝つことだけを考えてプレーしました。
――2-0という結果についてはどのように捉えていらっしゃいますか
セットプレーから2点取れたことは良かったですが、内容のところで特に守備の面で押し込まれた時になかなかファーストプレッシャーが定まらず、厳しい試合展開になってしまいました。
――きょうは積極的にシュートまで持ち込む場面も見られましたが、ご自身の攻撃面についてはいかがですか
ドリブルであったりスピードの部分ではチャンスをつくれてたと思いますが、今大会まだ無得点なので全く納得してないです。
――チーム全体の守備に関してはいかがですか
先ほども述べましたが、後半時間が進むにつれて、自分たちから能動的に守備ができず、相手に押し込まれてしまったので、そこの面は改善しなければならないなと感じています。
――あすの決勝に向けての意気込みをお願いします
優勝だけを目指して今大会望んでいるので、その中でも内容にもこだわって良いかたちで終われるようチーム全員で頑張ります。
DF田中進之介(スポ4=湘南ベルマーレユース)
――勝利という結果について、率直な感想は
あすの決勝に進むことができてうれしく思っています。
――きのうの試合から修正した点があれば教えてくださいか
守備から攻撃の切り替えを意識して行いました。また、ゴールを守るためにディフェンスラインの距離感、ボランチとの距離感を意識していました。
――優勝には勝利が絶対条件の中、勝ち切ることができた要因はどこにあったと思いますか
セットプレーからゴールを決めることができたことが大きかったと思います。
――無失点に抑えましたが、ディフェンスの出来はいかがでしたか
相手にバイタルエリアに侵入されるシーンが多くあり、満足いく内容ではありませんでした。
――上形選手(FW洋介、スポ4=東京・早実)の得点シーンについて感想は
非常に賢いプレーだったと思います。ゴールを常に意識しているからこそ、あのプレーにつながったのだと思います。
――プレーについて個人的な反省点はありますか
ボールを奪ったあと、攻撃の始まりになることを意識してプレーをしていました。しかし、ボールを大事にしようとするあまり、積極的な判断ができていませんでした。ボールを失わず、かつ大胆な判断ができるようしなければならないと思います。
――あしたの決勝につながる、チームとしての収穫があったら教えてください
ボランチとの連携は試合を重ねるごとによくなっていると感じています。あすはボールを動かすことのうまい筑波大相手にどこまで通用するのか試してみたいと思っています。
――最後に、あすの意気込みをお願いします
このチームでプレーできるのもあと少しになってしまいました。自分のプレーで一つでも多くのタイトルをもたらせるよう全力でプレーします。
DF永井あとむ(スポ4=FC東京U-18)
――試合全体の感想をお願いします。
同大は前線からプレッシャーを掛けてきたり、球際で厳しくきたり、関東リーグ(関東大学リーグ戦)のリアリティがすごくあって、本当に良い相手と対戦することができたなというのが感想です。個人としては自分自身、トップチームのスタメンとして出るのは初めてだったので、とにかく自分の強みを出してプレーをすることを意識してゲームに入りました。
――MF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)選手との連携やオーバーラップなどの積極的な攻撃参加で意識したことはなんですか。
たかし(近藤貴)とは事前に話し合っていて、たかしがカットインして中に入ったタイミングで自分がオーバーラップしていくということを徹底して意識してやりました。何度か良いかたちをつくることができましたが、まだまだその数を増やすことはできると思うので、さらにチャレンジしていきたいと思っています。
――先制点の場面や、自身もターゲットとなるなどしたセットプレーに関してチームでは何を話し合いましたか。
このような拮抗(きっこう)した試合では、セットプレーで得点できるかできないかが勝利に大きく関わるというのは常にチームで話しています。自分が入ったことで、より高さでは強みが増したと思いますが、自分自身チャンスがあった中で決めることができませんでしたし、チームとしてセットプレーを強みとしていくためには、一つ一つこだわりを持って、もっとセットプレーからの得点を増やさなければいけないと思っています。
――相手の人数をかけ連動した攻めに中央を破られる場面が多く見られました。守備を振り返っていかがですか。
後半の半ば以降は自分たちの運動量も落ちてしまって、一番危険な中央を閉めて守備をするということが徹底できない時間が出てきてしまいました。そういう時間の時こそ、守備陣がより声を掛けたり、自らファーストディフェンスになることで、守備がハマらない時間をつくらないことにもつながると思うので、そこの部分は課題であると思います。
――決勝戦へ向け抱負をお願いします。
自分たちはどんな大会でも1位にならなければ意味がないということは全員が理解しています。相手は筑波大ということで関東リーグでも対戦するすごく良い相手で、さらに決勝戦という良い緊張感で試合ができることを楽しみながら、優勝できるように良い準備をしてあしたの試合に臨みたいと思います。
DF金澤拓真(スポ3=横浜F・マリノスユース)
――決勝進出が懸かった試合でしたが、チームとして個人としてはどのような意識で臨みましたか
チームとして優勝することを目標としている中で絶対に勝利を手にするという意識で臨みました。その中で無失点で試合を終えること、いい守備からいい攻撃につなげることを個人的に意識して試合に臨みました。
――2ー0で勝利しましたが内容の方はいかがでしたか
CKとFKとセットプレーから得点を挙げられたことはチームとして良かったと思います。しかし相手の切り替えの早さや前線からのハードワークといった自分たちの強みで圧倒することができなかったことやゴール付近からシュートを打たれる回数が多かったことなど課題は多く出たゲームだと思います。
――無失点に抑えた試合でしたが、DF陣の全体的な評価をお願いします
きのうの中京大戦(△0-0)での課題として、バイタルエリアでフリーで受けられ、スピードアップの機会を与えたことがありました。きょうの試合でボランチの選手がバイタルエリアを意識して消しながら、プレッシャーを掛けにいくことが少しずつできるようになり、進歩した部分はあったと思います。しかし、特に後半では中央を崩され危険な位置から多くのシュートを打たれてしまっているので、まだまだ改善しなければいけないことは多いと思います。
――ディフェンスを突破され、中央からシュートを打たれてしまうシーンも見受けられましたが、その点についてはいかがですか
DFの人数がそろっている中で連続してファーストディフェンスを決定することやそこでの粘り強さを欠いてしまったと思います。一度落ち着いた相手に能動的にプレッシャーを掛けるといったところで近い人同士の関係性を深める必要があると思います。
――決勝の相手は筑波大ですが、意気込みをお願いします
ポゼッションがうまい相手に対して、チームとしても個人としてもどれだけボールを奪えるかをチャレンジしていきたいです。苦しい試合にはなると思いますが、全員でハードワークして勝ち切り、優勝して大会を終えたいです。
DF平澤俊輔(スポ2=JFAアカデミー福島)
――試合全体を振り返ってみていかがですか
セットプレーで、相手の隙を逃さずに得点することできたことは良かったですが、後半時間が経つにつれて、相手に押し込まれてしまったので、課題が残った試合だったと思います。
――今試合は決勝進出がかかった一戦となりましたが、特別な思いはありましたか
決勝トーナメントということで負ければ終わりという状況なので、自分としては無失点というところを意識して臨みました。
――同大が相手ということで、気をつけたことはありましたか
同志社(同大)はプレッシャーも速くて、攻守にハードワークするチームだったので、自分たちも同じような強み持ってるのでそこで負けないようにという意識しました。
――前試合と比べて変わったことは何ですか
ミーティングで課題や良いところを確認したので、そこにチャレンジしようとプレーしました。
――無失点に抑えることができた要因は何ですか
松くん(GK松澤香輝副将、スポ4=千葉・流通経大柏)を中心に、体を張った守備ができたと思います。
――攻撃面でのプレーを振り返ってみていかがですか
攻撃に関しては、自分のところで何回か(ボールを)失ってしまったので、課題がでてしまいました。
――最後に決勝に向けての意気込みをお願いします
相手が筑波(筑波大)ですが自分たちのサッカーをして勝てるように良い準備していきます。
FW山内寛史(商2=東京・国学院久我山)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
得点を奪うという課題がまた残りました。守備に関してはきのうのミーティングで共有した点が改善できたのがよかったと思います。攻撃に関しても厚みを加えたカウンターが何度かできたのでそれを得点つなげられればいいと思います。
――相手守備陣の印象はいかがでしたか
足元に強くくるタイプではなく引いて守るタイプだったので、自分のプレーはしやすかったです。
――ツートップを組むFW上形洋介(スポ4=東京・早実)選手の2ゴールで勝ち切りましたがどのように感じましたか
上形くんは自分よりファーストアクションが速く自分はその後ろに入ることでこぼれ球や落としを拾って攻撃につなげるという2人の関係性は非常にいいと思います。
――ご自身のプレーについてはいかがでしたか 修正点はどのようなところでしょうか
きょうの試合では頻繁に顔をだして自分の長所を出せたのでそこに関してはよかったと思います。しかし引いてさばいてからもう一度ゴール前に入り得点を奪うというところまでできなかったのでそこが今後の課題です。
――最後に決勝戦へ向けての意気込みをお願いします
今大会いまだ得点を奪えていないので決勝で自分の得点で勝利できるように、まずは守備からしっかりやり勝ちたいと思います。