続く快進撃!男子は総合首位をキープ

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 昨日までの悪天候から、時折晴れ間が覗いた大会3日目は男子のノルディックコンバインドとアルペン回転が行われた。特にノルディックコンバインドでは早大勢が昨年に続く2連覇を達成するなど今年も好成績を収めた。男子総合の部で快進撃を続ける早大は、さらにその勢いを加速させる結果となった。

★山本が初優勝、連覇を狙った傳田も2位に

山本(中央)と傳田(右)の争いはラストのスプリント勝負となった

コンバインドは、ジャンプとクロスカントリーの2つを合わせた競技である。昨年、この部門では傳田英郁(スポ3=長野・飯山)が優勝、山本涼太(スポ3=長野・飯山)が3位という輝かしい結果を残し、早稲田の総合優勝に大きく貢献した。そしてそれから1年経ち、二人の勇者がレベルアップした姿を見せに野沢温泉に帰ってきた。まず前半はジャンプ。「こっちに来てからもジャンプがあんまりよくない」というように、前日のスペシャルジャンプからなかなか調子の上がらない傳田だったが、4位とまずまずの順位で着地。一方、「後続を離せたというのは収穫」と語る山本は、2位と順調なスタートを切る。そして後半のクロスカントリー。ここで二人は圧巻の滑りを見せる。太陽の日差しが表面の雪を溶かし、コースの状態も決して良いとは言えない中、圧倒的なスピードとスタミナで前を滑る好敵手たちを抜き去り、瞬く間に二人は先頭へ躍り出る。ほぼ同時に最後のコーナーを曲がったものの、「ストレートでスプリントをかければ勝てる」と踏んだ山本がわずか0.3秒差で先にゴールイン。悲願のインカレ初優勝を果たした。ワンツーフィニッシュを決めた二人の活躍もあり早大はこの競技だけで大量23ポイントを獲得。勇者はチームとして『ベストな成績』を残し一足先に役目を終えた。

(記事、写真 山田流之介)

★中川がアルペン全3種目で入賞を達成!

悔しさの中にも充実感が見えた中川

 エントリーされた88人中、2本とも滑り切ることができたのはわずか32人のみという過酷な争いとなったアルペン男子回転。またしても中川慎(スポ2=北海道・札幌第一)が強さを見せた。中川は1本目で、この日2人しかいなかった50秒を切るタイムをマークし2位につける。回転の得意な中川にとって優勝は射程圏内かと思われた。しかし2本目、序盤の「コースセットではなくコースの穴」(中川)でバランスを崩し、減速してしまう。何とか持ち直し、ゴールしたものの順位を2つ下げ、総合4位という結果に終わった。良い位置に付けていただけに悔しい4位となったが、スーパー大回転の4位、大回転の2位に続いて3種目目の入賞となり昨年からの大きな成長を感じさせる大会となった。また、コースに苦戦する選手が続出する中、押切凌(スポ3=北海道・札幌第一)も2本ともに安定感のある滑りを見せたが入賞まであと一歩届かなかった。

(記事、写真 斉藤俊幸)

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結果

▽男子暫定順位

1位 早大 81点

2位 日大 63点

3位 東海大 55点

3位 明大 55点

▽男子ノルディックコンバインド

優勝 山本涼太(スポ3=長野・飯山) 前半ジャンプ2位 80.5点 後半クロスカントリー3位 27分01秒9

2位 傳田英郁(スポ3=長野・飯山) 前半ジャンプ4位 75.0点 後半クロスカントリー1位 26分40秒2

8位 山元一馬(スポ4=富山・雄山)前半ジャンプ13位 55.5点 後半クロスカントリー8位 29分12秒5

17位 清水航太(スポ4=北海道・札幌日大)前半ジャンプ20位 39.0点 後半クロスカントリー18位 30分09秒7

▽アルペン男子回転

4位 中川慎(スポ2=北海道・札幌第一) 1分46秒30

12位 押切凌(スポ3=北海道・札幌第一) 1分49秒41

DNF 吉田圭汰(スポ4=北海道・北海学園札幌)

DNF 中平賢郷(スポ3=青森・東奥義塾)

DNF 長谷部宏仁(スポ2=福島・猪苗代)

DNF 今颯人(スポ1=北海道・旭川明成)

コメント

中川慎(スポ2=北海道・札幌第一)

――1本目はどのような滑りをしようと考えていましたか

1本目はスタートの順番が早かったので、割と抑えながら行ったとしてもラップタイムからそんなに離れないくらいのタイムで行くことができるだろうなと考えていました。

――狙い通りの滑りができたのではないでしょうか

そうですね、1本目は大回転の時と同じようにほとんど計画通りの滑りができました。

――それを踏まえ2本目はどのような気持ちを持っていましたか

2本目は正直勝ちたい気持ちが強くて勝ちにいったんですけど序盤で失敗してしまいました。

――どのような失敗がありましたか

セットには問題なかったんですけどコースに穴が開いていてその穴にハマってしまって飛ばされてしまいました。

――今回のインカレを振り返ってみていかがですか

今回のインカレでは、様々な方の応援、サポートのおかげで全種目でポイントを獲得することができました。しかし個人的には勝てなかったという悔しさもありました。この成績に一喜一憂することなく残りのシーズン、そして来年に繋がるように頑張っていきたいと思います。また本日、来期の早稲田大学スキー部のお食事係に任命されました。スキー部の皆さんのご希望に添えるような食事を提供できるよう、シェフ、岡村慧胤(スポ2=長野・白馬)と共に日々努力していきたいと思います。応援よろしくお願いします。

山本涼太(スポ3=長野・飯山)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください

優勝するというのが1つの目標ではあったので、それが達成できたのはよかったと思います。

――早大の選手2人でのワンツーフィニッシュとなりましたが、感想を聞かせてください

傳田くん(英郁、スポ3=長野・飯山)か、3位の子(三ケ田、明大)か、僕かという戦いではあったと思うので、ワンツーフィニッシュできたことで(チームに)貢献できたかなと思います。

――僅差でゴールした後、傳田選手とどのような言葉を交わしたのでしょうか

ちょっと覚えてないですけど、多分『良かったね』と言われて『ありがとう』と言ったと思います。

――この競技に対してどのような意気込みで臨みましたか

前半は位置付けという感じで僕らは思っているのですが、その中でも少しでも差を広げられるようなジャンプをするというのが、前半のジャンプにとっては重要なことだと思うので、その時点で後続を離せたというのは収穫であったとは思うのですが、トップの人と30秒ということで、少し差が開いてしまったかなという感じです。

――後半、クロスカントリーの試合を振り返ってみていかがですか

僕この雪が本当に大っ嫌いなので、グシャグシャ埋まるというか、身長がちっちゃくて脚が短いと言うのがネックな雪質だったので、ちょっと辛いレースにはなるかなと思ったんですけど、案の定そういう感じで、あとは力を入れすぎず抜き過ぎずいければいいかなと思っていました。

――逆転優勝という形ですが、その要員はどこにあったのでしょうか

彼(傳田)が滑っていたので、後ろについていればなんとかなるかなと思っていました。最後の最後、ストレートでスプリントをかければ、勝てるかなという試合だったので、作戦通りです。

――具体的には、どのあたりで1位に躍り出たのでしょうか

ゴールの50メートル手前くらいですかね。

――様々な人からの応援があったとは思いますが、それはどのように聞こえていたのでしょうか

今日は特にあんまり耳に入ってこなかったので、まあコーチ陣が後ろから何秒で来てる、前の選手があと何秒だというのは聞いていたので、それで自分のレースを展開していくという感じだったので、その秒差を聞いた時に『詰めなきゃな』とか『スピード上げなきゃな』とか『緩めようかな』といった感じで考えてはいました。応援はされてるとは思っていたんですけど。ありがたいなと思っています。

傳田英郁(スポ3=長野・飯山)

――惜しくも2位となりましたが感想を聞かせてください

周りの人から『おめでとう』とか言ってもらえるのですが、嫌ですね。板も滑っていて、もうちょっと早く仕掛けていれば結果は多分違っていたと思うので、結構悔しいですね。

――昨年に優勝したことでプレッシャーなども感じていたとは思うのですが、どのような意気込みでこの競技に臨みましたか

今シーズン通して、あまり調子が上がってなくて、こっちに来てからもジャンプがあんまりよくなくて、どうかなと思っていたんですけど、今焦ってもあんまりいいことないなと思ったので、できることとやることを絞って、あんまり成績や順位に意識がいきすぎないように、気楽にではないですけどあんまり気にはせずに行こうとは思っていました。

――調子が上がっていないと仰っていたジャンプですが、今日のジャンプを振り返ってみていかがですか

妥当かなという感じです。こっち入ってきてからずっとあの調子で、悪くなりすぎず良くもなかったので、それがそのまま結果に出たという感じですね。

――50秒差でスタートした後半のクロスカントリーを振り返ってみていかがですか

別に最初は追う気とかはなくて、あんまりよくないですけど1番を取る気もなくて。でも焦らずに自分のペースで行こうとずっと思っていたので、今日雪のコンデションなどもよくなくて、そこで焦ってやっても空回りして疲れるだけなので、板の滑りの調子もみながらいけるとこまで行ってみようかなと思っていました。最初ゆっくり目に入ったんですけど、差が縮まってたので、結局追いついたのですが、今日はいけるかなと感じていました。やはり、前に出たのがよくなかったのかなと思います。後ろに来ていて怖かったので、僕の方が多分板が滑っていたのですが、後ろにいた子が去年2番なので、そして今年の国体で僕が2番だったのですがその子にやられていたので、疲れるのが怖いと思って少し前に出て、引っ張って、離して、チーム的には良かったんですけど、結果としては良くなかったですね。

――優勝を逃してしまった原因をあえてあげるとするならばどこでしょうか

離し切れなかった走力のなさですね。ちょっと躊躇ってしまったんですよね。彼(山本)は普通に滑っていれば速いので、少しペースを上げたくらいだったらついてくるんで、飛ばしすぎなかったんですね。でも、もっと自分に走力があれば、追いついてそのまま抜かして、離しちゃえばいいだけだったという話で、僕の実力不足というか、単純に弱かったなと思います。

――早大の選手によるワンツーフィニッシュによってチームとしては総合優勝に大きく近づく結果となりました。チームの状況などはいかがですか

インカレはチームなので、そこはベストな成績だったのかなとは思います。今年アルペンがすごく活躍してくれていて、チームの雰囲気も勢いづいて、いい雰囲気でやれているとは思います。去年の先輩達が強くて、今年大丈夫かなって実際不安なところもあったのですが、みんなでカバーして自分の力を出して、優勝したり、入賞したりと入ってるのはすごいいいことだと思います。僕達はもうやることは終わったので、あとは明日しかいないのですが、応援できることは応援してサポートできることはサポートして、チームの雰囲気作りに貢献できればいいと思います。

――これでインカレは個人としての種目が全て終了しました。どのような大会になりましたか

悔しいですね。力を出し切れなかったわけではないんですけど、今シーズンずっとこういう最後のスプリントの勝負とかも負けてて、今回も負けて、不甲斐ないなと。やはりちょっと悔いが残る大会にはなりました。