6月9日 拓殖大 八王子国際キャンパスサッカー場
試合結果
チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
---|---|---|---|
早大 | 0 | 2 | 2 |
拓大 | 1 | 0 | 1 |
得点者
前半
33分 相手
後半
58分 伊勢 航
90分 本保 奏希
関東大学リーグ戦は第8節。前節敵地での山学大との一戦を制し今季初の連勝を果たしたア式蹴球部(ア式)。アウェイ3連戦の3戦目の今節は拓大との対戦となった。前半は相手に主導権を握られる展開が続き、なかなか相手ゴールに迫れず。33分にカウンターから失点を許し、前半を0ー1で折り返す。それでも後半はア式ペースとなる。58分右サイドDF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)からのクロスのこぼれ球をMF伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)が押し込み同点にすると、終了間際の90分伊勢のコーナーキックをDF石井玲於奈(商3=FC東京U18)が折り返すと最後はMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)のボレーシュートで逆転に成功。特に前半は難しい展開が続いたが劣勢を跳ね返したア式、リーグ戦3連勝となった。
後半、同点弾を決めた伊勢主将
前半は相手の「独特な立ち位置」(石井)に苦戦し、守備の時間が続いたア式。開始早々自陣ゴール前でのセットプレーを与えてしまい、ピンチを迎えるもここは壁がしっかりとクリア。18分には相手の右サイドを崩しから突破をされてピンチを迎えるもGK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)が好セーブを見せる。すると19分、佐々木の縦パスに反応した本保がクロスを上げると最後はFW鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース)がネットを揺らす、しかしここはオフサイドの判定となり同点ゴールとはならず。その後も相手に押し込まれる時間が続くと迎えた33分、攻撃を完結できずにボールを失うとロングカウンターで陣形を崩され最後はクロスから失点してしまう。最後まで攻撃の糸口をつかめなかったア式、1点ビハインドで前半を折り返す。
劇的逆転ゴールを決めた本保
後半は立ち上がりからア式ペースで試合が進む。53分、石井の縦パスに反応してボールを受けたMF松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)がカットインから強烈なシュートを放つも相手キーパーの好セーブに阻まれてしまう。それでも58分、右サイド佐々木からのクロスで混戦になると最後は伊勢が押し込んで後半の早い時間に同点に追い付く。その後もア式がボールをにぎる展開が続くが、なかなかシュートには結び付かず。82分には相手に抜け出されて決定機を作られるが海本がここもスーパーセーブを見せる。すると90分、コーナーキックを獲得するとキッカーは伊勢。伊勢のボールを石井が頭で折り返すと最後は本保がボレーで押し込み得点、試合終盤で試合をひっくり返した。終了間際には相手に決定機を作られるがここも海本がチームを救うビックセーブを見せた。苦しい展開が続いたものの見事な逆転、2ー1の勝利でリーグ3位に浮上した。
好セーブでチームを救った海本
「内容はひどかった」と兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)。特に前半の部分では代表活動や怪我等での離脱選手の影響もあり連携面でのミスや、押し込みながらも攻撃を完結できずにカウンターを受けるというシーンが見られた。攻撃的サッカーを実現するためのベースとして守備に取り組んでいるア式にとって今日の前半の内容は到底納得できるような内容ではなかっただろう。それでも後半、自分たちで修正して攻撃の時間を長くできたことでペースをつかみ、結果的に逆転することができたのは次につながる大きな勝利だ。来週のリーグ戦を終えるといよいよアミノバイタルカップを迎える。いい流れで大会に入るためにもまずは来週に向けていい準備をして連勝を伸ばしてほしい。
(記事、写真 和田昇也)
早稲田大学 メンバー
スタメン
ポジション | 選手名 | 背番号 |
---|---|---|
GK | 海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18) | 16 |
DF | 佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡) | 2 |
DF | 増田健昇(スポ3=横浜FCユース) | 3 |
DF | 西凜誓(社2=名古屋グランパスU18) | 12 |
DF | 石井玲於奈(商3=FC東京U18) | 19 |
MF | 谷村峻(スポ3=FC東京U18) | 6 |
MF | 伊勢航(社4=ガンバ大阪ユース) | 7 |
MF | 東廉(スポ4=清水エスパルスユース) | 8 |
MF | 本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18) | 11 |
MF | 松尾倫太郎(人4=千葉・八千代) | 15 |
FW | 鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース) | 18 |
【監督】兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
サブ
ポジション | 選手名 | 背番号 |
---|---|---|
GK | 北村公平(文構4=神奈川・桐光学園) | 21 |
DF | 石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18) | 5 |
DF | 佐久間真寛(商3=静岡・藤枝東) | 26 |
MF | 山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園) | 10 |
MF | 森田大智(スポ3=熊本・大津) | 14 |
MF | 成定真生也(スポ4=神奈川・日大藤沢) | 20 |
MF | 高橋作和(法2=東京・国学院久我山) | 24 |
MF | 山田皓生(社2=群馬・前橋育英) | 29 |
FW | 瀧澤暖(スポ3=北海道コンサドーレ札幌U18) | 23 |
交代出場
選手名 | 背番号 | 交代時間 | 交代相手 |
---|---|---|---|
高橋作和 | 24 | 58分 | 東廉 |
山市秀翔 | 10 | 67分 | 谷村峻 |
山田皓生 | 29 | 81分 | 松尾倫太郎 |
瀧澤暖 | 23 | 90+4分 | 本保奏希 |
試合後インタビュー
兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合振り返っていかがでしたか
いや、もう内容はひどかったかなと思います。前半特にボールは持ってるけど、特に相手にとって嫌なことは何1つできなくて。今自分たちが守備っていうところ意識的に取り組んでる中で、やっぱり切り替えのところの遅さだったり、ファーストの強度がないからスカスカになって、中盤がフィルターにもなれず、シンプルに逆サイドまで持ってかれたりというシーンがあまりにも多すぎたので、もう一回しっかりと守備は構築し直さないといけないなと思う部分と、まだまだ勝ち続けられるチームの状況ではないので、 トレーニングでしたことが全て出るとは思ってるので、そういう部分ではもう一回トレーニングから今の自分たちがもっとやらないといけないことに目を向けて、厳しく自分たちにやりたいなと思います。
ーー前半ちょっと出足が遅れるシーンもいくつかありましたが要因はどんな部分にあると見てましたか
準備だと思います。全ては一つのボールに対して、状況がどうなのか、フリーなのか、競ってる状況なのか、どこに落ちる確率が高いのかというところをそれぞれが理解してないし、重心のボールに対する置き方がいい時はもういつでも行ける良い体制になってるのにちょっと棒立ちになってリアクションでしか反応しないところがありました。セカンドボールってリアクションって言われますけど、ある程度予測はつく中で、自分の予測通りにボールが来た時にはマイボールに確実にしないといけないと思います。こっちの方が(ボール)来やすいよねというところからの予測が必要かなっていう風に思いますね。
ーー先制され他シーンを含めて守備の部分はどう振り返りますか
そうですね。失点のところはもう一番やっちゃいけない。相手の深いところからの(ア式の)切り替えが遅くて(プレスが)回避されて、 そのまま勢いで中途半端に行って、誰もスピードを止めれずにっていうところがあったので、行かないんだったら行かないでしっかりバックするだとか、 タクティカルファールしてしっかりと中盤で止めるんだったら止めるというところ。そこの意思決定があまりにも遅いっていうところがあったので、そこのところはもう1段階感度を上げていかないと、あんなざるみたいな守備してたら失点は止まらないと思うので、そこはトレーニング含めミーティングで全体に振り返りたいなと思います。
ーー来週に向けての意気込みをお願いします
アミノバイタルカップ始まる前っていうところと、代表に行っててセンターバック二人(林奏太朗、スポ1=サガン鳥栖U18・尾崎凱琉(スポ1=大阪桐蔭))がいない状況ですけど、それでも勝てるチームが、上に残るべきチームだと思っていますし、 今いるメンバーでも十分勝てるだけの力はあると思うので。ただ、3連勝というとこにも安心せずに、内容だけ見たらこの3試合も別に勝つべくして勝ったっていう試合は山学大との試合ぐらいしかないので。内容ももっともっと突き詰めていくところが、この次の勝ち続けられるチームにつながると思うので、そこは厳しく全員でこの試合を反省したいなと思います。
伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)
ーー試合振り返っていかがでしたか
前半正直ひどい内容だった中で、後半チーム全体として巻き返して逆転勝利できたのは、ほんとにチームとして力がついていける証拠なんだと感じました。
ーー前半のうまく行かなかった出来はどんな要因が考えられますか
直哉(駒沢副将、スポ4=ツエーゲン金沢U18)だったり、林、尾崎が抜けてた中でなかなか連携がうまくいかなかったり、あとはほんとにビルドアップのミスとか、守備で寄せられないとかは、ベースの部分がやっぱり足りてなかったのかなと思います。でもそこはハーフタイムで自分たち選手の中で改善できたのがよかったです。
ーー前半流れが悪かった中で、ビハインドの状況から2点ひっくり返せました。そこについてはどう振り返りますか
特に4年中心にパワー出したってのは一番の要因かなというのはあって、前半ほんとに自分たちがうまくいかない中で、そこを改善しようだとか、そういう声掛けが少なかった中で、後半はほんとに一人一人がパワーを持ってやれたのが逆転できた要因かなと思います。
ーー来週がアミノバイタルカップ前最後のリーグ戦となります。来週以降に向けての意気込みをお願いします
今3連勝できてますけど、4連勝してアミノ迎えるか、それとも勝ちきれずにアミノ迎えるかはほんとに大きな違いとなりますしアミノの組み合わせで上のポットに入るっていうのもリーグ戦の順位が関係してるので、しっかりアミノに繋げるというので、ほんとに次勝たないと今までと積み上げてきても意味ないので、もう一個いい準備してやっていきたいなと思います。
石井玲於奈(商3=FC東京U18)
ーーこの試合に向けてどういう準備をされてきましたか
自分が今まで出た試合が唯一負けた試合だったので。今、日本代表で1年の林と尾崎が行ってますけど、その1年たちに負けないためにも、 チームを勝たせて自分もいいプレーすることで、スタメンを奪うっていう気持ちでアピールするために準備してきました。
ーー前半のなかなかうまくいかないところは最終ラインからどう見えてましたか
相手の立ち位置が結構上手くて、声出してからじゃスルーパスに間に合わなくて、選手間の間を閉めることができなくて。なかなかちょっと、 今まで自分の中では戦ったことない相手だったので、結構難しくて最初は慣れなかったです。
ーー実際1失点して前半を折り返してって形になりましたけど、後半は修正できましたか
修正というより、自分たちがボール持つ時間は多くできたので、守備に回る時間がなかったですね。 押し込む時間帯も多くなったので、真ん中での守備というよりは、ボール回収とか相手のクリアボールとかを回収とか、あとカウンター阻止が中心の後半だったので、ちょっと守備のスタンスが変わったという感じです。慣れたというよりはそういう場面が後半はなかったですね。
ーービハインドから2点ひっくり返しましたが、そこはどう振り返りますか
自分たち先制点とったら勢いあって強いんですけど、1点取られてからなかなか勢いもって跳ね返せないっていうのが今までありました。でも今日はそうではなくて、今回みたいにしっかり最後まで諦めないで追加失点とかしないで1失点で抑えたまま、2点とって逆転できたのは、前の早稲田じゃなくて、ちょっと変わった部分なのかなと思います。
ーー来週以降に向けての意気込みをお願いします
まだ二人は来週も日本代表から帰ってきてないので、多分自分とか健昇(増田、スポ3=横浜FCユース)でまだ行くと思うので、もうチームが勝つってことはもう当たり前で、プラスアルファ自分としてもステップアップできるように。絶対にスタメンを譲らないようなプレーができたらなと思います。