痛恨のドロー、優勝は厳しい状況に

ア式蹴球男子

 前節3試合ぶりの勝利となったが、依然優勝に向けてひとつも負けられないワセダ。第10節の相手は東京国際大。相手の堅いディフェンスに苦しめられ、互いに無得点のまま前半を終える。すると試合は53分にクリアミスから先制点を奪われる展開に。勝ち点3を何としてでも取りたいワセダは83分、DF永井あとむ(スポ4=FC東京U-18)がCKからニアに走り込みヘディングシュートを決め同点に追いつく。その後立て続けに攻めるも決定力を欠き、ゴールを奪えないまま試合終了。インディペンデンスリーグ優勝に向け痛恨のドローとなってしまった。

 

 前半からお互いチャンスをつくるものの、ゴールネットを揺らすことができずに試合は進んでいく。ワセダはサイドからの攻撃やスルーパスでチャンスを多くつくるも、相手の堅いディフェンスに苦しめられシュートまで持ち込むことができない。それでも25分にはMF今来俊介(スポ1=神奈川・桐光学園)がFKの跳ね返りからドリブルで持ち込んでシュートを狙うも、得点を奪うことはできず。一方DF面は、相手に攻め込まれる場面も多くあったが、空中戦での競り合いで強さを見せ0-0のまま前半を折り返す。

 

ドリブルでアクセントを加えた中谷

 後半、開始早々中央を崩され嫌なムードが漂う中、53分にロングボールの処理を誤りボールを奪われてしまう。すると相手にGKとの1対1の局面でゴールを決められ、前節(○2-1駒大)と同じくまたもや先制点を奪われる苦しい展開に。絶対に負けられないワセダは68分、途中交代のMF山下翔平(商4=ヴィッセル神戸ユース)がシュートを放つなど、徐々に攻撃のリズムをつくり始める。すると83分、「イメージ通りだった」(永井)と話すように、FW小林大地(スポ2=千葉・流通経大柏)からのCKに永井がニアに走り込み、倒れこみながらも頭で触り待望の同点弾を決めた。勝ち越しを狙うなか、90分には途中出場のMF中山雄希(スポ2=大宮アルディージャユース)がGKとの1対1という決定的な場面を迎えるなど、試合終了間際に何度も相手ゴールに迫るが決定力を欠き1-1のまま試合終了。エンジイレブンにとっては、目標としている優勝が遠のく結果となってしまった。

同点ゴールを叩き込んだ永井

 きょうの引き分けによって自力でのグループリーグ突破は厳しい状況に。「これが自分たちの実力だし、それがいまのチームの状況」(小林)と話すように、課題が残る試合となってしまった。しかし、今節は前節での1年生の活躍に奮起されてか、上級生の活躍が目立った試合とも言える。残りの試合を勝つしかない状況において、上級生とルーキーが互いに高め合えるようなチームづくりや雰囲気づくりが必要だろう。いかに自分をアピールし、今後につなげ、チームを勝利に導くのか。次節、ワセダの真価が問われる試合になるかもしれない。

(記事 大森葵、写真 芦川葉子)

スターティングメンバ―

Iリーグ第10節
早大 0-0
1-1
東京国際大
【得点者】(早)84永井 (東)52渡邉
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 岩井稜 文3 静岡・藤枝東
DF 山本有一 人3 神奈川・桐蔭学園
DF →65分 恩田雄基 スポ3 埼玉・西武台
DF 永井あとむ スポ4 FC東京U-18
DF 平澤俊輔 スポ2 JFAアカデミー福島
DF 木下諒 社1 JFAアカデミー福島
MF 海野洋介 社4 千葉・流通経大柏
MF 秋山陽介 スポ1 千葉・流通経大柏
FW →54分 西本八博 スポ2 岐阜・多治見北
MF 今来俊介 商1 神奈川・桐光学園
MF →65分 山下翔平 商4 ヴィッセル神戸ユース
MF 中谷幸葉 スポ4 千葉・八千代
FW 11 武颯 スポ1 横浜F・マリノスユース
MF →74分 中山雄希 スポ2 大宮アルディージャユース
FW 10 小林大地 スポ2 千葉・流通経大柏
 監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース)

現在の勝ち点【20】6勝2分2敗

コメント

DF永井あとむ(スポ4=FC東京U-18)

――きょうの試合を振り返って

残り3試合、全部勝たなければならない状況で、勝てなかったというのは本当に正直痛かったです。自分の一回のミスで失点してしまって、それで引き分けになってしまったので、本当にチームに申し訳ないなという気持ちです。

――相手の10番の選手(渡邉威)とのマッチアップはいかがでしたか

相手の10番の選手は体も強くて、背はあまり大きくないですがヘディングも強い選手でした。けれども、前半は先に自分が競り合いのところではジャンプして先に触るということであったり、競り合いのところではできるだけ、自分も自信を持っているところなので、絶対に負けないように意識してやっていました。

――前半なかなか攻撃のリズムをつくれない中、守備の面はいかがでしたか

攻撃のところでは、今週一週間やってきた大きくアクションを起こして、相手のディフェンスを動かすというところが全然できなくて、いいかたちがあまりできなかったです。でも、ディフェンスのところでは、相手がボールを奪ったところや簡単にボールを入れてくるところで、俺と俊輔(DF平澤俊輔、スポ2=JFAアカデミー福島)のところで、何回か処理をミスしてしまって、ピンチになってしまったところもあったのですが、それ以外ではあまりピンチの場面はなかったと思うので、大きなミスはありませんでした。でも、1回の大きなクリアミスをしてしまうと、ピンチになってしまうので、今後課題としていかないといけないと思います。

――後半のもったいないミスからの失点について

あれはコミュニケーションの問題とかではなく自分のただのミスでした。

――CKからの得点シーンについて

あれは、自分がミスして失点してしまったので、なんとかして取り返さなければいけないという気持ちでした。相手のマークの付き方からして、ニアに走り込めば必ず先に触れるなという、何回かCKをやっていてチャンスがあったので、それを意識してニアに走り込んだところで、大地(FW小林大地、スポ2=千葉・流通経大柏)からニアにすごく速い良いボールが来たので、あとは合わせるだけでした。イメージ通りのかたちでした。

――引き分けという結果について

もう本当に、2分2敗というかたちになってしまって、決勝リーグに上がれるか分からない状況になってしまいました。他力かもしれませんが、上に上がれることを信じて、残り2試合必ず勝って、決勝リーグに上がれれば上がりたいなと思っています。

FW小林大地(スポ2=千葉・流通経大柏)

――きょうの試合を振り返って

練習でしてきたことが発揮できず引き分けになってしまい、悔しいという気持ちです。

――2トップの一角として出場しましたが、なかなかスルーパスが通らないシーンがありました

前半に関しては相手のDFラインが動かなくて、アクションを起こす意識はあったんですけどなかなかうまくいきませんでした。

――ハーフタイムでの修正点は

もっとアクションを起こしてDFラインを動かしていくことです。強く大きく動いていこうと話してました。

――何度か落ちてきてボールを受ける場面が目立ちました

相手のDFラインが低かったので、裏へのパスは無理だなと思ったら落ちて受けようとしました。そこに対してはプレッシャーも来なくて前向きに受けられたので、チャンスをつくろうという意識でやってました。

――ボランチに代わってからのプレーは

もっと走ってセカンドボールを拾って守備もして、ってやらなくてはいけなかったんですけど、攻撃しなくちゃいけないところを中途半端にしてしまった感じです。

――逆転できる場面は何度かあった中で決め切れなかった要因は

チャンスがたくさんあった中で引き分けになったのが自分たちの実力だし、それがいまのチーム状況なんだと思います。

――試合後チームでどういった話をしましたか

もっと個人としてもチームとしてももっとスケールアップをしなくちゃいけないという話をしました。

――次節に向けての意気込みを

負けがゆるされない状況には変わりないですので、勝ち続けて少しでも可能性を残しトーナメントに進めるように頑張りたいです。