決定力不足に泣き敗戦、開幕連勝は5でストップ

ア式蹴球男子

 前節7ゴールで快勝し、開幕5連勝中で迎えるインディペンデンスリーグ(Iリーグ)。第6節の相手は関東学院大。Aチームが公式戦で苦戦する中、何としてでもアピールしたいところだ。しかし試合は前半にセットプレーからの2失点を含む、3失点を喫してしまう。後半はワセダが主導権を握るも、FW小林大地(スポ2=千葉・流通経大柏)の1得点に終わり1-3で今季初黒星となってしまった。

 序盤は両チーム共にプレーに硬さが見られ、なかなかシュートまで持ち込めない状況が続く。そんな中、次第に関東学院がボールを支配し始め20分に初シュートが生まれる。すると直後の22分にワセダは先制点を献上してしまう。やや遠目の位置からのFKを相手がヘディングシュート。これは、GK中村大志(法3=東京・早大学院)が防ぐが、こぼれ球をさらに相手が押し込みゴール。さらに34分には相手の個人技で右サイドを切れ込まれ、そのままシュートまでいかれてしまい失点。ワセダは攻撃のかたちがなかなかつくれない。逆に40分には相手の精度の高いCKからヘッドで決められ3失点目を許してしまう。ワセダは前半、シュート3本に抑えられ運動量が上がらず、良いところなく前半を終える。

ケガから復帰した小林

 後半、攻めるしかないワセダは運動量を増やし攻勢に出るもシュートを放つことができない。状況を変えるばく53分にはFW牟田翼(基理3=佐賀・鹿島)が投入される。その牟田は55分にCKからヘディングでゴールを狙うも枠を外れてしまう。66分には、MF海野洋介(社4=千葉・流通経済大柏)が牟田とのパス交換でPA内に侵入しシュートするも、相手GKが好セーブ。しかし、それで得たCKのこぼれ球を小林がオーバーヘッドでゴールに突き刺す。1点を返し、さらに勢いづいたワセダは自分たちのペースで試合を動かしていった。だが、相手も体を張った守備で応戦し、セカンドボールを渡さない。終盤、何とか得点の機会をうかがうも1点が遠くそのまま試合終了。1-3で敗戦し、開幕6連勝とはならなかった。

積極的に攻撃を組み立てた大丸

 Iリーグ出場選手たちにとってはAチームの状況が良くない中、絶好のアピールの場であったが、うまくいかずに終わってしまった。「前半の戦い方が全てだった」(MF大丸瞬、教3=東京・早実)と言うように前半の3失点が悔やまれるところである。Aチームの流れがそのまま移ってしまったようにも感じられた。ワセダ全体の士気を高めるためにも、下からの押し上げは重要である。次節は慶大との対戦であるが、そこではワセダらしさを取り戻せることを期待したい。

(記事 出口敬太、写真 増山祐史)

現在の勝ち点【15】5勝0分1敗

コメント

MF小長谷勇太(人3=静岡・清水東)

――MFでの出場となりましたがいかがでしたか

前半は立ち上がりを意識したんですけど、最初のプレッシャーや攻守の切り替えの強度がチームとしてできてなく、相手にペースを握られ1失点、2、3失点とずるずる取られてしまいました。後半は改善してやろうとしたんですけど、最初の入りが悪いと試合が決まってしまうというのがきょうの反省です。

――攻撃面ですが、相手が中央を固めてきた中でサイドでボールを持った時にどんなクロスなどを意識しましたか

サイドで受けましたけど孤立してしまって、中にも入れませんでした。DFラインが低くてなかなか前に押し上げられず、右サイドはそうでもなかったですが自分の方が孤立してパスコースがなかったので、そこから起点に攻撃していきたかったですけど行き詰ってしまいました。

――守備面ですが3失点した主な要因は

1失点目は単なるマークの外しってところでしたし、他の失点も前からプレスををかけたらチーム全体が共有してポジション取りしていかなくてはけないところを、後ろの人が連動せず守備できなかったのが大きな要因です。だから相手に前を向かれて攻撃されてしまいましたし、やっあり連動した守備がないとワセダのサッカーは成り立たないと思うので、そういうところをもっと全体で共有しないといけないと思います。

――後半はPA付近からシュートを打ったりボールを呼び込む動きが目立ちました

後半はみんなが共有してセカンドボールを拾ったり、縦に入った後の動きをみんなができてたので厚みがあったと思います。自分がボールを持った時に追い越す動きもありましたし、やっぱりそういう動きがあるとみんながパスやドリブルで仕掛けやすくなります。そういったボールを追い越す運動量が前半から足りなかったと思います。

――試合後のミーティングの内容は

チームとしてワセダが厳しい状況の中で、運動量がカギになってますし、チームのベースを崩して得られる物は何もないと。こういう状況だからこそ自分たちのやるべきことに立ち返る必要がある、という話をしました。

――次戦、そしてAチームへの復帰に向けての意気込みをお願いします

7月の初めには早慶サッカーもありますし、そこに出たいというのが気持ちとしてあります。一日の練習というのを全力でやらなくてはいけないですし、こういう試合で自分が出て負けたら話にならないので、自分に責任感を持たせてやりたいと思います。

MF大丸瞬(教3=東京・早実)

――今シーズン公式戦初スタメンでしたが、どのような気持ちで臨みましたか

自分自身はずっとケガをしていたので、この試合に懸ける思いはすごい強くて、それがIリーグであろうが関東リーグであろうがその重みは変わらないし、そういう本当に大事な一戦という中で、専大に負けて、FC東京U-18にも負けてチームはいい状況じゃないですけど、この試合で勝っていい流れをつくるという意識でやったんですけど、自分の技量の無さというか、それを改めて痛感した試合でした。

――きょうの試合を振り返ってください

やはり前半の戦い方が全てだったかなと思って、ワセダの強みであるボールを奪ってからの攻守の切り替えで、先手を取ってゴールまで行くというところだったり、運動量だったりという所が全部中途半端だったから、ああいう結果になったと思うので、本当に前半のあの戦いが全てだったと思います。

――前半はチームとしてシュートの機会が少なく、攻撃がうまくいってないように見えましたがいかがですか

守備に追われる時間がすごい長かったので、その分攻撃に使う力というのが少なくて、それが大きな原因かなと思います。

――それを受けて、後半はどのように臨もうと意識しましたか

前からプレッシャーをかけて、そこから相手陣地でサッカーをしようということを考えていたので、みんなそこを意識してやっていたから、後半はある程度いいサッカーはできましたけれど、やっぱり最初からやらないとああいうことになるな、ということを身を持って体感しました。

――後半は攻めたにもかかわらず1点に終わりましたが、何が足りなかったでしょうか

やっぱりこのIリーグに出ている選手だけの課題ではなくて、いまワセダの課題として挙げられている決定力不足というところが、この試合でも露呈されたかなと思っていて、ゴールには近づいても1点が遠いという状況がこの試合でもあるいは練習でも続いているので、そこは本当に一人一人が向き合って、どのポジションの選手でもゴールを奪える力を身に付ける必要があるのかなと思います。

――次節の慶大戦に向けて意気込みをお願いします

慶大には負けられないし、早慶サッカー定期戦も控えているので、最高のパフォーマンスをして、チーム全体が変わるいいきっかけになればいいなと思います。

FW小林大地(スポ2=千葉・流通経大柏)

――FWでの出場となりましたがプレーの方はいかがでしたか

前半は自分がプレスのスイッチになれなくて3失点というかたちになりましたが、後半は切り替えて裏に抜ける動きで押し込めたので、後半の戦いが前半からできていればと思います。

――ケガからの復帰となりましたがコンディションの方は

徐々に戻ってきてますし、いま走りのメニューもやっていてそのメニューもこなせてるので問題ないと思います。

―前半は守備に追われる場面が目立ちました

前半に関しては攻撃の手応えっていうのはほとんどなくて、後半はシュートまでいける場面があったので後半は良かったと思います。

――オーバーヘッドシュートの場面を振り返って

ゴールに背中を向けてたので、一瞬のひらめきで打ちました。

――後半は人数をかけて押し込めましたが、前半できなかった要因は

全体的に下がってしまって前に人数をかけられなかったのが原因だと思います。

――試合後のミーティングは

後半のような戦いを前半からやるっていうのと、前半何もチャレンジせずに終わってしまったことをしっかり反省して、これからの練習で生かしていこうという話をしました。

――ケガ前はAチームにも帯同していた中で、今後の復帰への意気込みをお願いします

一回ケガで離脱してからAチームを離れてしまったんですけど、その間も定期戦(早慶サッカー)に最高点を合わせようとう意識でいたので、そこでメンバーに入れるようにしたいです。