本保の2試合連続ゴールで先制も勝ち切ることはできず リーグ3位でアミノバイタルカップへ

ア式蹴球男子
試合結果

JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦 第9節

2024年6月16日(日)14:00 Kickoff
@早稲田大学東伏見サッカー場

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 1 0 1
神奈川大学 0 1 1

得点者

前半

35分 本保奏希

後半

34分 相手

 先週までのリーグ戦アウェイ三連戦を見事三連勝で乗り切り、ホーム・東伏見に戻ってきたア式蹴球部(ア式)。第10節は上位チームと好ゲームを繰り広げて順位を上げてきている神大との対戦となった。前半は立ち上がりから相手にボールを保持される展開となる。それでも時間が経つにつれて徐々にア式のペースになると35分、FW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)のクロスをMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)が押し込み先制、前半を1点リードで折り返す。後半は立ち上がりから一進一退の攻防が続く。GK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)の好セーブもあり無失点で試合が進んでいたが、79分にペナルティエリア内でハンドの反則を取られて相手にPKを献上。そのPKを相手に沈められ試合終盤同点に追い付かれてしまった。最後まで2点目を取りにいったア式だったが次の1点が遠く、1―1の引き分けに終わった。

クロスをあげる佐々木

 前半の立ち上がりから相手がア式ゴールに迫る。6分、相手コーナーキックのピンチはMF伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)のクリアでしのぐと、9分には相手右サイドからのクロスでピンチを迎えるも海本が足で防ぐ。攻撃のきっかけをつかみたいア式はDF西凜誓(社2=名古屋グランパスU18)の縦パスなどでゴールを伺ったが、なかなか決定的なシーンを作れない。それでも迎えた35分、駒沢が中央ポストプレーから一度展開すると右サイドの裏に抜け出して再びボールを受ける。すぐにクロスを上げると中で待っていた本保が詰めて先制点を獲得。前半終了間際は相手に押し込まれる展開が続くも最後の局面で相手に決定的な仕事をさせず、前半を1―0で折り返す。

中盤でボールを展開する伊勢

 後半は両者チャンスを作るもなかなか決めきれない展開となる。57分、中央でボールを受けた伊勢が左サイドに展開するとMF松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)と西で左サイドを突破してクロスをあげる。最後は中央で待っていた本保がクロスに合わせたが枠を捉えることはできず。60分にもDF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)のクロスを本保がボレーで合わせたがここも得点には繋がらなかった。その後、75分に相手に決定機を作られたが海本のスーパーセーブでここをしのぐ。しかし79分、自陣ペナルティエリア内でハンドの反則を取られてしまいPKを献上。そのPKを相手に沈められて同点に追い付かれてしまった。その後MF森田大智(スポ3=熊本・大津)、MF久米遥太(政経1=東京・早実)を投入して勝ち越しを狙ったが最後まで得点を奪うことはできず、1ー1で4試合ぶりに勝利を逃す結果となった。

ボールを持つ石井

 アミノバイタルカップ(アミノ杯)前最後の一戦となったア式。前半苦しい展開の中で先制に成功できただけに、後半の自分たちの時間帯に次の1点が奪えず引き分けに終わってしまったことは悔やまれる。「最後は個人の部分」と兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)も話すように、チームとして攻撃の形ができてきた今は各々が決めるところを決め切ることが求めれる。それでもリーグ戦3戦勝ちなしで開幕したリーグ戦だったが、そこからリーグ戦6試合負けなしとなった。ここで一度リーグ戦は中断し、全国大会出場をかけて勝負のアミノ杯に臨む。現体制になってから積み上げてきたことを存分に発揮し、全国行きのチケットを勝ち取ってほしい。

(記事 和田昇也、写真 髙田凜太郎、熊谷桃花 取材 荒川聡吾)

メンバー情報

早稲田大学 メンバー

スタメン

ポジション 選手名 背番号
GK 海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18) 16
DF 佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡) 2
DF 増田健昇(スポ3=横浜FCユース) 3
DF 西凜誓(社2=名古屋グランパスU18) 12
DF 石井玲於奈(商3=FC東京U18) 19
MF 谷村峻(スポ3=FC東京U18) 6
MF 伊勢航(社4=ガンバ大阪ユース) 7
MF 東廉(スポ4=清水エスパルスユース) 8
MF 本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18) 11
MF 松尾倫太郎(人4=千葉・八千代) 15
FW 駒沢直哉(スポ4=ツエーゲン金沢U18) 9

【監督】兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

サブ

ポジション 選手名 背番号
GK 北村公平(文構4=神奈川・桐光学園) 21
DF 石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18) 5
DF 佐久間真寛(商3=静岡・藤枝東) 26
MF 森田大智(スポ3=熊本・大津) 14
MF 成定真生也(スポ4=神奈川・日大藤沢) 20
MF 高橋作和(法2=東京・国学院久我山) 24
MF 久米遥太(政経1=東京・早実) 27
MF 山田皓生(社2=群馬・前橋育英) 29
FW 瀧澤暖(スポ3=北海道コンサドーレ札幌U18) 23

交代出場

選手名 背番号 交代時間 交代相手
高橋作和 24 65分 松尾倫太郎
山田皓生 29 70分 本保奏希
森田大智 14 80分 東廉
久米遥太 27 89分 谷村峻

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合振り返っていかがでしたか。

  2点目を自分たちで決めれなかったっていうところと、安定した試合運びは、まだまだムラがあるのかなと思います。ただいい時間帯を自分たちで少しずつ増やせるようになってきたというのは収穫ですけど、1試合を通して試合をコントロールするっていう力はまだまだ足りないですね。

ーー相手は前半からサイド使っての攻撃がメインでしたが、中を閉めるという守り方でしたか

 外崩されて前進はされても、危ないシーンほぼ作られてないので。 そこはチームとしての守り方っていうところがしっかりできていたと思います。ただ、もっと制限の仕方とか含めてファーストの強度をしっかりと作れれば、はめどころをもっと作れると思うのでそこはまだまだ守備のところは改善の余地はたくさんやっぱりあるかなっていう風に思います。

ーー後半はア式の攻撃の時間続きました、ハーフタイムではどういう指示をされましたか

 相手がやってくること含めて前半の途中からしっかりと対応できたので、そこもしっかりともう一度整理しました。中をしっかり閉めながら外に押し出していくところを意識させたのと、攻撃のところもしっかりといい立ち位置からっていうところ。奪った後に早い攻撃をするためにも、まずいいサポートをしないといけないので。前半の途中とかは奪った後に後ろ向きのサポートでしかなかったのでそこは言いました。 結局点取ったのは、奪った後に前向きのサポート作って、それをうまく使ってそのまま前進できたから、早い攻撃で完結させることができていたので良かったです。 今日の悪い時間帯は大体ボールを取った瞬間にほっとして保持にすぐ入ってましたけど、チームで選択肢を作ってあげる、個人として選択肢をしっかりと持つところの決定が大事なので。前半しっかりと相手も動かしてきましたけど、体力的には多分負ける要素はほぼないかなと思っていたので、そういう部分で相手の足が止まってた後半で仕留め切らないといけないところ、やっぱり決めきれなかったのがやっぱり全てかなと思います。

ーー2点目取れるチャンスはありましたが、最後は個人の課題ですか

 そうですね、崩し方含めて攻略の仕方っていうのは、ワンツーでの単純なところだったり、人の動き使って関わりだったりっていうのも何回は出てたんで、 あとはほんとに最後のラストパスの生徒だったりシュートの生徒、 あそこまでいって入んないっていうか、もっと際どいのができないっていうのは、もう個人でしかないと思うんで。チームとしては、あれの回数をもっともっと増やすために、再現性高めるようなトレーニングをもっとやっていく中では、あとはもう個人としてのアプローチとしては、それをやっぱり決める力をトレーニングからこだわる。外してヘラヘラしてるようじゃダメですし、 やっぱりこう決めて当たり前だよねって、うちらのっていうところのあのところまで持っていかないといけないなっていう風には思います。

 

ーーここからトーナメントが始まりますけど、トーナメントの戦い方意識したいとことかありますか

 リーグだから、トーナメントだからというのは、基本的にはあんまりないので、自分たちがやるべきことをただやり続けるだけではあるんですけど、最後の時間の使い方とか負けてる時のパワープレーは多少考えていかないといけないところですね。基本的に普段はパワープレーするチームじゃないので。 そういうところもこの2日でしっかりと整理して、こういうシチュエーションになったら取りに行くフォーメーションも含めて、チームとしてはっていうところを徹底してやれればいいのかなっていうところですね。戦い方変えるのはないので。

ーー今季の中でも大事な2週間になると思います。来週以降への意気込みをお願いします

 日本一を取るチャンスっていうのは基本的にもうこれしかないので。 しっかりとやるべきことをもう1回今日の反省から整理して、トーナメントは勢い大事だと思うので、初戦からいい勢いにしていきたいです。

 

DF増田健昇(スポ3=横浜FCユース)
ーー今日の試合全体を振り返っていかがですか

 今日、アミノバイタルカップ前の最後の試合で勝って終わりたかったですけど、ここから切り替えてアミノに向かっていきたいと思います。


ーー3連勝の中での一戦ということで、相手も調子の良い相手でしたが、どういった準備をチームとしてこの1週間やってきましたか

 相手の映像を見て、特徴がビルドアップの重さだったりというのがあったので、しっかりプレスのかけ方だったり確認したんですけど、中途半端に出てしまったりというところが出て、ずれが生まれてしまったので、そういうところはもう少し練習から試合を意識してできれば、うまくはまったかなと。


ーー前後半通じて相手に保持される時間も幾度かあったと思いますが、そこはチームとして想定していたことでしたか

 そうですね。今日は普段よりも気温が高い中で、全てがパイプレスではまっているところはなかったので、そこは保持させるところは保持させて、行くところ行くというメリハリはつけてやってました。


ーー増田選手自身はセンターバックとしてビルドアップの起点となることが多いですが、チームとしてどういった役割が攻撃の面で求められてますか

 どっちかというと左より右の方が侵入するシーンが多いと思うんで、そういうところで自分の立ち位置がずれたりするとスムーズに前進できないので、ポジショニングだったりパスの質はこだわってやってます。


ーーここで1度リーグ戦が中断されてアミノバイタルカップを迎えますが、ここまでチームの立ち位置としては開幕時点の予想していた形と比べてどう捉えていますか

 理想としては首位を走りたかったですが、最初始まった頃、負け続けた時よりは良い順位に来てると思うので、しっかり終わった後も順位上げて昇格できるように頑張ります。


ーー今季センターバックのポジションは選手間の競争も激しい印象があります。そこはご自身でどういう風に捉えてますか

 CBは6人くらいいて、競争は激しいと思いますが、しっかり自分が得意なプレーだったりを表現しながら、自分が出ていけるように練習から試合までやってきたいです。


ーーこれからに向けた意気込みをお願いします

 これからは連戦で気温も高いですし、総力戦が問題だと思うので、しっかり11人だけでなくチーム全体で戦っていこうと思います。

 

MF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島)

――試合全体を振り返ってください

相手にボールを持たれる時間帯が多くあった中で、みんなでどうやって守備をするか統一してわうまく守れていた部分が多かったので、そこは良かったなと思います。ただ、やはり決め切るところを決め切らないと、勝ち切ることができないと改めて感じたので、そういうところをこれから練習でこだわっていかないといけないと思います。

――相手が最終ラインからつないでくるチームの中で、前線からのプレスのかけ方などはどのように共有していましたか

前から行くところと、一回全体で引いて行くところを決めていました。そこの一人で行くのではなくて全体で行くところは意識してできて、(プレスが)うまくはまったところはみんなで連動して人をつぶしに行けたので、いい守備ができたのではないかなと思います。

――2試合連続ゴールとなりましたが、ゴールシーンを振り返っていかがでしたか

きれいなかたちではなかったですけど、自分がゴール前に入っていくという意識や、点を決めたいという気持ちがああいったゴールにつながったのかなと思います。

――ここ最近結果が出てきていることで、手応えを得ている部分は大きいですか

自分のところで攻撃がうまくいっているところであったり、関東リーグで通用する部分はあると思います。そういったところをいっぱい出せているから、結果やチームが良い雰囲気になるところにつながると思います。そういったところは自信にはなってきています。

――逆にまだ足りないと感じている部分はどこですか

やはり最後の質です。シュートをするのか止めるのかという、判断の部分をもっとこだわっていかないといけないです。フリーなのに無理やりシュートを打ってしまったというシーンも今日はあったので、そういうところの判断と最後の精度のところはもっと突き詰めていきたいです。

――中2日で始まるアミノバイタルカップへの意気込みをお願いします

これからアミノが始まって連戦が続くと思います。アミノは唯一日本一を取れるチャンスだと思うので、初戦から一つの目の前の試合だけに集中して、全員が勝つために準備をしていけたらと思います。

DF佐々木 奈琉(スポ3=新潟・帝京長岡)

――試合振り返っていかがですか

試合通して特に後半ですけど、決め切るところという部分で課題が結構出たかなと思います。

――前半は相手がビルドアップしてくる中で、なかなかプレスがはまらずに裏返されるシーンもあったと思うのですが、セットしてるところなども含めてどのように感じていましたか

分析でああいう剥がし方をするっていうのを分かっていた上で、上手く最初の方ははめられなかったんですけど、前半のうちに自分たちで修正して良い形で何本か奪えたっていうのは良かったところかなと思います。

――修正した部分で、具体的に指示があった部分とか、こういうところを直していこうみたいに出来た部分はありましたか

練習の段階でマンツーマンをやって、はっきりマンツーマンとは行かずとも、後ろは伸ばしながらしっかり奪いどころを決めて奪うようにしていました。

――後半は佐々木選手自身も高い位置を取れるシーンが増えていったような印象もありましたが、どのような点を攻撃面で修正しましたか

廉くん(東廉、スポ4=清水エスパルスユース)が変わってから山田(皓生、社2=群馬・前橋育英))になって内でターンするのが上手い選手なので、その分自分が外で相手を食いつかせてクロスを上げる本数を増やしたという感じです。

――試合を通して自分自身の中で出た課題はどのような点だと思いますか

1本決定的なクロスをミスしてしまって、それが決まっていれば試合の結果自体も変わってきたと思うので、これからそういうところを1つ1つこだわってやっていかなきゃなと思います。

――中2日でアミノが開幕してここからまた連戦になっていくと思いますがどのようにして大会に臨んでいきたいですか

疲労とか色々あると思うんですけど、チーム全員で勝利を積み重ねて総理大臣の切符をつかみ取れるように頑張りたいと思います。