フレッシュなメンバーで挑んだ流通経大戦は惜しくも敗戦 10位で大会を終えた

ア式蹴球男子
試合結果

「アミノバイタル®」カップ2024 第13回関東大学サッカートーナメント大会

2024年6月30日(日)9位決定戦 vs流通経済大学
11:00 Kickoff @早稲田大学東伏見サッカー場

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 1 0 1
流通経済大学 1 1 2

得点者

前半

9分 相手

42分 高橋作和

後半

31分 相手

  2週間で5試合を戦う「アミノバイタル®」カップ(アミノ杯)もいよいよ最終戦。2日前に亜大に勝利し、辛くも夏の全国大会である総理大臣杯全日本大学トーナメントとの出場権をつかみ取ったア式蹴球部(ア式)は、流通経大との9・10位決定戦に臨んだ。互いに大きくメンバーを入れ替えた一戦となった中、9分に自陣でのビルドアップを奪われ、先制点を許してしまう。それでも、そこからはゲームを支配すると、42分にMF高橋作和(法2=東京・国学院久我山)のゴールで同点に追い付き、前半を1-1で折り返す。しかし、後半は相手に主導権を握られる苦しい展開なる。75分に勝ち越し弾を奪われると、その後の反撃も及ばず。1-2で敗れ、アミノ杯を10位で終えることとなった。

敵陣に侵入する瀧澤

   2日前の亜大戦から先発メンバーを全員入れ替えたア式。普段は控えに回ることの多い選手たちが中心の中、序盤から積極的なプレーを繰り広げる。7分には最終ラインのDF佐久間真寛(商3=静岡・藤枝東)が背後へボールを送ると、抜け出したFW瀧澤暖(スポ3=北海道コンサドーレ札幌U18)が頭で合わせネットを揺らす。しかし、これはオフサイドの判定となり、先制点とはならなかった。すると、直後の9分に自陣のビルドアップミスをはめられ、そのまま失点を喫してしまう。1点ビハインドとなったア式だが、その後はMF柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース)と公式戦デビューとなったMF神田拓人(スポ1=福島・尚志)のドイスボランチを中心に攻撃を組み立て、ボールを支配する時間が続く。41分には再び相手にゴール前まで迫られるが、DF石井玲於奈(商3=FC東京U18)の見事なタックルで難を逃れる。その直後のプレー。GK北村公平(文構4=神奈川・桐光学園)から、MF山田皓生(社2=群馬・前橋育英)、DF笹木大史(商3=東京・早大学院)、瀧澤暖と見事なパスワークでボールをつなぎ、敵陣深くまで侵入した瀧澤暖がグラウンダーで中に折り返す。このボールがファーサイドまで流れると、待っていた高橋作がダイレクトでシュート。きれいな弧を描いたボールがネットに吸い込まれ、前半のうちに同点に追い付くことに成功する。1点を先制されたものの、その後は多くのチャンスをつくり、1-1で前半を折り返した。

同点弾を決めた高橋

   後半に入り、逆転へ向け攻勢を強めたいア式だったが、ハーフタイムで修正をしてきた相手を前になかなか主導権を握ることができない。時間が進むに連れ、徐々に攻め込まれるシーンも増えるが、北村公の好セーブもあり、何とか失点は免れる。それでも75分、自陣左サイドからのクロスを中で合わされると、DFに当たりコースが変わったシュートが北村公の頭上を超え、そのままゴールに吸い込まれてしまう。1-2と再びリードを許したア式は、途中出場のMF森田大智(スポ3=熊本・大津)やMF久米遥太(政経1=東京・早実)を中心に攻め立てるが、最後まで相手ゴールを割ることはできず。1-2で敗れ、アミノ杯を10位で終えることとなった。

ゴールを狙う柏木

   内容で上回った前半から、打って変わって打開策を見出せなかったゲーム運びの面、序盤にあっさり失点してしまうという面で、チームとしての課題が露呈するかたちとなってしまった今試合。一方で、この日がトップチームデビューとなった神田や、これまで出場機会の少なかった瀧澤暖、佐久間、柏木といった選手が随所で自身の持ち味を発揮していた。アミノ杯は5試合中、3試合が延長戦に突入した末の勝利、まさにチーム全員の総力戦で勝ち上がってきた。そんな中で、こうした新たな戦力が台頭してきたことは、間違いなくここからの戦いにもつながってくるだろう。2週間後にリーグ戦が再開する。そして8月末には早慶クラシコ、その先には総理大臣杯が待ち構えている。1部昇格、宿敵撃破、日本一に向け負けられない試合が続く。このアミノ杯でチーム全体で幾度となく逆境を乗り越えてきた経験を糧に、勝負の夏に向けて、さらに強いア式へと進化を遂げてほしい。

(記事 髙田凜太郎、写真 和田昇也 西村侑也)

メンバー情報

早稲田大学 メンバー

スタメン

ポジション 選手名 背番号
GK 北村公平(文構4=神奈川・桐光学園) 16
DF 笹木大史(商3=東京・早大学院) 13
DF 石井玲於奈(商3=FC東京U18) 19
DF 伊藤稜介(スポ1=ジュビロ磐田U18) 27
DF 佐久間真寛(商3=静岡・藤枝東) 31
MF 成定真生也(スポ4=神奈川・日大藤沢) 20
MF 柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース) 24
MF 神田拓人(スポ1=福島・尚志) 29
MF 高橋作和(法2=東京・国学院久我山) 32
MF 山田皓生(社2=群馬・前橋育英) 33
FW 瀧澤暖(スポ3=北海道コンサドーレ札幌U18) 23

【監督】兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

サブ

ポジション 選手名 背番号
GK ヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西) 1
DF 石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18) 5
DF 西凜誓(社2=名古屋グランパスU18) 12
DF 林奏太朗(スポ1=サガン鳥栖U18) 22
MF 谷村峻(スポ3=FC東京U18) 6
MF 伊勢航(社4=ガンバ大阪ユース) 7
MF 森田大智(スポ3=熊本・大津) 14
MF 久米遥太(政経1=東京・早実) 28
FW 松尾倫太郎(人4=千葉・八千代) 15

交代出場

選手名 背番号 交代時間 交代相手
森田大智 14 60分 成定真生也
久米遥太 28 67分 高橋作和
松尾倫太郎 15 82分 山田皓生
ヒル袈依廉 1 82分 北村公平

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合振り返っていかがでしたか
 やりたいことがやれた前半と、相手が強度変えてきて少しうまくいかない時間帯が多かった後半でした。控えのメンバー中心でしたけど、戦うベースはしっかりと見せてくれたかなと思うのでチームの底上げはしっかりできてるかなとは思いましたけど、こういうところで勝ち切るかどうかという部分で、まだまだ1部と2部の勝負どころの差はあるなと感じました。

ーー大会5試合戦い抜きましたが振り返っていかがでしたか
 明治相手に叩かれてしまいましたけど、粘り強い戦いができてチームの底上げにもつながったかなと思いますし、厳しい試合を勝ち抜くことでしか成長できないのでその中で総理大臣杯の出場権は最低限しっかり確保できてるので、そこはすごくポジティブかなと思います。でも1ー7の試合(明大戦)は悔しかったと思うので、トレーニングにも目を向けて、ここからまた作り上げていきたいなと思います。

ーー大会を通じて見えた課題はありましたか
 無失点の試合がなかったので、守備のところを確認したいです。 自分たちの中でいい守備できてる時間帯はいい攻撃もできるというのが共通認識としてできてる中で、それをどう全員の共通理解にしていくのかっていうところは大事かなと思います。あとは、攻撃のところでも最後の質は個人でも当然あげていってほしいし、チームとしてももっともっと狙いどころを明確にしたりというところしていければ、もっとチームとして積み上がっていくのかなっていう風に思います。

ーー夏に向けての意気込みをお願いします
 まだリーグ戦では首位になってないので、まず首位になるために4試合をどう戦うかは当然大事になってきますし、今年の最大の目標・1部昇格というところでは、4月に出遅れた分、しっかりまだまだ取り返せてないと思うので、そこに対してチャレンジしていきながら、いい競争で全員がのびのびプレーができるような環境を作っていくしかないのかなという風に思います。

 

瀧澤暖(スポ3=北海道コンサドーレ札幌U18)
ーー今季初の先発でしたがいかがでしたか
 日頃からトップチームでやれてないわけではないので、自信持って試合に入って自分の特徴生かせていたんですけど、FWとしてゴールは取れなかったので、全国までの間に仕留められるようになりたいです。

ーー今日の試合どういう意識で望みましたか
 まずは自分の特徴が裏抜けからのゴール狙えるところなので、そこでディフェンスラインを止めて、うまく真生也くん(成定副将、スポ4=神奈川・日大藤沢)とかを生かすっていうところを狙いながらやってました。

ーー流通経大相手に特に前半は主体的に攻められていたと思うんですけど、手応えどうでしたか
 監督もそこは結構褒めてて、そこででも1点しか取れなかったところが自分たちの課題でもありますし、後半相手フレッシュな選手が出てきて、そこで跳ね返せなかったのは力不足を露呈したので、そこは改善しなければいけないなと感じました。

ーー複数得点するためにどういったところを改善する必要があると考えていますか
 自分がまずFWとして個人で打開できる能力がまず一番必要かなと思いますし、チームとしても一人一人が個人としてもっと打開できる能力が必要なんじゃないかなと思います。

ーー駒沢選手(直哉副将、スポ4=ツエーゲン金沢U18)がいたり、鈴木選手(大翔、スポ2=ガンバ大阪ユース)がいたりというところですが、チーム内での競争はどのように意識していますか
 去年から二人とも出てますけど、自分も負けるつもりもないですし、全国までまだ時間があるので積み上げて、全国の舞台で活躍できるようにやっていきたいです。

ーー今後に向けての意気込みをお願いします
 今日は出られましたけど、駒沢選手がいたら使われないというのが今の現状だと思うので、練習から積み上げていって、まず出ることが目標ですし、出た時にしっかり結果を残せるように日頃からやっていきたいと思います。

 

高橋作和(法2=東京・国学院久我山)
ーー今日の試合を振り返っていかがでしたか
 今日は普段出ていないメンバーで試合に臨んで、チームの結果はもちろんですけど、個人の結果を求めた中で、立ち上がりに失点はしましたけど、前半の試合運びも切り替えとか球際の部分もみんな良かったと思いますし、前半のうちに追いつけたというのは良かったなと思います。

ーー自身のゴールシーンを振り返っていかがでしたか
 自分自身は最近調子が良くなくて厳しい状況でしたけど、今日は点を取ろうという気持ちで試合に臨んだので、とりあえず点が取れてほっとしています。得点シーンは、完璧な流れで自分のところに転がってきたので、決めるだけという感じでした。

ーートップチーム初ゴールでしたがいかがでしたか
 トップチームに上がって、途中出場ですけど結構多くの試合に出た中で、前線の選手として点が取れていないというふがいなさもあったので、ほっとしているの一言ですが、まだまだ取れるチャンスはあったですし、全然満足していないので、もっと取れるようにやっていきたいと思います。

ーーいつもと違うメンバーで連携面はいかがでしたか
 初めてやるメンバーも多くて、大会中なので合わせる時間もなかったですけど、試合中にうまくみんなで声をかけ合いながら、前半は特にいい感じにボールが回ったのでそこは良かったかなと思います。

ーーアミノ杯全体を振り返ってください
 チームとしては総理大臣杯に出場できたということは良かったと思うんですけど、ただ明治に負けて、みんな納得できるような結果ではないと思うので、もっとチームとしてやっていけるようにしたいです。個人としても全然良くなくて、今日のゴールくらいが収穫だったので、また一から調子も上げてチームに貢献できるようにやっていきたいと思います。

ーー今後への意気込みをお願いします
 自分の立ち位置も含めて厳しい状況ではあるんですけど、練習とか普段の試合でもっともっと結果を出していけるように頑張りたいと思います。

 

神田拓人(スポ1=福島・尚志)
ーー試合振り返っていかがでしたか
 個人的にはトップで初めて出た中で、まずは自分の特徴を発揮するっていうことが一番だというのは試合前自分に言いかけてたので、その中で今日の試合は自分の特徴の守備っていうのを出せたかなと思うので良かったんですけど、チームとしてはやっぱり勝ちが絶対条件だったので、その中で勝てなかったのは自分がチームを勝たせる力が必要かなと感じました。

ーーここまでの4試合は外から見る形でしたが、どう見てましたか
 なかなかトップチームも勝ててない中で、絶対自分が出てチームを勝ちに繋げるっていうのは常に考えていました。そういった中で今日チャンスがあったんですけど、まだ自分の実力が足りないっていうのはこの試合通して実感しました。

ーー今日の試合通してこれから改善していきたい部分はありましたか
 今日の試合は結構前半自分たちがもボール持つ時間が多かったので、その中で自分がもっとボールを受けて攻撃に展開して自らゴール決めれるように、守備メインじゃなくてもっと攻撃にも参加していける選手にならなければいけないなと感じました。

ーーここからに向けての意気込みをお願いします
 まずはこのアミノの2週間で溜まった疲労をしっかり取り除いた状態で来週以降またいい練習して次のリーグ戦に勝てるように頑張りたいと思います。