関東大学サッカーリーグ戦開幕5戦で1勝とスタートダッシュの波には乗れなかったア式蹴球部(ア式)。今節からはリーグ戦アウェイ3連戦を戦うア式、連戦初戦は産能大との対戦となった。前半はなかなか攻撃のリズムが作れずにピンチを招いたア式だったが、失点なく乗り切ると、39分にMF山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園)がコーナーキックのこぼれ球を押し込んで先制する。しかし後半も頭からピンチを作られると64分、同点に追い付かれてしまう。それでも81分MF伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)のコーナーキックを途中出場のFW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)が頭で合わせて勝ち越しに成功、この1点を守り切ったア式はリーグ戦2勝目となり、順位を5位に押し上げた。
先制点を決めた山市
前半、「ふわっと入ったって感じがあった」と駒沢。立ち上がりから相手にいくつか決定機を作られる展開となる。7分、相手のフリーキックからピンチを作られたが相手のヘディングシュートは僅かに枠の右、続く14分も左サイドからピンポイントなクロスを挙げられてシュートを打たれるが僅かに枠を外れた。ア式はDF林奏太朗(スポ1=サガン鳥栖U18)の縦パスを中心にチャンスを作る。21分林から縦パスを受けたMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)が仕掛けて最後はMF東廉(スポ4=清水エスパルスユース)がゴール前に侵入するも得点とはならず。38分には左からのクロスをFW鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース)が合わせるも、相手キーパーの好セーブに阻まれてしまう。それでも獲得したコーナーキックを山市が押し込み先制点を獲得する。攻撃の流れをつかんだア式は続く40分DF西凜誓(社2=名古屋グランパスU18)の縦パスを受けた東がうまく反転してシュートまで持っていくもキーパーの正面に。その後もチャンスを作ったものの得点には至らず、前半を1ー0で折り返す。
後半の立ち上がりもピンチを作る。49分、自陣ゴールまでフリーキックを与えてしまう。相手がコースをついたフリーキックを蹴ったが、ここはGK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)が好セーブを見せピンチをしのぐ。試合が動いたのは64分、相手にセカンドボールを拾われると、ア式守備陣が食いついてしまいフリーになったファーサイドの選手に得点を許してしまう。なんとしてでも勝ち越したいア式は後半から投入された駒沢を中心にゴールに迫る。すると81分、伊勢のコーナーキックを駒沢が頭で合わせて勝ち越しに成功する。その後はヒヤリとするシーンもあったもののこの1点を守り切り、勝ち点3をつかんだ。
勝ち越し点をあげた駒沢
内容としては苦しいものだったがなんとか勝利という結果はつかむことができたア式。勝負の夏を前に、試合数が多くなりシーズンの一つ山場となる6月を迎える。怪我や代表活動で離脱も多くなっている中でチーム力で一つ一つ結果を積み上げていくことを期待したい。
(記事 和田昇也、写真 西村侑也)
*掲載遅くなり申し訳ありません
試合メンバー
試合後インタビュー
兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー今週はどのような準備をしてきましたか
自分たちのやってたことをもう一回さらに定着させる、チームとして再構築するところが今一番大事かなと思ったので。プレシーズンでうまくいってたことが、再現性なくなってしまったという中で、もしかしたらチームとしてまだまだ定着してなかった部分が多かったのかなと感じました。城西と法政のところからもう一回作り直してる段階で、今日の試合もしっかりと整理してというところでしたけど、まだまだ自分たちの時間が少なくて、前半の最後の方だけ良かったという形なので。全然自分たちがやりたいサッカーじゃないけど、勝てたというところだけが唯一ポジティブなところでした。悪いところもありながら、自分たちの時間が少なくても勝てるのは大事ではありながらも、 このままだったら勝ち続けられるチームにはならないので、そこのとこもう一度今回のところを反省しながらトレーニングメニューを考えて作っていきたいなと思います。
ーー前半苦しい時間帯が続いた要因をどう振り返られますか
守備のはめ方のところで、今回そこのところのトレーニングは全然していなかったこともあって、 その相手の1-3-4-2-1の形に対してどうやってはめるのかというところだったり、人にはめるというと、もうマンツーマンで着きに行ってボールがない状態の時にもう相手に密着しに行くっていうところが多かったですけど、ボールがない時はしっかり内側から締めて、ボールが出た時にその移動してる間にどれだけいけるか、自分のスピードを含めてその距離を測る感覚をもっともっと全員が養いながら、移動中に一人が移動したら全員が絶対に移動するというのが守備だと思うので、攻撃も繋がりを大事にしたいですけど、守備も繋がらないと守備にはならないので、そこをしっかりとやっていきたいっていうとこですかね。
ーー6月は試合数が多くなると思います、来月に向けての意気込みをお願いします
怪我人がまだいる状況で、なかなかこう苦しい状況ですけど、いるメンバーがしっかりとやってくれればっていうところでもありますし、こういうチャンスを自分たちでつかむことがすごく大事だし、そういうところから本当の意味での競争が生まれると思うので、チームとしても個人としても上に行きたいんだったら、もっともっとやるべきことに目を向けながらも、チームとしての方向性だけは見失わないように、勝負の夏までに何も考えなくても全員ができるぐらいまでに落とし込めるようにしたいです。6月は自分たちがトレーニングしたことをしっかりと公式戦で出せるっていう風にしていきたいなと思います。
駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)
ーー前半、ベンチから試合をどう見てましたか
入りのところからちょっとふわっと入ったって感じがあって、今週準備してきたことがあったんですけど、それはあんま出せてなくて。 要所要所の切り替えだったり準備というワードを掲げてやってるんですけど、そこは正直相手の方が上回っていたなという印象です。
ーー後半頭からの出場でしたが、まずハーフタイムはチームとしてはどういう指示が出ていましたか
監督からその切り替えだったり準備の部分が正直負けてるよという厳しい言葉があって、もう1回そこを締めようというところがあった中で、自分が頭から出て、そこを変えようかなって思ったんですけど、正直全然納得いく内容ではなかったですね。
ーーその違和感の要因みたいなのはどこにあると感じてますか
自分が出た後半で言ったら、もうちょい前のからのプレスを強く行こうって言ってたんですけど、前は行ってるつもりなんですけど、後ろがついてってないし、 かといって前もそんな相手に制限かけられてるかと言われたらそうではなかったしというところで、どうしてもメリハリのないゲームになっちゃったなというのが印象です。
ーーその中でもコーナーキックからの得点、今季コーナーキックからの得点複数ありますがあのシーンはどう振り返られますか
前も言いましたけどこういう苦しいゲームこそ、そういうセットプレーというのがほんとに鍵になってくるという中で、伊勢(航主将、社4=ガンバ大阪ユース)がいいボール蹴ってくれたのでうまく決められました。
ーー来週は上位との試合になります。来週に向けて意気込みをお願いします
まず自分自身、先週頭部負傷あって、今週はあんまり練習に入れなくて今日はこういう形になったんですけど、 正直この試合の出来にはチームもそうだし、個人としても全く納得いってないので、そこをしっかり全員同じこと感じてると思うので、その思いをもう一回チームで振り返って、チームとしてやっていきたいなと思ってます。
山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園)
ーー今日は右サイドハーフでのスタートになりましたけど、そこは監督から指示があったりしましたか
何もあんまりこういう風にしてくれみたいな指示はあんまなかったんですけど、ゴール取ってくれっていうことでなったのかなと考えてました。
ーーチームとして前半はどう振り返られますか
もっと締めないといけないですし、監督おっしゃってましたけど、出足の部分とか、オフザボールの守備の時のセカンドの回収とかがもう遅いので、そこは自分が中心となってリーダーシップとってやっていかないといけなかったなっていう風に感じてます。
ーー前半終わってからハーフタイムはどういう指示がチームとしてありましたか
セカンドの出足の部分、守備のかけ方、本気でプレスかけに行こうっていうところを修正してはいましたけど、プレーのところは修正できたかもしれないですけど。そこでセカンド部分とか、セカンド取った後でボールつなぐところだったりとか、サポートの質だったりとかまだまだなので、本当に今日の試合は勝っただけというイメージです。
ーー来週に向けて意気込みをお願いします
アウェイ続きますけど、球際や切り替え、運動量のとこだったりとか、サッカーの本質に向き合いながら、自分たちの色を出していかないといけないと思います。けど、自分たちの色を出すためにも、まずベースの部分を最低限やらないといけない。まずはベースの部分をしっかりやっていかないとなと思ってます。