傳田が悲願の初優勝、男子総合優勝へ前進

スキー

 3月2日時点で1位の東海大に22点のビハインドを負っている早大。前回大会では5人が入賞し総合優勝に大きく貢献したが、今大会は傳田英郁(スポ2=長野・飯山)が優勝、山本涼太(スポ2=長野・飯山)も3位に入り、前回大会同様、早大ノルディック部門の強さを見せつける結果となった。 

 クロスカントリー競技とスキージャンプ競技を組み合わせて行われるノルディックコンバインド。早大はクロスカントリーを得意とする選手が多いため、前半のスキージャンプの出来が総合成績に大きく影響する。前回大会1年生ながら7位入賞を果たし、先日のスペシャルジャンプで5位に入った傳田は本番前の練習で全体トップクラスのジャンプを見せていた勢いそのままに101.5点の3位でジャンプを終えた。「ライバルであり、チームメイトでもある」(山本)という傳田と同じく地元開催での出場となった山本も90.5点の6位で上位進出が見える順位につけた。

クロカンが得意な山本はジャンプでも好順位につけた

 クロスカントリー競技は10キロで行われ、スキージャンプの成績を基に時間差で競技を開始する。1位と36秒差で傳田、1分20秒差で山本がスタートした。傳田はあっという間にその差を詰め、トップに躍り出る。その後もスピードを緩めることなく最終的には2位と約40秒差をつけ優勝を果たした。それに続くように山本も傳田に次ぐクロスカントリー競技2位のタイムで総合3位に食い込んだ。前回大会8位の山元一馬(スポ3=富山・雄山)にも期待がかかったがジャンプ13位の出遅れが響き、惜しくも入賞を逃す結果に終わった。

ガッツポーズでゴールをする傳田

 今冬に平昌で行われた五輪に出場した選手は、銀メダルを獲得した渡部暁斗(平23年スポ卒)をはじめとして5人全員が早大出身であり、伝統的な強さを見せる早大ノルディック部門。ことしのインカレでも早大の活躍が目立った。「五輪があってOBの方々が出場されてさらに自分も(五輪に)出場したいという想いが強くなった」と傳田は言う。早大というチームでOB達の背中を追ったその先にまだ見ぬ大舞台が待っているはずだ。
そして総合優勝という今インカレでの目標にもまた一歩近づき、残るクロスカントリー競技へとバトンはつながれた。

フラワーセレモニーでは笑顔も見られた

(記事 斉藤俊幸、写真 森迫雄介、斉藤俊幸)

結果

▽男子暫定順位

1位 東海大 68点

2位 早大 60点

3位 明治大 51点

▽ノルディックコンバインド男子

優勝 傳田 前半ジャンプ3位 101.5点 後半クロスカントリー1位 27分09秒9

3位 山本 前半ジャンプ6位 90.5点 後半クロスカントリー2位 27分13秒3

11位 山元 前半ジャンプ13位 75.5点 後半クロスカントリー14位 29分20秒8

14位 近田隼人(スポ4=北海道・下川商業) 前半ジャンプ16位 64.0点 後半クロスカントリー11位 29分04分4

22位 清水航太(教3=北海道・札幌日大) 前半ジャンプ22位 55.0点 後半クロスカントリー18位 30分52秒4

コメント

傳田英郁(スポ2=長野・飯山)

――きょうの目標はどこに設定していましたか

とりあえず優勝を目標にしていました。

――ジャンプを3位で終えられ36秒差でのクロカンスタートとなりました

練習のラウンドでもう少しいいジャンプができていたのでちょっと残念な部分もあったのですが、3位なら優勝も狙える位置で内容も良かったのでジャンプの結果には満足しています。また1位と2位の選手がクロカンはあまり得意ではないことを知っていたので優勝は狙えるなと思っていました。

――ジャンプを終えた時点である程度勝算はついていたのでしょうか

そうですね、余程のアクシデントが起こらない限りは勝てるかなとは思っていました。

――勝利を確信されたのはいつ頃ですか

(1周2.5キロのクロカンコースを)4周するうちの3周目の後半くらいでもう後ろがいなかったのでもう勝てるかなというのは頭で考えていました。

――3位には山本選手が入りました

ジャンプがあまり調子上がっていなかったのでどうかなと思っていたんですけど、それもいい感じに飛んでくれて、クロカンは実力があって速いので表彰台には食い込んでくるだろうなと思っていたのでそこはチームメイトとして安心というか良かったと思います。

――ご自身の今大会を振り返っていかがですか

個人的にはきょうの試合には満足しています。まだまだ課題はあると思うしこれから試合も続くのでその課題をひとつずつ克服しながらやっていければいいかなと思います。とりえずトータルとしては満足しています。

――今後の目標をお願いします

五輪があってOBの方々が出場されてさらに自分も(五輪に)出場したいという想いが強くなったので、でも今のままだとやはりきついので自分で考えてもっとレベルアップして五輪目指して、そしてメダルをとれるような選手になりたいと思います。