勝たなければならない試合が続く中、迎えた前節の早慶戦では3試合ぶりに勝利(〇2―0)したワセダ。今節は流通経大との対戦となった。試合は開始から相手に圧倒されペースをつかめずにいると、徐々に流れをつかみかけた後半開始直後に先制を許す。さらに退場者を出し一人少ない中での戦いとなったが、反撃に乗り出し1点を奪うことに成功。しかし、その後逆転弾を上げることはできず、1-1のドローで試合を終えた。
序盤からフィジカルの強さを生かしたプレーを見せる流通経大に圧倒され、度重なるファウルを犯す。FKを与えピンチを招いたが、GK松澤香輝副将(スポ4=千葉・流通経大柏)の好セーブでゴールを許さない。12分には、右から上がったMF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)からのクロスをMF堀田稜(商3=浦和レッズユース)が受けゴール前の近藤貴に折り返すと、最後はパスを受けたFW宮本拓弥(スポ3=千葉・流通経大柏)がシュート。ゴールとはならなかったが、初めて攻撃のかたちをつくる。その後もチャンスはあるものの、なかなか得点にはつながらない。逆に相手に連続でFKを与え危ないシーンが続いたが、ここは松澤がしっかりと止め、両校ともに無得点のまま前半を折り返した。
得意のスピードを武器に大胆なプレーをみせた近藤貴
勝利のためにも得点が欲しい後半。しかし試合を動かしたのは流通経大であった。50分、相手にクロスを上げられ、ファーサイドから飛び込んできた選手がヘディングでシュート。勢いに押され先制されてしまう。その直後、さらなる悲劇が起こる。相手へのファウルでMF海野洋介(社4=千葉・流通経大柏)が2枚目の警告となりまさかの退場。10人での戦いを余儀なくされ宮本をボランチの位置に下げる。数的不利の状況で苦戦が予測されたエンジイレブン。しかし60分、近藤貴がドリブルでゴール前まで持ち込みファーサイドに浮き球のクロスを送ると、堀田がそのままシュート。ボールはゴールに突き刺さり同点に追いついた。その後も相手の攻撃に苦しむ場面があるも、体を張ったDF陣の決死の守りで失点を防ぎ、逆転を狙っていく。終盤に入ると勢いは増し、ピッチを広く使ったプレーが続きチャンスも多く生まれるが、あと一歩というところで得点を奪えず試合は終了。人数が少ない中一人一人が懸命にプレーするも勝ち点3を取ることはできず、痛い引き分けとなった。
同点ゴールを決めた堀田
前節では勝利を収めたものの、ここ数試合引き分けも多く連勝できない状況が続くワセダ。今節引き分けたことで、順位もひとつ落とす結果となった。激しい優勝争いに食い込むためにも、これからの試合では勝ち続けることが求められていく。そんなチームの状況をMF近藤洋史主将(スポ4=名古屋グランパスU―18)は「難しい状況や相手がプレッシャーをかけてきた状況の中で、そこを打開して自分たちのペースに戻すことができていない」と語った。「一人一人が大きくならなければいけない」(近藤貴)と選手たちも話すよう、今後の厳しい戦いに勝ち抜くため、個々の成長が求められている。
(記事 栗田麻里奈、写真 芦川葉子)
スターティングメンバ―
関東大学リーグ戦第8節 | ||||
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早大 | 1 | 0-0 1-1 |
1 | 流通経大 |
【得点者】(早)60堀田 (流)50小波津 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 松澤香輝 | スポ4 | 千葉・流通経大柏 |
DF | 22 | 新井純平 | スポ2 | 浦和レッズユース |
DF | 2 | 奥山政幸 | スポ3 | 名古屋グランパスU-18 |
DF | 3 | 田中進之介 | スポ4 | 湘南ベルマーレユース |
DF | 20 | 平澤俊輔 | スポ2 | JFAアカデミー福島 |
MF | 24 | 海野洋介 | 社4 | 千葉・流通経大柏 |
MF | ◎6 | 近藤洋史 | スポ4 | 名古屋グランパスU-18 |
MF | 7 | 近藤貴司 | 教4 | 三菱養和SCユース |
MF | 14 | 堀田稜 | 商3 | 浦和レッズユース |
FW | 9 | 宮本拓弥 | スポ3 | 千葉・流通経大柏 |
FW | 15 | 上形洋介 | スポ4 | 東京・早実 |
FW | →82分 | 山内寛史 | 商2 | 東京・国学院久我山 |
◎はゲームキャプテン 監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実) |
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表 | |||||||||
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順位 | 校名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 専大 | 19 | 8 | 6 | 1 | 1 | 24 | 9 | 15 |
2 | 順大 | 17 | 8 | 5 | 2 | 1 | 13 | 5 | 8 |
3 | 明大 | 16 | 8 | 5 | 1 | 2 | 12 | 6 | 6 |
4 | 早大 | 15 | 8 | 4 | 3 | 1 | 11 | 5 | 6 |
5 | 慶大 | 14 | 8 | 4 | 2 | 2 | 8 | 7 | 1 |
6 | 駒大 | 13 | 8 | 4 | 1 | 3 | 15 | 19 | -4 |
7 | 国士舘大 | 12 | 8 | 3 | 3 | 2 | 10 | 8 | 2 |
8 | 流通経大 | 10 | 8 | 3 | 1 | 4 | 10 | 14 | -4 |
9 | 東京国際大 | 8 | 8 | 2 | 2 | 4 | 8 | 11 | -3 |
10 | 中大 | 4 | 8 | 1 | 1 | 6 | 8 | 13 | -5 |
11 | 桐蔭横浜大 | 4 | 8 | 1 | 1 | 6 | 10 | 21 | -11 |
12 | 筑波大 | 2 | 8 | 0 | 2 | 6 | 6 | 17 | -11 |
※第8節終了時点 ※下位2校は関東大学リーグ戦2部リーグに自動降格 |
コメント
MF近藤洋史主将(スポ4=名古屋グランパスU-18)
――1-1という結果を振り返って
勝ち切れなかったというか、自分たちが勝ち点3を取れなかった試合だと思います。
――開始早々相手がアグレッシブに仕掛けてきましたが振り返って
それは予想できてたことで相手のホームでもあるし、しかも向こうは3連敗してるので立ち上がりから来るってのは分かってました。それに対して自分たちも受けに回らず、それ以上のエネルギーを出していこうと意識して入りました。
――相手は3バックで中盤に人数をかけてきましたが、セカンドボールの処理はきょうはいかがでしたか
自分たちも相手も、蹴った後のセカンドに対して意識はかなり強かったです。どちらが拾えるかは開始からバチバチの勝負でした。
――後半失点してさらに退場者が出て苦しい状況となりましたが、その状況でどういったリアクションをしていこうと考えてましたか
本当に、やるしかないと思いました。実際そういった状況で1点返しましたし、10人になってからようやくエネルギーを出して戦えまましたけど、その力をなぜもっと早く出せなかったのかと思います。全員が持ってる力を開始から最大限出さないと、関東リーグ(関東大学リーグ戦)の22試合っていうのはあっという間に終わっていってしまいますし、もっと一試合に対して全員が自らをモチベートしていって自分のプレーを出すっていうとこをやっていかないと駄目だと思います。こういったゲームでもそうですけど、もっと勝ち切って連勝していく力がまだないっていうのが現状だと思います。
――数的不利となってからFW宮本拓弥(スポ3=千葉・流通経大柏)選手とボランチのコンビを組みましたがいかがでしたか
みや(宮本)は個人でも負けないですし強く戦える選手ですので、頼もしかったです。退場者が出たときにみやが「俺がやる」って言ってて、顔見た時にこいつはできるな、と思ったのであの場面は任せました。ベンチは分かんないですけど、自分自身はあいつがやるって言った時の顔見た時は大丈夫だと思いました。
――その後同点弾を含めて相手ゴールに何度も迫りました
前に仕掛ける攻撃っていうのはできてましたし、縦のエネルギーは出せたと思うんですけど、それも終盤になってからですしもっと前半から出せなかったのかなと。相手も前半から縦にエネルギーを出してきた中で、自分たちは横に動かしてそれを交わすっていうのもできなかったなという印象です。
――近藤洋選手自身きょうは攻守にわたってかなり激しく動いてましたが、ご自身のプレーに関してはいかがですか
やっぱりセカンドボールでの相手とのバチバチのやりあいの中で、そこに使い切ってしまったというか、相手が来るのであれば横に動かして交わしたり、相手が奪った後も簡単に前にエネルギーを出せないようなプレーをしていかなければ、自分たちのプレーで相手を押し込むのは難しいと思います。
――前節(〇2-0)いいかたちで勝利した中で今節勝ち切れず、なかなかチームとして波に乗り切れない状況が続いていますが、この状況を打破するにはどういったことが必要でしょうか
やっぱり前節のように自分たちのやりやすい状況というか、サッカー的にも自分たちの優位な状況ができている中では勝つことができますけど、きょうだったりとか前に負けたり引き分けた試合みたいな難しい状況や、相手がプレッシャーをかけてきた状況の中で、そこを打開して自分たちのペースに戻すことができていないと思います。
――リーグ戦もかなり上位が詰まってきましたが、次節に向けての意気込みをお願いします
やはり順位というのもありますけど、自分たちは一試合ごとに成長していかなくてはいけないですし、まだまだ個々人が試合の中で成長するチャンスを逃していると思うので、そういったところを見つめ直してもっと成長できるようにトレーニングのところから高めていきたいと思います。
GK松澤香輝副将(スポ4=千葉・流通経大柏)
――引き分けという結果に終わりましたが、いかがでしたか
勝ちたかった試合でしたけど、引き分けに終わってしまって、本当に残念です。
――勝ちきれなかった要因は何ですか
前半のうちからチャンスがあった中で、ゴールに結びつけられなかったり、決めるべきところで決め切れなかったことは、引き分けに終わってしまった要因だったと思います。
――序盤から攻めてきた流通経大でしたが、印象はいかがでしたか
キックオフ直後から、相手の勢いを感じましたし、ゴールに対するパワーであったり、力強さというものを感じましたし、全員がパワフルで力強いプレーをしてくるといった印象です。
――途中退場があった後、人数減っての戦いとなりましたが、いかがでしたか
みや(FW宮本拓弥、スポ3=千葉・流通経大柏)はもともと高校時代にボランチを経験をした選手でしたし、中学の時もボランチを経験していたので、ボランチになってから、そんなに悪くはなかったですし、むしろ良かったなと自分自身思います。ポジションが変わっても、ああいったプレーができるというのは、みやの強みでもありますし、チームに安定感をもたらしてくれたので、良かったと思います。
――後半入ってすぐの失点に関しては、いかがでしたか
あのクロスに対して、あの強さや勢いで入ってくるというのが、流通経大の強みだと思います。あれ対してクロスを上げさせないことだったり、最後のところで相手を入れさせないことを、もっとやらなければいけないと思うので、ああいった速さ強さの中で守る力というのをつけていかなければならないと思います。
――ご自身のプレーを振り返ってみて、いかがですか
流通経大には負けたくないという思いがあったので、気合を入れてプレーすることができましたけど、結果的に勝ちに結びつけられないということは、どんなに止めようが自分の力だと思うので、それを勝利に結びつけられるだけ力をつけていきたいと思います。
――次戦の意気込みをお願いします
優勝するためにはもう負けられないし、勝たなければ優勝はないと思うので、今回の引き分けをしっかりと振り返って、次戦で勝てるように練習のときからしっかりとチームで高められるようにやっていきたいと思います。
MF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)
――アウェーでの流通経大戦、1-1での引き分けとなりました
きょうはある程度自分のところにボールがきたのでやっていて個人的にも楽しかったですし、その中でチャンスをものにできなかったので、自分の力不足をきょうも感じました。
――以前から「もっと右サイドにボールを」という話をされていた中で、今節は右の展開が多くありました
相手が3バックだったので、ボールを奪った後に左サイドの堀田(MF堀田稜、商3=浦和レッズユース)をめがけて蹴ったりだとか、洋史(MF近藤洋史主将、スポ4=名古屋グランパスUー18)から経由して自分に何度かきましたし、きょうは自分のところにボールがきている感覚はありました。
――両サイドを使った攻撃というのはチームで特に共有していた点ですか
相手が3バックだったので、チャンスはサイドのところでつくれるかなとスカウティングの段階で話していました。
――前半に得点を奪えない試合が、駒大戦(○3-1)以来6試合続いています
そのデータについてはいま知ったんですけど、きょうなんかは前半が風上だったのでもっとシュートを打てば良かったのかなという反省点はありますが、前半は相手もまだフレッシュで守備の意識もある程度高いので、個人的には後半勝負かなと思っていました。
――後半開始直後に失点、そして退場により10人でのプレーと良くない流れがあった中でどのような意識をしていましたか
宮本(FW宮本拓弥、スポ3=千葉・流通経大柏)が自分からボランチをやるって言ってくれたのでそれは宮本に任せるって感じでしたし、10人にはなりましたが自分はそんなにやばいとは思いませんでした。自分のところで何回かチャンスもありましたし、自分がそのチャンスをものにしていれば勝てたので、本当に申し訳ないです。
――60分には、近藤貴選手ご自身が得意とするドリブル突破からアシストを演出しました
洋介(FW上形、スポ4=東京・早実)が落としてくれて、自分には相手が2枚ついていたんですけど、ゴールを伺いながら仕掛けていったらいい感じで抜けて、クロスをあげたら堀田がいい感じで決めてくれたんで、ラッキーでしたね。対峙(たいじ)していた相手にフェイントを仕掛けたら引っかかってくれて、もう一人の相手DFも自分が縦にいったらついてこれなかったので、そういう意味では自分の強みを発揮できたシーンなのかなと思います。
――その後多くチャンスがあった中で、なかなか追加点を奪うことができませんでした
10人になったからといってそんなにエネルギーは落ちませんでしたし、逆に一人一人が働く量が増えた中でみんなハードワークしていましたし、チャンスはあったのでそれを決め切れなかったからこそ引き分けてしまったのかなと思います。
――流通経大には三菱養和SCユース時代の後輩もいましたが、どのようなチームでしたか
気持ちの強い選手が11人そろったチームなのかなという風に自分は思っていて、技術が高い選手もいますけど球際や競り合い一つとっても気持ちの部分で強い選手が多いのかなと思っていました。今節に臨むに当たっても、まずは精神的な部分で相手を上回らなければ勝てないと思っていたので、そこではある程度上回れたのかなとは思っています。
――GWからの3連戦を振り返ってみていかがですか
自分がチャンスを決めるか決めないか、ものにできるかできないかで、試合の勝敗が分かれると痛感しました。毎回言っていますけど、自分が一回りも二周りも大きくなればチームを勝たせることができると思うので、自分がチームを勝利に導けるように頑張りたいと思います。
――次節は1週間空いて国士舘大戦となります
チームとしてどうこうというよりも、一人一人が大きくならなければいけないと思います。自分がもっとうまくなって自分のところでなんとかできるくらいのプレーヤーになればチームを勝たせることができると思うので、とにかく自分がうまくなれるように頑張ります。
DF奥山政幸(スポ3=名古屋グランパスUー18)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
優勝するためには負けられない一戦でみんなその気持ちで戦えていたと思います。でも実質、海野くん(MF洋介、社4=千葉・流通経大柏)の退場からやっと火が付いたという感じで、もっと最初から勢いを持ってやっていかないとなかなか勝てないかなと思います。
――10人になって気を付けたことなどはありますか
10人にはなりましたけど、全く引き分けるつもりはなくて、勝ちたかったですし、負けてる状況でもリスクを犯して前にいこうとしていました。もちろんその分守備に緊張感はありましたが、ボランチに落ちた宮本(FW拓弥、スポ3=千葉・流通経大柏)とかだったら普段やらないポジションでしたけど、本当にハードワークしてくれましたし10人でもそんな悪くなかったなと思います。
――相手はフィジカルの強い選手も数多くいましたがどんなことを心掛けて守備していましたか
まずは一発目で負けないということは心がけていましたけど、まあ、自分はフィジカルで勝負するタイプではないので、うまく体を入れたり、トラップする際を突いたり、うまくフィジカルの差だけではないところで勝負していこうとしていました。
――相手のミドルシュートへはかなり警戒しましたか
7番の選手(MF森保桂悟)なんかはFKもうまいですし、ユースのときからそのことは知っていましたし、警戒していました。ただ、うたれてもマツくん(GK松澤香輝副将、スポ4=千葉・流通経大柏)が止めてくれましたし、セカンドのボールに関しても集中して守れていたと思います。
――失点シーンについてはいかがですか
サイドのところでボール持たれてしんのくん(DF田中進之介、スポ4=湘南ベルマーレユース)が追い出されてしまって、そこでしんのくんとしゅんすけ(DF平澤俊輔、スポ2=JFAアカデミー福島)のところでどっちが外にいくかというところで連携がうまくいかなくなってしまって、相手をフリーにしてしまいました。ある程度は付けてはいたのですが、前にエネルギーをかけている相手を止め切ることができませんでした。もっとサイドへの対応というか、自分たちバックラインは背が小さいので、勝負で負けたら終わりだと思うので、ボールを上げさせないこととサイドでフリーにしないことを気を付けていきたいと思います。
――10人でも勝ち点1を取れたことについてはある程度の満足感はありましたか
この程度の相手に引き分けるのは駄目だと思います。10人になっても負ける気はしなかったですし、勝つ気でいましたし、その中で点を取ることができました。勝ち切れなかったのは自分たちの実力不足だったと思います。なによりも11人の時に結果を出せなかったのが問題だと思います。
――最後に今後に向けての意気込みをお願いします
(ゴールを)入れられてからでは遅いので、最初のプレーから圧倒し続ける覚悟、責任感が違うと思うので、試合に出ている11人もしくは(ベンチを含めた)18人が全力を尽くすことでもっと高めていきたいです。
MF堀田稜(商3=浦和レッズユース)
――まずはきょうの試合の勝ち点1をどう受け止めていますか
人数がどうであろうと自分たちが勝たなければいけないという状況は変わらないと思うので、きょうの同点という結果に終わったというのはチームにとってマイナスかと。同点で済んだと思っている選手はうちには多分誰もいないと思うので。人数減ったからこそそういう強みの部分を出して相手に畳み掛けるような事というのは必要ですし、結果1点に終わってしまったというのは率直に悔しいという気持ちでいっぱいです。
――先制を許した後、チームで何か声を掛け合いましたか
とにかくやる事は変えずに、ボールを奪ったら全員で前に出ていって、ボールを奪われたら全員でプレスバックしてというのを意識しました。とにかく「走れ」というのと「人数なんて関係ないんだ」というのを全員で共有して。ああいう状況だからこそ自分たちの力が試されていると思ってやりました。
――同点弾となったゴールは宮本選手(FW宮本拓弥、スポ3=千葉・流通経大柏)のロングフィードからでしたね。得点シーンを振り返っていかがですか
宮本はすごくいいキックを持っているので、宮本がフリーで蹴れる状態になったときにはどこかいいスペースに蹴り込んでくれるということを信じていたので。宮本が蹴るなと思ったときには自分に出ようが出まいが自分はその後のゴールに、ボールに対して攻撃の厚みを加えるという意味でランニングしようと狙っていて。貴司くん(MF近藤貴司、教4=三菱養和SCユース)が縦に突破して、ふんわりと優しいボールを上げてくれたので、自分は本当にもう触ればいいだけでした。自分がよかった部分というのはそこで走ろうと決断したことだけで。それ以外は本当に宮本のパスだとか貴司くんのクロスだとか、あの2人のお膳立てがなければゴールはなかったと思います。僕は本当に触るだけでした。
――取り返したいという重いも強かったと思います。きょうのゴールはきっかけになりましたか
自分の得点でチームを勝たせて初めて自分はあの試合(明大戦、●1-2)の責任を果たせたというふうに捉えているので。きょうは自分の点で同点にはなりましたけど勝利に導くことというのはできませんでした。本当であれば1点を奪った後にもう1点自分が勝利につながるゴールというのを生みだせれば、そこで初めて自分としてはこの1試合貢献できたなというふうに捉えることができたと思うのですけれども。現実、勝ち点2を落としているので、まだまだ自分の力不足というのを感じています。
――後半の終盤は堀田選手もスペースへの動き出しや豊富な運動量を見せていましたね
この試合を振り返って、10人になってからああいうスイッチが入ったという部分に関してまだまだ自分の弱さというのを感じました。10人になってから自分も裏への抜け出しであるとかスピードを生かしたプレー、それを繰り返すだけの運動量、体力という部分を強みにしているので。ああいう状況だからこそ自分がチームの力にならないといけないという思いで、攻撃になれば裏まで走って、守備になれば最終ラインまで戻るぐらいの思いを持ってやったのですけれども、自分の中では走るべきところで走れなかったりとか、そういうシーンが度々ありました。まだまだ体力の部分にしてもチャンスを感じ取るような判断とかランニングするタイミングとかという部分をまだまだ高めていかないといけないなというのを感じました。
――勝ち点2を落としたというお話がありました。あと1点を奪うために何が足りなかったのでしょうか
自分としては退場した後のプレーというよりも試合の入りからどうだったかという部分をすごく考えていて。自分たちとしては試合前に一つ一つの球際で打ち勝つことであったり、ルーズボールを絶対にマイボールにするとかそういう一つ一つの勝負の積み重ねで相手に打ち勝って自分たちのサッカーに持っていこうという話をしていたのですけれども。そういう部分で実際に負けていたシーンも多かったですし、退場者を出したという点でその後にフォーカスがいきがちだと思うのですが、その前がどうだったのかという部分で自分たちの強みというか、球際などそういった部分で打ち勝つことができなかったのが今節勝てなかった原因かなと思います。
――次節に向けて意気込みを聞かせて下さい
今節も勝ちしかないという中で引き分けということで勝ち点2を落としているので。その状況がより厳しくなったということを意識してそれを共有して。その危機感だとかプレッシャーというのをエネルギーに変えて。本当に日頃の練習一つ一つから高い意識で競争心を持って、チーム内でバチバチしのぎを削ってやっていくことで次の勝利につながると思うので。1週間先の試合にはなるのですけれども本当に1日1日、一瞬一瞬を大切に取り組むことで初めて勝利というのは得られると思うので。先のこと先のことというよりはいまを本当に大切に全員でやっていきたいと思います。
FW宮本拓弥(スポ3=千葉・流通経大柏)
――きょうの試合を振り返ってみていかがでしたか
きょうの試合は、立ち上がりに自分たちのペースにもっていけなくて、入りから悪かったので、自分たちの強みは出せずいい試合とは言えないです。
――第1節以来のスタメンでの出場でしたが、いかがですか
退場者が出てボランチになったのですが、10人になってからの方が、自分たちのプレーはできたので、それをもっと早くやっておけば良かったと思います。
――特に問題なくプレーできましたか
はい。
――チャンスはあったものの得点を取り切れなかった原因は何ですか
最後の気持ちの部分というか、思いきりの良さだと思います。
――今試合守備面、ゲームメイクという面でも活躍されましたが、いかがでしたか
守備ありきの攻撃だと思うので、守備がしっかりやっていかないと、自分たちの良さはでないと思います。そこをしっかりとやっていきたいと思います。
――今試合は反省の多い試合でしたか
きょうの試合は立ち上がりが本当に良くなかったので、少しずつ修正していかないと、どの相手にも勝てないと思います。
――次の試合に向けて意気込みをお願いします
国士舘大も強いと思うので、倒せるように、練習からやっていきたいと思います。
DF新井純平(スポ2=浦和レッズユース)
――フィジカルの強い相手に対して前半は苦しんだ部分、サイドからの攻撃というのも少なかったですね
相手が立ち上がりからガツガツくることは分かっていましたし、その中でどれだけ我慢して、まずは守備を徹底的にというか、しっかりしてから、その隙を見て攻撃参加しようというのは考えていたのですが、数回ぐらいしかボールもこなかったですしなかなか攻撃に厚みを出せなかったというのは前半の印象です。
――試合を通して両チームともパスミスというのが目立ちました
自分もきょうは結構パスミスをしてしまったという印象が強いのですけれども、やはりいままでの相手と違ってどこの位置でもボールに対して身体を投げ出してくるという印象がきょうの試合では強くて。その相手に自分はパスの出す先を見て、そこにパスを出してしまうという相手にとって分かりやすい事をしてしまったのではないかなと思うので。見ておいてそこに出したらやはり相手はそこに対して身体を投げ出してくるし、そこをもっと次からは見ていて違うところに出せるだとかそういった臨機応変に対応するところを身につけていかないといけないのではと感じました。
――失点のシーンについて、右サイドからの速いクロスに対してマークに付ききれなかった印象がありました。振り返っていかがですか
相手がクロスを上げてくるというのは分かっていましたし、それによって準備はしてきていたのですけれども、やはりクロスの質が本当に良くて、それに遅れて対応してしまいました。相手の方が前向きで強く向かってきていましたし、そういった部分で自分の身体の向きだったり準備というのが足りないせいで競り負けてしまったので。競り合いだとか対応能力というのはまだまだ自分の中で課題なので。そこはもっと見つめ直してやっていかないといけないのではないかなと思います。
――退場者が出て、10人となった後の守備面での動きはいかがでしたか
パスのところでは1人いなくなったということでよりカバーの意識が強くなったと思うのですけれども、やはりその意識だったりというのは1人いなくなる前からでもできて当たり前ですし、やはりそこで海くん(MF海野洋介、社4=千葉・流通経大柏)が退場してしまってからエネルギーを持ってそういったケアやカバーリングはできたと思うのですけれども、そこをもっと前半の最初からやっていかないとチームとしては勝てないと思うので。そこはもっともっと、退場者が出る前からでもやっていかないといけないかなというのは思います。
――両チームファウルの多い試合でしたが新井選手はファウルなく相手の攻撃を抑えていました、ご自身の守備というのはいかがでしたか
まさくん(DF奥山政幸、スポ3=名古屋グランパスU-18)が上がって、その後のカバーだったりというのはよくできたと自分自身感じているのですけれども、後半に1本相手に後ろ向きでボールを背負われて、自分が転んでしまって相手に少しやられてしまって、しんのくん(DF田中進之介、スポ4=湘南ベルマーレユース) がカバーしてくれてCKになったシーンというのがあったと思うのですけれども。ああいったところでどんな状況でも自分はあそこで倒れてはいけないですし、そこをもっともっと踏ん張らないとまだまだ全然駄目だなと思うので。守備のところは比較的サイドからというのはやられてはいなかったですけれども、一カ所一カ所をとったらまだまだやれるシーンというのは多くあったかなと。クロスやセンタリングの対応でもそうですしそういった課題にもっともっと向き合っていかないといけないなと思います。
――攻撃参加の部分では後半ロスタイムに惜しいクロスなどもありました。手応えはありますか
前後半で攻撃参加というのはいつもよりはできていたと思うのですけれども、洋史くん(MF近藤洋史主将、スポ4=名古屋グランパスUー18)のヘディングのシーンも結果論ですけれども、もっと前に落としてあげれば洋史くんフリーだったので、そこに走り込んで触れば入るぐらいの位置に落としてあげれば変わってたと思いますし。後からそれは感じた事なのでそれは仕方ないですけれど。やはりもっといい選択というかもっといい質が自分には求められているしそれができないと点には絶対に結びつかないと思いますし、試合終わった後に質の部分の話を毎回していますが、そこをもっと上げて、1点入ればきょうでいえば勝ちだったので。そこにもっとこだわってやっていかないとまだまだ駄目なのではないかなと思います。
――次節に向けて切り替えも必要だと思います。意気込みを聞かせて下さい
負けられない状況というのは何も変わっていないですし、優勝することが自分たちは全てだと思うので、次必ず勝ち点3取れるように、しっかりいい準備をして、やっていきたいと思います。