振り続ける雨は、エンジイレブンの象徴のようだった。2日前の国士舘大戦(●0-2)の敗北から中1日で迎えたアミノバイタルカップ2014(アミノバイタル杯)順位決定戦。夏に行われる総理大臣杯全日本大学トーナメント(総理大臣杯)への出場権を懸け、ワセダは法大と激突した。試合は悪天候の影響からオープンな展開となる。後半にFW宮本拓弥(スポ3=千葉・流通経大柏)のゴールで先制したが、終了間際に追いつかれ延長戦へ持ち込まれると、延長前半に逆転弾を許すかたちに。その後必死に同点弾を目指すも力及ばず。4年ぶりに総理大臣杯の出場権を逃した。
国士舘大戦で試合の入りを課題としたワセダは集中した立ち上がりを見せる。MF園田慎一郎(社4=東京・早実)を筆頭に、一人一人が球際で戦う気持ちを前面に出し徐々に相手を圧倒。セカンドボールを奪い攻勢を強めると、23分にはMF堀田稜(商3=浦和レッズユース)のクロスのこぼれ球にMF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)が反応。シュートは惜しくも枠を外れるも、得点の予感が徐々にピッチを覆い始める。41分にも宮本が自ら奪ったボールをそのまま持ち込みミドルシュートを放つなど、MF近藤洋史主将(スポ4=名古屋グランパスU-18)の不在をカバーする内容で前半を終えた。
先制点をマークした宮本(左)
「一人一人決断してシュートを打つことを意識した」(近藤貴)。何としても先制点が欲しいワセダは後半も相手を押し込む。雨が強まった影響からよりシンプルにクロスを入れゴールに迫る攻撃に。61分にはFKにFW上形洋介(スポ4=東京・早実)が合わせるも相手GKの好守に遭う。67、68分にはいずれもボランチ起用となったDF奥山政幸(スポ3=名古屋グランパスU-18)がシュートを放つも、ネットを揺らせずスコアレスの時間が続く。だが74分、待望の瞬間が訪れた。DF新井純平(スポ2=浦和レッズユース)が低い弾道のクロスを入れると、これを宮本が左足を一閃。ボールは相手ゴールに突き刺さり、実に274分ぶりとなる得点を決めた。これで勢いに乗ったワセダは守備でもDF金澤拓真(スポ3=横浜F・マリノスユース)を中心に奮闘。チャンスをつくらせず試合は終盤に入る。このまま勝利し夏の大阪へ――。誰もがそう確信した87分、PA前にこぼれたボールに相手FWが反応。ボールは無情にもGK松澤香輝副将(スポ4=千葉・流通経大柏)の左手をすり抜けゴールに吸い込まれた。土壇場での同点劇。対象的な両チームの表情には明らかにメンタル面での差があった。さらに迎えた延長では92分に相手のロングシュートが決まり逆転。わずか6分間で追う立場となると、焦りから単純なパスでボールロストを繰り返してしまう。攻撃的な選手を投入するも功を奏せず。試合終了のホイッスルと同時に選手たちはピッチに倒れ込んだ。
試合後うなだれるイレブン
「悔しいの一言に尽きます」(奥山)。試合後のミーティングでは涙を流す選手も少なくなかった。前節の反省を受けみせた、立ち上がりの集中した入り、待望の先制点、ハードワークによる守備、そしてスタンドの応援。勝利をつかむためにいまできることはしたはずだった。だが、それでも負けた。それは土壇場でぶれないメンタル、そして試合を変える決定的な個の力が足りなかったことによるものだろう。試合を決め切る力がない現状では悲願とする関東王者も夢のまた夢だ。夏の全国大会を逃した分、これらを修正する必要があるだろう。再び再開する関東大学リーグ戦に向け、イレブン、そして部員全員による厳しい競争が求められる。止まない雨はないと信じるしかない。
(記事 増山祐史、写真 芦川葉子)
スターティングメンバ―
アミノバイタル順位決定戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 1 | 0-0 1-1 延長前半0-1 延長後半0-0 |
2 | 法大 |
【得点者】(早)74宮本、(法)88、92高橋 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 松澤香輝 | スポ4 | 千葉・流通経大柏 |
DF | 22 | 新井純平 | スポ2 | 浦和レッズユース |
DF | 4 | 金澤拓真 | スポ3 | 横浜F・マリノスユース |
DF | 3 | 田中進之介 | スポ4 | 湘南ベルマーレユース |
DF | 13 | 西山航平 | スポ3 | 浦和レッズユース |
DF | →97分 | 八角大智 | 社3 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 23 | 園田慎一郎 | 社4 | 東京・早実 |
FW | →93分 | 山内寛史 | 商2 | 東京・国学院久我山 |
DF | 2 | 奥山政幸 | スポ3 | 名古屋グランパスU-18 |
MF | 7 | 近藤貴司 | 教4 | 三菱養和SCユース |
MF | 14 | 堀田稜 | 商3 | 浦和レッズユース |
FW | →93分 | 中山雄希 | スポ2 | 大宮アルディージャユース |
FW | 9 | 宮本拓弥 | スポ3 | 千葉・流通経大柏 |
FW | 15 | 上形洋介 | スポ4 | 東京・早実 |
◎はゲームキャプテン 監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実) |
コメント
MF近藤洋史主将(スポ4=名古屋グランパスU-18)
――いまの率直なお気持ちは
大会通じて自分自身チームに貢献できなかったので申し訳ないですし、何もできなかったのが悔しいです。
――主将として試合前に何か声は掛けましたか
言葉というよりはみんなが勝つことを信じてましたし、チームが勝てるために声を出したりすることを心掛けてました。
――ピッチの外から試合を見ていて、チームのプレーで何か感じたものはありますか
みんな戦ってましたし、外から見ていて気持ちが伝わってきたので…感じるものはありました。
――逆にチームとしてどういったところがうまくいってなかったと思いましたか
基本的なところで、フリーをつくってしまえばシュートを打たれますし、競り合いでカバーリングがなければ他のところで先手取られてしまいますし、そういった基本的なところが欠けていたし、失点につながったと思います。
――総理大臣杯全日本大学トーナメント(総理杯)の出場権を逃してしまいました
逃したっていうのは本当に悔しいですし、支えてくれた方のためにも大阪に行かなくてはいけなかったんですけど、結果が伴わず大阪を逃してしまい、夏に自分たちが成長する場を逃してしまったので、そういった中で自分たちでより高めていかなくてはならないと思います。
――主将としてアミノバイタルカップ2014を通してどういったところが課題だと感じてますか
やっぱり国士舘大戦(●0-2)の前半でああいったかたちで強みを出せないのがメンタルの弱さだと思いますし、そういった基本的なところで高めていかないとリーグ戦(関東大学リーグ戦)で上の相手には敵わないと痛感しました。
――気持ちの整理はいまはついてますか
実際総理大臣杯に出れないのは自分にとっては初めてのことなので、受け入れられないという気持ちはあります。ただあしたもありますし、リーグ戦の専大戦、そして天皇杯予選もあります。ここで止まってたらどんどん離されてしまうので、やるしかないと思います。
――リーグ戦に向けての意気込みをお願いします
この大会でも分かったようにまだまだ自分たちは実力が足りてないですし、自分も個の力が足りてなくチームを引っ張っていけなかったので、リーグ戦で苦しい場面がきた時に自分がチームを勝利に導けるように高めていきたいと思います。
GK松澤香輝副将(スポ4=千葉・流通経大柏)
――いまの率直なお気持ちは
本当に悔しいです。応援してくれている仲間、OBの方々の期待に応えられなくて残念な気持ちです。
――雨風強い悪天候となりましたが、気をつけたことは
ボールも滑りやすくなっているのでキャッチングだったり、相手のロングボールに対する注意だったり、そこに関してはミスしないことをとにかく考えてプレーしました。
――2失点という数字については
1点先制した後の2失点だったので絶対やられてはいけない時間帯での失点でしたし、その失点を自分自身が防げなかったというのが心残りです。
――法大の攻撃はどういった印象でしたか
スタートから身長の高い選手を投入してきたので、ロングボールで勝負してくるなっていうのは感じましたし、立ち上がりから押し込まれるシーンっていうのが数多くあったんですけどそれに対する対処はできていたと思います。しかし、途中交代で入ってきた9番(相馬将夏)、10番(高橋健哉)の選手に自分たちがその選手を捕まえきれなかったのかなと思います。
――きょうの試合で見えたチームの課題は
シュートを決め切る力だったり、個で守る力だったり、攻守において勝負を決める選手がこのチームにはまだまだ少ないんじゃないかなと思います。きょうの試合だけではないですけど、個の力が足りないと思います。
――あすは慶大を対戦相手に迎えての一戦となりました。意気込みをお願いします
総理大臣杯への出場権は逃しましたけど、あしたの試合を無駄にしてはいけませんし相手が慶大っていうことで負けてはいけないと思うので勝てるような準備をしていきたいと思います。
FW上形洋介(スポ4=東京・早実)
――試合を振り返って
冷静には考えられないですけど…。本当に大阪に行きたいっていう気持ちが強かった分、今回負けたことのショックも大きいですし、自分の力不足に腹が立ってます。
――前半の入りはいかがでしたか
前節の国士舘大戦(●0-2)であれだけ入りが悪くてそれが負けにつながってしまったと思うので、FWの自分のアクションであったりプレッシャーだったりが鍵を握ってると思ってました。
――きょうはボールを引き出したり、相手DFにプレッシャーを掛けに行く場面が印象的でした
ワセダらしく戦えたとは思うんですけど、実際にチームを勝利に導けなかったし、FWとしてゴールを決めれなかったのがきょうの敗因だと思います。
――雨の影響もありシンプルにクロスを入れる攻撃が多かったですが、クロスに合わせる動きというのはいかがでしたか
前半何度かクロスがニアの選手に引っかかる場面があったので、後半はニアにつめていく意識をしましたし、それでみや(FW宮本拓弥、スポ3=千葉・流通経大柏)のゴールもアシストできたのでそれは良かったと思います。ただもっとクロッサーと中の選手が合わせられたと思うので、トレーニングの中でやってくしかないと思います。
――二回戦からの3試合で1得点という状況はFWとしてどう捉えてますか
チャンスはつくれてない訳じゃないですし、点が取れないという感じでもないと思うので、最後の精度や大胆さというところで欠けていたことが数字に表れてしまったと思います。修正できる課題は明確になってますし、最後決め切るところを高めていかないといけないなと思います。
――総理大臣杯を逃してしまい成長の場を一つ逃してしまいましたがその分どうやって高めていかなくてはいけないと感じてますか
やっぱり関東から6チームが大阪で成長できるという中で、自分たちは出れないんですけど試合が無い分チーム内で競争できる場面が増えると思います。まあいまは大阪に行けないということで頭が真っ白なんですけど、これをいかにポジティブに捉えるかが大切だと思います。
――あしたは早慶戦となりましたが意気込みをお願いします
早慶戦の中では一番あってはいけないような早慶戦ですけど、勝っても負けても何も残りませんが相手が慶大というのは何か運命的なものを感じます。あした勝たなくては今後何も残らないと思いますし、きょう一日しっかり切り替えて今後リーグ戦で成長するために勝利をつかみにいきたいです。
MF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)
――試合の結果に対してどういったお気持ちですか
またきょうも自分が試合を決められず、相手のシュート精度の高さにやられ自分の力不足を痛感した試合でした。
――国士舘大戦(●0-2)の反省から試合の入りは良かったように見えたのですが
選手一人一人が自分のやるべきことを全うしてたと思いますし、その中で前半押し込んでる中で自分のところでゴールを決めれなかったのが全てかなと思います。
――人工芝で雨も強かったのでボールも伸びたりしてましたが、プレーで気を付けたことはありますか
自分が意識したのは、左右から早い段階でクロスを入れれば滑るので、チャンスの段階で早めに(ボールを)入れることを意識しました。
――前半得点がありませんでしたがハーフタイムではどういったことを話し合いましたか
やるべきことは変わりないですし、前半やってきたことを続けてゴールを決めなくてはいけないので、最後は一人一人決断してシュートを打つことを意識しました。
――後半先制点を奪った後はチームとしては攻守のどちらに比重を掛けましたか
残り15分くらいだったんですけど、相手がどんどん前に来る中でも自分たちは背後を狙い続けてゴールを決めようと思ってましたし、その中でラスト5分くらいで決められてしまいましたが、そんなにマークは甘くはないかなと思ってたので決められてもそんなに落ち込みませんでした。決められてもチャンスが来たら自分が決めればいいと思ってました。
――延長前半に逆転されてもメンタル面で落ちることはなかったということですか
そうですね。絶対チャンスは来ると思ってましたし落ち込んでても仕方ないので、切り替えて自分のところに(ボールが)来たら決め切ろうと考えてプレーしてました。
――きょうの敗戦の原因はどこにあると考えてますか
自分自身ずっと感じているのは、いままで自分が一年目から関東大学リーグ戦だったり公式戦を戦ってる中で、選手層や一人一人の能力はいまの自分たちの代が一番弱いというところです。シーズン始まってから個の能力を上げようと言ってきた中で、いざ洋史(MF近藤洋史主将、スポ4=名古屋グランパスU-18)がいなくなった時に、やっぱりチーム力としてやりたいことやいままでやってきたことができない、というのが起こってしまいました。それは言い訳にしか過ぎないですけど、自分がチャンスを決めてたら勝てたと思うので、一人一人が能力を上げるしかないのかなと思います。
――310分間で1得点という数字も気になります
トーナメントで相手も守備重視で入ってきて非常に難しかったですけど、国士舘大戦なんか自分のところで何度もチャンスがありましたし、きょうも前半なんかはチャンスがあったので、それを決め切るか決めれないか、そこで決めれなかったのが1点しか取れなかった要因だと思います。
――試合の中で成長と言ってきた中で総理大臣杯に出場できないのは大きいですが、夏はどのようにして高めていきたいと思っていますか
毎年リーグ戦は後期になると勝ち点を取り切れない試合が続いていて、自分たちのサッカーを相手が研究してきた中でブロックつくってきて、そこを崩せませんでした。それに対してはやっぱり一人一人が能力を上げていくしかないですし、自分自身の個の力で勝利に導くことができればリーグ戦優勝も見えてくると思います。まだ先の話ですけど、そういった部分を伸ばしていくしかないと思います。
――あしたの試合は位置づけが難しい試合とも見られますが意気込みを
慶大ということもありますし、試合やるからには一サッカー選手としては勝利にこだわることが当たり前だと思うので、一人一人が切り替えてやってかなくちゃいけないと思います。自分自身個の力でチームを勝たせるゴールを奪うっていうのをシーズン始まる前から意識してやってるので、それを意識して勝てるようにやっていきたいです。
MF園田慎一郎(社4=東京・早実)
――いまのお気持ちは
正直に悔しいですし、自分たちの目標でもある総理大臣杯での優勝っていうのが一つ潰えてしまったので、非常に残念です。
――試合の入りはかなり集中してましたが、やはり前回の国士舘大戦の反省を生かしたものでしょうか
そうですね。前回の試合は前半でエンジンがかかり切らなかったので、それだけは絶対にしちゃいけないという意識をみんなで持って試合に入りました。
――球際での強さも印象的でした
自分が球際で勝つことでチームの推進力を高めて前に前に行けると思ってたので、絶対に球際で負けないことを意識して入りました。
――相手を押し込んだ中で得点が決まらずハーフタイムを迎えましたが、どのようなことを話し合いましたか
やるべきことはいつもと変わらないですし、いつも通りワセダらしいサッカーをしてれば必ず勝てると信じて後半に臨みました。それなのにこのような結果になってしまい残念です。
――後半先制してからのチームのプランは2点目を取りにいくのか、それとも1点を守り抜くのかどちらだったのでしょうか
そこもしっかりいい守備から隙あればいい攻撃にいこうと思ってたんですけど、相手もやられてから攻撃へのエネルギーがすごく、その部分に関してみんなで共有はしてました。ただ相手のすごいシュートが決まってしまったのでそこは仕方ないと思います。
――敗戦の瞬間をベンチから見ていてどのようなお気持ちでしたか
応援してくれる人だったり支えてくれる人のためにプレーしようと思ってたので、勝利というかたちでみなさんの声援に応えられなくて残念でした。
――試合後のミーティングの内容は
負けてしまったんですけど、関東大学リーグ戦もありますし、夏の総理大臣杯に出れなかった分チーム内で競争して高め合っていかなくてはいけないと話し合いました。
――リーグ戦では15日に専大戦が控えてますが、そこに向けての意気込みをお願いします
何が何でも勝たなくてはいけないと思いますし、勝つべき理由はたくさんあるのでそこに向けて準備していきたいと思います。
DF田中進之介(スポ4=湘南ベルマーレユース)
――いまの率直なお気持ちは
悔しいという気持ちが強く、自分たちがこんなもんじゃないと思ってたんですけど、結果が伴わなくて残念です。
――球際で戦ってる印象を受けました
きょうの試合は勝ちたいという気持ちを前面に出して、一つの球際だったり相手との競り合いで勝利していけばチームが勝てると信じて勝負していきました。
――田中進選手がリスクを背負ってでも前にオーバーラップしていくシーンも印象的でしたが振り返って
自分が前向きにボール奪って前出ていくことで、相手の守備ブロックが崩れて得点のチャンスにつながると信じてました。あのプレーをやろうと試合前に決めてたわけではなく、ただただゴールを決めたい、勝ちたいという思いからああいうプレーが出たんだと思います。
――不運なかたちでの2失点でしたが守備陣としてどう捉えてますか
相手の選手の個の能力が得点を生み出していて、自分もどうすればあの得点を防げたかなと考えてるんですけど、なかなか答えは出せないです。ただその中でも一瞬の隙だったり、相手にシュートを打たせないような守備をしてればきょうは勝てたと思うので、そういったところでまだまだ足りないのかなと感じました。
――大会通しての課題は
自分たちの心の弱さが出た大会だったと思います。国士舘大戦(●0-2)の前半だったりきょうの試合であったり、勝たなくてはいけないところで勝てなくて、それは何故かと考えた時にやっぱり実力を発揮できない心の問題なのかなと感じてます。
――逆に成長を感じた場面はありましたか
自分は今シーズンから出させてもらい勝たなきゃいけない状況で試合していく中で、自分のプレーの領域が少しづつ広がっているのは成長だと思います。きょうも自分が前向きにボールを奪った時は積極的にゴールに向かってプレーできてましたし、運動量や攻撃参加で自分の概念を超えたプレーができたのが成長だと思います。
――残るタイトルはリーグ戦、早慶サッカー定期戦、そして全日本大学選手権のみとなりました
総理大臣杯に出れず一つの日本一というタイトルを失ってしまったんですけど、自分たちは残ったタイトルを目指す義務や責任があると思うので、タイトルを獲得できるようにチーム一丸となってやってきたいと思います。
――あしたの試合は早慶戦となりましたが、意気込みの方をお願いします
あしたの試合は全国の切符もタイトルも何も懸かってませんけど、ワセダは慶大には負けてはならないと思うので、自分たちの誇りを懸けて戦いたいと思います。
DF奥山政幸(スポ3=名古屋グランパスUー18)
――接戦をものにすることができませんでした。いまの感想をお願いします
本当に悔しいの一言に尽きます。このチームで大阪の地で戦いたかったです。前節自分は試合に出ていなかったので、チームを絶対勝利に導くっていう強い意志でこの試合に臨んだんですけど、なにもすることができなくてもっと成長しなくてはいけないなと思いました。そして自分たちの力が足りなかったなっていうのを思い知らされました。
――ボランチでの出場となりましたが、プレーをする上でなにか意識したことはありますか
スカウティングの段階で相手がある程度ボールを回してくるという予測から、高い位置まで自分たちで能動的にプレッシャーかけにいこうっていう話をしていました。園くん(MF園田慎一郎、社4=東京・早実)とうまく話し合って、しっかりと動けたと思います。
――前節では前半の入りで崩されてしまいましたが、きょうの試合の入りについては
前の試合は反省点としてラインが重くなってしまったというのがあって、そこはセンターバックの2人(DF田中進之介、スポ4=湘南ベルマーレユース、DF金澤拓真、スポ3=横浜F・マリノスユース)を中心に意識的にラインを下げるなと声をかけていたので、その点に関しては改善できたのかなと思います。
――ワセダが1得点しか奪えなかったことについては
前半はシュートチャンスがほぼ無かったですし、自分も後半2、3本シュートを打ったんですけどそれもゴールに結びつけられませんでした。自分がゴールを決めてやろうという気持ちを持っていたんですけど、それに対する技術不足というか自分たちの力の無さというのがゴールを1点しか奪えなかったというのにつながったのかなと思います。
――なにか敗因を挙げるとしたら
前節前半入りが悪くて、自分たちは普段からプレッシャーをかけて試合に臨んでいるつもりですが、それは自己満足でしかなくてきょうの試合のような勝たないと終わりという追い込まれた試合で本当の強さ、ぶれない心とかそういったメンタル面で甘さが出たかなと感じました。これから練習環境から変えていかないとこれからリーグ戦制覇を目標にする上で、勝ち点3を積み上げていくのは難しいと思うので、あしたからまた切り替えて頑張りたいと思います。
FW宮本拓弥(スポ3=千葉・流通経大柏)
――きょうの試合を振り返って
前半から自分たちらしいサッカーをできていたので試合内容としては良かったと思います。
――では、課題の入りの部分は良かったということでしょうか
そうですね、前節の反省を生かせていたと思います。
――前半の得点が0という点については
やはり積極的に前からプレッシャーをかけていて、相手のやりたい攻撃、ポジションからの早い攻撃をやらせなかったというのは良かった点だと思います。
――後半、先制ゴールを決めた場面はゴール前で押し込むかたちでのシュートでしたが自分で決めてやろうという気持ちはやはりありましたか
あれは僕の前にボールがこぼれてきたので、押し込めば絶対入ると思ったのでスライディングして決めました。
――終盤はポジションをボランチに変えていましたがなにか指示はあったのでしょうか
いや、園田くんが(MF園田慎一郎、社4=東京・早実)下がったら、僕が一つポジションを下げて後ろからどんどん厚みをかけていこうという決まりですね、古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)の狙いもそうだと思います。
――ボランチで意識したことは
ボランチでもどんどん前に出て、得意としているミドルシュートを狙っていこうと思いました。
――アミノバイタルカップを通して見えた課題は
国士舘大戦では前半のエネルギーの無さ、そこで勝てないメンタリティの弱さというのが出てしまい、きょうみたいに臨めれば勝てていたと思います。総理大臣杯という大きな大会には出られませんが出られないなかでも成長していかなくてはいけないなと思います。
――これからチームで変えていかなければいかない点はどういったところだと思いますか
より大胆な攻撃だったり、もっとアクションの量を増やしたり、後ろからでもどんどん裏にボールを蹴れるとか、パスの質を上げるとかそういった点を改善しなくてはいけないと思います。
――あしたの試合は相手が慶大ということもあり絶対に負けられない試合だと思いますが、なにか意気込みは
相手が慶大なので絶対に負けられないし順位も大事になってくると思うので、きょうと変わらずしっかりやっていきたいと思います。