第6回はアルペン部門の男子チーフを務める石島裕一郎(スポ4=北海道・札幌第一)と、女子チーフを務める小南綾(スポ4=北海道・双葉)。スキー人生最後となるインカレに対しての思いを伺った。
※この取材は2022年11月8日にZoomで行われたものです。
「交流ばかり」(小南)
――お互いに紹介をお願いします
小南 石島君は私は高1くらいから知っています。石島君が北海道の高校で私も北海道の高校だったのでそれで知っていました。第1印象はスタイルが良くて身長が高くて、スキー速そうだなと思っていたら、本当に速かったです(笑)。大学で同期になって3年生のころから一緒にチーフをしているんですが、トレーニングに関する知識がすごくて、いつもトレーニングメニューなどで助けられています。本当に尊敬できる方です。
――石島選手、聞いていかがですか
石島 ちょっと恥ずかしいですけど、嬉しいです(笑)。
――続いて石島選手が小南選手の紹介をお願いします
石島 僕も高1から知っていていい意味で悪い意味でも高校生から変わってない感じがあって(笑)、常に元気というところが高校から変わってないです。その明るいところがチームも明るくしてくれて、辛い練習でも明るい雰囲気づくりをしてくれるいいチーフだと思っています。
――小南選手、聞いていかがですか
小南 ありがとうございます。褒められるとすごく嬉しいですね(笑)。
――普段の練習や寮生活でも交流はありますか
小南 はい、交流ばかりです(笑)。
――最近一緒にしたことなどはありますか
小南 最近…何だろう。
石島 よく寮でバーベキューをしますね。寮にいる人みんな呼んでやります。
――スキーを始めたきっかけを教えてください
石島 僕がスキーを始めたきっかけは3つ上に姉がいて姉も早大だったんですが同じ競技をしていて、背中を追うように自分も競技を始めてたっていう感じですね。
小南 私は小学校低学年ぐらいの時にお父さんとスキーしてたら知らないおじさんが「この子アルペンスキーやらせた方がいいよ」と言ってきたらしくて、多分それもあってお父さんお母さんにアルペンスキーのチームに入れさせられて、そこから始めました。
――続いて早大に入ったきっかけを教えてください
石島 早大に入った理由はこれも姉つながりになっちゃうんですけど、姉が入っていたこととやっぱり早大ってかっこいいなと思って、自分もその一員になりたいなっていう風に思って入りました。
小南 私は進路を決める時期に高校の先生と一緒に話して、「お前は早稲田が一番似合う」みたいな感じで言われて早稲田に行こうと決めました。
――早大スキー部の好きなところはどこですか
石島 スキー部のいいところはもちろんトレーニング環境とかもあるんですけど、寮が一緒で部門関係なくみんなで仲良くしながら楽しい寮生活できるっていうところと、その楽しい中でもみんなそれぞれ高い目標があったりストイックな面があったりして練習に打ち込んでいるというところです。周りに自分も励まされながらというか、自分自身がもっと頑張れる環境であるというのが一番いいところだなと思います。
――とくに影響を受けている選手はいらっしゃいますか
石島 同期の男子は他の部門で3人(※)いるんですけどみんなそれぞれ強くて、練習とかもすごいハードに頑張ってそこで自分も頑張らないとなと日々思っています。
――小南選手はスキー部の好きなところはどこですか
小南 石島君とちょっとかぶっちゃうんですけど、同期にも先輩にも後輩にも世界目指している選手だったり、オリンピックに出る選手だったりたくさんいるので、その選手たちはすごいめっちゃストイックで考え方もやっぱりすごいので、気づいたら自分も頑張っているところがすごい好きだなと思います。その人たちと一緒に寮で生活できるところが本当に早大のスキー部っていいなと思います。
――小南選手は影響を受けた選手はいらっしゃいますか
小南 一番影響を受けたのは、同期の祖父江凛(スポ4=長野・飯山)です。練習面でも人としても、練習面に関してはめちゃめちゃストイックだし人間としてもすごく視野が広くて本当に尊敬できます。視野が広くて人をまとめるのがすごく上手です。そういうところをすごく尊敬しています。
「優勝を目指して頑張りたい」(石島)
――昨シーズン全体について振り返っていかがでしたか
石島 僕は2年の終わりに膝のけがをしてしまって手術したんですけどなかなか回復しなくて、昨年(2021年)の9月にまた2回目の手術をしました。普段なら10月に遠征行ってシーズンに入るんですけど、それが1月の後半にシーズンインというかたちになりました。シーズンインした後もかなり膝の痛みが強くてなかなか思うように滑れなくて、大会もあまり出場できずに終わってしまった悔しいシーズンだったなっていうのが一番です。
小南 私は悔しさ6割、嬉しさ4割ぐらいのシーズンでした。高3ぐらいからすごい調子悪いシーズンが続いていたんですけど、大学入って3年間で徐々に取り戻してきたなっていうようなシーズンでした。
――今年の夏はどのようなことに重点を置いて練習されてきましたか
石島 僕はリハビリを進めながら体作りをもう一回最初からやるということがありました。4月5月はほとんどあまりトレーニングもできない状態で、6月ぐらいから普段通りのトレーニングに戻せてきました。いろいろ勉強してきたことを自分の中でトレーニングに活かすことができました。昨日帰ってきて1カ月間遠征に行ったんですけど、雪上で滑ってみてフィジカル面に関しては過去1いい状態でスキーを履くことができたなというフィーリングがありました。今年の体作りに関してはすごく満足しています。
小南 私は体が重くて鈍い動きをしちゃうのがスキー生活を、人生を通して課題でした。今年は有酸素トレーニングやウエートトレーニング、アジリティなどに重点を置いて体にキレを出すようなトレーニングをたくさんしました。
――トレーニングの成果は現時点ではいかがですか
小南 今、現役生活で一番体脂肪率が低いです。筋量もちょっと増えてて、だから結構フィジカル面ではいい感じなのかなと思っています。
――今はどのように練習されていますか、石島選手のSNSで拝見したのですがスイスに行かれていたんですか
石島 昨日帰国したんですけど、10月10日から1カ月間スイスのサースフェーってところで雪上トレーニングをしてきました。
小南 私は就活をしていて、まだ遠征に行かず、シーズンが始まってないです。陸上トレーニング始めるの遅かったので、その分10月、11月でフィジカルトレーニングしていました。
――ご自身の競技における強みは何だと思いますか
小南 私はガッツある滑りをできるところかなと思います。
石島 僕はSL(スラローム…回転)競技が得意です。その中でも自分の体の特徴である足の長いところを活かした滑りをできるというところが一番自分の中で強みかなと思っています。人にないところを使って活かしていくっていうところが強みです
――インカレ会場の印象はありますか
石島 僕は比較的好きなスキー場で、斜度のある結構難しいスキー場という印象ですが斜度のあるバーンが僕は好きなので。そこは好きですね。ただ雪の状況によってはかなり難しいレース展開になることが多いので、そこは天気次第っていう感じではあるんですけど、それを考慮しても僕は好きなスキー場です。
小南 私はすごい苦手で、強みでガッツのある滑りと言ったんですが、私はすごいビビリです。花輪のスキー場って怖いんですよね。どれだけ恐怖心に打ち勝てるかと思ってます。今からちゃんと花輪のイメトレしといて、インカレでいい成績出せるように頑張ります。
――インカレの目標や意気込みをお願いします
石島 僕はもちろん優勝を目指して頑張りたいと思っています。スキー競技を始めて全国大会で優勝したことはないんで、最後の年でタイトルを取って気持ちよく引退したいなと思っています。
小南 私も石島と一緒で全国大会でタイトルを取ったことないので、GS(ジャイアントスラローム…大回転)とSLのどっちかでもいいので優勝して、インカレが引退レースになると思うのでかっこよく引退したいなって思ってます。
――最後に色紙に文字を書くとしたらどんな言葉を書きますか
小南 「限界突破」です。理由はさっきも言った通り私はビビりなので、自分の限界のスピードを突破したいと思います。女子はビビらなければ結構いいところまで行けると思います。今までのスキー人生でビビりだったところが課題だったので、限界突破して今シーズンはめちゃめちゃ攻めていきたいと思います。
石島 「集大成」でお願いします。最後のインカレというところと、自分自身スキー人生最後の年という風になるので過去一番の結果を残して引退したいという思いですね。自分の集大成を発揮するという意味で「集大成」にしました。
――ありがとうございました!
※クロスカントリー部門…星野誉貴(スポ4=群馬・利根商)主将、広瀬崚(スポ4=富山・雄山)
コンバインド部門…谷地宙(スポ4=岩手・盛岡中央)
(取材・編集 堀内まさみ)
◆石島裕一郎(いしじま・ゆういちろう)
北海道・札幌第一高出身。スポーツ科学部4年。小南選手によると「スタイルがいい」、同じくアルペン部門の竹内一(スポ1=北海道・札幌第一)選手によると「筋肉博士」。趣味はゴルフ。ベストスコアは86。スキーも速い、ゴルフもうまい石島選手の滑りに注目です!
◆小南綾(こみなみ・りょう)
北海道・双葉高出身。スポーツ科学部4年。石島選手によると「常に元気」、「明るい」。対談中もその明るさで楽しい雰囲気となりました。オフの日にしていることは韓ドラ鑑賞。おすすめの作品は「刑務所のルールブック」。普段からチームの雰囲気を明るくするような小南選手、インカレでもチームの雰囲気を明るくしてくれることでしょう。ぜひ活躍にご期待ください!