開幕から2連勝し、3節目に突入したインディペンデンスリーグ。今節は立大との戦いとなった。試合は序盤からワセダがチャンスを数多くつくり、主導権を握る展開に。前半に失点はあったものの、FW武颯(スポ1=横浜F・マリノスユース)がゴールを量産し3得点を決め、3-1と快勝した。
開始直後の3分、チャンスはいきなりやってきた。相手GKのキックに対し、貪欲に前からプレスをかけていった武がインターセプトし、蹴ったボールがそのままゴールに。先制点をあげる。その後もしばらくチャンスが続いたワセダであったが、18分にピンチを招く。DFとGKの連携によるミスからボールを奪われると、相手がそのままシュート。これがゴールとなり、同点に追いつかれてしまう。その後は攻撃でリズムを掴むも、おぼつかない守備でリズムを止めることも多く、なかなか追加点にはつながらない展開となったワセダ。その中再び流れをつくったのは42分、DF鈴木崇文(文構2=東京・早実)が中央でパスを受けて右に展開すると、それを受けたDF斉藤央(人2=神奈川・桐蔭学園)がクロスを上げ、フリーになった武が頭で合わせネットを揺らす。追加点をあげ、そのまま2-1で前半を折りかえす。
攻撃の起点をつくった渋谷
後半もワセダは、前線からプレッシャーをかけ、中盤では連携することでボールを奪い、数多くゴールに迫る。しかし、そのまま直接得点に絡むシーンはなく、迎えた67分。MF渋谷勇太郎(社2=神奈川・桐蔭学園)がドリブルで持ち上がると、パスを受けたMF柳沢拓弥(社1=清水エスパルスユース)が左足を振り抜く。そのボールを相手GKがはじくと、すかさず武が押し込み3点目、ハットトリックを達成した。試合終盤になると、これまでケガで出場を欠いていたMF田中太郎(商3=静岡・藤枝東)とFW秋岡活哉(政経4=FC東京U―18)が満を持して出場し、ドリブルやシュートを見せる。しかし度重なるセットプレーなどチャンスが続く中、ゴールには至らず、3-1のまま今節を終了した。
ハットトリックと活躍した武
「決められるチャンスがたくさんあった」(MF山下翔平、商4=ヴィッセル神戸ユース)と話すように、今節3点を奪いはしたものの、もっと得点が取れたという印象を受けているようだ。「相手を圧倒できるようにしたい」(渋谷)と次戦への意気込みを語り、それぞれが向上心を持って課題に取り組み、さらなる高みを目指して成長していく。
(記事 栗田麻里奈、写真 伊藤なつ実)
スターティングメンバ―
Iリーグ第3節 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 | 2-1 1-0 |
1 | 立大 |
【得点者】(早)3、42、67武 (東)18佐藤 |
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 斉藤康平 | 法2 | 静岡・清水東 |
DF | 2 | 斉藤央 | 人2 | 神奈川・桐蔭学園 |
DF | 3 | 鈴木準弥 | スポ1 | 清水エスパルスユース |
DF | 4 | 日高裕介 | スポ3 | 横河武蔵野FCユース |
DF | 5 | 鈴木崇文 | 文構2 | 東京・早実 |
MF | 7 | 渋谷勇太郎 | 社2 | 神奈川・桐蔭学園 |
MF | 6 | 秋山陽介 | スポ1 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 8 | 山下翔平 | 商4 | ヴィッセル神戸ユース |
MF | 9 | 柳沢拓弥 | 社1 | 清水エスパルスユース |
MF | →77分 | 田中太郎 | 商3 | 静岡・藤枝東 |
FW | 10 | 堂本大輝 | スポ4 | 兵庫・三田学園 |
FW | →36分 | 牟田翼 | 基理3 | 佐賀・鹿島 |
FW | 11 | 武颯 | スポ1 | 横浜F・マリノスユース |
FW | →81分 | 秋岡活哉 | 政経4 | FC東京U-18 |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
現在の勝ち点【9】3勝0分0敗
コメント
MF山下翔平(商4=ヴィッセル神戸ユース)
――きょうはこれまでよりも一列高いポジションでの先発となりましたがいかがでしたか
決めれるチャンスがたくさんあった中で無得点というのが悔しいです。
――シュートシーンも多かったですね
常に相手より先手を取っていこうと意識していて、そこで味方からいいパスが出てチャンスがあったにも関わらず決め切れなかったのは(味方に)申し訳ないですね。
――きょうは守備でも連動して奪い切る場面が多かったですが手応えは
ファーストディフェンダーを決める、っていうのが前線からできていて、中盤も連動してボールを奪い切る場面が多かったのでとこは良かったと思います。
――3-1という結果に関しては
立ち上がりから自分たちの強みをだせるシーンが多かったですけど、自分たちの強みを出せない時間っていうのもあったので、いかに自分らのプレーを持続させられるかが課題かなと思います。
――前節(○2-1東海大)は厳しいコメントも多かったですが、今節に向けて改善した点などはありますか
立ち上がりの入り方ってのが前節のはすごく悪かったので、そこはかなり意識して臨みました。きょうの試合の内容や結果っていうのが、あしたの関東大学リーグ戦の結果に影響を与える、っていうプレッシャーを自分たちにかけてたので、立ち上がりから自分たちの強みをだせたのがきょうの勝因かなと思います。
――自身のプレーはここ3試合でいかがでしょうか
自分自身ゴールをまだまだ決め切れてないので、もっと多く得点を取りたいと思ってます。
――次節に向けての意気込みをお願いします
自分たちは立ち止まることができず成長していくしかないので、一つ一つのトレーニングで成長して勝ち進めるようにしたいです。
MF渋谷勇太郎(社2=神奈川・桐蔭学園)
――3―1で勝利しましたが内容を振り返っていかがですか
前半から飛ばしてエネルギーを持って前から行けたんですけど、最後の方で相手のペースにのみ込まれてしまったのでまだまだだなと思いました。
――自分たちのペースに持ち込めなかった理由何ですか
ファーストディフェンダーがうまく決まらなくてその後の中盤も強く行けなくなってしまって、そういった連動がうまくできなかったからだと思います。
――内容が悪かった前節から修正した点はありますか
前節は立ち上がりが悪かったので、きょうは立ち上がりから相手を圧倒していこうということできょうは取り組めたと思います。
――チャンスがたくさんあった中で決め切れないシーンも多かったように見えました
最後決め切れないのは日ごろの練習が足りないからだと思います。もっと決めないと今後厳しい戦いになってくると思います。
――渋谷選手自身、積極的に前に上がることも多かったですが、その点を振り返っていかがですか
前節は攻撃に関わることが少なかったので、守備から攻撃のところを意識してやるようにしていました。
――守備面はいかがでしたか
出だしの周りもエネルギーがある時は自分も行けたんですけど、苦しい時間帯なった時にまだまだエネルギーを持って能動的に守備をできなかったと思います。
――自分自身のプレーの持ち味はどのような点ですか
ボールを広げることやキックの精度に自信があるので、ボールを奪った後に速く攻撃につなげられるようなパスをどんどん出していきたいです。
――次の試合への意気込みをお願いします
次はもう90分通してワセダらしさや自分らしさを出して相手を圧倒できるようにしたいです。
MF秋山陽介(スポ1=千葉・流通経大柏)
――試合を振り返って
無駄な失点があって、もっとしっかり締めて一つ一つ全員でやっていかないといけないなと感じました。
――初先発でしたどういったプレーを心掛けましたか
自分はボランチだったので、セカンドボールを拾うっていうところを意識してやりました。
――ボランチとして守備の面では手応えは
自分たちからプレッシャーをかけて奪えてたシーンが結構あったんですけど、それを90分間続けられませんでした。プレッシャーをかけれないところで失点とかもしてしまったので、もっと全員で共有していかないといけないなと感じました。
――攻撃に参加する場面も多かったですがいかがでしたか
攻撃のところで全員がいかなくてはいけない場面で上がり切れなかったり、決めなくてはいけないところで決めれないシーンが続いてしまいました。でもその中でも颯(FW武颯、スポ1=横浜F・マリノスユース)が決めてくれたのは良かったと思います。
――自分自身のプレーの強みはどういった部分でしょうか
ドリブルで相手のスペースに侵入してチャンスをつくっていくところです。
――同期の選手も多くピッチに立っていますが、同期はどんな代ですか
明るいですね(笑)。
――大学での選手生活への目標をお願いします
関東大学リーグ戦の優勝だったり、インカレ(全日本大学選手権)の優勝が目標です。
――次節に向けての意気込みをお願いします
必ず勝てるように頑張ります。
FW武颯(スポ1=横浜F・マリノスユース)
――ハットトリックの活躍でしたが振り返って
そうですね…。ただこのレベルならもっと点は取らなくちゃいけないですし、自分は内容も求めたいです。前線でボールを受けたり、楔のパスの落としだったりをもっと高いレベルでやっていかないと、いまはIリーグ(インディペンデンスリーグ)ですけどJrリーグだったり、関東大学リーグ戦を考えるともっともっと高めないといけないですし、そういった高いレベルを目指していかないといけないと痛感しました。
――FW堂本大輝(スポ4=兵庫・三田学園)選手が負傷交代してからプレーに変化はありましたか
一時的にワントップになったので、まずは真ん中からサイドを絞って守備をして、途中から牟田くん(FW牟田翼、基理3=佐賀・鹿島)が入ってきてくれて、堂本くんのやってたことを伝えたので特にプレーに影響はありませんでした。
――前線からの守備がハマる場面もありましたが手応えはいかがでしたか
きょうは全体的に前のスイッチが入った時に後ろも連動してくれたのでとても良かったです。前の試合(○2-1東海大)とかだと全然スイッチが入らなくて駄目だったので、きょうの試合が基準となっていかないといけないし、このプレーが普通になっていかないといけないと思います。
――自身のプレーの長所はどういったところでしょうか
自分はシュート練習をずっとやってたのと、常にゴールを意識してプレーしてます。
――ことし1年、そして今後4年間での目標をお願いします
まずは自分の目標というか、夢はサッカー選手になることです。ユースからトップチームに上がれず、この4年間がトップチームにいけるかどうかを左右すると思うので、まずは試合に出て関東大学リーグ戦に出場し、スカウティングの人たちにアピールしていかないといけないです。それと同時に、全日本大学選抜などにも入っていきたいですし、プロっていう目標のために何が必要なのかを考えて練習していきたいと思います。