開幕から3連勝と好調な結果を残しているインディペンデンスリーグ(Iリーグ)。第4節は産能大との対戦だ。試合はMF渋谷勇太郎(社2=神奈川・桐蔭学園)が先制点を奪い、一度は同点に追いつかれるも、MF柳沢拓弥(社1=清水エスパルスユース)、MF山下翔平(商4=ヴィッセル神戸ユース)が続けてゴールを決め、3-1で開幕4連勝を飾った。
開始早々、サイドを使った攻撃で押し込むがゴールにまで至らない。負けじと産能大もスペースを突き、果敢にゴールにまで持っていく試合展開。このまま互角の戦いが繰り広げられるのかと思われた26分。MF田中太郎(商3=静岡・藤枝東)が縦に出したパスを渋谷が受けると、相手GKの股を抜くシュートで先制する。しかし36分、山下のパスミスを奪った相手MFが前線にスルーパス。これを決められ同点に追いつかれてしまう。嫌なムードが漂う東伏見グラウンド。だがその数秒後、リスタートから柳沢が得意のドリブルでPAまで持ち込むと、そのままゴールネットに突き刺さるシュートを決めすぐさま勝ち越しに成功する。再び流れに乗りたいワセダはその後2トップの競り合いからチャンスをつくるも、ゴールまで持っていくことはできずにそのまま2-1で試合を折り返す。
強烈なシュートを突き刺した柳沢
後半も、ワセダは球際で優位に立ち試合を支配する。60分には、CKを受けた山下が打点の高いヘディングシュートで追加点を奪う。その後は試合終盤にかけて、チャンスをものにしようとする相手が幾度もシュートを打ってくるが、GK中村大志(商3=東京・早大学院)が好セーブを連発。75分に山下が2枚目のイエローカードを受け退場となるも、最後まで集中力を欠かないプレーを貫きゴールを割らせない。そして、試合終了のホイッスルとともにワセダは開幕から4連勝を達成した。
好セーブを連発した中村
結果だけを見ると順調な走り出しでリーグを引っ張っている。しかし、試合終了後、古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)から厳しい言葉を受けている様子も見受けられた。Iリーグでの戦いや結果に一喜一憂するのではなく、Aチームが戦っている関東大学リーグ戦(リーグ戦)を見据えてのアドバイスであっただろう。「相手が関東大学リーグ戦に参入しているよりも下のチームで戦うという中で圧倒していかないと上では通用しない」(田中太)というように、Aチームで試合出場を果たし、リーグ戦での王者を手にすることがア式蹴球部の真の目標だ。迎える次節も、今後につながるプレーを意識した選手たちの戦いに期待が懸かる。
(記事 渡部歩美、写真 栗田麻里奈、芦川葉子)
スターティングメンバ―
Iリーグ第4節 | ||||
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早大 | 3 | 2-1 1-0 |
1 | 産能大 |
【得点者】(早)26渋谷、36柳沢、60山下 (産)36岡 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 中村大志 | 法3 | 東京・早大学院 |
DF | 2 | 斉藤央 | 人2 | 神奈川・桐蔭学園 |
DF | 3 | 鈴木準弥 | スポ1 | 清水エスパルスユース |
DF | 4 | 渋谷勇太郎 | 社2 | 神奈川・桐蔭学園 |
DF | 12 | 八角大智 | 社3 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 6 | 山下翔平 | 商4 | ヴィッセル神戸ユース |
MF | 7 | 秋山陽介 | スポ1 | 千葉・流通経大柏 |
DF | →74分 | 飯泉涼矢 | スポ1 | 三菱養和SCユース |
MF | 8 | 田中太郎 | 商3 | 静岡・藤枝東 |
MF | →74分 | 今来俊介 | 商1 | 神奈川・桐光学園 |
MF | 9 | 柳沢拓弥 | 社1 | 清水エスパルスユース |
DF | →87分 | 山本新太郎 | スポ1 | ジュビロ磐田U-18 |
FW | 10 | 牟田翼 | 基理3 | 佐賀・鹿島 |
FW | →83分 | 西本八博 | スポ2 | 岐阜・多治見北 |
FW | 11 | 武颯 | スポ1 | 横浜F・マリノスユース |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
現在の勝ち点【12】4勝0分0敗
コメント
MF山下翔平(商4=ヴィッセル神戸ユース)
――試合を振り返って
立ち上がりも悪くて、全然良くなかったという印象です。
――良くなかったというのは具体的にはどういった部分でしょうか
自分たちが積み上げてきたものを出せなかったというのもありますけど、戦えなかったというのが一番の原因かなと思います。
――シュートシーンが多かった印象でしたが
後半とかは自分たちがエネルギーを出せた部分もありましたけど、シュートチャンスを決め切れないと駄目です。
――後半の得点シーンを振り返って
いいボールがきたので、当てるだけでした。
――一対一で競り勝つ場面も多かったですが
気持ちの部分でもっと強いものを持ってれば全ての競り合いで勝てたと思うし、ここでは全部勝つくらいやらないと上にはいけないかなと思います。
――試合後には厳しい言葉もありましたが、それを踏まえて次節に向けての意気込みをお願いします
自分はここで変わらないといけないと思いますし、トレーニングでやってきたことを出すしかないので、トレーニングから厳しい環境をつくって鍛え上げたいと思います。
MF田中太郎(商3=静岡・藤枝東)
――スタメンへの復帰となりました
今季は合宿明けからケガが多くて、チームに貢献できてないと思いましたし、自分自身サッカーができないもどかしさもあったので、それをピッチに出そうという気持ちと、久しぶりのサッカーを楽しもうという気持ちがありました。
――Aチームが戦ってる中で悔しさはありましたか
そうですね。自分は1年生の時からAチームで出場機会を与えてもらっていて、いま出れてない中でみんなが戦ってるのを見ると悔しかったです。
――試合開始からプレーに勢いが感じられました
Iリーグ(インディペンデンスリーグ)で戦う中で自分がプレーで示していかないといけないという思いもありましたし、相手が関東大学リーグ戦に参入してるよりも下のチームと戦うという中で圧倒していかないと上では通用しないですし、そういう意味で勢いを持ってプレーしていこうという気持ちでした。
――一点目のアシストの場面を振り返って
自分がサイドで持った時にいろんな人が動き出してるのが見えたので、周りをうまく見てパスを出せました。
――バー直撃のシュートもありましたが個人のプレーの調子はいかがでしたか
キレは徐々に良くなってきてると思うんですけど、体力の面だったり持久力はまだまだですし、サッカー感もこれから上げていかないといけないと思います。
――これからの課題はどんなところだと感じますか
自分の仕事は点を取ったりアシストをすることでチームに貢献することですし、いまの立場でいきなりスタメンはないと思うので途中出場から結果を残せるようやっていきたいです。
――今後のAチームへの復帰などへの意気込みをお願いします
いろんな方が、自分がピッチに戻ってくることを期待してくれていて自分の力になってますし、早く復帰してチームの力になりたいという気持ちも大きいので、それをエネルギーに変えてやっていきたいです。
GK中村大志(商3=東京・早大学院)
――試合を振り返って
入りの部分が悪くて、いままでも入りを意識していたのにピンチを招いてしまって、相手を圧倒できなかったので納得はいってないです。
――前半の失点の場面を振り返って
中盤のミスからカウンターでやられてしまったんですけど、その前にも同じ様なミスがあってやられてたので、もっと早い段階で修正できてればと思います。
――好セーブも何度もみせていました
ずっと試合に出れなくてフラストレーションも溜まっていて、きょうチャンスをもらえたので絶対やってやろうという気持ちを持ってましたし、それがああいうプレーにつながったのは良かったです。
――一ご自身のプレーの強みは
後ろからずっと試合を見てるので、味方を落ち着かせたり、試合の流れをみてスイッチを入れられるようなキックを出して行こうとは意識してます。
――ポジション争いも激しいですがどういったお気持ちですか
自分の強みは気持ちを前面に出してチームを鼓舞していくことなので、基礎的な技術は当然として、全員でアグレッシブに戦えるようなコーチングなどを出してポジションをつかみ取りたいとは思ってます。
――次節に向けての意気込みをお願いします
相手を圧倒できるようにトレーニングから高めていきたいと思います。
DF八角大智(社3=千葉・流通経大柏)
――今試合に向けて、どのように臨まれましたか
いろいろあって8カ月ぶりということもありましたし、3月末の関学大との試合(○3-1)ではAサブだったのですが、その試合でケガしてしまい一カ月かかり、さらにじんましんで延びて、とついていないこともあったのですが、そういう期間に思い通りできなかった分の想いとかを込めて臨みました、。
――試合中に、気を付けたことはありますか
気持ちが高ぶって、絶対にケガをしないことだけをきょうはずっと考えて臨みました。ケガ気味なところもあるので、本当にケガをしないことだけを考えました。
――やってみて得たことはありますか
まだまだだなと。
――練習に復帰されてどのくらいですか
今週の火曜日に、練習に全部入ったばかりなので、まあきついです。
――体力的にはいかがですか
体力的にというより、肉体的に。心肺的ににというよりは、筋肉系のゲームの疲れというか、ゲームでなければ得られない疲労感のような感覚を、終わってみてきょうは久しぶりに感じています。
――今後の課題はありますか
ケガをした以前よりもレベルアップしないと、ケガをした意味がないので、苦労苦悩は覚悟の上で、そこに向き合っていくしかないかなと思います。
――いまご自身に足りないものは何ですか
ゲーム感というか、ゲームの進め方というか。前半は勢いで行くことができた部分があったんですけど、後半になると相手の疲れであったり味方の疲れであったり、自分自身の疲れから、練習でやっていても出てこない、シチュエーションがあって、それに対して受け身になっていたかなと。そこを頭を使ってできなかったということが多いですね。
――やってみて得たことはありますか
ゲームをやっていて得られることは多いなときょう感じたので、もっとレベルの高いゲームに出られるように頑張るしかないですね。
――最後に今後の抱負をお願いします。
この組織にいて考えなければならないことは、試合に出てチームを勝たせることなので、それが次はアミノバイタルカップ2014なのでピッチに立って、チームを勝たせるために頑張ります。
MF渋谷勇太郎(社2=神奈川・桐蔭学園)
――DFでの出場となりましたがいかがでしたか
やることは変わらないので、持ち味のキックの精度を生かしていこうと思ってました。
――攻撃の部分に関してはいかがでしたか
点に絡んだシーンは自分は一番パワーもありましたし、自分が上がったらチャンスになると思ったので積極的に行きました。結果的に得点になって良かったです。
――守備面に関しては
相手は速いタッチで攻めてくる中で、自分はまだボランチの選手を動かしたりすることができなくて後手に回るシーンも多かったので、そこは修正しなくちゃいけないと思います。
――ハーフタイムでの修正点は
相手の攻撃は3人目が関わってくるので、周りを見てケアしていこうと話しました。
――きょうの試合の課題は
やっぱりIリーグ(インディペンデンスリーグ)に出ることが目標ではないですし、その上のAチームにいって何ができるかが大事なので、もっと相手を圧倒して少しでも早く上のチームにいきたいです。
――次節に向けての意気込みをお願いします
今節失点してしまったので、無失点に抑えた中で相手をどれだけ圧倒できるか、というところにフォーカスしてやっていきたいです。
MF柳沢拓弥(社1=清水エスパルスユース)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
立ち上がりはチームとして悪い状況だったのですが、先制することができて、少しは楽にプレーすることができたと思います。ただ立ち上がりから自分たちのサッカーができるようにしていかないとこれから先、強い相手になっていったときに厳しくなると思いました。
――自らのドリブルでPAまで持っていき、シュートを決めるシーンがありましたが
失点の直後のシュートだったので、すぐに取り返してやろうという気持ちでドリブルしてシュートして決めました。
――球際でのプレーがよく目立っていましたが
練習の中でも、球際を強くいくということを、チームでも強く意識して練習しているので、それを試合でプレーに表せたのは良かったことだと思います。
――自らのプレーの強みとは何だと思いますか
裏を取る動きだったり、ドライブで相手を離すプレーだと思います。
――この4年間を通した目標をお願いします。
ことしから、関東リーグ(関東大学リーグ戦)のピッチに立って活躍して、将来プロになることが目標です。