終了間際に痛恨の同点弾を許し、またしても勝ち点3を拾えず

ア式蹴球男子
試合結果

JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦 第12節 vs産業能率大学

2024年7月28日(日)18:00 Kickoff @早稲田大学東伏見サッカー場

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 1 1 2
産業能率大学 1 1 2

得点者

前半

13分 駒沢直哉

24分 相手

後半

79分 本保奏希

90+1分 相手

 リーグ戦前半を終え、自動昇格圏の2位日体大との勝ち点差は5。一部昇格に向けて負けられない戦いが続くア式蹴球部(ア式)。6月9日の拓殖大戦以降勝ち星を奪えないトンネルを抜け出すべく、この日は産能大との一戦に臨んだ。

試合前の選手たち

 今季、立ち上がりの失点が目立つア式。この日も序盤は相手にボールを握られる展開となった。しかし、守備陣が集中力高くブロックを形成し、中央への侵入を許さない。キックオフ直後にはロングボールの流れからミドルシュートを枠内に飛ばされたものの、GK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)が落ち着いてセーブ。5分にもサイドチェンジからシュートを放たれたが、このシュートは力なく枠外へ。序盤のピンチを乗り切ったア式は、DF林奏太朗(スポ1=サガン鳥栖U18)からのフィードを中心に相手のラインを押し下げ、徐々にペースを取り戻すことに成功する。すると12分、FW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)がロングボールの競り合いを制すると、セカンドボールも自ら回収し、MF東廉(スポ4=清水エスパルスユース)にパス。ボールを受けた東は裏に抜けたMF松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)にスルーパスを出し、そのままゴール前へと侵入する。この動きによって相手ディフェンスラインが押し下げられ、生まれたスペースに駒沢が侵入。この動きを見逃さなかった松尾が駒沢にマイナスのクロスを供給すると、駒沢がダイレクトで相手GKの頭上を打ち抜く強烈な一撃を放ち、先制に成功した。その後も林の縦パスを中心に相手陣内へ押し込むア式、しかし追加点は奪えず。迎えた23分、敵陣中央で相手MFへのプレスが甘くなり、ロングボールで一気に自陣左サイド深部まで侵入される。数的有利の状況ではあったものの、折り返しに対してア式は対応しきれず、相手FWにキープを許した。そして、横パスを出した後そのまま斜めに走りこんできた相手FWを捕まえられなかった早大はゴールエリア横まで侵入を許し、ワンタッチでボールはゴール前へ。懸命に戻ったDF笹木大史(商3=東京・早大学院)がクリアしようと滑り込むが、足に当たったボールがそのままゴールへと吸い込まれ、オウンゴール。同点となった。前半の中盤以降はロングパスに対してセカンドボールが拾えない展開が続き、ボールを握りこそするものの、決定的な場面はつかめないままに試合が進む。35分にはMF柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース)のパスが味方選手の動きと合わず、相手に拾われる形でショートカウンターを食らう。完全に抜け出されて海本と1対1の局面となったかに思えたが、戻った林が身体を投げ出して懸命のブロック。コーナーキックに逃れることに成功した。その後も45分には林が東へと縦パスを打ち込むも、東の落としが合わずカウンターを浴びる。このシュートはブロックして前半を終えたものの、同点とされた後はやや閉塞感が漂う前半戦となった。

同点弾を決めた本保

 後半開始直後も相手ペースの流れは変わらず。開始直後の47分にはクロスからフリーでシュートを放たれる場面を作られたが、このシュートは枠外に外れて難を逃れた。すると、その後はア式が駒沢を中心に攻撃を組み立て、徐々にペースを取り戻す。51分には本保の仕掛けを起点にコーナーキックを勝ち取る。そして、このコーナーキックをDF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)がドンピシャのタイミングで合わせて枠内に飛ばすも、ここは相手GKのスーパーセーブに阻まれた。その後両チーム決め手に欠く展開となり、ア式は66分にMF光田脩人(スポ4=名古屋グランパスU18)を投入。突破力が武器の光田を投入することでサイドの攻防を優位に進め、試合の流れをつかみに行った。しかし、光田は投入された直後にフリーキックの壁に立った際にボールから離れず、イエローカードを貰ってしまう。その6分後にはファーストタッチが大きくなったところで相手選手にアフター気味のタイミングで接触。2枚目のイエローカードを受けて退場となり、数的不利で残り時間を戦うことになってしまった。それでもア式は78分、駒沢がロングボールを収めて左サイドを突破。本保に預けると、ボールを受けた本保が、積極的にシュートを狙う。相手に当たったボールは相手GKの頭上を越えてゴールに吸い込まれ、1人少ないア式が勝ち越しに成功した。しかし、得点後はなかなかセカンドボールを拾えず、ラインを押し上げられない展開が続く。すると90分、左サイドからのクロスを折り返されると、相手FWにオーバーヘッドで同点ゴールを沈められる。勝利目前での失点。またも勝ち点3が手から零れ落ちた。失点直後に駒沢に替えてFW瀧澤暖(スポ3=北海道コンサドーレ札幌U18)を、東に替えてDF神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)を投入。パワープレーで1点を奪いに行く攻めの姿勢を見せる。それでも押し込まれる展開は変わらず、苦しい守りの時間が続いた。なんとか逆転弾は許さなかったものの、2-2で試合は終了。10人になりながらも勝ち点1を拾う結果となった。

リーグ復帰戦となった神橋

 リーグ戦残り10試合時点で勝ち点16。昇格に向けて厳しい戦いが続くことが想定される。リーグ戦4試合勝ち無しの長いトンネルを抜け出すべく、次戦はアウェイでの法政大戦。早慶クラシコ前になんとか勝ち点3を目指したい。

(記事 林田怜空、写真 田中瑠花、熊谷桃花 編集 和田昇也)

 

メンバー情報

早稲田大学 メンバー

スタメン

ポジション 選手名 背番号
GK 海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18) 16
DF 佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡) 2
DF 石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18) 5
DF 笹木大史(商3=東京・早大学院) 13
DF 林奏太朗(スポ1=サガン鳥栖U18) 22
MF 谷村峻(スポ3=FC東京U18) 6
MF 東廉(スポ4=清水エスパルスユース) 8
MF 本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18) 11
MF 松尾倫太郎(人4=千葉・八千代) 15
MF 柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース) 25
FW 駒沢直哉(スポ4=ツエーゲン金沢U18) 9

【監督】兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

サブ

ポジション 選手名 背番号
GK ヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西) 1
DF 増田健昇(スポ3=横浜FCユース) 3
DF 神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18) 4
DF 石井玲於奈(商3=FC東京U18) 19
DF 佐久間真寛(商3=静岡・藤枝東) 26
MF 光田脩人(スポ4=名古屋グランパスU18) 17
MF 成定真生也(スポ4=神奈川・日大藤沢) 20
MF 高橋作和(法2=東京・国学院久我山) 24
FW 瀧澤暖(スポ3=北海道コンサドーレ札幌U18) 23

交代出場

選手名 背番号 交代時間 交代相手
光田脩人 17 68分 松尾倫太郎
瀧澤暖 23 90+1分 駒沢直哉
神橋良汰 4 90+3分 東廉

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

ーー試合全体振り返っていかがでしたか
 自分たちの決めきる力のなさっていうのが本当に去年から改善されてないです。いつか取れるだろうっていうところ考え方から隙が生まれてしまっていて、いつかじゃなくて今取らないといけないでしょと、絶対勝負どころってあるので、そういうところをこう決めきる力っていうのをまだまだ植えつけられてなかったなっていうところですね。逆転した後のところで、1ー4ー4ー1のところで、まだまだ動き含めて守りきれるという風に思っていました。ただ、最後のところで押し込まれたところを守りきれない。 勝負に対しての感度を上げていく必要があると思いますしイレギュラーもあったりするので、どのような状態でも勝ち切る準備を自分たちはしないといけないです。負けるともう昇格がないという風な取り組みを意識づけして、もっともっと緊張感を持ったトレーニングを積み重ねて、次の試合にしっかり向かっていくしかないかなと思います。

ーー来週に向けて取り組んでいきたいことはどのような部分ですか
 守備ですかね。今日も2失点してるのでもう0に限りなく近くしないと勝つチャンスを逃すというところと、3点取れてないっていうところに対しても、やっぱり両方やらないといけないと思います。

 

石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18)

ーー試合振り返っていかがですか
 自分たちが先に点を決めれたのは良かったところかなと思いつつ、中盤以降間延びをしてしまって、そこを一瞬の隙をつかれたなという印象です。

ーー試合やっていての手応えみたいな部分はどうでしたか
 正直、10人になってしまったというのもあるので、 正直そこの自分たちがやりたいサッカーっていうのはできなかったです。それ(一人少なくなる)まではいい形ももちろんありましたけど、まだまだ課題も多くあるなと感じました。

ーー来週に向けてのコメントお願いします
 多分まだ厳しい戦いになると思うので、自分自身チームを助けるようなプレーをもっともっとしたいですし、もっとチーム一丸となって来週の勝利を撮りに行きたいと思います。

 

 

本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)
――今日の試合を振り返っていかがですか

 1対1で前半終えて、1人少ない中で逆転できたことは良かったと思います。ただ、やっぱり最後の最後で決められてしまうっていうのは、やっぱり今のア式の現状、弱さだと思うので、そこを変えていく必要があると思います。

――前半は林選手のロングボールから抜け出す形で左サイド深くまで侵入することができていました。チームとして狙っていた形だったのでしたか
 そうですね。僕がサイドに張ることで相手を困らせて、相手がどう食いついてくるかっていうところで、自分の裏だったり、(東)廉くんのところが空いてくるっていうのは狙っていたので、そこをうまく何回か使って、いい形で攻撃できたところはあったかなって思います。

――後半には一時勝ち越しとなるゴールをあげました。ゴールの瞬間を振り返っていかがですか
 1人少ない時間でしたけど、やっぱり同点だったので。ゴールを狙いに行くっていうのをずっと考えていました。決して良い形のゴールではなかったですけど、やっぱりああいうところで打つことで、何が起こるか分からないということは改めて痛感しました。

――試合後はピッチに倒れ込みました。この試合にかける思いは大きかったのですか
 2連敗したなかで、本当に、チームの目標、リーグ制覇、昇格を達成するためには、なんとしても勝たなきゃいけない試合だったので、この試合にかける思いっていうのは、チーム全員強かったと思います。本当に勝てる試合だったので、最後やられてしまって、勝ち点3を逃す形になってしまったので、本当にもったいないし、まだまだこだわってやらないと目標を達成するには程遠いと思いました。

――最後に、今後の試合への意気込みをお願いいたします。
 今のこの弱さっていうのを受け止める必要があります。次がある、っていう言葉をあまり使いたくはないですけど、本当に、まだ中断まで試合はあるので、本当に全員が勝つことだけを考えて、考えて日々の練習からやっていって、 次の法政戦は必ず勝つしかないと思います。