敵地での大一番に3ー1で快勝 今季初のリーグ戦連勝となった

ア式蹴球男子
試合結果

関東大学サッカーリーグ戦 2部第7節

        

6月2日 山梨学院大学川田ツインサッカー場

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 2 1 3
山梨学院大学 1 0 1

得点者

前半

26分 松尾倫太郎

34分 駒沢直哉

42分 相手

後半

64分 東廉

 前節産能大相手に勝利して今季2勝目を獲得したア式蹴球部(ア式)。今季初の連勝を目指して敵地に乗り込み山学大との一戦に臨んだ。前半の早い時間帯にPKを献上してしまったがGK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)がこれをセーブして先制点を許さず。すると34分にはMF松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)が、34分にはFW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)がカウンターからゴールを奪い2点を先制する。しかしながら41分に失点し、前半は2ー1で折り返した。後半は時間が経過するにつれてア式が主導権をにぎる展開となった。64分にMF伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)のコーナーキックをMF東廉(スポ4=清水エスパルスユース)が頭で合わせて貴重な追加点を獲得。攻守ともに集中した試合運びを見せこれ以上の失点を許さなかったア式、3ー1で勝利し今季初の連勝となった。

PKストップの海本に駆け寄る選手たち

 雨の影響で難しいコンディションとなった試合だったこともあり、立ち上がりはなかなか落ち着かない展開となる。迎えた13分、相手のシュートをブロックに向かったDF西凜誓(社2=名古屋グランパスU18)だったがブロックが手に当たったと判定されてPKを献上してしまう。それでも海本がこのPKをストップ、続く相手のコーナーキックもしのぎ大ピンチを迎えながらも失点は許さず。すると26分、海本からのキックを駒沢が体を張りMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)へ落とす。ボールを受けて右サイド高い位置まで持ち上がった本保がクロスを上げると、逆サイドに走り込んだ松尾が左足のボレーで叩き込み先制する。さらに34分、DF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)の縦パスに抜け出した駒沢がハーフコートを独走、最後はキーパーとの一対一も制して追加点をあげる。しかし41分、相手のフリーキックからの攻撃でこぼれ球を詰められて1点を返されてしまう。前半の終盤は攻め込まれる展開となったが失点は許さず、2ー1で前半を折り返した。

3点目を獲得し喜ぶ東(左から2番目)

 後半は立ち上がりから一進一退の攻防が続いた。試合が動いたのは63分、右サイドを駆け上がった佐々木がコーナーキックを獲得すると、キッカーは伊勢。ゴール前に密集していたア式、伊勢のボールを東がピンポイントで合わせて貴重な追加点を獲得する。その後はア式が勢いを持って相手ゴールに迫る展開となる。73分には再びコーナーキックから本保が頭で合わせたが惜しくもポスト直撃、83分には途中出場のFW鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース)がミドルレンジから強烈なシュートを放つがこれはキーパー正面をつき追加点を奪うことはできず。それでも守備面ではMF谷村峻(スポ3=FC東京U18)の効果的なプレスや海本のキャッチなどで2点目を与えずに試合を締め括った。終わってみれば3ー1での勝利、今季初の連勝となった。

攻守に渡って高パフォーマンスを見せた谷村

 開幕からなかなか内容の良い試合が少なかったア式。その中で今節開始前2位につけていて好調を維持していた山学大相手にアウェイで勝利をつかめたことは今後に向けて大きなきっかけになりうるだろう。残り2試合のリーグ戦を終えると全国の舞台への出場をかけたアミノバイタルカップが開催される重要な1ヶ月だ。昨年終盤の負けないチームを超えて今年は勝ち続けるチームへ。この快勝をきっかけにさらに浮上していくことを期待したい。

(記事 和田昇也、写真 荒川聡吾、西村侑也)

 

 

メンバー情報

ア式 メンバー

スタメン

ポジション 選手名 背番号
GK 海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18) 16
DF 佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡) 2
DF 増田健昇(スポ3=横浜FCユース) 3
DF 西凜誓(社2=名古屋グランパスU18) 12
DF 林奏太朗(スポ1=サガン鳥栖U18) 22
MF 谷村峻(スポ3=FC東京U18) 6
MF 伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース) 7
MF 東廉(スポ4=清水エスパルスユース) 8
MF 本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18) 11
MF 松尾倫太郎(人4=千葉・八千代) 15
FW 駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18) 9

【監督】兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

サブ

ポジション 選手名 背番号
GK 雨野颯真(スポ1=群馬・前橋育英) 21
DF 石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18) 5
DF 石井玲於奈(商3=FC東京U18) 19
DF 佐久間真寛(商3=静岡・藤枝東) 26
MF 山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園) 10
MF 成定真生也(スポ4=神奈川・日大藤沢) 20
MF 高橋作和(法2=東京・国学院久我山) 24
MF 山田皓生(社2=群馬・前橋育英) 29
FW 鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース) 18

交代出場

選手名 背番号 交代時間 交代相手
高橋作和 24 64分 松尾倫太郎
鈴木大翔 18 72分 駒沢直哉
山田皓生 29 77分 本保奏希
石川真丸 5 82分 西凜誓
石井玲於奈 19 87分 林奏太朗

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合振り返っていかがでしたか
今週はもう自分たちのやるべきことっていうのをさらに整理するって中で、日々の練習のところのやるべきことをしっかりと落とし込みながら、 攻撃のところの配置もしっかりと積み上げられたと思ってたので、そういうのがところどころ内容にも反映されるようになってきたかなっていうところでは、練習してきたことを出すっていうところの今日の価値はすごく意味があるものになったのかなっていう風に思います。

ーー先制点も流れの中でのカウンターでしたが、あれも自分たちの準備してきたものでしたか
そうですね。ハイプレスで来るのはわかっていて、あそこの空間が開くのもわかってたので、 海本(慶太朗、スポ2=大宮アルディージャU18)がうまくここつけてくれて。そこからもう二人(駒沢直哉副将、スポ4=ツエーゲン金沢U18・本保奏希、スポ3=JFAアカデミー福島U18)の関係でしっかりと突破した中で、最終的には外の選手があそこに入ってきてくれるところは、イメージ通りというか、この相手だったらこういうことが有効だよねっていうのが思い切り結果に繋がったのは、多分やってた本人たちが1番手応え感じてたと思うので、良かったのかなっていうふうに思います。だけどそこに固執しすぎて、安定したビルドアップでいい形で前に運ぶっていうのがまだまだ少ないので、形もありながらも、もっともっとこういい運び方ができるように、もう一回さらに準備していけたらなっていうところですね。

ーー前半の終了間際に良い守備ができてるぞという声がピッチ内で飛び交っていたのが印象的でした、守備の意識はチームに浸透してきましたか
そうですね。もうこのチームは、ハイプレスから行きたいっていうところもあるので、そこをハイプレス回避された先にどうするかというところを先週より積み上げられてというのは選手たちが一番感じてると思います。だけどまだまだ一回やっただけなので、これはまた来週に向けてトレーニングしていきます。良い守備をしながら、そのいい守備からいい攻撃に転じる。今までは攻撃でリズムを出せなかった時にもろさがあったんですけど、今年はそこに対して守備からでもリズム作っていけるようにというところで、これに満足することなく続けていきたいですね。

ーー3ー1というスコアはどう振り返られますか
いや、点差よりそんなに差はないと思いますね。ほんとに今日の試合は海本がPKを止めたという、あそこがすべてだったと思うので。あそこで決められたら、多分そんなに自信持ってサッカーもできてなかったと思うし、そういう部分ではああいうところでの隙をなくしていきたいし、仮に失点したとしても、 自信持ってやるだけのメンタリティーというところは大事になってくるのかなっていう風に思うので。今日はたまたまそこがうちに転んだっていうところのそんなので満足するないじゃないですけど、勝ったからいいじゃなくて、やっぱり負ける可能性も多いにあったよねっていうところから、しっかりとアプローチしていくのが大事かなと思ってます。

ーーアミノバイタルまであと2試合となりましたが、次節以降への意気込みをお願いします
今日でまた林が抜けて(代表活動)、センターバックが今までやってた2人(林奏太朗、スポ1=サガン鳥栖U18・尾崎凱琉、スポ1=大阪桐蔭)がいない状況で、増田(健昇、スポ3=横浜FCユース)と石井(玲於奈、スポ3=FC東京U18)がここをしっかりと担わないといけないという中では、先輩としての意気の見せどころだと思います。 誰が出てもやるべきとかは変わらない。そこに対してゲームとしてどれだけ取り組めるかというところが大事かなと思うので、最後残り10分ぐらい、 その2人でやるよっていう意思を込めて、もう2人で組ませてることができたので、そこもしっかりとシミュレーションできたというところでは、いい交代枠の使い方ができたのかなと思いますけど、まだまだ自分たちが目指す先のところにはたどり着けてないので、しっかりと自分たちの足元を固められるように1歩1歩前進していきたいです。

 

谷村峻(スポ3=FC東京U18)
ーー試合全体を振り返っていかがですか
最初相手の入りの勢いが強くて、自分たちが飲まれて悪い流れになり、PKも与えてしまいましたが、そこを海本が止めてくれたというのがこの試合を勝ちに持っていけた要因として大きいかなと。その後は自分たちのサッカー、今週積み上げてきたものが出せた中で3点取れたので、試合全体を振り返ってみれば今まで以上に良かったと思います。

ーー上位の相手との試合でしたが、どのようなことをチームで準備して臨みましたか
事前に行った山学の分析の中で隙があるなというイメージがあったので、そこの隙を自分たちが突いていけばビルドアップもできるし、シュートまで持っていけるというイメージ通りでやれたと思います。

ーー前半は相手に押し込まれる時間が続いた中で2点を先取しましたが、チームとしてはどう戦うことを意識していましたか
 途中から相手のボランチが自分と伊勢くんに結構食いついてくる場面が多くて、そこで自分と伊勢くんを飛ばしてトップ下の奏希(MF本保奏希、スポ3=JFAアカデミー福島U18)や直哉くん(FW駒沢直哉副将、スポ4=ツエーゲン金沢U18)を上手く使っていくことは狙いでした。

ーー前半とは一転して、後半はア式がボールを保持して押し込む展開が続きましたが、ハーフタイムではどのようなことをチームで共有しましたか
前半の途中からボールは持てるなという感覚があったので。そこでプレスの修正とかをして、ポジションをしっかりと取ったら相手もプレスに全然来れないので、そこはハーフタイムで修正しました。

ーー谷村選手自身は攻撃の面ではビルドアップ、守備の面ではボール奪取と攻守にわたってキーマンとなっていましたが、ご自身のプレーとしてはどのようなことを意識していましたか
ボランチなのでパスコースとかはもちろんですけど、前回の試合で守備の部分やビルドアップの部分で自分が担っていくべきかなと思ったので、そこを試合前は意識していました。あとは自分だけじゃなくて周りの選手にも伝えられるようにということは意識していました。

ーー次戦に向けた意気込みをお願いします
5月は負けなしで6月も1試合目を勝ったので、6月の残りの試合に勝って少しでも上に行けたらと思います。

 

海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)
ーー今週の試合に向けて先週からどんな準備をしてきましたか
自分たちのやりたいサッカーというのが後ろからつないでいくサッカーだったので、その部分を重点的に1週間で準備してやってきました。

ーー試合全体を振り返っていかがですか
1週間積み重ねてきたことができた試合だなと思っていて、ゴール前でしっかり守るところだったり、ビルドアップのところだったりと、いい試合ができたんじゃないかなと思います。

ーーPKをセーブする場面がありました。どのような心構えで挑みましたか
すごくリラックスしていて。ベンチからの声だったり、周りにいた選手たちの顔を見たら「止めてほしい」っていう顔をしていましたし、今まで自分がチームに迷惑をかけてきたので止めたいという気持ちはあったのですが、それでもリラックスしてできたと思います。

ーービルドアップにも加わることが多いですが、チームでどのような役割を求められていますか
自分はテンポを出したりというところを主に監督から要求されていて、ビルドアップが強みではあるのですが、まだそこの部分を発揮できていないので、また積み上げていきたいと思っています。

ーー海本選手がスタメンとなって以降負けなしです。ここまでの試合で手応えはありますか
僕がどうこうというより、周りの4バックの人たちがすごい頑張ってくれていて、特に今までは1年生の林奏太朗(スポ1=サガン鳥栖U18)と尾崎凱琉(スポ1=大阪桐蔭)がずっと試合に出ていて、今日は少しメンバーが変わっていましたが、全員で連携して頑張って守備をつくるというところが徹底してできたのかなと思います。

ーーチーム内でのキーパー陣の競争はいかがですか
すごく上手い選手が揃っていて、4年生は今ちょっとけがしていますが、1年生の雨野颯真(スポ1=群馬・前橋育英)もすごく上手いですし、日々の練習でこういう試合のスタメンが決まってくると思うので、周りが上手いと練習も楽しいですし、全員で切磋琢磨してやっていきたいと思います。

ーー次戦への意気込みをお願いします
自分の目標とするところが「ピンチをピンチと見せないゴールキーパー」で、例えばPKになっても「こいつなら止めてくれる」って思われるところだったりが自分の目標なので、そこを練習から日々積み重ねていきたいです。