インカレ(全日本学生選手権)直前対談のラストを締めくくるのは、強豪チームを束ねる星野誉貴主将(スポ4=群馬・利根商)、そして常に世代のトップを走り続ける広瀬崚(スポ4=富山・雄山)。大学での競技生活を通して世界を舞台に戦えるほど急成長を遂げた星野は、このインカレがスキー人生のラストレースとなる。一方で広瀬は、目標としていた世界選手権への切符を手にしたためインカレは欠場。そんな中、星野があげた早大スキー部の良さは「見えないところでお互いが頑張っている」ところ。場所は違えど、8年間という長い時間で培われた2人の絆を追い風に、そして高き誇りを胸に、それぞれ出陣する。
※この取材は昨年の10月15日に行われたものです。なお広瀬選手世界選手権出場のためインカレには出場されません。ご了承ください。
8年目の絆
互いに切磋琢磨して成長を遂げてきた
――お互いに他己紹介をお願いします
星野 僕と広瀬は中学3年生の頃から知り合いで、お互いにあまり強くない県の出身だったので仲良くしてもらって…8年目くらいの付き合いになる同期ですね。僕らの代でクロカン男子といえば100人中100人が広瀬世代と答えるくらい、ずっと世代のトップを走ってきた選手。ずっと世界の舞台で戦ってきて、今年はオリンピックも経験して、2000年生まれ最強の男という感じです。
広瀬 今彼が話したように結構長い付き合いになるんですけど、一言でいえば主将ですよね(笑)。早大の顔というか。やっぱり僕らの世代で彼が主将になったことには大きな意味があると思うし、選ばれたこと、ここまで主将としてやってきたことに関しても意味があると思います。主将になるからにはそれなりの人望も必要だし、スキー部である以上、スキーに対する情熱であったり、いろんなものを求められる部分はあると思うんですけど、彼は本当に主将にふさわしい人間だと思います。
――初めて会った時のことや印象は覚えていますか
広瀬 全中(全国中学校体育大会)の表彰式とかじゃなかったかな。
星野 中学3年の全中で2人とも入賞して、隣だったので、話してそこからの付き合いですね。第一印象は、僕は中学2年生くらいのときから名前だけは知っていて、富山にもすごい選手がいるということで。話してみたらすごい気さくだし、この先ずっとライバルとしてやっていく人なのかな、と漠然と思っていました。たぶん。
広瀬 そうですね、あんまりはっきりとは覚えていないんですけど、第一印象は…自分はもともと人見知りで話す相手も少ないというか、自分が全国でも戦えるきっかけとなったのがその試合だったので、それまでは全然強くなくて、あんまり上位に食い込む選手ではなかったので、あまり全国に友達とかはいなかったんですけど、すごいとっつきやすいというか、自分みたいな人見知りなタイプでも仲良くしてくれるいい人だなという印象だったと思います。
――当時の印象と現在で違うことはありますか
広瀬 変わらないっすね。
星野 変わらないかなとは思うんですけど、自分と違ってやっぱりチャンスをつかんでいく逆境に強い選手だなと思いますね。本人がどう思っているかはわからないですけど、高校2年で広瀬は指定外から世界ジュニア(スキージュニア世界選手権)に行っていて、そういったところからどんどんチャンスをつかんで、そこから厳しいナショナルチームの基準もクリアしているところを考えると、僕にはない勝負強さを持っている選手だなと思います。どこでこんな差がついたんだろうと思う葛藤の日々を大学では過ごしていたんですけど、印象が変わったというよりは新しい一面を見ることができたかなと思います。
広瀬 自分もそんな感じですね。結構しっかりしている性格で、それはずっと昔からそうですし…大人になったというよりかは、昔から大人っぽかったので、印象は変わってないですね。
――お互いに意外な一面はありますか
広瀬 酒に弱いくらいですね。弱そうですけど(笑)、あんまり強くない。
星野 お酒はそんなに強くないですし、好んで飲むタイプではないので、アスリートで「禁酒しなきゃ」という苦労はないですね。広瀬は、ジャンクフードが好きですね。一般的にオリンピック選手とかアスリートって、1グラム単位で管理するというイメージがあると思うんですけど、全然ジャンクフード食べますし、本当に合宿中のお昼にカップラーメン持ってきて食べていたりします(笑)。それがあっても、しっかり練習しているからこそこうやって結果が出ていると思うし、ストレスをため込まないことも大事な要素でもあると思うので、そういったところで自分の中で線引きができている選手だなと思います。
――一番好きなジャンクフードはなんでしょう
広瀬 カップ麺とかハンバーガーは結構好きで、よく食べますね。自分は色々食べるんですけど、一番好きなのは蒙古タンメンですかね。どこで食べてもおいしいですね(笑)。
――普段オフの日は何をされていますか
星野 大学3年生になってからは、オフの日もずっと長野にいたりしていて、合宿の延長線上のオフという感じだったので、市街地に出るくらいかな。あとカメラが結構好きなので、カメラを持って写真を撮りに行ったり。最近は長野にいすぎて蕎麦にもはまっていて、オフの日には蕎麦を食べに行ったりしています。
広瀬 オフは基本寝ていて、何かするって言ったら、自分はサウナが好きなので、地元帰ったら友達とサウナ行ったりしますね。サウナ行って夜は飲んで、っていう感じです。一番飲むのはビールですね。自制はしています(笑)
――最近はまっていることはありますか
星野 さっき言った蕎麦屋巡りもそうですけど、はまっているコトというよりモノで言ったらトマトジュースですね。ずっと飲んでいます。コトだったら、新しい練習を探すことですかね…。
広瀬 ここからあと1、2週間くらいが最後の関東になるので、行きたいところ、やりたいことをリストアップして、1つずつつぶしていっています。
――スキー以外に得意なことがあったら教えてください
星野 何だろう…あんまり変なこと言うとフラグ立てちゃうからな(笑)
広瀬 彼はカメラが上手ですね。
星野 確かにカメラは好きですね。大会のときも自分の競技が終わったら撮りに行きます。男子が先だったら女子の競技を撮ったりとか。スプリントだったら決勝に行けなくて、じゃあ暇だし撮るか~って。結構写真は会場で撮りまくっていますね。モノを撮るのも好きなんですけど、やっぱり人を撮るのが好きですね。人の方が一瞬一瞬にシーンがあるじゃないですか。それを撮るのが好きです。
広瀬 いろんな取材で聞かれるんですけど、自分はびっくりするくらい得意なことがないので…今は小説読むことにはまっているんですけど、それははまっていることですよね(笑)。
星野 (広瀬は)無茶なスケジュールに耐えられる。学生ノリができる。ガチガチにスケジュールを詰めて、次の日にスピード練習があっても平気な顔して付いてくるので、何なんだこいつ、とか思いますね(笑)
広瀬 そうですね。あまり影響を受けないタイプでした。
――1年生の頃も2人で対談をされているんですけど、その時のことは覚えていますか
星野 まあまあ覚えています(笑)
広瀬 対談していてびっくりするくらい、こんな感じでした。基本(星野が)しゃべってくれる、みたいな。僕はちょっとしか答えられなくて(笑)びっくりするくらいこんな感じだったな~と思っています。
誇りを胸に
人望が厚い星野主将
男子クロカンの絶対的エース・廣瀬
――スキーの話に移ります。いろんなところで聞かれているとは思うのですが、改めてスキーを始めたきっかけを教えてください。
星野 始めたきっかけは、生まれた地域が雪深かったというのが第一かなと思います。最初はアルペンスキーをやっていて、中学生の頃から本格的にクロスカントリーを始めたんですけど、始めた理由は仲良かった友達がクロカンに移るから、じゃあ俺もクロカンに移ろうかなと。あとはクラスの人気者がやっていたから俺もそうしよう、みたいな、不純な動機で始めました(笑)
広瀬 自分もたまたまですね。たまたま入ったクラブが夏はいろんなスポーツをやるんですけど、冬はスキーをやるところで。そこのコーチがクロカンの選手だった人で、それがきっかけですね。本格的に始めたのは中学校に上がったときからです。
――進学先に早大を選んだ理由はなんだったのですか
広瀬 自分は藤田善也さん(元クロスカントリー選手、現助監督、平19スポ卒=北海道・旭川大高校)がいらっしゃったというのが一番大きいですね。
星野 自分の実家が旅館をやっていて、お客さんが早大出身で楽しそうだなと思ったのが第一のきっかけだったと思うんですけど、別のことを書くとするならば、憧れた選手が多かったというのと、競技は違うんですけど、1個上の先輩で競走部の主将をやっていた千明(龍之佑、令4スポ卒=現GMOアスリーツ)さんが早大に行くというのがあって、そういったところで早大を選んだのだと思います。やっぱりスキーを本気でやりたいという気持ちがあって、強いところはどこだろうと考えて浮かんだのが早大だったので、それは大きいかなと思います。僕も強い早大に憧れて入ってきた1人かなと思います。
――入学前から2人が早大に行くということはお互い知っていたのですか
星野 はい、何となく知っていました。長い付き合いなので、会うたびに「大学どうするよ」って話はしていて、自分はずっと早大に行きたいという話をしていて、広瀬も早大に行くという確定の話を聞いたので。
広瀬 そうですね、こっちが先に決めて、僕がずっと迷っていたという感じです。
星野 (広瀬が)確実に行くということがわかって、それも大きな決め手だったと思います。同期が4年間過ごす仲間になるので、一番高め合える、高め合えると言ったらなんかおこがましいですけど、自分よりも格上の選手とできるとなったら、なんせ広瀬世代なので、そこもめぐり合わせかなと思います。
――早大スキー部の好きなところはどんなところですか
広瀬 環境はめちゃくちゃいいと思います。大学に入ってから他の大学の人の話聞いても、アルペンだったりジャンプだったり部門は色々あるんですけど、自分たちがやっているクロスカントリースキーを大学でやるとなったら、ここよりいい環境はないんじゃないかと思いますね。
星野 環境は申し分ないですし、その環境があるからこそ強い選手が集まって、その中でチームとしてできるというのは早大の大きな強みかなと思いますね。好きなところは、仲が良いというのは先ほど大堰(徳、スポ2=岩手・盛岡南)と橋本(礼徳、スポ3=長野・飯山)が挙げていたと思うんですけど、それももちろんですし、誰かがどこかで頑張っているというのが毎日あるなと思います。トレーニングルームに行ったら誰かがいるし、狭山湖を走っていたら誰かに会うし、見えないところでお互いに頑張っているというところが、早大の強みでもあるし、好きなところです。
――昨シーズンはどのようなシーズンでしたか
星野 僕たちランナーは、学年の初めに3つ年間目標を立ててどうやってやっていくかということを目標にして活動していて、その3つ立てた目標はすべて達成できた良いシーズンだったかなと思います。どれも3年生が始まった時点で僕にとってはなかなか難しい目標だったので、それを全部達成できたというのは、大きなジャンプアップの年になったかなと思います。戦う舞台は広瀬や祖父江(凛、スポ4=長野・飯山)とは違ったんですけど、自分なりのジャンプアップができましたし、大学4年で優勝したいと思っていたインカレも1年前倒しで優勝できて、本当に競技者としては大きく成長できた年だったんじゃないかなと思いますね。(3つの目標は)インカレでの表彰台に上がることが1つと、FISポイントという世界ランキングに直結するポイントがあるんですけど、それの70点切りが1つ、あと全日本選手権で15番以内という目標を立てて、全日本選手権では9番だったので、よかったなと思います。全日本選手権の時点ではかなりジャンプアップして、入賞を狙ってもいいんじゃないかという位置にはいたので、目標的には達成できたんですけど、少し悔しさも残る9番だったなと思います。
広瀬 自分は目標としてはオリンピックに出場すること、全日本選手権で優勝すること、U23という23歳以下の世界選手権があるんですけど、そこで20番以内に入ることを目標にやっていました。U23で20番以内に入るというのは、21位で達成できなかったんですけど、そこ以外は概ね達成できて。結構自分の中でその目標を達成するというのはかなり高い目標で、本当にいろんな部分がうまくかみ合わないと難しい目標だったと思います。それを達成できたのは、僕自身が頑張ってそれが報われたというのもあるんですけど、やっぱり周りの人のサポートだったり…スキーはワックスや身体のケアだったりいろんな面で、コーチや家族、いろんな人の支えがあって初めて成り立つスポーツであると思うので、そういう面で支えられて達成できたというのは良かったなと思います。
――練習取材でも伺ったと思うのですが、今年の夏はどのようなことに重点を置いて練習してきたのか、また前回の木島平の大会ではどのような目標を立てて臨んでいたのか教えてください
星野 今年の夏はとにかく木島平と鹿角のレースでユニバーシアードの出場権獲得圏内に入ることを一番の目標にしてやってきました。その中でもローラーに偏りすぎないように、冬につなげるためにはどうすればいいのかというのを考えて、去年からずっと総合力を上げるという部分を目的としてやってきたので、そこは変えずに夏のトレーニングに取り組んできました。結果としては、ローラーの大会で入賞すれば自ずと道は開けてくるだろうということで入賞という目標を立てたんですけど、4つレースがあったうちの3つで入賞することができて概ね良かったかなと思いますね。木島平の大会では、クラシカルは5番以内が現実的かなと思ったんですけど、まさかの2番ということで、うまくかみ合ったかなと思います。下馬評を覆したじゃないですけど、気持ちいいレースでしたね。
広瀬 昨シーズンは一昨年に比べてボリュームを上げたというか、練習の時間自体をすごい増やして、それが結果にはつながったとは思うんですけど、バランスというか、練習量を増やしすぎて、もちろんベースとなるトレーニングもあれば、それにウエイトだったりスピード練習だったり、高強度のトレーニングなどいろんな部分を積み重ねていって、練習をつくるものだと思うんですけど、そのバランスが少し悪かったなというのもあって…今年は練習の量も上げつつそういうところも上げて、相乗的に増やさないとバランスは崩れてくるので、そういうのを集中してやろうと思っていました。でも木島平の大会は腕のケガで出場できなくて、それも治療中で、今はランニングを中心に、スピード練習だったりベーストレーニングも下半身中心にやって、それに加えて上半身のリハビリもしています。骨折なんですけど、今はとにかく骨をくっつけることと、くっついたとしても固まっている状態なので、リハビリ等で筋肉だったり、ゆっくり稼働域を増やしながら、くっついてからすぐにシーズンに入ると思うので、大会に向けて良い準備ができるように、今からやっているというのが現状ですね。大会は木島平の2戦と、その1か月前に秋田県の鹿角で2戦あって、ローラーのビックレースは合計4戦あって、どれかで優勝するというのを目標に今年の夏はやってきたんですけど、木島平は出場できず、鹿角の大会はどっちも3位で表彰台には登れたんですけど、目標の優勝には届かなくて、そこはちょっと悔しさが残ったなと思います。僕の勝手な分析なんですけど、木島平の大会を見る限り、僕の実力で優勝するのはけがをしてなかったとしても無理だったと思います。根拠はなんだと言われたら難しいんですけど、自分が実際にそのレースを見たり、身体の状態を分析して、この大会で優勝するのは現実的に厳しいものだったかなという感じでした。原因はトレーニングだったり、僕自身にもあると思うんですけど、そういうところを分析して、今はそこを修正してトレーニングに持ち込んで、冬にうまくつなげていくことができたらなと思います。
――けがをしている部分以外のコンディションはどうでしょうか
広瀬 かなりいいと思います。
星野 僕は3年のころからうなぎ上りできている選手なので、毎日ベストを更新するような、いい状態だと思います。
――試合前のルーティンや勝負飯のようなものはありますか。
星野 僕は体操の内村航平選手が跳馬のときにこう(両手を縦に重ね前にする動作)やっているんですよ。あれがどうってわけではないんですけど、世界一の選手がやっているということはなんか意味があるんじゃないかと思って、去年からレース前に取り入れてやっています。ルーティーンとしては、それをやって3回深呼吸して、胸に手を当ててポールをカンカンしてスタートするっていうのが一連の流れかなと思いますね。基本的に宿とかでやっていることは普段の生活と変わらないですね。決まった時間に起きて、決まった時間にご飯を食べて、風呂に入って、練習してコントレして寝るという一連の流れです。
広瀬 ないっすね(笑)。特別なことをしないというのがルーティーンですね。
――では次に、ご自身の競技における強みを教えてください
星野 強化するのは総合力と目標を定めてやってきたので、総合力が僕の強みかなと思うんですけど、まわりの選手から言われるのは、最初からとにかく全力で行くところとか、ダブルポールという総合の強さですね。本当に最後まで落ちない、落とさないというのは僕の強みなんですけど、隣にいる広瀬があまりにも強すぎるので、あまりこれは言いたくないなあと思って(笑)。ダブルポールも、タイプは違うんですけど、広瀬もめちゃめちゃ強いです。でもダブルポールっていうことにしておきます。4年間意識的に取り組んだことなので、ここは自信を持って、ダブルポールでお願いします。
広瀬 自分も心肺機能とかですかね。もともと生まれつき、ヘモグロビン濃度もすごい高くてそこは親に感謝しているんですけど、心肺機能というのは中学の頃から強化してきたところでもあるので、そこは誰にも負けない自信があります。
――インカレの会場である鹿角の印象や、ご自身との相性はどんな感じか教えてください
星野 あんまり好きじゃないですね(笑)。橋本が言っていたように、スピードコースというのもあるので…3年前も同じこと言ったな。
広瀬 うん、同じこと言っていた気がする。2人ともあまり好きではないので。
星野 去年、国体(国民体育大会)とかのビックレースがそこであって、僕そこでの成績がよかったので得意と思われがちなんですけど、僕自身としてはあまり得意ではないなあというのが率直な感想ですね。でも初めて勝ったコースということで、思い入れがありますね。そこで最後のインカレができるのは、優勝への布石じゃないですけど、何かの縁があるんじゃないかなとは思います。
広瀬 純粋に、僕の強みに合わないですね。コースがすごい楽なんです。ゆるいので。あまり辛いコースではなくて、辛い方が得意なタイプなので、僕はあんまり合わないですね。慶大にも僕らと同い年のライバルが1人いるんですけど、その選手がやっぱり強いので、鹿角は。僕らとその選手との勝負になると思います。
――最後に、インカレへの想いや意気込みをお願いします
星野 学生最後のインカレということで、1選手としてはやっぱり優勝するというのが1つの目標ではあると思うんですけど、主将という立場もあるので、4年間積み重ねることがいかに大事なのかということを言葉で伝えるというのはなかなか難しいので、滑りから後輩たちが何か感じてくれたらいいなと思いますね。多分僕よりもはるかに力を持って入学している選手が大半なので、入学したときは大したことなかった選手でもこうしてできるんだよ、というのを見せて、自分たちももっとできるということを伝えられたらなと思います。広瀬に勝ちたいんだったら、俺に勝ってから行け、と思いますね。
広瀬 世界選手権がかぶっているんですけど、世界選手権の権利はまだ取ることができていないので…世界選手権に出れなかったらという話になるんですけど、自分インカレは1回も出たことがなく、特別な思いとかはなくて。もちろん世界選手権はずっと目標にしてきた舞台ですし、今年は世界選手権に出て30番以内に入るということを目標にやらせていただいているんですけど。でも特別な思いだったらインカレの方がありますね。大学最後ですし、僕の同期2人はこれで引退するので、どこで引退するのかはわからないですけど、でも最後2人と出場できる大会は僕自身も最後だと思うので、もちろん目標は世界選手権になると思いますが、インカレに出たらリレーで優勝したいなというのはあります。
――ありがとうございました!応援しています!
(取材・編集 堀内まさみ、槌田花)
早大を超え、日本の男子クロスカントリーをけん引する2人
◆星野誉貴(ほしの・よしき)(※写真左)
2000(平12)年6月18日生まれ。169センチ。群馬・利根商業高出身。スポーツ科学部4年。星野選手はとにかく優しい!いつも前のめりとなって取材に応じてくれる上に、この日は帰途につく我々を寮から駅まで車で送り届けてくださいました。そしてなんと言っても仲間想いです。スキー部はインスタグラムでインカレまでのカウントダウン投稿を行っており、各選手に主将や競技チーフの方がコメントをしていたのですが、誰が読んでも感動するほど星野主将のメッセージはどれも熱く、仲間愛にあふれていました。最高の主将です。
◆廣瀬崚(ひろせ・りょう)(※写真右)
2000(平12)年11月6日生まれ。169センチ。富山・雄山高出身。スポーツ科学部4年。数々の世界大会を経験し、昨年の北京五輪にも出場するほどの超実力者。少し人見知りですが、スキーの話になれば目の色を変えて多くを語ってくださいます。強豪選手でありながらおごる様子は全くなく、心を許した仲間に見せる笑顔はとってもチャーミング。これからも色んな人に応援されながら、クロスカントリー界の第一線を走り続けることでしょう!