全日本学生選手権(インカレ)は2日目を迎えた。2日目はクロスカントリー部門で男子30キロフリーと女子15キロクラシカル、アルペン部門で女子大回転が行われた。クロスカントリーで男子は山下陽暉(スポ2=富山・南砺平)が優勝、女子は小林千佳(スポ2=長野・飯山)が2位に入るなど複数の入賞者が出た一方、アルペンでは石島瑶子(スポ3=群馬・尾瀬)の8位が最高順位となり、やや低調な結果に終わった。
★山下が優勝!岡村も5位に入る
インカレ個人種目初優勝の山下
今大会、クロスカントリー個人種目で最長である男子30キロフリー。1周5キロのコースを6周で順位を争う厳しいレースだ。昨年度男子クロスカントリー種目個人2冠の馬場直人(専大)が世界選手権出場のため今大会を欠場したことにより、優勝争いは混戦も予想された。しかし、山下が序盤から先頭に出ると「善也さん(藤田助監督、平19スポ卒=北海道・旭川大高)や佐藤友樹先輩(平28スポ卒=新潟・十日町)が最高に滑れる板を作ってくれて、自分の体も調子がいいなと感じていた」と独走。そのまま最後まで一度もトップを譲らずゴール。最終的には2位と1分30秒以上の大差をつけ、ガッツポーズを見せゴールした。さらに岡村慧胤(スポ2=長野・白馬)も一時は2位に立つなど積極的にレースを進め5位入賞。総合優勝を狙うチームにさらなる勢いをもたらす結果を残した。
(記事、写真 斉藤俊幸)
★小林、悔しい2位も3人が入賞
前を追う小林
クロスカントリー競技、女子15キロフリーには早大から5人が出場した。中でも今春のユニバーシアード代表にも選出されている小林が強さを見せる。実績十分の日大勢が優位にレースを進める中、粘りの滑りでそこに食らいつく粘りの走り。残り1周(残り5キロ)で優勝争いは小林を含む3選手に絞られた。しかし、最後は惜しくも及ばす2位でゴール。悔しそうな表情を見せながらゴールラインに到達した。それでもライバルと見られていた日大の横濱や土屋に先着するなど大健闘の準優勝だ。他にも渡邉祐佳(スポ4=長野・飯山)が5位、酒井結衣(スポ3=北海道・富良野)が9位に入るなど、計3人が入賞を果たし貴重なポイントを獲得した。
(記事、写真 斉藤俊幸)
★力を出し切れず悔しい結果に
悔しい8位に終わった石島
「上部はガスが濃くて、結構視界も悪かった」状態で始まった女子アルペン・大回転の1本目。松本なのは(スポ2=北海道・札幌第一)は4位、石島は8位とまずまずの結果を残す。しかしここからが誤算だった。開始時刻が当初の予定よりも少し遅れてスタートした2本目では、松本がまさかの転倒。表彰台を狙える位置にいただけに、この途中棄権は悔しい結果となった。また「優勝を目指していた」と語る石島も、「滑りの内容がよくなくて、全然噛み合ってなかった」と振り返るように、思い通りに順位を伸ばせず、最終的に1本目と同じく8位でフィニッシュ。ユニバーシアードの代表にも選ばれている2人だが、本来の力を出し切ることができず、2年連続の総合優勝に向けてやや不安を抱かせる内容となった。
(記事、写真 山田流之介)
★大井と山本が2位に輝く
表彰式で笑顔を見せる大井
スキージュニア選手権女子団体で銅メダルを獲得した実績を持ち、今年度入学した大井栞(スポ1=札幌日大高)が早大としては2年ぶりに女子スペシャルジャンプに出場。1本目、2本目ともに1位の記録に僅かに届かず合計164.5メートルで2位となったものの今後の活躍に期待の持てる結果となった。一方、男子スペシャルジャンプではいずれもノルディックコンバインド種目を主戦場とする山本涼太(スポ3=長野・飯山)が2位、傳田英郁(スポ3=長野・飯山)が7位と揃って入賞を果たした。特に山本は1本目でトップとなる88.0メートルを飛ぶなど調子の良さを見せ、翌日に行われるノルディックコンバインドへ弾みをつけた。
(記事 斉藤俊幸、写真 山田流之介)
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結果
▽女子暫定順位
1位 日大 57点
2位 早大 49点
3位 東海大 45点
4位 日体大 25点
▽アルペン女子大回転
8位 石島瑶子(スポ3=群馬・尾瀬) 1分03秒67
24位 湊屋幸菜(スポ1=北海道・俱知安) 1分05秒79
26位 須永さやの(スポ3=北海道・札幌第一) 1分05秒67
DNF 松本なのは(スポ2=北海道・札幌第一)
DNF 大越沙耶(スポ1=北海道・東海大札幌)
▽クロスカントリー女子15キロフリー
2位 小林千佳(スポ2=長野・飯山) 40分52秒4
5位 渡邉祐佳(スポ4=長野・飯山) 42分18秒4
9位 酒井結衣(スポ3=北海道・富良野)43分24秒4
12位 佐藤葵(スポ3=秋田北鷹)44分23秒0
17位 広瀬悠(スポ1=富山・雄山)46分44秒9
▽女子スペシャルジャンプ
2位 大井栞(スポ1=北海道・札幌日大高) 164.5メートル
▽男子暫定順位
1位 早大 51点
2位 東海大 42点
3位 日大 42点
4位 明治大 30点
▽クロスカントリー男子30キロフリー
優勝 山下陽暉(スポ2=富山・南砺平) 1時間15分51秒1
5位 岡村慧胤(スポ2=長野・白馬) 1時間17分40秒2
12位 山口敦史(スポ4=石川・鶴来) 1時間18分31秒8
39位 宮崎遼周(スポ1=新潟・小出) 1時間22分53秒7
▽男子スペシャルジャンプ
2位 山本涼太(スポ3=長野・飯山) 174.5メートル
7位 傳田英郁(スポ3=長野・飯山) 146.5メートル
20位 山元一馬(スポ4=富山・雄山)112.5メートル
24位 清水航太(スポ4=北海道・札幌日大)112.5メートル
コメント
山下陽暉(スポ2=富山・南砺平)
――もうすぐ行われるユニバーシアードの種目でもある30キロでの優勝ですが今の気持ちは
率直に嬉しい気持ちがあります。内容も良い勝ち方だったので、競ってというのではなく自分から先頭に出て後ろを引き離してタイム差をつけて勝てたというところは本当に良かったと思います。
――馬場選手(専大)が不在の中で日大の大田喜選手らとの争いも予想されていました
やはり自分は馬場さんに全然勝てていなくて、そのいない中だったら自分がトップとらないといけない気持ちは強くあったので、もちろん大多喜もそうですけど他の人にどう勝とうかというところを考えていました。直人さん(馬場)は昨年ズバ抜けて勝った勝ち方を自分自信覚えていてあのような勝ち方をしたいという思いはあったんですが、あまり最近自分の調子が良くなくて最後まで後ろについて泥臭く勝つというプランを現実的には考えていました。直人さんくらいの圧倒的な実力があってこそああいった勝ち方ができると思っていたのでなおさら、嬉しいです。こうして勝てたのはサポートしてくださった善也さん(藤田助監督、平19スポ卒=北海道・旭川大高)や佐藤友樹先輩(平28スポ卒=新潟・十日町)が最高に滑れる板を作ってくれて1周目を滑っているあたりで板も滑ってるし自分の体も調子がいいなと思っていました。1周目の終わりで少しペースを上げると後ろがどんどん離れていったので、これはいけると思ってそこからはひとりで走り抜くことができました。
――先頭でレースを引っ張り独走の展開でした
自分の中では初め後ろに着くレースも考えていて残り10キロから勝負しようとも考えていたんですけど、ほとんど僕の前に出てくれる人もいなかったので、ならば自分が出てやろうという気持ちでいったらその結果として勝てたと思います。
――勝利を確信したのはどこでしょうか
勝利を確信したのは20キロ地点くらいですかね。その地点で後ろと1分20秒くらい離れていたので、もうそこからは自分の滑りをすればいいかなと考えていました。
――明後日は10キロクラシカルもありますがそこに向けた意気込みをお願いします
10キロクラシカルでも優勝して、男子総合優勝に貢献できればと思っていますし、リレーでも勝てば個人でインカレ3冠も目指せるのでそこに向けてしっかりと頑張っていきたいと思います。
石島瑶子(スポ3=群馬・尾瀬)
――このインカレにどのような気持ちで臨みましたか
優勝するというつもりで臨みました。
――今日の滑りを振り返ってみていかがですか
1本目は、上の方で腕をポールに引っ掛けてしまって失敗しまい、そこ以外は可もなく不可もなくという感じだったのですが、そこの失敗が大きかったかなという感じです。2本目に関しては、滑りの内容がよくなくて、全然噛み合ってなかったので、良くなかったなと思います。
――8位という結果を受けてどのように感じましたか
最低でも3番以内には入らなければいけないと思っていたし、もちろん優勝を目指していてので、だめだなと思っています。
――1本目は視界が悪かったように見えましたが、コースの状態はいかがでしたか
1本目も2本目も上部はガスが濃くて、結構視界も悪かったので、雪面とか起伏とかが見にくい状態だったのですが、1本目はバーンコンディションは思っていたよりも悪くなくて、綺麗だったと思います。2本目は前に20人くらい滑っていたので、さすがにコースも荒れてて、穴もところどころ空いていたので、難しい状況ではありました。
――アルペン女子はチームとして少し苦しいスタートとなったように見受けられるのですが、いかがですか
そうですね。正直、みんな入賞できる力があったと思いますし、うまくいかなかった部分もあるんですけど、まあスラロームを得意としている選手が多いので、明後日のレースに期待してここから挽回していきたいと思います。
――次戦(スラローム)への意気込みをお願いします。
もちろん優勝目指して滑って、他の選手達みんなで入賞して、しっかりポイントが取れたらいいなと思います。
山本涼太(スポ3=長野・飯山)
――今日の競技を振り返っていかかがですか
自分のジャンプはできたかなと思います。あまり飛ぶ機会が無い中で、対応できたというのが良かったと思います。
――1本目を終えた時点でトップでしたがどのようなことを考えて2本目を飛びましたか
特にあまり何も考えてはいないんですけど、自分のジャンプができれば結果はついてくると思っていたので、この悪条件の中どうやって戦っていくかということを楽しんでいた部分はあります。
――専門ではない種目での2位という結果については
そんなに何度も表彰台に立てるような立場ではないのでいい機会だったと思います。
――明日のコンバインドに向けていいスタートが切れたのではないでしょうか
そうですね、(ジャンプで)トップに立って(最終的に)トップでゴールするのが目標なのでまずは良いスタートが切れたかなと思います。