逆転勝利で首位・専大に急接近!

ア式蹴球男子
2ゴールを奪った榎本

2ゴールを奪った榎本

 毎節、熱戦が続く関東大学リーグ戦もこの日で折り返し地点。台風の影響で順延となった第12節、最下位の東洋大を相手に早大は試合開始直後、幸先よく先制点を奪うも、その後は防戦一方の展開に。しかし逆転を許して前半を折り返したものの、後半終盤に入って底力を見せた早大。逆転を果たし、前日に敗れた首位・専大との勝ち点差を2に詰めた。

 試合はいきなり動きを見せた。開始1分、GK松澤香輝(スポ3=千葉・流通経大柏)からのフィードをFW宮本拓弥(スポ2=千葉・流通経大柏)が頭でそらすと、裏に抜け出したのはFW榎本大希(スポ4=横浜F・マリノスユース)。技ありのループシュートで相手GKとの一対一を制し、相手の出ばなをくじく先制点を挙げる。開始直後にリードを奪うという最高の形で試合をスタートさせた早大。だが、ここから試合は東洋大ペースで進んでいく。DFラインから丁寧にボールを繋ぐ相手を前にボールの取りどころを見つけられず、自陣にくぎづけの状態となってしまう。そんな嫌なムードが漂う中、19分に同点とされると、終了間際にもゴール前でのパス交換からこぼれ球を押し込まれ、痛恨の失点。先制点を奪ってからは終始相手にペースを握られ、受け身に回る時間帯が続いた前半であった。

復帰戦で決勝点を奪った近藤貴

復帰戦で決勝点を奪った近藤貴

 1点ビハインドで迎えた後半。早大はハーフタイムでMF近藤貴司(教3=三菱養和SCユース)を投入し、攻勢に出る。すると61分、裏に抜け出した榎本が相手GKと交錯し、PKを獲得。このPKを榎本が自らしっかりと沈め、チームを同点に導くゴールを決める。同点に追いつくと、勢いの差は歴然。相手の足が止まってきたこともあってか、空いたスペースを生かした攻めを見せる早大が一気に相手ゴールに襲いかかる。その猛攻が86分、ようやく得点に結びつく。後半、攻め上がりが目立ったDF三竿雄斗(スポ4=東京ヴェルディユース)のクロスがゴール前で混戦模様になると、最後は近藤貴が押し込み、逆転に成功。手に汗握る熱戦に終止符を打った早大。「勝ち点差を詰めれるチャンス」(MF中田航平主将、スポ4=横浜F・マリノスユース)を逃さずに勝ち切り、首位・専大との差を2に詰めた。

 台風接近に伴う順延の影響により、次節は中3日過密という過密日程で行われる。迎えるのは流通経大。アミノバイタルカップでのPK戦にまでもつれた大熱戦(●4-4、PK2-4)が記憶に新しい相手だ。専大との勝ち点差を詰めた中で優勝に向け、これ以上の取りこぼしは避けたい早大。総理大臣杯で優勝を果たした勢いのある難敵を退け、是が非でも勝ち点3を奪いたいところだ。

(記事 八木和基、写真 尹眩晶)

関東大学リーグ戦第12節
早大 1-2
2-0
東洋大
【得点者】(早)1,61榎本、86近藤貴 (東)19黒須、43馬渡
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 松澤香輝 スポ3 千葉・流通経大柏
DF 12 八角大智 社2 千葉・流通経大柏
DF 奥山政幸 スポ2 名古屋グランパスU-18
DF 金沢拓真 スポ2 横浜F・マリノスユース
DF 三竿雄斗 スポ4 東京ヴェルディユース
MF ◎4 中田航平 スポ4 横浜F・マリノスユース
MF 池西希 スポ4 浦和レッズユース
MF 18 小松聖音 商4 北海道・札幌光星
MF →46分 近藤貴司 教3 三菱養和SCユース
MF 24 竹谷昂祐 スポ4 ガンバ大阪ユース
MF →61 近藤洋史 スポ3 名古屋グランパスU-18
FW 25 宮本拓弥 スポ2 千葉・流通経大柏
FW →75分 山本寛史 商1 東京・国学院久我山
FW 10 榎本大希 スポ4 横浜F・マリノスユース
◎はゲームキャプテン
監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表
順位 校名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
専大 28 12 35 16 19
早大 26 12 19 11
桐蔭横浜大 20 12 21 19
明大 16 12 18 17
中大 16 12 15 14
日体大 16 12 13 13
順大 15 12 23 19
流通経大 14 12 11 17 -6
筑波大 13 11 16 17 -1
10 国士大 13 12 13 20 -7
11 慶大 10 11 16 30 -14
12 東洋大 12 17 24 -7
※第12節終了時
※上位5校は全日本大学選手権の出場権獲得
※6位は北信越大学リーグ2位のチームとプレーオフ
※流通経大は総理大臣杯で優勝で全日本大学選手権の出場権を得たため、6位以内の場合下位チームが繰り上げ
※下位2校は関東大学リーグ戦2部リーグに自動降格

コメント

MF中田航平主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)

――台風で延期になった中で迎えた今節、3ー2で勝利しました。全体的に振り返って

専大が負けてくれたので、ここが勝ち点差を詰めれるチャンスだと思って臨んで、先制点を取ったものの逆転されて、厳しいながらもなんとか勝てたというのがとにかく良かったです。

――東洋大は中盤の中央に3人配置し、足元の技術や個人技でパスを繋がれる場面が多くありましたが、いかがでしたか

相手は中盤が3枚いて、リーグ前半戦が終わってからポゼッションのところを高めていると聞いていたので、回されることは覚悟していたんですけど、相手の強みを出させないように相手が落ち着く前にプレッシャーをかけて優位に進めさせないようにしようと思っていました。ただ前半とかは相手のテクニックが高く、ボールを回される時間が非常に多くて、上手いなと思いました。

――前半は立ち上がりに先制するも逆転され、攻撃の形も作れなかった印象でしたが、いかがでしたか

守備にまわる時間が多くて、奪ってから大希(FW榎本、スポ4=横浜F・マリノスユース)だったり宮本(拓弥、スポ2=千葉・流通経大柏)だったりがカウンターを仕掛けていたんですけど、押し込まれたなかで切り替えて人数をかけることが出来なかったのが課題で、良い攻撃につながらなかった原因かなと思います。

――後半は70分過ぎからワセダが走り勝ち、押し込むといういつもの展開となり、決勝点が生まれました。振り返って

大希が良い形でPKをもらって、決めてくれて、そこから自分たちは動けるという自信があったし、逆に相手は足が止まるかなと思っていて、その中で自分たちは最後の最後まで強みを生かしきれたからこそ、追加点が奪えたのかなと思います。

――きょうの勝利で首位専大との勝ち点差が2に縮まりました

直接対決で負けて勝ち点差が広がったことで非常に厳しい戦いになるなと思っていたんですけど、こんなに早く専大が転んでくれるとは思っていなかったです。自分たちはツいてるし、自分たちの流れに持っていけるチャンスなので、きょう勝てたことは良かったです。また次、専大が転ぶのを待つだけだし、自分たちは勝ち続けなければ差は広がってしまうので、自分たちは自分たちのサッカーを貫いて、これからも勝ち点3を積み上げていきたいです。

――日程がつまった中迎える次の流通経大戦に向けて

相手はきのう試合をしているので、1日中日が多いですけど、それはなんの言い訳にもならないので。アミノバイタルカップでも負けていますし(●4-4、PK2-4)、総理大臣杯で優勝しているので、リベンジを果たすためになんとしても勝たなきゃいけないと思いますから、出来る限りこの3日間で最高の状態を作って、勝利に結び付けたいです。

DF三竿雄斗副将(スポ4=東京ヴェルディユース)

――きょうの試合を振り返って感想をお願いします

早い時間に1点取れたんですけど、その後の時間帯で少し緩んでしまって2点取られてしまって。苦しい展開でしたけど、最後の最後で2点取って勝てて、何が何でも勝ちたかったので専大と勝ち点差を詰めることができて良かったです。

――月曜日からの順延になりましたが、コンディションの面で影響はありましたか

順延になって逆に2日多く練習できたのでコンディションという部分では上がったと思いますし、チームとして1つでも多く積み上げてこの試合に臨めたので、特に影響はなかったかなと思います。

――前半は相手の3トップに苦しむ場面が印象的でした

前線の3枚がすごく能力が高くて個でどんどんスピーディーにやってくるところもあったし、相手の左ウイングの選手に手を焼いたというのがあったので、個の部分でも対応できる力をつけていかないといけないと思うし、結果2失点してしまったのでそこはしっかり修正してもっと失点を抑えないといけないと思います。

――ハーフタイムで監督からはどのような話がありましたか

きのう専大が負けて、きょう差を詰めないでいつ差を詰めるんだという話があって、きょう詰めれないのならいつになっても詰めれないということだったんで、後半は何が何でも自分たちのサッカーをやって気持ちの部分で負けないようにって部分をみんなで確認し合いました。

――後半の中盤過ぎからは早大が主導権を握りました

相手の足が止まっていたというのもありますが、うちは90分間通して走れるチームだと思ってますし、相手の足が止まったところで自分たちは足を止めることなくゴールに迫れると思ってました。負けていたとしても最後の25分くらいは自分たちのペースになると思っていたんで、自分たちのサッカーができたなって思ってます。

――きょうの勝利で専大との差を詰めました

最終節までは専大とやれないので、それまでにあと9試合ありますけど9連勝して、最後専大に勝って優勝できれば良いなと思うので、一戦一戦勝ちに行くだけなんで大切にしてやっていきたいです。

FW榎本大希(スポ4=横浜F・マリノスユース)

――きょうの試合を振り返って

相手が下位ですが、すごく難しい試合になるのが予測できたんですけど、本当にそういうゲームになってしまいました。

――東洋大の印象は

一人一人の技術が高くて、丁寧にボールをつなぐチームってことは分かってたんですけど、後期になって、そういうのに加えてシンプルに前線に送ったりするプレーも増えてきて、全体的にすごい戦えるチームに変わってきてるなって印象がありました。

――2点目のPKシーンを振り返って

希(MF池西、スポ4=浦和レッズユース)が前向きになった瞬間に、いい動きをすれば出てくると思ってたので、イメージ通りに出してくれて良かったです。PKにならないと思ったんですけど、とってもらえてラッキーでした。

――PKの時は緊張しましたか

きょうはあんまりしてないですね(笑)。

――反省点は

最初に一点入るのが早すぎて、そのあと集中が切れていたところがあったと思うので、もっと前半のうちに動きだして、もっと点差をつけるべきだったと思います。

――流通経大戦に向けて

僕たちが習わなきゃいけない点がたくさんあるチームなので、だからこそ負けられない戦いになると思います。絶対に勝つように頑張ります。

MF近藤貴司(教3=三菱養和SCユース)

――きょう全体を振り返って

前半見ていた中で能動的にボールを奪いに行くということがあまり出来てなかったのかなと思ってて、最初先制点を取れたのですがその後はずっと東洋にボールを持たれていたので自分が出たらプレッシャーかけて流れを変えられたらなと思っていました。

――後半から久々の出場でしたがどんな意気込みで臨みましたか

特にそんなやってやろうという感じではなかったのですが、いつも通り平常心で臨んだ結果が得点という形に出たので良かったです。

――得点を決められましたが、そのシーンを振り返って

あまり覚えてないのですが、こぼれてきて上手くトラップできて相手がカバーしてたのですがそこを狙わずににサイドネットを狙えて冷静に決めれたので良かったです。

――次の流通経大戦に向けて

今回復帰できて試合出れたのですが、まだスタメンでは出れてないのでまずはスタメンで出れるように明日から練習でアピールしていってスタメンで出て点を決めてチームの勝利に貢献出来るように頑張りたいです。