4年生が見せた魂のラストラン。最高の結果でインカレを締めくくる

スキー

 4日間にわたって繰り広げられた激闘もとうとう閉幕。全日本学生選手権(インカレ)最終日、この日はクロスカントリー女子リレーが行われた。結果は優勝。大台を超えて105ポイントを積み重ねた女子は、総合優勝との2冠を達成した。一方、この日は試合がなかった男子は、総合10位でフィニッシュ。優勝した昨年から大きく順位を落とし、来年への課題が残る大会となった。

 大会最終日。この日は2.5キロのコースを2周、それを3人でリレーする、クロスカントリー女子リレーが行われた。昨年までは男子のリレーにも出場していた早大だが、今年は山下陽暉(スポ3=富山・南砺平)がU23に、広瀬崚(スポ1=富山・雄山)がジュニア世界選手権に出場するため、人数が既定の4人に足りず出場を見送ることになった。そのため早大の今大会最後の試合となったこのレース。まずは1走の酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)が軽快な走りを披露する。トップで帰ってきたかったと振り返るものの、1位とわずか1.6秒差の2位で佐藤葵(スポ4=秋田北鷹)にバトンタッチ。自らの役割を果たし、現役最後のレースを終えた。2走の佐藤葵は後半に勝負を仕掛ける。それまで1位を走っていた米田菜緒(日大3年)に対し、2周目の下りのカーブで横に出て、そのまま追い抜くことに成功。最終的にはその米田に約11秒の差をつけアンカーの小林千佳(スポ3=長野・飯山)につないだ。そして小林が圧巻の滑りを見せる。1人5キロのレースにも関わらず、2位とのタイム差が1分3秒という圧倒的な差をつけての区間1位。ライバルと予想されていた日大を大きく引き離して優勝し、インカレを最高の結果で締めくくった。

★スキー人生の集大成。笑顔で終えた『ラストラン』(1走・酒井結衣)

2走の佐藤葵にバトンタッチする酒井

 リレーで最大のライバルとなることが予想された日大の1走は、おとといの15キロクラシカルで酒井が惜しくも敗れた小林萌子(1年)であった。「リベンジじゃないですけど、リレーではトップで2走の人に繋げるように」(酒井)という意気込みで臨んだレースは、やはり小林萌とのデッドヒートとなる。1周目。前半に弱いという酒井は、またしてもスタートで少しつまづく。それでも1周目が終わるころには3位を引き離して、前を走る小林萌との一騎打ちの様相を見せ始める。勝負に出たのは2周目の最後の上り坂。「抜けるかなって思って横に出た」ものの、追い抜くことはかなわなかった。しかし、タイム差がほとんどない状態で2走にバトンを渡し、結果的にはこれが佐藤葵の逆転、そして小林の突き放しにつながることとなった。今回のインカレは酒井にとって最後の試合、いわばこのレースは『ラストラン』であった。酒井は早大スキー部のことを「自分がダメになった時でも『頑張ろう』って思えるような存在がたくさんいるチーム」と振り返る。うまくいかない時期もあったというが、同期の佐藤葵をはじめとする仲間と共に乗り越えて、四年間走り続けてきた。「こうやって最後にリレーで優勝することができて本当に良かった」。早大で過ごした四年間、そして今までのスキー人生を締めくくるレースを、きっと忘れることはないだろう。

★『悔しさ』のその先へ。最後の最後に見せた最高の活躍(2走・佐藤葵)

応援を背に受け走る佐藤葵

 「きょうは泣かない。でもうれし涙は流します」。佐藤葵はレース前、一戸剛監督(平11人卒=青森・弘前工)にこう宣言した。それもそのはず、個人戦での入賞を目指して臨んだこのインカレであったが、5キロフリーは14位、15キロクラシカルは13位と、ともに残念な結果に終わってしまったのだ。レースの後には悔しさのあまり涙を流す場面も見られ、インタビューでは反省点ばかりが口に出た。ふがいない――。4年生なのにチームに何も貢献できていない――。自分へのいら立ちが止まらなかった。それでも――。気持ちを切り替えて臨んだこの日のリレーで佐藤葵は、最高の結果を残すこととなった。体の調子は良くなかったというものの、「リレーした時点で前と(比べて)も『結構滑ってるな』っていうのは分かった」と振り返るように、米田と比べても確実に板は当たっていた佐藤葵。1周目は米田の後ろで力を温存したまま2周目に突入した。そして迎えた中盤のカーブ。『いける』。タイミングを見計らい、佐藤葵が前に出た。最後の最後にやってみせた大仕事。昨年の覇者・日大からの逆転の瞬間だった。そして、アンカーの小林をゴール地点で出迎えた佐藤葵の目には光るものが。宣言通り、うれし泣きでリレーを終えた。

 佐藤葵もこの日がラストラン。ただ、クロスカントリー競技からは退くものの、競技を変更し引退はしないのだという。その競技は『バイアスロン』。目標は大きく、『オリンピック出場』。新たなステージで戦う佐藤葵を、これからも応援し続けたい。

★今年こそ4年生と一緒に。頼れるアンカーの自覚と責任(3走・小林千佳)

1位でゴールしガッツポーズを見せる小林

 「2番のにーっ」。昨年は2位という結果で終わったリレー。この結果について誰よりも悔しがっていたのは小林だったのかもしれない。昨年もアンカーを任されていた小林は、29.5秒差の2位でバトンを受けとっている。「追いつけない距離ではなかった」(小林)ものの、差を詰めるどころか広げてしまい、そのまま2位でゴールした。昨年の4年生と滑れるのは最後。だからこそ、勝ちたいという気持ちが強かったはずだ。「リレーはアンカーで決まるので。結局は」(小林)というように、アンカーである小林はその敗北の責任を感じていた。そして迎えた今年のリレー。4年生2人の活躍により、1位でバトンを受け取った小林は、みるみるうちに後続を突き放していく。「3走の小林千佳はすごい心強い後輩」(酒井)「千佳が最後(アンカー)で、絶対やってくれるとは思っていた」(佐藤葵)というように、4年生2人からも絶大な信頼を置かれている小林は、しっかりとその期待に応えて見せた。結果は優勝。ゴールした後は2人に抱きしめられ、やはり人目もはばからずに泣いていた。『3年間一緒にやっててきた先輩たちと、金メダルをとれたことがうれしかった』。この1年でさらに頼もしくなった小林が、先輩たちのラストランに花を添えた。

泣きながらお互いの健闘を称え合うゴール直後の3人

 リレーでも優勝を達成し、女子総合優勝と合わせて2冠を達成した早大スキー部。しかし、この優勝という結果は、何も選手たちだけの活躍によって得られたものではない。「今回男子のメンバーが(リレーに)出れていないのと、1人女子も出れていないメンバーがいるのですが、そのメンバーが朝早くきてスキーテストとかをしてくれていて、それが本当に助かりました」(酒井)というように、サポートの力も勝利に大きく貢献している。また、「『もういいよ!』っていうくらい応援されて、自分が出せる以上の力を出せたかなって思います」(佐藤葵)「アルペンの人たちもすごい応援に来てくれて、それがすごい力になりました」(小林)などの発言からも分かるように、力強い応援もまた、選手の力となった。普段は個人スポーツであるスキーであるが、唯一チーム対抗として戦うのがこのインカレである。「チームが一つになった大会」。一戸監督は今大会をこのように振り返っていたが、2冠という結果はまさに『チーム力』でつかみとった栄光だと言えるだろう。4日間にわたって熱い試合を見せてくれた早大スキー部には、最大級の感謝と賛辞を送りたい。

(記事、写真 山田流之介)

去年は写真撮影時の掛け声が『2番のにーっ』であったが、今年は『ナンバーワン』という掛け声でシャッターが切られた

▽男子総合点

1位 日大 100点

2位 東海大 82点

3位 中大 54点

4位 明大 46点

10位 早大 18点

▽女子総合点

1位 早大 105点

2位 日大 75点

3位 東海大 57点

4位 日体大 36.5点

▽クロスカントリー女子リレー

優勝 早大 38分47秒1

1走 酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)

クラシカル 13分11秒8 区間2位

2走 佐藤葵(スポ4=秋田北鷹)

フリー 13分5秒8 区間2位

3走  小林千佳(スポ3=長野・飯山)

フリー 12分29秒5 区間1位

コメント

一戸剛監督(平11人卒=青森・弘前工)

――男子は10位、女子は優勝という結果でインカレが終了しました。今大会を振り返ってみていかがですか

去年女子は負けているし、今年総合優勝できたっていうのは素直にうれしいです。ただ男子は…。予想はできたのですが、来年に向けていろいろ準備をしなければいけないなっていう大会になったかなって思います。

――今もお話があったように、世界ジュニアやW杯で主力が抜けた男子は、少し結果が厳しいものになってしまいましたが

そうですね。チームとしても初日で優勝者とか、大量に入賞するとか、そういうのがないと勢いもつかないので。やっぱりちょっと元気のない部分もあったし、春からトップの方は抜ける可能性のあるっていう中で練習してきたのですが、やっぱりスタートのつまづきっていうのは引きずってしまった部分はありますね。本当に準備っていうのは必要だなと思います。チームの雰囲気っていうのは女子の方がまとまりがあって、『次は私が優勝する』っていう気持ちを持った選手がたくさんいるので。男子は誰かがポイントを取らなきゃっていう切羽詰まった状況になってしまった部分があって。厳しい戦いになった要因でもあるので、その辺をもっと改善して、指導していきたいなとは思います。けど、どんどん世界に出ていってほしいので、W杯から戻して出すとか方針は僕はもっていないので、いない中でどうやって戦うかっていうのを重きを置いていきたいと思っています。

――一方、女子は去年惜しくも日大に敗れてしまったクロスカントリーのリレーでの優勝を含めての総合優勝となりましたが

強い選手が成績を出すのはもちろんなのですが、スーパーG(スーパー大回転)で優勝っていうのも一つ勢いの(つく)要因になったとは思います。ここ(花輪スキー場)は(それぞれの種目の)会場が近くて、アルペンの選手が(クロスカントリーやノルディック複合の時に)応援に来てくれて、インカレ独特の盛り上がりっていうのを今回はつくることができました。 女子の雰囲気も良かったのですが、チームとしての雰囲気も最終的にはいいかたちになったとは思いますね。

――今大会のMVPを強いて挙げるとするならば、誰になるでしょうか

MVPね…。誰だろうね…。 ちょっと考えます。ただ、MVPというよりは早稲田のスキー部全員が良かったから誰がっていうことではないんですよね。まあ傳田(英郁、スポ4=長野・飯山)も帰ってきてポイントをきちんと稼いで、昨日帰っていきましたけど。傳田も良かったし、クロカンの男子で1ポイントをとった宮崎(遼周、スポ2=新潟・小出)だって苦しい中やってくれたし、アルペンも石島(裕一郎、スポ1=北海道・札幌第一)が3位だったけど、他の選手も最後まで滑りきったので…。あっ。でも強いて挙げれば葵(佐藤)かな。個人戦で2戦とも泣いて。きょうリレーを走る前に「きょうは泣くなよ」っていう話をしたときに、『きょうは泣かない。でもうれし涙は流します』っていうことを言ってスタートしてくれたので、強いて言えば佐藤葵かなって思うのですが、全体で良かったと思います。

――今年のチームはどのようなチームでしたか

とりあえずスローガンを『頂』っていうものにしてやっていたのですが、まあそれは抜ける選手が多いのは分かっていたので、総合優勝というよりは、個人種目の頭をとるという、という作戦だったんですよね。で、女子はそういうのがずっとできていたので。男子がちょっとうまくはいかなかったけど、やっぱり個人の成績の集まりが総合優勝につながると思うので、毎年春にスローガンを決めているのですが、その通りに、(『頂』を)目指して動けたチームだったと思います。本当に来年につながる試合ができたと思うので、チームとしては来年強くなって戻ってこれる状況になったときに、4年生も最後まで頑張ってくれて良かったし、けがしている人もここにきてくれて本当にチームが1つになって。種目は違えど、チームが一つになった大会だったと思います。

酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)

――優勝おめでとうございます。今の気持ちを聞かせて下さい

率直にうれしいです。

――最終的には、小林選手が2位を大きく引き離してのレースとなりましたが、振り返ってみていかがですか

個人的には、最初から1位で(後続を)離して(バトンを)渡したいという気持ちはあって。残念ながら帰ってきた時は2位だったのですが、その分2走の葵が最後離して、1位で帰ってきてくれて。3走の小林千佳はすごい心強い後輩なので、安心して(バトンを)託すことができました。本当に2人のおかげですね。

――おとといの15キロクラシカルで惜しくも敗れた日大の小林萌子選手とのレースになりましたが、自身の走りを振り返ってみていかがですか

全力は尽くしたので、レース的には良かったのですが、強いて言えば本当に1番最後の坂で抜けるかなって思って横に出たのですが、ちょっと抜くまではいかなくて。抜けたら本当に良かったんですけど。それでも(小林萌と)一緒に帰ってこれたので良かったです。

――ご自身のレースが終わってから、2走の佐藤選手や3走の小林選手の走りをどのような気持ちで見ていましたか

もう終わってすぐ見に行って(笑)。(バトンを)渡してグラウンドを見ている時点で、早稲田のスキーの方が滑っているな、っていう感じはしたので、葵もすごく楽そうにっていうか、後ろについて温存して走っていて、最後(日大の選手を抜いて前に)出るんだろうなっていう展開は見えていたので、勝ちたいっていう気持ちはっもありましたけど、『大丈夫だ』っていう気持ちで見ていました。

――去年はこのリレーで惜しくも日大に破れてしまいましたが

去年も私は1走で。1位で帰ってきたのですが、(日大の)1個上の学年に強い選手(土屋正恵、当時日大4年)がいたり、今年世界大会に行っていて(今年のインカレに)いない選手(横濱汐莉、日大2年)も(去年のインカレには)いたりして、その選手が速かったので、去年は残念ながらっていう感じでしたね。でも昨日、去年一緒に走った先輩(渡邉祐佳、平31年スポ卒、現太平洋建設SG)からLINEがきて。『去年のリベンジしてこい』っていうことを言われたので、言われた通りに優勝できて良かったです。

――応援はどのように聞こえていましたか

(1周)2.5キロっていうのもあって、本当に最初から最後までずーっと応援してもらって。本当に力強く、心強い(応援だった)。こんなにずっと応援される試合はないので、ずっと頑張ることができました。あと、今回男子のメンバーが(人数不足でリレーに)出れていないのと、1人女子も出れていないメンバー(広瀬悠、スポ2=富山・雄山)がいるのですが、そのメンバーが朝早くきてスキーテストとかをしてくれていて、それが本当に助かりました。チームの力だなっていうのをすごく感じました。

――これが最後のインカレとなりましたが、振り返ってみていかがですか

今回のインカレは私にとって最後の試合で。あんまり最後って思いすぎたら緊張しすぎてダメだなとは思ったのですが、でもどこかで最後だなって思ってて。本当は個人戦でも優勝したかったのですが、できなかったのですごい悔しかったのですが、こうやって最後にリレーで優勝することができて本当に良かったと思います。

――早大スキー部で過ごした四年間を振り返ってみていかがですか

四年間全体でみると、2年生くらいの時にちょっとうまくいかない時もあって。私の中では佐藤葵が同期でずっと一緒にいてくれて。入った時から同じくらいの成績で、勝ったり負けたりっていうのがあって。やっぱりその同期がいたっていうのはすごく心強くて。このチームに入ってっていうのもそうですけど、この代というか、葵がいる代に入れて、その1個下の代とかにも小林千佳とか、すごい強い選手がいて。上の代にも祐佳さんとか、その上にもこずえさん(滝沢、平30スポ卒、現フォーカスシステムズ)とか強い選手がいっぱいいて。自分がダメになった時でも『頑張ろう』って思えるような存在がたくさんいるチームで。四年間頑張ることができてよかったなって思います。

佐藤葵(スポ4=秋田北鷹)

――優勝してみて、今の気持ちはいかがですか

素直にうれしいです。

――最終的には、小林選手が2位を大きく引き離してのレースとなりましたが、振り返ってみていかがですか

千佳が最後(アンカー)で、絶対やってくれるとは思っていたのですが、それに頼らずというか、自分のとこで差をつければもっと楽に滑れると思ったので、そういう気持ちで滑りました。

――1位に近い2位でバトンを受けとって、どのようなレースプランでスタートしたのでしょうか

1位か2位で1走が帰ってくると思っていたので、想定内というか、そのような中で落ち着いてレースに入れて。最低でも日大についてくれば絶対優勝できると思っていたので、千佳を信じていました。あとは自分でも『いける』って思ったので、途中で仕掛けて、最後ちょっと離してタッチできたのは良かったのかなって思います。

――自分でも『いける』と思ったのは、板が当たっていたことも関係していたのですか

板の滑っていたのも、リレーした時点で前と(比べて)も『結構滑ってるな』っていうのは分かったので、『これは今日いけるな』っていう感じでした。体の状態はそれほど良くはなかったのですが、応援もすごい早稲田の人もみんないて、すごく力になったので、良かったです。

――2週目の途中で日大の選手(米田)に追いついて、追い抜いてという展開でしたが、その瞬間を振り返ってみていかがですか

結構様子みながらっていう感じだったのですが、(米田に)ついてついて 、という感じだったのですけど。いけるかなっていう感じでいったら、結構後ろと離れたのは予想外というのもあったので、気持ちもそこからまた乗ったというか、『お、今日はいけるな』って思いました。

――個人戦は悔しい結果に終わってしまったと思うのですが、今日のレースに点数をつけるなら

120点です(笑)。 完璧なレースができたというよりは、優勝できたことがうれしいですね。

――一戸監督が今大会のMVPに佐藤葵選手を上げていましたが

自分も悔しい思いをして。2日間レースをしたのですが、悔し泣きで終わりたくはないなって思ったので、最後はうれし泣きで終われて。監督の言われた通りというか。みんなそれを願っていたと思うので、良かったと思います。

――応援はどのように聞こえてきましたか

しつこいくらいどこにでもいたので(笑)。『もういいよ!』っていうくらい応援されて、自分が出せる以上の力を出せたかなって思います。

――これが最後のインカレとなりましたが、振り返ってみていかがですか

自分としては入賞を目標としていたのですが、個人は。それがまたできなくって。めちゃめちゃ悔しくて。それもあったのですが、チームの力を信じてリレーを走らせてもらったし、ランナーだけじゃなくてアルペンとかそういう人たちの力も借りて優勝できたので、終わりよければすべてよしということで(笑)。自分の中では悔しかったですけど、早稲田スキー部としては良いインカレだったんじゃないかなって思います。

――早大スキー部で過ごした四年間を振り返ってみていかがですか

悔しいことの方が多かった四年間でした。でも本当にこのインカレでまた早稲田のスキー部に入って良かったと思えたし、すごく先輩とか後輩とか、同期にも恵まれて。成長できたのかな。わかんないけど(笑)。入賞もできずあれなんですけど、成長できた四年間だったかなって思います。

小林千佳(スポ3=長野・飯山)

――優勝してみて、今の気持ちはいかがですか

頼りになる先輩たちが1番で帰ってきてくれたので、圧倒的に勝利したいなって思って、最後まで全力で滑ることができました。去年は優勝できなくて悔しい思いをしたので、優勝できて本当にうれかったです。

――2位を大きく引き離しての1位でゴールしましたが、独走の要因というのは何だったのでしょうか

1、2走のところでトップで帰ってきてくれたっていうのが本当においしくて。先輩たちがそうやってやってくれたからには、絶対に頑張らないといけないって思ったし、 スケーティングは自分の得意な種目でもあったので、差をつけてやろうと思っていました。あとはきょうはアルペンの人たちもすごい応援に来てくれて、それがすごい力になりました。

――1位でバトンパスを受け取って、レース中はどのようなことを考えていましたか

勝てるだろうなっていう思いはありながらも、本当にみんな応援してくれていたので、最後までただただひたすら全力で。差をいっぱいつけられたらいいなっていう思いで。本当にゴールまで全力で滑り切ろうとという思いだけでした。

――ゴールした瞬間、目には涙を浮かべていらっしゃいました。去年の涙は悔しさからくるものだったとは思うのですが、今年の涙はどのような涙だったのでしょうか

4年生の2人とは3年間一緒にやってきて、本当に頼もしい先輩たちだったので、その人たちと一緒に金メダルをもらえたってことがすごいうれしくて。きょう2人は大学最後のレースで。酒井さんに関しては引退のレースだったので、みんなが出迎えてくれたことで涙が出てきてしまいました。

――小林選手自身としては、U23の大会の出場を逃してのこのインカレでの活躍だったとは思うのですが、今大会を振り返ってみていかがですか

今回U23に出場して、いい結果を残すことを目標に今年1年取り組んできたのですが、出場することができなくて、悔しい思いもあったのですが、インカレに出るからにはやるしかないって思いで、『やるしかない』って思っていたんですけど。結局3冠はできなかったのですが、みんなと一緒に、早稲田のチームで戦えて、ポイントにも貢献することができたので、本当に良かったなと思います。