関東大学リーグ戦(リーグ戦)で出場機会に恵まれない選手たちがしのぎを削り合う舞台。それがインディペンデンスリーグ(Iリーグ)だ。リーグ戦での出場時間が270分に満たない選手たちによるこのリーグは、Aチーム入りを狙うための重要なアピールの場でもある。関東で優勝すれば全国大会へも通じる重要な戦いだ。ワセダにとっての開幕戦が4日、早大東伏見グラウンドで行われた。試合は技術で勝るワセダが序盤から相手を圧倒。前半で2点を奪うと、後半にもMF堂本大輝(スポ4=兵庫・三田学園)の2点を含む3ゴールで快勝。幸先良いスタートを切った。
開幕戦の相手は尚美学園大。試合は前半からワセダが相手を押し込む展開に。4分、右サイドでボールを受けた堂本がドリブルで持ち込むと、グラウンダーのパスに反応したFW柳沢拓弥(スポ1=清水エスパルスユース)が決めいきなり先制に成功する。その後も右サイドを起点に相手陣内でプレーを続けると18分、CKをDF山本有一(人3=神奈川・桐蔭学園)が豪快に叩き込みリードを2点に広げる。素晴らしい試合の入りをみせたエンジイレブンはその後も相手を圧倒。セカンドボールを確実に収め、両SBの積極的な攻め上がりから何度もチャンスを演出する。41分にPA内からのクロスを相手に合わせられひやりとさせられるも、終始試合を支配し前半を終えた。
先制点を決めた柳沢
後半は柳沢を右サイドに、そして堂本を2トップの位置にあげキックオフ。立ち上がりからFW牟田翼(基理3=佐賀・鹿島)が立て続けにシュートを打ち攻勢を強める。相手の2列目とボランチの選手を分断し中盤でのボールを確実に奪いきると、サイドに移った柳沢、そしてMF渋谷勇太郎(社2=神奈川・桐蔭学園)の果敢なボール運びで相手を押し込む。すると69分、MF鈴木崇文(文構2=東京・早実)のクロスを起点に牟田がPA内で折り返すと、これを堂本が冷静に決め3-0とする。さらにその3分後には牟田のパスを、交代したばかりのMF斉藤央(人2=神奈川・桐蔭学園)がファーストタッチで決める。その後は互いに間延びした展開が続いたが87分、牟田のファーサイドへのクロスを堂本が豪快にネットを揺らし試合終了。5発快勝で開幕戦を締めくくった。
2得点の活躍をみせた堂本
5得点だけでなく守備でも完封という結果を残したワセダ。しかし「もっと大差で勝たなければならなかった」(鈴木嵩)、「相手にフリーでシュートを打たれる場面があった」(堂本)と選手たちに慢心はない。まずはIリーグで結果を残し続け、全国大会への枠をつかみたいところ。その先に、リーグ戦のピッチでのプレーが待っているはずだ。
(記事 増山祐史、写真 松下優)
スターティングメンバ―
Iリーグ第1節 | ||||
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早大 | 5 | 2-0 3-0 |
0 | 尚美学園大 |
【得点者】(早)4柳沢、18山本有、69、87堂本、72斉藤 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 江口徹 | スポ4 | 東京・早実 |
DF | 2 | 山本有一 | 人3 | 神奈川・桐蔭学園 |
DF | 3 | 永井あとむ | スポ4 | FC東京U-18 |
DF | 4 | 日高裕介 | スポ3 | 横河武蔵野FCユース |
DF | 5 | 曽我巧 | 社1 | 東京・早実 |
MF | 7 | 渋谷勇太朗 | 社2 | 神奈川・桐蔭学園 |
DF | →81分 | 山本新太郎 | スポ1 | ジュビロ磐田U-18 |
MF | 6 | 山下翔平 | 商4 | 神戸U-18 |
MF | 10 | 堂本大輝 | スポ4 | 兵庫・三田学園 |
MF | 8 | 鈴木崇文 | 文構2 | 東京・早実 |
MF | →87分 | 秋山陽介 | スポ1 | 千葉・流通経大柏 |
FW | 9 | 柳沢拓弥 | 社1 | 清水エスパルスユース |
MF | →71分 | 斉藤央 | 人2 | 神奈川・桐蔭学園 |
FW | 11 | 牟田翼 | 基理3 | 佐賀・鹿島 |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
コメント
MF堂本大輝(スポ4=兵庫・三田学園)
――2ゴールの活躍でしたが振り返って
決めるチャンスはいっぱいあったんで、そういうところをもっと決めれるようにしないといけないなと思いました。
――前半から右サイドで攻撃の起点となってましたが、どういったプレーを意識してましたか
あんまり(ボールを)持ち過ぎずに、速いタイミングでパスを出してゴールに迫っていこうと心掛けてました。
――後半は2トップの位置でプレーしましたがいかがでした
いつもFWをやってるんで慣れてたのでやりやすかったです。攻め込まれる時間帯が続いていたんで裏を狙って動き出してました。
――守備でも完封でしたが手応えは
結果としてゴールは奪われませんでしたが、相手にPA内でフリーでシュートを打たれる場面があったので、そういったのをなくさないといけないと思います。まだ先は長いので気を付けたいと思います。
――インディペンデンスリーグ(Iリーグ)に対してのチームの目標などを教えていただけますか
Iリーグも全国大会まで通じる試合ですし。『WASEDA The 1st』をしっかり体現しなくちゃいけない場だと思うので優勝を狙い、関東大学リーグ戦優勝に結び付けていきたいと思います。
――自身のプレーの持ち味は
自分は泥くさく前から勝負していくタイプだと思うので、そういう泥うさくひたむきなプレーを見ていただきたいと思います。
――次節に向けての意気込みをお願いします
個人としてもチームとしても甘さをなくして、内容でも結果でも勝ち切りたいと思います。
MF鈴木嵩文(文構2=東京・早実)
――きょうの試合はどのような気持ちで臨みましたか
IリーグはBチームの試合で、Aチームに上がるためにアピールするという部分が大きいんですけれども、まずはきょうの試合に勝つことだけを考えて。練習でやってきたことを試合で出した上で試合に勝つということを考えていました。
――5-0という結果でしたが、どのように捉えていますか
正直チャンスがいっぱいありました。こう言ってしまうと悪いかもしれませんが、この相手だったらもっと大差で勝たなければならなかったと思います。
――具体的な課題を挙げるとすると
個人としては、最後足をつってしまったので、最後まで走り切れる体力をつけていきたいと思います。チームとしては、いままでやってきたことが全然出せていなかったことが課題です。みんなもの足りなさを感じていたので、次の試合までにやるべきことを実践していきたいと思います。
――ご自身が得意とするプレーは何ですか
強みと思っているのは、左サイドの高い位置での1対1です。左サイドのドリブルでの1対1は絶対に負けないという自信があります。そこで目立って、Aチームに上がりたいと思います。
――最後に、次節へ向けて一言お願いします。
練習でやってきたことを試合で出せるように、一日一日を大切に頑張りたいと思います。勝ちだけを考えていきます。